召喚の手違いは世界最強   作:ぬくぬく布団

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PSO2のイベント期間終了。これからは真面目に執筆するよ(;^ω^)
今回はタイトル通りハジメが人間やめちゃいます。人間やめたくねぇと言っていた本人の意思は何処行った?と疑問に思うでしょうけど、そこは気にしないでね?







真のオルクス迷宮~、ハジメが人間やめちゃうよ!

~美羅side~

 

いやっふぅ~♪ハジメを貶す馬鹿達とは二度と関わらないという制約最高~!」

 

「美羅姉さん、心の声が漏れてるよ」

 

「いやいや、美羅の言いたい事も分かるぜ?あんな奴等と関わる事が無いなら最高だな!」

 

「彼等は現実を見ていませんから」

 

オルクス迷宮を進む美羅達は、道中に現れる魔物を千切っては投げを繰り返して殲滅。ハジメも、錬成とノイントの補助で魔物を倒して着実に成長している

90層を難無くクリアし、最下層の100層へ到着した美羅達の前にあったのは大きな石板だった。そこに書かれている内容は、"六つの証を持ちし者にだけ扉は開かれる"というキーワードだけだった

 

「何だこれ?」

 

「証って?」

 

「ボーナスステージの入口って事かな?ノイントは何か分かる?」

 

「・・・すみません。私達は基本神域の外には出なかったので分かりません」

 

ノイントですら何も知らないので、どうする事も出来ない。―――だが、それは常人限定だ。ここに居るのは理不尽を沢山詰め込んだ美羅には関係ないのだ

 

「ん~、この下から水の流れる音が聞こえるわ。・・・進むには穴を開ければ良いという事ね!」

 

「この迷宮の制作者には申し訳ない」

 

美羅は小さな雷球を、石板の下に放り投げ―――

 

ドッゴォォォォォォォォン!

 

巨大な穴が開き、下層へと続くいていた。だが、美羅が開けた穴は徐々に修復され始めていたので、ハジメの首根っこを掴んで強引に突入した。美羅達が下層へ降りたと同時に穴も元通りとなったが、石板だけは修復されなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~ハジメside~

 

ザァァァァァァ

 

美羅達は、川の水が勢いよく流れる横の道に降り立った。しかし、この下層の空気は上層よりも冷たい事にハジメは思わず体を震わせる。これは気温が低いわけではない。上層で倒した魔物達が可愛く見える位の力を持った魔物達が居る事を直感で理解したのだ

 

「こ、ここは・・・ヤバイ」

 

「ハジメ、大丈夫です。危険な物は分解して排除するので安心して下さい」

 

一方、美羅と雌煌はまだまだ生温いと言った感じでのほほんとしていた

 

「上層に比べたら強いのはわんさかいるけど・・・どれもノイントちゃんの脅威にならないわ」

 

「おっ、足が異様なウサギ発見!てめぇの肉は上手いのか?」

 

運悪く雌煌に発見されたウサギさんはロックオンされてしまった。あっという間に距離を詰められたが、逃げるのではなく反撃してきた。だが、悲しきかな・・・ウサギの渾身の蹴りが雌煌の顔に直撃しても全く効かず、足首を掴まれて捕縛されてしまった

雌煌の眼は絶対強者の捕食者だった。ウサギは震え、涙を流しつつ己の運命を受け入れ抵抗しなかった

 

「ウサギ肉だぞ!テレビで美味いって言ってたから楽しみだぜ!」

 

「・・・そのウサギ泣いてるよ?」

 

「弱肉強食だ。弱いこいつがいけないんだよ」

 

「せ、せめて苦しませずに息の根を止めてあげよう?」

 

「どうする?焼く?」

 

「おう!」

 

美羅の、「取り敢えず血抜きをしましょう」の一言と同時にウサギの首は飛び、血がドバドバと溢れ落ちる。川の水に入れて血抜きを重点的に行い、獣臭さを取っていく

 

「ん、これで残るは解体ね」

 

「・・・ナイフ持ってるから僕がやるよ」

 

ハジメは、「せめて美味しく食べられますように」と念を込めながらウサギを解体。美羅の助言を聞きつつ、食べられる部分をより分けて完成。肉の一つを美羅の雷でこんがりと焼き、雌煌が一口―――

 

「まっず・・・おえっ、ポンデトカゲのスポンジよりかはマシだが・・・ほんの少しだ」

 

「食べたくないわね」

 

「美羅も食べるだるぉお?」

 

雌煌が美羅にも食べさせようとしたが、美羅の手が早かった

 

「マジカル八極拳☆」

 

ズドムッ!

