召喚の手違いは世界最強   作:ぬくぬく布団

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ぶはぁ・・・イベントも何もかも放り投げで息抜きしてやらぁ!
と、いう訳で遅れながらの更新です



それではどうぞ!










諦めが肝心

~美羅side~

 

ヒルドに案内され、移動床に乗り込み王国へと入国した美羅達はハジメをどうするかを決めていた

 

「美羅、ハジメをハンターにしようぜ!」

 

「冒険者と言いたかったけど、雌煌の言う通りね。テンプレなんて在り来たりすぎてつまらないしからね!と言う事で、ハジメはメインでハンターで副業という形で冒険者デビューといきましょう!天職も相性バッチリだから、何も心配しなくても良いわよ?」

 

「そして、俺と戦「させるわけないでしょ」(´・ω・`)マジカヨ」

 

ハジメの改造計画をあれこれと立案する美羅と雌煌の後ろでハジメはガックリと項垂れている。ハジメは悟ったのだ。自分が拒否しても鍛えられてしまう未来に。げんなりしつつも、美羅に頼み込んで新しい武具という飴を貰える様に頼み込む事にした

 

(そういえば、僕ってどのくらい強くなってるのか分からないな。・・・美羅姉さんにいつも飛ばされているし、トレーニングで倒れそうになるしで分かんないや。学校ではそれなりに抑えてるからある程度は把握しているけど、クラスメイト達はこの世界に来てから力が漲るって言ってたけど、僕はそんなこと全然ないからなぁ)

 

この世界に来た時、エヒトの干渉によって力を底上げされた彼等とは違ってハジメだけ対象になっていなかったのだ。いや、エヒトは干渉したら傍に居る二人に己が消される未来を幻視した為に手を出さなかったのだ

 

(美羅姉さんが僕をハンターにするっていう事は、製作していた武器と防具が出来たって事かな?確か、鉱石を使った見た目重視の片手剣って言ってた様な・・・。後は、レザーの防具―――革製品だったな。動きやすく、初心者にはうってつけで、そこそこの防御力もあるって言ってたな。これって絶対普通の革じゃないよね?異世界産をふんだんに使った物だろうな)

 

話は変わって、現在は歓迎パーティーの真っ最中である。だが、美羅達に関しては不参加で兵舎横の訓練場へ来ている。騎士達はパーティー会場の警戒に当たっている為一人も居ない

月夜に照らされる中、美羅が亜空間からハジメへとプレゼント(強制)を渡す。それは、ハジメの予想通りだった

 

「は~い、今までハジメが頑張って来たご褒美よ。早速着替えて動きをチェックするわよ!」

 

新米ハンター御用達の装備の一つ、レザーシリーズの防具だった。ハジメは、美羅達が見えない影に行き着替える。だが、原作のハジメとは違い無駄のない筋肉が宿っているのだ。レザー防具を身に着けたハジメは、自分の格好を見て笑顔になっている。今までの鬱憤が浄化される位嬉しい出来事なのだ

 

「格好いい。革の装備は防御力が低いって思ってたけど、これ・・・滑らかなのに叩いても衝撃が少ない」

 

「でも、レザーだから鉄程硬くないわ。その場しのぎだけど、なんとかなるでしょ。それと、はいこれ」

 

美羅から手渡された武器は、先端部分がモンスターの爪の様に反った剣―――ハンターカリンガ。初心者として訓練所でお世話になる武器の一つで、これは骨を研いで形作られた一品である。そして、もう一つはルーキーナイフという鉱石を使用しつつ、軽量を目指して作られた短剣だ。因みに、小盾に関しては骨と鉱石を混合させて作られた頑丈を第一とした物である

 

「ほー、ハンター達が必ず通る道(※訓練場)で使用される武器か。そのナイフについては不安はないんだが、骨の方は大丈夫なのか?」

 

「それに関しては大丈夫よ。量産品の剣を受け止めても傷付かないわ。パッと見た感じだけど、騎士達が使用している剣でも受け止めれる」

 

「精錬技術がそこまで高くないのかな?」

 

「そこまでは分からないわ。でも、皆が技能頼り―――職人が少ないという事よ」

 

「切磋琢磨する人の人数が限られてる感じ?」

 

