召喚の手違いは世界最強   作:ぬくぬく布団

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仕事で荒んだ心を続編を書いてリフレッシュ!
今話はタイトル通りです
真の神の使徒がヒロイン化する話って殆どないよね~。だったらやっちゃおう!と言った次第で御座います
ミラ様がチートチートするだけのお話しなので、細かい設定や話の流れが強引は許容でよろしくなのです。イシュタルじじぃが大好きな方はキボウノハナーとなりますのでご注意ください

上記が苦手な方はブラウザバック推奨です






ノイントちゃんゲットだぜ!

~ハジメside~

 

光の奔流を受け、光が収まると見た事のない空間が広がっていた。いきなりすぎる出来事に、生徒達はただ茫然としている。殆どの者達が状況が分からず右往左往していると、目の前に居た豪華な装いをした老人が言葉を発する

 

「ようこそ、トータスへ。勇者様、そしてご同胞の皆様。歓迎致しますぞ。私は、聖教教会にて教皇の地位に就いておりますイシュタル・ランゴバルドと申す者。以後、宜しくお願い致しますぞ」

 

イシュタルと名乗った老人は、外見に見合う深い声で歓待の声を上げる。騒めいていた生徒達が落ち着きを取り戻した後、ゆっくりと出来る場所で話すことが出来る椅子とテーブルがある場所へと案内された

煌びやかな装飾に目を奪われながら、上座にカリスマ溢れる天之河と幼馴染達と教師の畑山が座り、後はその取り巻き順で座る。因みに、ハジメと美羅と雌煌は一番後ろに座っている。転移からここまでの案内の際、カリスマ溢れる天之河が混乱する皆を落ち着かせて居る事に教師である畑山は若干涙目になっていたりする

全員が着席すると同時に、執事とメイドがカートを押しながら入って来た。地球の某聖地で位しか見た事がない光景は、殆どの生徒達が目を奪われ興奮させた

 

うわぁ、あれってハニトラが目的だよね。最悪の場合も考えないといけないって事か・・・。油断させておいて奴隷という可能性も否めないから飲食物に手を付けるのはやめよう。美羅姉さんと雌煌姉は―――見向きもしてないね

 

ハジメはメイドに見向きもせず、美羅と雌煌の出方を伺っており当の本人達に至っては、入れられた紅茶を突き返す始末。美羅は雌煌に"念入りに"余程の事がない限りは出しゃばらないという指示を出す。しかし、それが守られるかは不明だ

 

「さて、あなた方においてはさぞ混乱していることでしょう。一から説明させて頂きますのでな、まずは私の話を最後までお聞き下され」

 

イシュタルは、全員に分かり易く簡潔に話す

人間族と魔人族の戦いは均衡を保っていた。しかし、魔人族が魔物を従えてからは劣勢となってしまったので、神のエヒトに頼み状況の打開をしてもらおう。それは異世界からの召喚で、その者達はステータスが高いので魔人族を駆逐出来るだろうとの事

更にぶっちゃけて言うと、魔人族強くなった!神様に相談すると、異世界の勇者を召喚しよう!~~~という事だ

 

「あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々人間族が崇める守護神、聖教教会の唯一神にしてこの世界を創られた至上の神。エヒト様は悟られたのでしょう―――このままでは人間族は滅ぶと。そしてそれを回避する為にあなた方を喚ばれこの世界より例外なく強力な力を持っています。召喚が実行される少し前に、エヒト様から神託があったのですよ。あなた方という救いを送ると。あなた方には是非その力を発揮し、エヒト様の御意志の下、魔人族を打倒し我ら人間族を救って頂きたい」

 

うげぇ、これってヤバイ流れだなぁ。賛成しなかったら、「不敬である!」とか言って異端審問されそうだな。それに・・・いきなり力を手に入れたら大変な事になりそう。絶対に何処かで色欲に走りそうな奴が出そうだよ

 

ハジメは、どんどんと最悪の状況となった場合の対策を考えるものの、この世界にどれだけの信者がいるのか分からない。逃げても数の暴力であっという間に見付かってしまう事を思うとどうする事も出来ない。この場は、何とかしてやり過ごす事を決めた。ハジメが内心でこれからの事を決め終わると、不安や恐怖に戸惑う者達に喝を入れるかの様に、テーブルをバンッと叩いて天之河が立ち上がった