 

「グホッ!?」

 

美羅の拳が雌煌の腹部にめり込んで体をくの字に折り、残ったウサギ肉を全て雌煌の口の中に投入して強制的に飲み込ませる光景を見たハジメとノイントは黙祷した

 

「・・・まぁ、雌煌姉が食べたいって言ってたからね。僕は何も見ていない」

 

「・・・大丈夫です。雌煌姉様ならば食べきれる筈です・・・きっと・・・」

 

雌煌にウサギ肉を全て飲み込ませた美羅は、雌煌を放り捨てて汗を拭うリアクションを取る

 

「良い仕事をした♪」

 

「   」チーン

 

ハジメは、ウサギ肉の不味さにヤムチャしている雌煌を無視してこれからの事を相談する事にした

 

「ここが上層よりも危険な場所なのは分かるんだけど、まだ進む?」

 

「ん~、これと言った宝物も見つけてないから進みたいわね。魔物の素材を売っても良いけど、適正価格で売れるか分からないわ」

 

「・・・魔物の素材を本格的に回収したのはあの石橋から先だもんね」

 

オルクス迷宮の過去最高到達記録は、ベヒモスが居たあの階層までだ。それよりも先の階層の未知なる素材となると、性能も良いので適正価格で取引されるか不明なのだ。取引するなら、希少性のある鉱石や特殊な場所の魔物の素材等だろう

三人でこれから本格的にどうするべきかを相談していると、不味いウサギ肉を食べた雌煌がようやく復活した

 

「ぐぇぇぇぇ、まっずい。吐きそう」

 

だが、そもそもの問題としてウサギ肉を食べると言い始めたのは雌煌なのでハジメですら擁護しない

 

「最初に食べると言ったのは雌煌なんだから、責任持って全部食べるのは当たり前でしょ」

 

「美羅だって食べようとしてただろうが!」

 

「毒見は必要だからね~」

 

雌煌は美羅を睨むが、当の本人はこの程度どうという事はないといった様子だ

 

「と、取り敢えず探索しよう!未発見の場所となるとお宝もあるかもしれないよ?」

 

「おっしゃあ!トレジャーハントするぞ!!」

 

ハジメの言葉に雌煌は気持ちを切り替えてやる気を出し、迫り来る魔物をワンパンで肉片に変えながら探索する。しばらくすると、急に美羅の足が止まり壁をジッと見つめている

 

「美羅姉さん?」

 

「何か発見したのか!」

 

「これは・・・いえ、間違い・・・え?」

 

美羅とノイントは何かに反応したのか、壁奥を見る様に見ている

 

「ハジメ、錬成の練習も兼ねてこの壁を開拓するわよ」

 

「え?」

 

「この先に膨大な魔力反応があります。・・・これは凄まじいです」

 

「ちぇっ、宝箱じゃねぇのかよ」

 

雌煌だけがファンタジー宝箱を予想していたのか、とても残念そうに項垂れた。一方で、ノイントが言う膨大な魔力反応と言う言葉を聞いたハジメは、未知のお宝を期待してワクワクしながら開拓する

開拓からおよそ一時間が経過。ハジメの魔力が無くなる寸前、錬成している壁から水滴が浮かび上がった

 

「・・・これは良い物ね。ハジメ、その水を舐めてみれば分かるわよ」

 

「えっ、ホント?」

 

ハジメは躊躇い無くその水を指で掬って舐める。すると、殆ど尽きていた魔力が全快したのだ

 