「これは推測だけど、生産の天職持ちでも活かす機会がなくて埋もれているのよ。素材が無いと試す事すら出来ないし、生活が窮屈している人が多いわ。さっきこの近辺を見たけど、スラムらしき暗い場所があったわ」

 

本当に馬鹿ばかりの国ね。磨けば光る原石があっても、最初から綺麗な原石があれば無視をする・・・人の可能性を完全に潰しているわ。ノイントちゃんに聞いたけど、種族間の歪みが酷過ぎる。交流すらしていないという事は、彼等がどの様に生活しているかも分からず、種族に応じた長所を知ろうともしないのよね

 

美羅は敢えて口には出さないが、人族至上主義を掲げるこの世界を嫌悪している。美羅は、この理不尽な格差を無くそうと努力しない亜人族が嫌いだ。だが、そんな彼等を奴隷にして悦に浸る人間も嫌いだ。互いが競い合い進化する事こそ一番輝くのが人である。そこに種族の差はない

 

人族、亜人族、魔人族ねぇ・・・。他にも絶滅した種族が居るとは聞いたけど、神が手を下したかぁ~―――いっその事殺るか?

 

美羅が物騒な事を考え、少ししてステータスプレートが震えたので見てみると追記がされていた。見れば、『・・・神として崇められてるけど、人間の力の壁を越えた魂だけの存在だとバレると世界中が大混乱するから仕方なく手を下した』との事だった。美羅は、直ぐに興味を失くしてハジメの事について考える事にした

 

どうっしよっかな~、この世界には魔物が居るって言ってたから入門編という形で狩らせようかな?ステータス表記については神が余計な事をしなかったという事でしょうね。まぁ、手を出していたらこの星諸共雷撃を降らせていたけれど

 

いつの間にかこの星の未来も天秤に乗せられていた事にエヒトもびっくりするだろう

 

「さて、私達は明日から行動開始するわよ。先ずは冒険者ギルドに行って登録よ」

 

「冒険者ねぇ~。ハンターの奴等よりキチ外じゃないだろうな」

 

「ハンターってそんなに凄いの?」

 

美羅と雌煌は、ハンターのぶっ壊れ具合を懐かしむ様に思い出し、ハジメはそんなに凄いのかと不思議に思っていた。ハジメ達が聞いた話は大雑把で、モンスターが蔓延る世界。自然と人間が共存して互いが生きていく為に、試行錯誤しながら片方が優勢な状況にならない様にしている。その中でも、ハンターと呼ばれる者達がバランスを保つ為に狩をしているとだけ聞いただけだった。後はモンスターの姿のスケッチや、大自然の風景等々位だ

 

「ハンターは・・・・・ぶっちゃけて言うと人外よね」

 

「そうだな。他人から見れば、あれ人間だよな?って突っ込むレベルだ」

 

「ちょっと待って、僕をハンターにするって言ってたよね!?僕がそんな人間になるの!?」

 

ハジメは物凄く不安になった。自分が人間の枠組みを超え、化け物としか言い換えようがない存在になるのは嫌だったからだ

 

「えっと、大丈夫よ?ハンターの中でもごく一部の人間だけだからね?」

 

「ほっ」

 

「だが、この世界で生きていける位の自力を付けさせるからな?」

 

「・・・マジですか」

 

「この世界には魔法もあるみたいだから戦闘の幅は大きいわよ。さて、ノイントちゃん。ハジメが得意とする魔法ってある?」

 

美羅はノイントにハジメの魔法適正について質問したのだが、ハジメの方を見たノイントは申し訳なさそうな表情をしつつありのままを伝える

 

「その・・・ハジメの適性魔法は錬成以外ありません。生活に使用出来る最低限度の魔法・・・行使だけなら恐らく」

 

ノイントの言葉を聞いたハジメは、ガックリと膝を付いて落ち込んだ。ノイントは、自分が正直に言った事で傷付いたハジメを介抱して心を癒す

 

「う~ん、これはまた・・・ねぇ?」

 

「ああ、錬成だけに特化させた方が良いだろうな」

 

美羅と雌煌に関しては、錬成に特化させて武装を修復させながらの戦闘スタイルが良いだろうと決定した。こうして夜は過ぎ、美羅達は翌日の朝早くに冒険者ギルドへと向かった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

―――おおよそ二週間。冒険者ギルドに登録し終えた美羅達は、大迷宮と呼ばれる場所に徒歩で向かっていた。尚、その途中で出会う魔物をハジメに倒させていたりする

 

「これで終わりだ!」

 

ザシュッ!