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもないんだ。・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺には出来無い。それに、人間を救うために召喚されたのなら救済さえ終われば帰してくれるかもしれない。・・・イシュタルさん、どうですか?」

 

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい」

 

「俺達には大きな力があるんですよね?此処に来てから妙に力が漲っている感じがします」

 

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から数十倍の力を持っていると考えて良いでしょうな」

 

「うん、なら大丈夫。俺は戦う。人々を救い、皆が家に帰れるように。俺が世界も皆も救ってみせる!!」

 

うん、ちょっと待とうか。天之河君の頭はどうなっているのかが分からないよ。これじゃあ、美羅姉さんの言っていた調子に乗った転移者に当て嵌まるじゃん。くっ!僕にはどうする事も出来ないけど、取り巻きの中でもしっかりしている八重樫さんが頼りだ。頼むぅ!現実を教えてあげて下さい!

 

ハジメの心の中の祈りは届かなかった

 

「へっ、お前ならそう言うと思ったぜ。お前一人じゃ心配だからな。俺もやるぜ?」

 

「龍太郎・・・」

 

「今の所、それしかないわよね。気に食わないけど・・・私もやるわ」

 

「雫・・・」

 

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

 

「香織・・・」

 

取り巻き組も戦争に参加する事に賛成してしまった。周囲も釣られる様に賛同していき、ハジメはこの流れで拒絶するのは人間がやる事じゃねぇ!と思い静かに見守っていると、両隣に座っている美羅と雌煌が大爆笑した

 

「ブギャハハハハハハハ!美羅、こいつら馬鹿だぜ!」

 

「ブフッ!それは見ただけで分かるわよ。あっ、駄目、見てるだけで腹筋が痛くなるわ!」

 

「ちげぇねぇな!おい、こいつらがどれだけ減るか勝負するか?」

 

「賭けになってないじゃない。全滅以外の選択肢なんて無いに決まってるでしょ」

 

「そらそうだわ!賭けにすらなってね~!」

 

生徒達が美羅達に苛立ちの視線を向けるが、二人は更に大爆笑する。「てめぇの姉だろ、どうにかしろよ!」と、鋭い視線がハジメをグサグサと刺し貫くが、雌煌の一言でハジメの受難は更に大きくなった

 

「おうハジメ、お前はあいつらがどうなると思う?」

 

「ちょっ!?」

 

「素直に言って良いのよ?死にそうな馬鹿達から名指ししてあげれば、その馬鹿も「生きなきゃ!」って思いながら行動するかもしれないわ」

 

「えっと・・・え?この空気で本当に言ったら、僕殺されるんじゃないの!?」

 

「大丈夫だって!弟分を殺そうとする馬鹿は、俺が骨一つ残さずに消してやるから安心しろ!」

 

もの凄く物騒な言葉がポンポンと出てくる二人に、ハジメは頬を引き攣らせながら後戻りが出来ない事実に絶望した。何を言っても碌な事にならない―――クラスメイトを取るか、二人の姉を取るか。ハジメの答えはもう既に決まっていた。意を決して口に出そうとした時、美羅のセンサーに一人の女性が引っ掛かった

 

「いや~、召喚されるからどんな世界かと思ったら―――私のセンサーにヒット!」

 

この場に居る殆どの者達は、「こいつは何を言っているんだ?」と首を傾げていた

 

美羅姉さんのセンサーにヒット?この話の流れからすると、最初に亡くなる人かな?それとも全く別の何か・・・美羅姉さんの直感って、重要な何かに引っ掛かるんだよね。それは一体何なんだろう?

 

美羅は、椅子から立って、部屋の隅に立っていたシスターの一人の目の前まで近付き、フードを捲る。美羅程ではないが、整った美貌に男女共に見惚れていた。そんなシスターの肩を掴み、美羅は小さな声で告げる

 

「私の弟分―――ハジメを巻き込んだ関係者だよね?対価を払えば主を延命させるよ?私、何気に怒ってるからね?」

 

シスターは美羅の目を見て魅了を行使しようとしたが、人間の眼とは違う縦長の瞳孔に赤い瞳を直視してしまった。禍々しく、己の全てを見定める眼に体を振るわせる事も出来ない。いや、根本的な問題としての物だった

 

「そっかそっか、感情や欲求が無いお人形さんね?じゃあ、私が貴女に感情を与えてあげるわ」

 