「こっ、これは!?凄い、凄いよ!尽きかけていた魔力が回復した!」

 

魔力が補充されたハジメは、テンション爆上げで錬成で開拓する。尚、魔力を回復させる水をそのままにするのは余りにも勿体ない為、貯蓄出来る様に窪みを作っている

ハジメは、遂に目的のお宝を掘り当てた。それは、およそ五十センチ程の大きさの鉱石だった。淡い光を放ち、水が滴り落ちる。見ただけでもこれは特大のお宝だと理解した

 

「これは・・・・・神結晶?」

 

「神結晶?」

 

「ふ~ん、ファンタジー回復アイテムで言う所のエリクサーね」

 

「ふぁっ!?」

 

「何ぃ!?」

 

オタクのハジメと、ゲームをしていた雌煌が反応。エリクサーと言えば、傷も状態異常も全回復するお薬だ

 

「この大きさからすると・・・ここの魔力溜まりで千年以上蓄積された物だと思います」

 

「これはお持ち帰り決定だね!」

 

「・・・・・」

 

ハジメは、この神結晶をジッと観察している美羅の様子がどことなくおかしいと思った

 

「えっと・・・何か副作用とかありそうなの?」

 

「違うわ。ただ・・・このエリクサーがあればドーピング出来ると思ってね?」

 

「「「ドーピング?」」」

 

美羅以外の三人は、「このエリクサーでどうやってドーピングするの?」と疑問で一杯だ。そこで、美羅は懐から赤い液体の入った瓶を取り出した。・・・・・それはノイントに飲ませた物と一緒だ

 

「それって、ノイントに飲ませた物だよね?」

 

「・・・あれと同じですか」

 

「なるほどっ!そういう事ならドーピング一択だな!!」

 

雌煌は理解して、ヘッドロックでハジメが逃亡しない様に捕まえる。これには流石のハジメも気付いた様で、必死に逃げようとしている

 

「あの・・・ハジメにそれを飲ませるのですか?」

 

「ノイントも分かってんな!こいつは古龍の血だ。飲めば今のステータスが雑魚に見えちまう程強化されるって寸法よ!」

 

「や、止めて下さい!ハジメはあの情報量を受けきれません!」

 

ノイントは、自分の超ステータスでも体感したあの感覚を忘れていない。古龍と言う生き物の情報を脳に叩き込まれ、上書きされたあの事を。感情や欲求が無かったからこそ耐えられた―――もし、普通の人間であるハジメが飲んでしまった事を考えると駄目だった

 

「ハジメ、よく聞きなさい。ハジメの成長は目に見張る物があるわ。でも、それはあくまでも人間基準。この迷宮の先を行く事を思うと、飲まなければ死ぬ事は確実よ。千里眼で見た感じ状態異常攻撃をしてくる敵がわんさかで、弱者から狙われるのが常。ノイントちゃんに守られるだけで本当に満足しているの?」

 

「・・・・・」

 

「ハジメは私が護りますので駄目です!」

 

ハジメは迷っていた・・・人間を捨ててまで強くはなりたくない。だが、ノイントと結婚すれば一人残される事が酷く後悔するかもしれないと思った。ノイントが感情を得てから徐々に感情豊かになっている事に気付いており、付き合う事も良いと思い始めているのだ

 

見ただけでも劇物だと分かる。ノイントと結婚するのは・・・まぁ、良いんだけどね。僕が人間のままだとノイントは変わらず、僕だけが歳を取る。きっと今より感情豊かになっているノイントは悲しむんだろうな・・・

 

ハジメは長く考えて、考え抜いた結果―――

 

「・・・美羅姉さん。それを飲めば本当に強くなれるの?」

 

「っ!?」

 

「なれるよ~。この血は普通の古龍の血じゃない―――なんと!私の血なのである!!」

 

本当に劇物処の騒ぎではない

 

「飲む時は、一滴だからね?全部飲んだら絶対に死んじゃうから・・・徐々に慣らせて飲ませるから安心してね」

 

「それでも劇物なんだよね?」

 

「今のハジメだと・・・体が張り裂ける感覚があるわね」

 