 

錬成で魔物の足を止めて、急所を一突きの確実性を重視したスタイルで討伐している

 

「錬成って何気に便利ね。修復だけかと思いきや、動きを封殺する事も可能。ステータスの低いハジメにとってありがたい技能ね」

 

「だが、倒し方が一辺倒ってのが駄目だな。あれじゃあ、いざって時に動けねぇぞ」

 

「今は良いのよ。迷宮だっけ?そこでなら一番特訓が充実するわ。聞くところによると洞窟で、暗く、狭く、挟まれたら逃げれないってね」

 

美羅姉さんが怖い事言ってるよ・・・。僕はそんなにギリギリの命のやり取りはしたくないんだけどな。何事も命を大事にが重要なんだ

 

ハジメの言う事も間違いではない。命あっての物種なのだが、最低限でも命の危機という場面は一度でも良いから体験しておくべきだと美羅は思っている。そうすれば、生き抜く為の体の動かし方や考えを身につけれるからだ

 

「ハジメ、今の内にトドメを」

 

「あ、うん。ありがとう」

 

ノイントがステータス任せに抑えている魔物の急所を一突きして倒す―――寄生のパワーレベリングだ。ハジメ自身、情けないと思いつつも今よりも強くなる為に魔物を倒す

 

「おうこらハジメぇ!寄生プレイやってんじゃねえ!」

 

「ノイントちゃんは過保護だねえ~」

 

「雌煌姉様、今のハジメでは一対多の集団戦は無理です」

 

「男なら気合でどうにかなる!」

 

「ならないよ!?」

 

さて、絶賛寄生レベリング中のハジメのステータスはこの様な感じだ

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:5

天職:錬成師

筋力:20

体力:20

耐性:20

敏捷:20

魔力:20

魔耐:20

技能:錬成[+高速錬成] 言語理解

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

雌煌の気合でどうにかなるというのは、今のハジメでは不可能だ。それでも気合~気合~と叫んでいる雌煌は、美羅の拳骨で沈黙した

 

「まぁ、雌煌の言いたい事も分からなくもないわ。自力の底上げは、ギリギリの戦いで魔物を倒した際に得られるものよ。ちょっと待ってなさい」

 

そう言い残すと同時に、美羅はその場から消えた。今まで一緒に生活していたハジメは、これから何が起こるか察した

 

「嫌だあああ!美羅姉さんが用意した魔物と一対一で戦うなんてキツイよ!」

 

「美羅姉様の用意する魔物ならば、ハジメの戦闘力を考えて用意するのでは?」

 

「ノイントは何も分かっていないっ!美羅姉さんはいっつもギリギリで出来る物を用意するんだ!・・・気を抜いたら死ぬかもなぁ」

 

「大丈夫です。その時は私が魔物を倒します」

 

「その優しさが僕の心に染み渡る」

 

ハジメの心を癒すノイントだが、その時間は早々に終わる。美羅が背丈程の大きさの熊を抱えて帰って来たのだ

 

「・・・美羅姉さん。もしかしなくても・・・その熊を倒せと?」

 

「さぁ、逝きなさい熊吉!ハジメを殺さない程度で攻撃しなさい!」

 

「グ、グォオオオオオ!」

 

熊型の魔物は言葉を理解していないのだろうが、美羅の存在と野生の本能でハジメに襲い掛かる

 

「ヒィッ!?」

 

右腕の大振りを回避して、距離を取ったハジメ。美羅が調教しているとはいえ、当たり所が悪ければ死んでしまう事に緊張して動きが鈍く思考が上手く回らない。だが、ここで何も出来なければ本当の役立たずだ。ハジメは、震える手足を叩いて喝を入れる。腰に挿したルーキーナイフを手に持ち、必死に相手の動きを観察する

 

今動かなくて何時動く!この中で一番弱いのは僕なんだ!もしもの時に備えて美羅姉さんが用意した試練なんだ。落ち着け、落ち着くんだ。相手は大振りの攻撃ばかりしている。・・・あのゲームみたいに、森の青熊さんに似た隙が大きい攻撃を対処するだけだ。真正面から盾で受けるのは絶対にしちゃいけない!腕の振り降ろしを流す様に添える感じで防ぐんだ!