シスターは美羅の言葉を聞いて、咄嗟に離れようとした。だが、判断そのものが遅かった。目を付けられたが最後、喰われる運命だったのだ。肩を掴まれて動く事も出来ず、美羅が懐から出した物―――紅い液体の入った瓶。創られた者とはいえ、それが己にとって劇物であると分かった。美羅が何の躊躇いもなく瓶のキャップを開けると同時に、シスターの本来の主から命令が伝えられた

 

『それを受け入れ、媚び諂い、機を見て弱点を知らせるのだ』

 

創造主の言葉は絶対。シスターは、おとなしくそれを受け入れる事にした。紅い液体を飲み、胃に到達した瞬間に変化が始まった

 

「あ―――あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」

 

美羅の宣言通り、シスターの内面を造り替える。言い知れぬ奔流が体中を駆け巡り、神と繋がっていた糸がブッツリと断ち切られ、美羅へと上書きされる。今まで見た事のない様な景色がシスターの脳裏に刻まれ、それと同時に生まれる想い。やがて悲鳴も収まり、今まで見ていた景色がガラリと変わる。色褪せた寂しげな世界に、煌びやかに色が付いた

一方、不思議な物をシスターに飲ませる光景を見ていた生徒達や教師は、何をしているのか理解出来なかった。しかし、あれはヤバイと本能で感じる事は出来た。だが、それを許さないと意気込む天之河が注意しようとする前に、シスターが美羅の前で膝着き感謝の言葉を述べた

 

「白野美羅様、この無知なる私に感情を与えて頂き感謝致します。変わり映えのしない無色の世界がいきなり色付いた事に戸惑いがありますが、これからは貴女に忠誠を誓います。我が主からは、美羅様の下で一生仕える様に信託を頂きました」

 

最後の言葉については拡大解釈し過ぎだが、嘘は言っていない。美羅に媚び諂う―――ご機嫌取りをしなさいよと言われたが、シスターの主は美羅に切り替わっているので一生仕えるという言葉に嘘はない

 

「名前は?」

 

「ノイントと申します」

 

「ノイントちゃんゲットだぜ♪」

 

教会所属のシスターを引き抜く美羅の行動にハジメは危機感を感じたが、イシュタルの方を見ると、目を剥いて体を震わせていた。「あっ、これヤバイやつだ」と口漏らすが、予想とは違っていた

 

「エヒト様ご本人からの信託だと!?これは素晴らしい!貴女様につきましては教会で何不自由無く生活を保証させて頂きます」

 

イシュタルが保証という甘~い言葉に生徒達が憎らし気に美羅を見るが、本人の答えはというと

 

「え~、嫌よ。私は戦争なんてめんどくさいから参加しないわ」

 

「今何と?」

 

神からの神託という事にもの凄く強い力を持っていると確信していたイシュタルは、生活面を優遇して戦争に参加させようとしていた宛が外れた事に呆気に取られる。すると、雌煌の方からも「俺もめんどくさいからパス」という言葉が告げられた

 

「お、お待ち下さい!?貴女方はエヒト様に選ばれた使徒様です!何卒御考え直しを!」

 

だが、イシュタルの裏の感情を容易に読み取った美羅は、先程まで戦争に参加すると口に出した生徒達の方を指差して告げる

 

「使徒様はあそこに一杯いるから大丈夫でしょ。あそこに居る人達は、戦争に参加しま~すって宣言したんだからさ。あ、神の使徒が~って言うなら、そんな役職要~らない」

 

イシュタルは、激情に狩られて「異端者」と言おうとするが、その前に雌煌が美羅の言葉に賛同する

 

「俺も要らねぇな。つーことで、俺達は神の使徒なんて言う言葉を一切使わねーよ。んじゃあ行くぞハジメ」

 

「え?ちょ雌煌姉!?」

 

雌煌のヘッドロックで豊満な胸に押し付けられつつ、ハジメは美羅の元まで連行される。生徒達は憎らしい視線を、白崎は背後に般若を生み出し、未だに現実に頭が追い付いていない畑山は、「えっ?えっ?」と戸惑っている

そんな彼等の様子を見て、美羅は溜息を吐きつつありのままを告げる

 

「ハジメを貴方達と一緒に行動させるとでも思った?」

 