「駄目です!私が護るので飲まないで下さい!」

 

女の子に護られるのは良い。だが、ずっと護られる事は恥だ。強くなり、ノイントと一緒に居られる時間が長くなるのであれば、迷いつつも覚悟が決まった

 

「ノイント、手を離して。僕は・・・飲むよ」

 

「廃人になる可能性があるのですよ!?ハジメがそんな危険を冒す事はしない―――」

 

僕も危険を冒す事は避けたいよ?でもね・・・今だとノイントと結婚も良いと感じているんだよ。一人ぼっちになる悲しみを与えるなら、そんなもの与えたくない。いつも一緒に居る事が良いに決まっている!

 

「大丈夫・・・とは言えないけど、手を握ってくれないかな?ノイントが傍に居れば耐えてみせるよ」

 

ハジメは、今にも泣きそうなノイントを頭を撫でて落ち着かせる。ノイントもハジメの覚悟を否定する事はいけないと思いつつも、危険な事をしないで欲しいと思っている

 

「僕はね・・・ノイントと結婚するのも良いと思ってるんだ。・・・・・でもね、僕は人間の寿命でノイントだけ歳を取らない事を思うと悲しいでしょ?」

 

「っ!」

 

「僕だって廃人になるつもりもないよ。それに、美羅姉さんは出来る範囲で言っているんだ。今の僕なら耐えれると判断して提案してくれてるんだ」

 

「勿論。可能性は0じゃないけど、限りなく低い事を考慮した上での提案なのよ。ステータスが二桁程度だったらこんな事言わないわ」

 

「・・・・・分かりました。ハジメを信じます」

 

ノイントはハジメの手を両手で握り、ハジメは美羅に準備万端と口を開けて待つ。美羅は、木製のコップにエリクサーを入れ、瓶の中に入っている血ではなく指を噛んで出た血を一滴入れてハジメの前に立つ

 

「今から入れるわよ。―――アドバイスは、何も考えずリラックスする事。情報を拾おうとすると激痛が伴うわ」

 

美羅はハジメの口の中に投入、ハジメが全てを飲み干したと同時に変化は直ぐに訪れた

 

「グ、――――ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア!」

 

体全体に駆け巡る痛みと脳に叩き込まれる情報の激痛は、美羅が言っていた張り裂ける様な痛みだった。血が、臓器が、骨が、肉が作り変えられる。血は見えない何かを吸い取り、臓器と骨と肉はより頑丈になる。ハジメの意識は徐々に薄れて途切れた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暗い―――

 

 

 

重い―――

 

 

 

沈む―――

 

 

 

底なしの深海へと沈んでいる・・・のかな?体は動かせないというよりも、億劫で動かしたくないと言った方が正しい。でも、それもいい。このまま寝ても良いかな

 

ハジメが瞼を落とそうとした時、暗闇に光が差し込んだ。眩しく、そちらを見上げると広大な大地が広がっていた。だが、ひび割れ、マグマが流れ、緑が何もない所だ。ハジメが思った事はただ一つ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だこれは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

誰も居らず、生物が生きる事も出来ない環境―――地獄以外何物でもない。すると、視界が高くなってジェットコースターに乗った様に周囲の景色が流れる。だが、この地獄は果てしなく続き何も変化がなかったが、目の前に真っ暗な空間が出現して入った。そこはハジメが居る場所と同じ様に真っ暗闇だ。しかし、唯一違う点は球体の何かが存在していた事

 

あれは何だろう?一面が茶色と赤ばっかりだ

 

そこからは早送りした様に球体に変化が訪れた。緑と青が芽吹き、全てを覆った。すると、視界が再び動いて光が射す場所へと移動し、目の前に広がる広大な大自然に思わず見入る

 

・・・凄い

 

全く見た事のない様な光景に圧巻され、水場に到着。水面に映るそれは、ファンタジーの定番中の定番の龍だった。白く、厳つい角、長い首・・・見たら忘れない場面を最後に、ハジメの身体が一気に浮上する。グンッ!と引っ張られ、もっと見たいという欲求で抗う。小さく響く音が聞こえるが、そんな事よりも続きをと必死に抗う。徐々に大きくなる音・・・いや、声だった

 

邪魔だ!僕はもっとこの先を見たい!!