 

徐々に冷静さを取り戻したハジメは、今までの特訓で積み重ねた足捌きで攻撃を避ける。一方で、死にたくない熊は、ハジメを倒そうと大振りの攻撃ばかりを繰り返す。ノイントは最初の方はどうなるかとハラハラしていたが、ハジメが立て続けに回避をする様子を見て少しばかり落ちついた。美羅はハジメの一挙一動をしっかりと観察している

そして、熊型の魔物が大振りの横なぎの攻撃をしたと同時に、ハジメは少し屈んで魔物の腕の下側に盾を滑り込ませて上にかち上げた

 

「うぉおおおおおおおお!どっせいっ!!」

 

重心が崩れた魔物は、態勢を整えようと数歩後退る。ハジメはそれを見逃さず、盾を魔物の鼻先にぶち当てて仰向けに転ばせた

 

今だっ!僕は急所を的確に攻撃出来る程技術がある訳じゃない。致命傷で時間が経てば必ず死ぬ場所―――喉を貫く!

 

ハジメは、盾で攻撃した勢いを殺さず、熊の喉に向けて全体重を込めたナイフを刺し穿つ。ナイフの切れ味は良く、熊型の魔物の喉をズブリッと刺し貫いた。ナイフを抜かず、そのまま熊型の魔物から離れてもう一つ挿していたハンターカリンガを持って警戒を厳にする

 

立つな・・・立つなよ。喉を貫いて呼吸が出来ない筈だ

 

ハジメの希望としてはこのまま立ち上がらずに死んで欲しいと願ったが、そう簡単に物事が進む訳がない。熊型の魔物は立ち必死に喉の異物を取り出さんとしているが、深々と刺さったナイフは容易に抜く事は出来ていない。このまま何もせずとも熊型の魔物は死ぬだろう。しかし、それでは美羅から魔物の追加をされるだろうと感じたハジメは、ハンターカリンガの切っ先を脳天目掛けて振り降ろす為に近づく。当然、相手もハジメが近づいて来る事に気付いて、最後の力を使って突撃する

 

やっぱりこうなるよね・・・でも、それは想定済みだ!

 

「錬成!」

 

相手の手足を封じるのではなく、少しだけ地面を陥没させるだけ。だが、全力で走っている相手は直ぐに止まる事が出来ずに、手が陥没した地面に入って盛大に転げる。ゴロゴロと転がり、勢いもなくなって止まったが最後―――ハジメが全力で武器を振り下ろした

 

ズブッ!

 

爪の様な鋭利な先端が頭蓋骨を貫通して脳天に突き刺さり、熊型の魔物は絶命した。呻き声すら出させずに倒し終えたハジメは、もう一度相手の脳天にハンターカリンガを振り下ろして確実に息の根を止めてから大きく息を吐き出した

 

「ぶはぁああ~~~~!ハァハァハァ・・・やっと倒せた!」

 

魔物に突き刺さった武器を取り納刀すると、ノイントがハジメの元まで駆けて来た

 

「ハジメ、怪我はないですか?」

 

「うん、大丈夫。魔物の攻撃は当たらなかったから大丈夫だよ」

 

「そう、・・・良かった」

 

ノイントは安堵して微笑み、ハジメがとても心配だったという事が分かる。そしてハジメは、ノイントのいきなりの微笑みに顔を真っ赤にしてサッと美羅の方に視線を向けた

 

ノイントの微笑みが可愛かったっ!天然か!?クソッ、僕はチョロくないぞ!ほ、惚れてないからね!