美羅の言葉に、一早く否定の声を上げたのは白崎だった

 

「南雲くんはクラスメイトです!わた―――」

 

「どうするつもり?」

 

「私が守ります!」

 

白崎の言葉を聞いて、美羅は深い溜息を吐いて現実を突きつける事にした

 

「今まで守らなかった奴の言葉を信じろと?いや、ハジメを傷つける諸悪の根源である貴女が、守るなんて陳腐な言葉を発しないでよ。知ろうともせず、自分の欲求を満たすだけに行動し、相手の事を一切考えないそれが意味不明だわ」

 

「私はそんな事していません!」

 

白崎は、己の行動は間違っていない。ハジメも嬉しいだろうと思って言っているのだろうが、美羅の前でしか愚痴を言えないハジメの本心を知らない。ハジメ本人は優しく否定するのだが、強引に突撃して解決しようとする白崎に嫌気がさしているのだ

 

「じゃあ、学校外にも伝わっているハジメの噂ぐらい知っているのでしょう?学校の近隣住民も、生徒も、教師もが知っている事を口に出して言ってみなさい」

 

「え?・・・噂って?」

 

白崎は本当に何も知らないらしく、周りに噂の事について知ると呆気に取られた顔をした。「勉強を見てあげようとした白崎さんの好意を無下にする酷い奴」という酷い誤解―――白崎は、必死になって弁解しようとするが、生徒達は刷り込みの影響か、「オタクにも優しい白崎さんが可哀想」という結論に思い至った

 

「今までの自分の行動を振り返った事はある?その時のハジメの返答と表情はどうだった?貴女が思う通りなら、とてもいい笑顔をしている筈よね?」

 

美羅の追及に白崎がハジメの方に視線を向けると、ハジメはフイッと明後日の方向に逸らした。それだけで、己がハジメにどれだけ迷惑を被ったのかが分かり顔が曇る。そんな白崎の表情を見た天之河は、ハジメを睨み付けて己が信じる正義を執行する

 

「南雲!お前はなんて酷い奴なんだ!香織の好意を無下にするだけに止まらず、悲しませるなんて最低だ!香織、大丈夫だ。俺が傍に着いている。俺は香織を悲しませたりなんてしない!」

 

天之河は、被害者であるハジメを一方的に悪と決めつけ言いたい放題だ。ハジメが呆然とした表情をすれば、「皆見たか?南雲は無関係だからと言っているぞ!」と言ったり、ドン引きの表情をすれば、「あの顔だ!俺達の事を間違っていると言っている!」等々の言われない罵倒を受ける。しかも、ハジメを虐めていた男子生徒達も天之河に追従する様に、ありもしない事を捏造して罵倒する

しばらくの間、美羅は何も言わずに彼等によるハジメの罵詈雑言を聞く。白崎は、ハジメに悪口を言う彼等に悲しそうに顔を歪め、畑山は、「皆さん落ち着いてください!」と宥めるもヒートアップした熱は収まらなかった。気分が消沈するハジメに、ノイントがソッと手を握る事で落ち着かせようとするも、男子達のやっかみがより一層厳しくなる

 

ドガンッ!

 

ヒートアップした彼等の言葉を遮ったのは、美羅がテーブルの上に足を乗せた音だった

 

「最後のチャンスを提示してあげたのにも関わらず、それに気づいてもいない。・・・貴女はハジメの隣に立つには相応しくないわ。それと、子供教師。一番しっかりしなければいけない立場でありながら、この体たらく・・・この先やっていけるの?」

 

「あ、うぅ・・・」

 

美羅の辛辣な言葉は、畑山の心にグサリと突き刺さる

 

「教師なら教師らしく、もっと威厳を持って厳しい言葉を発しなさい。貴女はハジメを除く生徒達を導く立場である事を再認識して、命の価値が薄っぺらいこの世界で生き抜く厳しさを教える事をお奨めするわ」

 

美羅の長いお説教も終わり、これからの活動方針を計画する

 

「取り合えず、こんな馬鹿達と一緒に行動は御免だな」

 

「異世界に来たんだから観光しないとね~」

 

「私が案内致します」

 

「えっと・・・ノイントさんは、それでもいいの?」

 

「主のご命令ですので」

 

「明るく楽しくハッピーな旅をしよっか!ノイントちゃんは、ハジメの隣に立って支えてあげてね?」

 