 

ハジメが続きを見たいが為に手を伸ばそうとした時、人型の光がハジメを目の前に現れてハジメを抱き締める

 

くっ!邪魔―――

 

自身を抱き締める人型を力づくで引き剥がそうとした時、声が聞こえた

 

『ハ――!』

 

何処かで聞いた事がある声に、引き剥がそうとした手がピタッと止まる。そして新たな声が聞こえる

 

『それ以上は駄目、二度と戻れなくなるわ。・・・本物の化物になりたいなら止めないけど』

 

『目を開けて!死なないで!!』

 

あかん・・・泣かせちゃった。早く戻らないとノイントが大変な事になっちゃう

 

『なら、抵抗は止めて浮きなさい。女泣かせは酷いわよ?』

 

はい、戻ります

 

ハジメが戻ろうと意識したと同時に体が一気に引き寄せられ、光に包まれた

 

「うぅん・・・ここは・・・?」

 

目を覚ましたハジメの視界に真っ先に映ったのは、ノイントの泣き顔だった。ノイントもハジメが目を覚ました事に気付き、今以上に涙を流しながらハジメを抱き締めて泣いた

 

「・・・もう無理はしないで」

 

「えっと・・・ごめんね」

 

初めて芽生えた感情での最初の悲しみは途方もない大きさにノイントはしばらくの間泣き続け、ハジメは落ち着かせようと頭を撫でる。しばらくの間その状態が続き、ようやく落ち着いた時にはノイントの顔が真っ赤になっていた

 

「これが・・・恥ずかしいという感覚なのですね」

 

「だ、大丈夫だよ。僕も恥ずかしい所は沢山あったから」

 

そんな二人の様子を見ていた美羅と雌煌は、「青春している」と口を揃えた

 

「・・・そう言えば姉さん達に見られてたんだった」

 

「ハジメとノイントちゃんが恥ずかしがっている。しかし、私は見ちゃうよ?愁さんと菫さんに事細かく見せる為にね!」

 

「やめてよ!?」

 

先程の出来事を両親に見せられる事を想像したハジメは、絶対に弄られる事が分かったので必死に説得する

 

「ハジメは愁さんに言ったでしょ?『僕には、とても魔王は倒せそうにない。出来るのは、せいぜい家に帰ることくらい。大切な人がいれば、一緒に』って」

 

「最初はもうちょい頑張ってハーレムでも築いてみせろ!って思ってた俺が居たわ」

 

「父さあああああああああああああん!」

 

よりによって姉の二人に知られてしまっている事実に絶叫する。プライバシー?そんな事知ったこっちゃねぇ!と言わんばかりに色々と知られている事に四つん這いで落ち込む

 

「さて、弄りも程々にして現状の再確認するわよ」

 

「・・・はい」

 

「ステータスは異常な上昇はしていないけど、ノイントちゃんと同じ加護が付いている筈よ」

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:???

天職:錬成師

筋力:500

体力:700

耐性:600

敏捷:450

魔力:700

魔耐:500

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+高速錬成][+遠隔錬成][+融合錬成][+融合錬成予測] 魔力回復小 並列思考 祖の加護 言語理解

 

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これは酷い。美羅の血を一滴飲んだだけでレベルが表記されなくなってしまったのだ。これではどれ程レベルが上がったのかも分からない

 

「と、取り敢えず加護はあるよ。・・・レベルが表記されなくなっちゃったけどね」

 

ハジメは祖の加護の部分を触ると、ステータスプレートが映り替わった。そこには祖の加護の説明文があったのだが・・・

 

祖の加護

あだだだだだ!?今直ぐ閉じて下さい!?あ、頭が割れる割れりゅぅううううううう!オッババババババ!? byエヒト

 

なにこれ?意味分かんないだけど・・・。と、取り敢えず閉じよう

 