 

そんなハジメの様子を見て、美羅はニコニコと良い笑顔をしながらやって来た

 

「ハジメが青春しているわ。これで両親に大手を振って、「彼女が出来ました」と宣言出来るわね」

 

「やめてよ!?父さんと母さんが知ったら弄ってくるじゃん!」

 

つい最近各種欲求、喜怒哀楽を知ったノイントからすれば、彼女という言葉を理解していない。だが、ハジメに関する何かというのは分かったので、ハジメにその事を尋ねる

 

「ハジメ、彼女?とはどういう意味ですか?」

 

「えっ・・・。いや、・・・えっと~」

 

男であるから言いにくく、言葉を詰まらせてどうにか話の流れを変えようとするが、美羅がありのままを伝える

 

「ぶっちゃけて言えば、お嫁さん候補よ!」

 

「美羅姉さあああああああんっ!?」

 

「お嫁さん?・・・ハジメと私が結婚するという事ですか?」

 

「それで合ってるわよ」

 

「ですが・・・私は造られた人形なので子が成せません・・・・・」

 

ノイントの独白により重たい空気になった

 

ノイントが造られた存在?そういえば、イシュタルを消したヒルドだったかな?あの人と瓜二つだったよね。戦乙女とも言っていたから、ノイントも同じ?

 

ハジメが色々と考察していると、案の定、美羅が物騒な事を言い始める

 

「かぁ~っ、つっかえないな~。エヒトの野郎ぶっ殺そうかな?」

 

「ダニィ!?神擬きをぶっ殺すなら俺がやるぞ!」

 

あ、美羅姉さんの拳骨で沈黙していた雌煌姉が目を覚ました

 

二人はどの様にエヒトを無残にぶっ殺そうかとあれこれ相談していると、不意にハジメのステータスプレートが震えた。ハジメは、不思議に思ってステータスプレートを覗くと

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

南雲ハジメ 17歳 男 レベル:7

天職:錬成師

筋力:50

体力:50

耐性:50

敏捷:50

魔力:50

魔耐:50

技能:錬成[+高速錬成][+遠隔錬成] 並列思考 言語理解

 

すいません!すいません!すいません!私を殺そうと画策しているお二人を何とかして下さい!ノイントの身体が子を成せない様にしているのは理由があるんです!!ほら・・・子供を成したらいざって時に動けないでしょう?一旦こちらに預けて頂いたら、半日もせずに子を成せる体にしますので・・・どうか、どうかっ!助けて下さい!!byエヒト

 

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

うわぁ・・・とうとう神様が僕に懇願してきたよ。う~ん、流石に星に住めなくなったら危険だよね。・・・姉さん達を落ち着かせよう。べ、別にノイントの為じゃないんだから!

 

ハジメは怯えつつ、画策する二人の元に近づいて落ち着かせようと行動する

 

「まぁまぁ、姉さん達落ち着いてよ。ついさっきだけど、何故か神様が僕宛にノイントの身体をどうにかする事が出来るって言って来たよ」

 

すると、美羅は少しだけ考えつつ舌打ちをしつつ神殺しを取り下げ、雌煌は中止された事に不満一杯の表情をしていた

 

「今回はハジメの言う事に引いてあげるわ。でも、ノイントちゃんに変な事したら―――神域を木端微塵にしてやるわ」

 

「おっ、良いなそれ。俺が直接乗り込んで、全力ブレス撃ち込んでやるよ!」

 

「雌煌が全力ブレスしたら、下界まで住めなくなるでしょ」

 

「・・・あぁ、そういやこの星って柔いんだった」

 

「分かってる?ハイブリットエネルギーになった事で威力がとんでもなくなってるのよ?物理攻撃ならいざ知らず、そういったエネルギー攻撃は厳禁よ。核爆弾の数百倍の威力なんだから」

 

美羅の最後の言葉―――核爆弾の数百倍の威力という言葉に、ハジメはもしもの事態を思うとゾッとした。二人が暴れない様にするには、己の説得によって結果が変わるという事だ

 

もうさ・・・僕にこの星の命運を背負わせないでよ。僕は死なないかもだけど、その他の人は死ぬじゃん

 

ハジメは、げんなりしつつも頑張って二人に星を殺さないように説得しようと心に決めた。住まう人々に関してはどうかは、二の次だ。住めなくなる場所が出て来るだけで、生きていけない何て事はないので大丈夫だろうと割り切る事にした

 

「そうだ。エヒトだっけ?あれに関しては神様と言わなくていいわよ」

 

「え?どうして?」

 

美羅による神様講座が始まった

 

「神とは、人間に扱えない超上の力を扱う者―――と言いたいけど、それは違うわ。私個人としての神様の在り方は、あまり下界に干渉せず眺めるだけの存在よ。行動するのは、星の危機か、自然のバランスを取ったりする事だけよ」