「元よりそのつもりです」

 

大勢居る場所で爆弾をぶち込み、男子生徒達の殺意がハジメに向けられる。だが、ノイントがハジメの前に立ってそれらを塞ぐ

 

「つい先程美羅様から感情を与えられた私が何故?と言いた気のあなた達に言っておきましょう。ハジメ様は―――」

 

「ノイントさん、僕の事はハジメって呼んで下さい」

 

「―――分かりました。では、ハジメ、私の事はノイントとお呼び下さい」

 

「・・・はい。頑張ります」

 

話は戻り、何故ノイントがハジメの事を気にかけているのかと言うと

 

「私の心がハジメを守らなければと感じたからです。ハジメは庇護欲?を擽る何かを持っています」

 

要するに一目惚れしたというだけ。感情が無ければ、そんな事は感じなかっただろう

 

「良かったじゃねーかハジメ!」

 

雌煌がハジメの背中をバシバシと叩く一方で、ハジメは生きた心地がしなかった。美羅の言う転移者みたいに、調子に乗っている者の一人に分類されているのではないかと気が気でならないのだ

 

僕の周りに美女が多すぎるっ!ナニコレ・・・小説やアニメで言う所の主人公じゃないか!嫌だ!僕は・・・僕は平和に日常を謳歌したいだけなんだ!美羅姉さんや雌煌姉と一緒に旅するならよかった。だけどっ、もの凄く綺麗なノイントさ・・・ノイントも付いて来るなんて聞いてないよ!?

しかも!神の使徒という役職を放り投げる!?美羅姉さんに雌煌姉が危ない立ち位置になっちゃう!それだけは回避しないといけないのにっ!どうすれば・・・どうすれば良いんだ!?

 

慌てているハジメとは裏腹に美羅と雌煌は、もの凄く楽観している。この世界は脆く、全力全開で暴れたら惑星が焦土―――いや、生物が住めない星となるだろう。それ程までに天敵が皆無―――ノイントから聞いた分解魔法ですら、美羅達の前では無意味と判明

本来は、龍脈と呼ばれるエネルギーを再生と攻撃に変換している。しかし、この世界のエネルギーには魔力という新しいエネルギーが存在している。当然これを見逃す二人ではなく、感覚だけで龍脈エネルギーと魔力を混合させたハイブリットエネルギーを手に入れたのだ。その様な意味不明エネルギーを分解させる事が出来ないので、分解魔法が超チートという訳ではない。・・・ハイブリットエネルギーが超チートというだけだ

話は戻り、怒り心頭のイシュタルが何かを言おうとするが、その悉くを被せて邪魔をする。堪忍袋の緒が切れたイシュタルは、遂に全員に聞こえる形で宣告した

 

「貴様達は神の使命を全うしない異端者である!」

 

イシュタルの宣言により、神殿騎士達がワラワラと部屋の中へ入り美羅達に剣を構える。だが、そんな事をされても動じず、興味無さげに話を続けている

 

「異端者めっ!」

 

騎士の一人が突撃しようとするが、ノイントが懐から三枚の銀色の板を取り出す事で動きが止まる

 

「こちらはステータスプレートと言うアーティファクト―――身分証明書となります。血を擦り付けて頂く事で登録されます。そして、個人の力を数値化で表示されます。この国の一般人の数値はおおよそ10ですので、それを参考にして頂けたらよろしいかと」

 

「おもしれぇな。よっし、ハジメやってみろ!」

 

「えぇ・・・僕から?」

 

雌煌に急かされ、ハジメは指に針を刺して血を一滴ステータスプレートに垂らす。そこに表示されていたのは、悲しきかな

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

天職:錬成師

筋力:10

体力:10

耐性:10

敏捷:10

魔力:10

魔耐:10

技能:錬成 言語理解

 

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これは酷い。戦闘職じゃなく、生産職。しかも一般人レベルのステータスに、ハジメは四つん這いに絶望した

 

「ブッハハハハハハハハ!ハジメのステータス低すぎだろ!つーことは、あいつらは5とかが多いって事だな!!」

 

雌煌の言葉に、天之河がそれは間違いだと反発する

 

「南雲は一番やる気がないから俺達の方が低いなんて事は有り得ない!」

 