ハジメが祖の加護の部分をもう一度触って元の状態に戻った後、ステータスプレートにはエヒトからの追伸が書かれていた

 

『お願いです、あの部分を開かないで下さい。莫大な情報に脳が支配されちゃうんです・・・元の自我が少しだけ崩壊しちゃいましたよ( ノД`)シクシク…。あぁ、美羅様最高ぅ~。私キレイキレイされちゃう~。荒れた心をリフレッシュ!隠居も良いよね♪・・・・・・・・・うっ!私は今何を?byエヒト』

 

この一文を見たハジメは、ある事を思い付いた

 

あれ?これってエヒトが僕達に悪さをしちゃったら、間接的にお仕置き出来るって事だよね?

 

少しだけ興味を持ったハジメは、ノイントに祖の加護を触って詳細を見てもらう事にした

 

「ねぇ、ノイント。ステータスプレートにある祖の加護の部分を触ってもらっても良いかな?僕のステータスプレートだと詳細が見えないんだ」

 

「詳細ですか?少しだけ待って下さい」

 

これには美羅と雌煌も興味を持った様で、ノイントのステータスプレートを覗き込む。ハジメもノイントの隣に行って観察する

 

「それでは触ります」

 

ノイントが祖の加護の部分を触ると

 

祖の加護

オギャアアアアアアアアアア!?いだいっ!?いだだだだだだっ!?ヤメッ、ヤメロォオオオオオオオ!頭破裂すりゅぅうううう!byエヒト

 

ノイントは驚いてもう一度触って元の状態に戻すと、ハジメ同様追伸で色々と書かれていた

 

『もうね・・・開かないで?ノイントは私を殺したいの?魂砕けちゃうよ?キレイキレイされた魂にヒビが入ったんじゃないかと思ったよ?だ・か・ら―――お触り厳禁よ♪あぁ~、この解放感最高ぅ~。フワフワしちゃうの~、ニートスローライフ~♪・・・・・・・・・うっ!私は今何を?byエヒト』

 

どうやら、祖の加護の詳細を見ようとすればエヒトにダメージが入る仕様となっていた。美羅自身は、「あれ~?この程度どうって事ないと思ったんだけど?」と口漏らし、雌煌は、「容赦ねぇな」と本音を呟いた

 

「よし、この問題の解決はしなくていいわ」

 

「「あっ、はい」」

 

美羅のこの問題はどうでもいい発言により流され、本格的な説明に入る

 

「私の加護があれば、状態異常にはならないわ。そして、ハジメの体に馴染ませるには毎日一滴ずつ飲む事よ」

 

「あの・・・あれを繰り返すの?」

 

「二回目からは大丈夫・・・な筈」

 

えぇ・・・マジ?」

 

ハジメは、つい心の声が漏れてしまった

 

「不用意に情報を覗いたでしょ?私言ったわよね?何も考えずリラックスしなさいって」

 

「あっ、・・・あ~・・・うん。そうだったね」

 

ハジメは、浮上する体に抗って続きを見ようとした事を思い出した。抵抗しなければすぐに目覚めていただろうし、ノイントが泣く事もなかった

 

「さて、エリクサーを小分けにして携帯するわよ」

 

「頑張れよハジメ。ここから試練の始まりだぜ?」

 

「一人で倒せと?」

 

「ノイントちゃんと連携してハジメがトドメを刺すのよ?観察眼を鍛えつつ自己鍛錬よ」

 

「頑張ります」

 

ハジメは錬成で試験管状の入れ物を作り、その中に神水を入れて保管する。尚、美羅がこれらに助言する事はなく、あくまでも最低限の助言程度なのだ

探索を再開し、襲い来る魔物をハジメとノイントが絶妙な連携で屠る。二つ尾狼、蹴りウサギ、爪熊と戦う。初めての格上との集団戦、土壁をたやすく砕く戦い、近距離化と思えば射程がかなり広い戦いと様々だった。ノイントは余裕だったのだが、現装備がレザーであるハジメはかなり厳しい戦いだった。特に集団戦―――二つ尾狼の牙に突き立てられたレザーはあっという間に貫通してしまい負傷したのだ。まぁ、神水を使った事で怪我は治ったので問題はない。そこからはヒットアンドアウェイの避ける事を前提とした戦いでギリギリのラインで戦い抜いた