 

それを聞いたハジメは、下界に干渉しまくるエヒトは神様じゃないと理解した。だが、超上の力を行使しているので、それはそれで神様的存在じゃないのかとも思っている

 

「顔に出てるけど、エヒトは人間の枠組みを超えただけの者よ。時空と、創造に関した力を持っているだけ。しかも、創造と言っても人間に近い存在を造れるだけ。この世界の者達は創造神とか言っているけど、エヒトにビックバンを起こせる程の力を感じないわ」

 

あぁ、なるほどな―――とハジメは理解した。しかし、そんな事を言ったらどうして美羅がその力を感じ取れるのかが分からない。いや、美羅が創造神と同じ位の力を持っているなら、どうして地上で行動しているのかが分からなかった

 

「さて、エヒトがノイントちゃんを人間にするなら私は手を出さないわ。って事で、半日以内にやりなさい?」

 

ハジメを他所に、美羅は天に向かって言葉を投げ付けたと同時に、光の柱が降り立ちノイントを包んだ

 

「それでは行って参ります。ハジメ、少しばかり待っていて下さい」

 

「あっ、うん。行ってらっしゃい」

 

光の柱は消え、美羅と雌煌とハジメの三人だけとなった。そこで、ハジメは物凄くぶっちゃけた質問をする事にした

 

「正直に言うけど、美羅姉さんが神様の中でも上級の力を持っている事は分かった。だけど、どうして下界に降りてるの?どうして僕と一緒に行動しているの?」

 

「それは―――」

 

何か重大な理由があると、ハジメは思っていた。だが、帰って来た言葉はただ簡単な言葉だった

 

「私は神じゃない!そして、地球に居るのは料理が美味しいから!ハジメと一緒に居る理由は、主人公属性を感じたからよ!」

 

「美羅姉さんが神じゃないってぇ・・・。雌煌姉は破壊神だよね?」

 

「それは天職であって、本当の事ではないわよ。それに似た力と考えを持っているというだけ。ハジメだってそうよ?創作物が好きで、武器とかそういった物の細部を勉強していたでしょ?」

 

「あ・・・あぁ~、なるほど。言われてみれば確かに・・・・・ん?それだと美羅姉さんは」

 

「君のような勘のいいガキは嫌いだよ」

 

微笑みでハジメを黙らせた美羅は、手からバチバチッと赤黒い小さな雷の球を二つ生み出してフヨフヨと周囲に浮かべて遊ぶ。ただ、ハジメはその球を見てヤバイと感じた

 

うわぁ~・・・赤黒い雷を生で初めて見たなぁ。写真でしか見た事がないし、威力なんて分からないよ。でも、絶対に分かる事は一つ―――当たったら炭化するか、影だけが残るんだろうな

 

すると、雌煌が何処からか持って来た魔物に向けて一つを放り投げた

 

「は?ちょまっ!?」

 

手に持った魔物を話す間もなく、球が魔物に着弾した

 

ドガァアアアアアアアアアア!!

 

七つの球を集めるアニメの戦闘シーンに使われる爆発が似合うだろう。キノコ雲までとはいかないものの、大きなエネルギーがその一帯を包んだ。ハジメは美羅が首根っこを掴んでいるので傷一つ負わずに済んだが、巻き込まれた雌煌は、クレーターの中心地でヤムチャしていた

 

「雌煌が死んだ!」

 

「この人でなしぃいいいい!」

 

ハジメが渾身のツッコミを入れるが、美羅は飄々としている

 

「ぐ・・・おっ・・・こんのクソ野郎ーーーーー!今日という今日こそは許さねえぞ!」

 

雌煌が美羅へと振り向いた瞬間、走って近付く美羅にサッカーボールの如く空に蹴り上げられた

 

「クソマァ!?」

 

「てぇいい!」

 

ポーヒー

 

「じゅうえんっ!?」

 

二発目の雷球が雌煌の腹部に直撃して、空中に押し上げて炸裂―――花火の様に綺麗に爆発した

 

「た~まや~!」

 

「  」

 

家でも雌煌姉は美羅姉さんに叩かれていたけど・・・この異世界に来てからはもっと過激になってる・・・。人間花火って怖いね

 

美羅によって、地球に居た時よりも過激な理不尽な攻撃をされる雌煌にハジメは黙祷して、何故過激な攻撃をしているのかを美羅に問うと

 

「地球で色々やらかした分の鬱憤晴らしよ?」

 

あぁ、なるほど。確かに雌煌姉はやらかしていたね・・・。お皿割ったり、食費を爆上げしたり、挙句の果てには美羅姉さんの作った作品を御釈迦にしたり・・・・・あれ?そう考えるとこれは正しい攻撃なのか?