この言葉を聞いた雌煌は、「こいつ等って、表面上でしか見てないんだな」と思った事を口漏らす。ハジメは、美羅が計画した訓練を三年間行っているので、この表示はあまりにも不自然だった。だが、ステータス表記が低かろうが、そんな事はどうでもいい。要は自身に見合った力があるかどうかが重要なのだ。テンプレの如く、チート持ちの転生者や転移者の殆どは調子に乗って身の破滅を招くのが殆どだ

 

「アハハハ・・・僕って一般人だったんだ。まぁ、良かったかな?」

 

「さーて、次は俺だな!」

 

美羅や雌煌の身体には針が全く刺さらないので、己の牙で傷を付ける。雌煌がステータスプレートに血を垂らすと、ステータスプレートが雌煌の血に侵食されるかの様にじわじわと深い紫色へと変色していく。そんな変化には気にせずにステータスを見ると

 

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白野雌煌(アルバトリオン) ???歳 女? レベル:???

天職:破壊神

筋力:もう駄目だおしまいだぁ

体力:勝てる訳がない

耐性:ふざけるな!ふざけるな!ばかやろぉおおおお!

敏捷:神は逃げれない 

魔力:神の攻撃はお遊戯・・・オギャアアアアア!

魔耐:攻撃なんて埃だ

技能:全属性適性 全属性耐性 言語理解

 

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「数値化してねぇじゃねぇか!ふざけんなよこらあ!!」

 

雌煌は、ステータスプレートが壊れない程度の力で床に叩き付ける。雌煌のステータス表記が気になったハジメが手に取って見た瞬間、遠い目をして明後日の方向を見つめた。雌煌の次は美羅で、先程の雌煌と同様血を垂らすとステータスプレートが真っ白に変色した

 

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白野美羅(ミラルーツ) ???歳 女? レベル:???

天職:全ての祖

筋力:世界一ィイイイイ!

体力:世界一ィイイイイ!

耐性:世界一ィイイイイ!

敏捷:世界一ィイイイイ!

魔力:世界一ィイイイイ!

魔耐:世界一ィイイイイ!

技能:何でも出来ます

 

ノイントは差し上げますご自由にお使い下さい!絶対に、絶対に敵対しません!・・・消さないでお願いします何でもしましゅ byエヒト

PS.異端認定する輩はこちらで排除いたします(`・ω・´)ゞ ご安心して旅を満喫して下さい

 

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この世界の神エヒトが美羅の下僕となってしまった!

美羅は、つい、「えぇ~、こんな奴が下僕になってもなぁ?」と完全に困った表情をした。取り敢えず、美羅と雌煌の二人に関しては、エヒトは一切手出しをしない。そして、異端認定しようとする輩は全員処罰される事が決定となった。そして案の定、空から光の柱がイシュタルの前に降り注いだ。イシュタル本人に至っては、「おぉ!エヒト様が私の行いが正しいと仰られている!」と勘違いしていた。光の柱から出て来たのは、ノイントと似た神の使徒であり、イシュタルも騎士達も跪いて顔を下げる。そして、彼女が告げた言葉に、彼等は目を剥いた

 

「私はヒルド、主に仕える戦乙女です。此度の要件は―――白野美羅様ご一行を異端認定した愚か者に神罰を下しに降り立ちました」

 

『え?』

 

ボッ!!

 

イシュタルは、何も言う間もなくヒルドによって分解されてこの世から消滅した

 

「貴方方も剣を仕舞いなさい」

 

ヒルドは、美羅達に剣を向けている神殿騎士達を睨み、それを下げさせる。そのまま立ち去るのではなく、美羅の前に跪く

 

「此度の無礼をお許し下さい。貴女方三名に関しましては、我が主より自由な行動をと仰せつかりました。心ゆくまでこの世界をお楽しみ下さい。ノイント、彼の護衛は任せましたよ?」

 

「えぇ、敵対する者が居た場合は絶滅させます」

 

ヒルドは、用件を全て終えたのでそのまま神域へと帰ろうとしたが、天之河が睨み付けながら言葉を発する

 

「イシュタルさんを何処へやったんだ!」

 

この場に居る殆どがヒルドを崇拝し、恐怖している中で問いただす。だが、天之河へと返した言葉は淡々とした冷たい言葉だった

 