 

「ん~?・・・やっぱり装備を一新した方が良いのかな~?強すぎるのも駄目だし弱すぎても駄目だし・・・どうしよう。空の王者(笑)装備で良いかな?」

 

「え!?そ、それってまさかリオレウス装備!?」

 

「あ~、全身鎧だからな。だが、ハジメは回避を前提とした戦いやってんだぞ?」

 

「取り敢えず、ここで数日掛けて素材を厳選して強化するわ」

 

美羅は異空間から赤い鱗や甲殻等のリオレウスの素材と、鉱石を色々と取り出して神結晶の傍で作業を開始。手を使ってチクチクとするのが定番なのだが、美羅はそんな事をしない。出来るのだが、この迷宮内部でいちいち時間を掛けて作る事はめんどいので素材を宙に浮かせて連結し、鉱石を高温に熱して溶かして、接着剤代わりにしたり、下地にしたり、コーティングしたりとテキパキと作業をする。そして、一時間もしない内に完成したのだ

 

「さて、視界と柔軟性を十分に確保したフル装備完成!」

 

美羅はハジメに装備を手渡して着替えさせる。最初は一人でと言っていたが、装着方法が分からないだろうとツッコミを入れて全員で着替えさせる事にした。ハジメは成すがままの案山子となり、どう着けるかをしっかりと学ぶ

未装備と変わらない視界を確保したヘッドギア、胸部と肩に甲殻で覆った二重の守り、肘の手前まで全体を守る籠手と指の関節駆動に支障がない籠手、スカートの様な腰当、足先から膝までの脛宛とブーツ

鉄板を仕込む事で防御力が増すのだが、この装備の下地がレザーなので重さで動きが鈍くなるという事はない。籠手とブーツの中に魔法陣を仕込み、保険で咄嗟の錬成が出来る様にする

 

「美羅姉さん、魔法陣無しでも錬成が出来るんだけど・・・どうして?」

 

そう、ハジメはいつの間にか魔法陣無しで錬成を行使出来るようになっていたのだ

 

「魔法陣無い方が手っ取り早いでしょ?出来る様になったのはあくまでも加護を付与したからなの。何かあっても魔法陣を仕込んだ防具があるからどうとでも出来るわ」

 

「あ、うん。ありがとう」

 

感謝の極みである。そして、武器に関してだが・・・ハンターカリンガはこの階層の魔物の皮膚を貫通することが出来なかった。ルーキーナイフでようやく傷付ける程度である

 

「攻撃力も駄目ね。オデッセイブレイドを進呈しましょう!」

 

ハジメが受け取った武器はオデッセイブレイド―――通称オデブである。造形はルーキーナイフと変わらずだが、本当の性能は別の所だ。それに一早くハジメは気付いた

 

「ねぇ、美羅姉さん。このオデッセイブレイドから水が徐々に溢れてるんだけど・・・」

 

「血糊が付かないからとても良いでしょう?魔物を切ってもその都度洗い流される綺麗な刀身、手入れは砥石のみ。でも、ハジメは錬成で直せるでしょう?」

 

このオデブの利点は、美羅が言った通り水で刀身を洗い流すという事だ。納刀している時には水は溢れず、戦闘に支障をきたす程の水量が零れたりはしない。剣を使う者達からすれば喉から手が出る逸品だ。幾ら業物とはいえ血糊で切れにくくなる剣よりも、それなりに切れて血糊が付かない剣を愛用したいと思うだろう

 

「なるほど。・・・水属性の武器と考えればいいんだね」

 

「一応言っておくけど、ウォーターカッターみたいなビームは出せないわよ」

 

ハジメは、冗談だと分かり切っていはいるものの、「美羅姉さんなら出来そう」と心の中で思った。防具をあっという間に作れるならば、剣からビームが出る逸品を作っても不思議ではない