 

ハジメの思考がどんどんと汚染されていると、かなり早く天から光の柱が降りてノイントが帰って来た

 

「ただいま戻りました。・・・しかし、雌煌姉様が顔から地面に埋まっているのはどういう事なのでしょうか?」

 

「おっ、ノイントちゃんが帰って来た。エヒトも仕事熱心だねぇ~。あぁ、雌煌は地球に居た時に色々とやらかした罰を与えただけだから気にしなくても大丈夫よ」

 

「そう・・・ですか。美羅姉様がそう言うのなら仕方がありません」

 

ハジメはノイントを心配して、体に違和感がないかを尋ねる

 

「話は本題に戻るけど、体の調子はどう?」

 

「大丈夫です。寿命はありませんが、ちゃんと子を成せる体になりました」

 

「そっかそっか~、これでハジメの寿命を永遠にすれば万事解決ね!」

 

止めてよ・・・。僕は人間を辞める気はないよ?・・・そっか、ノイントは最初から寿命がなかったのか。でも、子供を成せる体になったのは良かっ・・・・・あれ?僕の外堀埋められてない?

 

改めて冷静に考えたハジメは、着実に将来の外堀を埋められている事に気が付いた。ハジメ自身、押しに弱い事は知っていたが、ゆっくりと、静かに事を運ばれている事に気付かなかったのだ

 

「ちょ、ちょっと待って!もしかして、僕はノイントとお付き合いするの!?」

 

「え?ノイントちゃんはハジメの事を少なからず好意を持ってるのよ?ハジメも自覚はしていないけど、ノイントちゃんに好意を持っているじゃない。最初はお友達から~と言っても、彼氏彼女の関係に発展する可能性は大きいの。それとも、クラスメイトの中に好きな人が居たの?」

 

「それはない」

 

ハジメは即答した。考えるまでもない―――自分を快く思っていない者が殆どと、嫌がっている事に気付かず突撃して来る者と、悪評を広めたりイジメる者ばかりだからだ。正直、彼等と離れて自由に行動する事が出来ているこの現状は、とても心休まる時なのだ

 

「僕は自己主張が上手く出来なかった。・・・あの中に居たら何をされるか分からないから、今が一番楽しいよ。それに、クラスメイト達に勇者召喚されたらいいのにと心の中で思っていたし・・・」

 

本音をぶちまける事が出来るこの場所に感謝しかなかった。ハジメは、ノイントが自身に好意を持っている事には驚いたが、深い関係になるには躊躇いがあった。綺麗な女性と一緒に居る平凡な男とくれば、大抵の者達は嫉妬で何かしらの行動を起こすだろうと予想しており、絡まれる事が嫌なハジメとしては避けたいのだ

 

「ん~、ノイントちゃんと居る事で、妬みがハジメに向く事が嫌なのね」

 

「大抵の奴等は威圧すれば引き下がるだろ?」

 

「物理で黙らせるのもいいかもしれません」

 

復活した雌煌も参加して、三人で馬鹿をやらかすかもしれない者達の制裁方法が決められた。物騒な事をすれば物理で黙らせ、人質等の搦め手を使えばより凶悪な物理で二度と歩く事が出来ない体にする等と決定した

 

僕・・・もう知らない。美羅姉さんの言う通り、小さな事で絡む奴らが駄目だったと割り切ろう

 

一途の不安を残したが、それは仕方がない事だと割り切って遠くに見える町へ入った。その町の名はホルアド―――反逆者が作り上げたという大迷宮がある場所だ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




エヒトは徐々に人だった頃を思い出して行く程二人に恐怖しているのです
もしも身体を持ってたら・・・一気に禿げていただろう
そして、ノイントちゃんは表情豊かになりつつある。ハジメは外堀を埋められているので、ノイントとお付き合い待ったなし!早くイチャイチャさせたい!
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