「先ほども言いましたが、彼の者は白野美羅様達を神の名の元に異端者として決定を下し、エヒト神はその決定に死罪を言い渡したからです。彼女ら御一行は、我が主の御客人です。本来の予定は、彼女達二名を除いた召喚でした。しかし、結果としては巻き込まれてしまったのです。神の使徒として人類の勝利を導く為の貴方達とは無縁の存在です」

 

「だ、だけど、南雲は違う!南雲はクラスメイトだ。俺達と同じ立場でないとおかしいだろ!?」

 

「白野美羅様が仰られた様に、貴方方は南雲ハジメに対し、嫌悪、嫉妬、憎悪の視線を向けていた者が殆どでした。ならば、仲違いをする可能性を極力少なくして互いに利となる選択が正しいでしょう。白野美羅様達の身内ならば一緒に行動させた方がお二方も喜ばれます」

 

「南雲一人だけ俺達と戦わないのは間違っている!」

 

「彼は戦争に参加するとは発言しておりません。いえ、それを言うならば貴方方の教師である彼女もそうですね。ですが、彼女は貴女方に流される形で参加という流れに呑まれていますので無効です。それに、御二方の個人意思を極力叶える様にとの御命令もあります」

 

天之河は、納得いかない表情をしているが何も言えないでいた。だが、ここで教師である畑山が最後の一文にすぐさま反応した

 

「待って下さい!それでは、彼女達のどちらかが私達の帰還をお願いすれば私達は帰れるという事ですね!」

 

「・・・恐らくは―――ですが」

 

「お願いします。私達を地球に帰す様にお願いをして下さい!」

 

畑山の言葉に、一途の希望を見た生徒達も美羅達に頼み込む。しかし、美羅の返答は決まっている

 

「貴方達は戦争に参加すると声に出して言ったのでしょ?私、自分の下した言葉をすぐに撤回する奴等は大っ嫌いなの。だから、諦めてね♪」

 

そう、彼等は流されるがままとはいえ一度でも「戦争に参加する」と発言してしまっている。よって、帰還の願いを承諾する事は絶対にしない。それこそ、戦争を終わらせたならちょびっと考える程度だ

 

流されてとはいえ、皆参加するって言っちゃったからなぁ・・・。美羅姉さんは有言実行タイプだから、意見をコロコロと変える人の事は大っ嫌いなんだ。僕が特訓をしてってお願いした時も逃げる事は絶対に許さないって言ってたな。・・・まぁ、頑張って逃げなかったけどね!ギリギリのラインを見極められているし、体が壊れない程度で休息を入れてくれるし、飴もあるしね!

 

美羅に興味本位で特訓を~と言ってしまったハジメは、次の日から限界ラインの一歩手前で効率良く特訓していたのだ。常に美羅が目を光らせているので逃げる事は絶対に出来ず、頑張るしかない。だが、頑張ったら頑張った分飴が貰えるのでハジメとしてはやる気が物凄く出るである。因みに、飴は低級モンスターの素材を使った武器や防具―――コスプレすれば、めっちゃ気合入ってる!という程の出来なのだ。ファンタジー大好きオタクのハジメは、走る以外の言葉は無いと言う事だ

ヒルドは、一度美羅達に視線を向けて頭を下げて彼等に特大の爆弾を投下する

 

「我が主の決定に不服の貴方達にある事実を述べましょう。・・・・・御二方の力はあまりにも強大―――それこそ、国を焦土に変える事も造作もない程です。ですが、強大過ぎる力にはそれ相応の代償があります」

 

ヒルドの言葉に続く様に、美羅が追撃を加える

 

「それこそ、魔人族なんて絶滅するなんて容易よ。だけど、その力を使えば周囲一帯は生物が住めない土地になる。貴方達は核爆弾が爆発したばかりの土地に足を踏み入れたいと思う?」

 

ハジメは、核爆弾は誇張しすぎじゃない?と思ったが、美羅のステータスプレートを見た事で全てを察した。破壊神の雌煌もヤバイとは思っていたが、それ以上にヤバイ事を実感した。神であるエヒトが命乞いをする為にステータスプレートに追記している事と、天職の全ての祖と技能の何でも出来るという文字に現実逃避をする事にしたのだ。それこそ、美羅が自重の文字を消し去って破壊する事だけを考えると思うと、惑星そのものが殺される未来が想像出来る。そして、このバカげた存在から教えを乞うている己は、「人間やめてないよね?大丈夫だよね?」と不安が残る