ハジメの武器と防具も完璧な所で、美羅からアイテムポーチを手渡された。しかも、俗にいう所のゲーム仕様の同じアイテムなら999個まで保管出来、百種類以上のアイテムを入れれるのだ(※時間停止能力もお決まりだよ!)。物の大きさ関係なく、腰に付けた小さなポーチに入る

 

「これぞファンタジーアイテム」

 

「アイテムボックス!」

 

「ノイントちゃんの分もあるよ♪」

 

ハジメ達はアイテムポーチを手に入れた!テッテレッテー♫

これで気になる何かがあれば手当たり次第に放り込める=錬成に使えそうな素材を沢山保存出来る。炭鉱夫にならずとも良いのである。神水を少量入れた試験管を、ハジメが七割、ノイントが三割でポーチに収納する。美羅と雌煌に関しては、状態異常ナニソレオイシイノ?と言ったバグな仕様なので怪我の心配も要らない

再び探索を開始したハジメ達。二つ尾狼と再戦したハジメは、噛みついてきた狼の口を籠手を突っ込んで防ぎながら喉を一閃して狩る。蹴りウサギは、遠隔錬成で飛び掛かろうとした瞬間に足を固めてツンのめさせて脳天に突き刺す。そして、爪熊とはやっぱり苦戦を強いられた。オデッセイブレイドはルーキナイフと似たデザイン=超接近戦に持ち込まなければいけない。しかも、熊は斬撃を飛ばすという近・中距離万能に戦えるやつだったのだ。とはいえ、ノイントの補助も少しだけあったので自分の力で倒す事が出来たのである

美羅達は、このままこれから先の階層を進もうとした。だが、ハジメが待ったを掛けて美羅から鉱石とリオレウスの素材を頂戴して銃を作ったのだ。美羅としては、「空の王者(笑)の素材なんて使わなくても」と言っていた。だが、結果は上々。無骨なリボルバー拳銃ではなく、グリップに鱗、銃身に甲殻を添えた科学とファンタジーが融合したデザインの銃が完成したのだ。試しに一発撃つと、ウサギの足に当たった。次は集中して良く狙っていると、体から魔力が吸われる感じがしつつも試射―――赤黒いレーザーの様な弾丸がウサギを肉片へと変えた。明らかに威力過多な攻撃に、美羅が「超電磁砲ね」と呟いた事から、化け物銃が完成した

 

「それよりも何でレールガン?」

 

「祖の加護ってあるでしょ?私の力の一部・・・赤黒い雷が使われているからじゃない?ちなみに異常系も完全無効だからね。ほら、洗脳されたら危ないでしょ?」

 

「それだけでも十分にチートだよ。でも流石美羅姉さんだ」

 

ハジメはもう一つの銃も作ろうとしたのだが、そこで美羅が待ったを掛けて理由を聞くと、今から作るのはノイントの分という事だ。これを聞いた美羅は、リオレウスの番であるリオレイアの素材を渡してそれで銃を作らせた。ハジメ命名、二丁の銃をドンナー・シュラーク。ハジメがドンナーを、ノイントがシュラークを持った。この銃を使うのはいざという時だけの制限とした。(※原作でいう所の最大チャージのシュラーゲンに匹敵する威力がこのドンナー・シュラーク君である)

 

「ハジメとお揃いの武器。そして、番の素材で作った―――所謂夫婦武器ね」

 

「プロポーズにしちゃあ過激なデザインだな」

 

「ちゃんと指輪を渡すから!」

 

「私はハジメに貰った物なら何でも嬉しいですよ」

 

美羅と雌煌に弄られつつも、ハジメはノイントと同じ武器を使える事に嬉しく頬を緩ませていたのは内緒である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




真のオルクス迷宮を攻略開始!それと同時にハジメ君の装備も一新です
やった!これで勝つる!!とはいかないのがお約束。防具はあくまでも身を護る保険で、武器はお手軽のオデブ。血糊を洗い流すオデブって凄いよね・・・手入れは砥石だが、錬成師のハジメ君には不要。凄く相性の良い武器でした


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