 

「だったら俺達と行動した方が良いじゃないか。その方が安全だし、誰も傷つかないですよ」

 

「誰も傷つかない?ハジメを嫌悪、嫉妬、憎悪を含んだ視線を向ける馬鹿が殆どなのよ?まさか―――自分のクラスで虐めなんてしていない何てふざけた事言わないよね?それに、ハジメの悪い噂を流した張本人が言った所で信用なんて出来ないわよ。私と雌煌がハジメとお弁当を食べる時に貴方は何て言ったかちゃんと覚えてる?」

 

「え?いや、それは関係ないで―――」

 

「私が聞いてるのは、私と雌煌がハジメとお弁当を食べる時に貴方は何て言ったのかを」

 

「今はそんな事関係ないですよ!」

 

「そう―――ねぇ、そこのポニテ少女。貴女、変わらなければ死ぬわよ」

 

天之河からいきなり標的を変更されたポニーテール少女―――八重樫雫は、いきなりの事にビクッと反応し苦虫をかみ潰した顔になった。八重樫の苦い表情に気付いた天之河は、美羅を睨み付けて憤りを見せる

 

「雫が傷ついたじゃないですか!今直ぐ謝って下さい!」

 

「い・や・よ。ねぇ、言葉の暴力って知ってる?」

 

「今貴女が雫にした事じゃないですか!」

 

「さて、私がポニテ少女に一言の忠告だけでこの反応。貴方達は転移後からハジメにどんな言葉を浴びせたか理解しているかしら?罵詈雑言とありもしない噂の悪評を何回言ったか覚えてるでしょ?さぁ、自己申告しなさい。手を挙げて僕が、私が言いましたと」

 

誰も手を挙げない。美羅の言葉の刃を突き立てられたくないから皆が押し黙る中、天之河のご都合解釈が炸裂する

 

「俺達は南雲のいけない所を言っただけで、傷つける言葉は言っていない!皆だってそうだ!直す努力を怠っているから言われているだけだ!」

 

「という事よ。彼等はハジメの事を"全く努力をしない奴"と言っているわ。ねぇ、私はハジメがしっかりと努力をしている事を知っているからこそ、知ろうともせず決めつけている貴方達の言葉の方が言葉の暴力だと思うの。そこの教師もハジメに相談された事があるでしょう?一人の生徒の行動による活動の弊害と被害についてを―――何と言ってハジメを突き放した?「青春ですね~」だって?結局は教師も決めつけで一人の生徒を傷つけたという事よ。その日、ハジメは部屋で泣いていたわ。貴女、これを聞いて自分は生徒を護る教師だと大きな声で言える?」

 

生徒達も教師も黙り込むが、「そんな事は有り得ない」と天之河と虐めっ子達が声を上げて否定する

 

「ヒルド、これ以上の話は平行線です。一度、王国へ行きましょう。私が行っても大丈夫とは思いますが、念には念を入れて同行をお願いします」

 

「分かりました。この話は一度ここで区切り、この続きはまた後日行いましょう。それでは皆様、私の後へ続いて下さい」

 

これ以上の話は平行線になると分かり、ヒルドは彼等を誘導する様に先頭に立って教会の出口へと案内する。尚、落ち込んでいたハジメはノイントが、「大丈夫です。白野美羅様達はハジメをしっかりと見ています。私からはこれから一緒に頑張りましょうとだけしか言えません。ですから、彼等の様に決めつけたりしないので安心して下さい」と慰められて、多少気持ちが楽になった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




悪神エヒトの精神にダイレクトアタァアアック!そして、ミラによって兵士の一人を掻っ攫われる!
やったねハジメ君!絶賛主人公しているよ!
ノイントちゃんって兵士の役割だよね。でもさ、シスター姿も見たいじゃん?作者の妄想が炸裂しちゃったのよ
そして、胡散臭いジジィは消毒よ~♪
自分より圧倒的に強い者が居たら皆はどうする?死ぬ要因となる何かを排除する事でしょう
悪神エヒトは延命に成功!取り敢えず、今の段階では死ぬ事はない。あの手この手で魔人族達にも手を出させない様に説明をがんばりゅの。今まで感じた事のなかった焦燥感が悪寒を大量生産!頑張れエヒト、敗けるなエヒト、ブラック社畜よりマシだ!・・・・・多分

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