所々ハジメとノイントちゃんのイチャイチャを入れました。ハジ×ノイ増えろ。増えろ!
~美羅side~
美羅達はハジメが作った潜水艇で海底遺跡へと向かう。水深も大分深くなり周囲に光はないが、美羅の権能の一部の雷を使えるハジメは潜水艇にライトを取り付けているので問題ない。しかし、どれ程探しても海底遺跡へ入る入り口が見つからなかった
「これって何かしらのギミックがあるのかな?どこかの攻略の証とか」
「めんどいから破壊で良いんじゃね?」
迷宮制作者には申し訳ない。これが物理で殴るという事だ。雌煌は潜水艇から出て海底の大きな岩部に降り立ち、地面に拳を振り落とした。だが、力の調整が出来ていなかったのか、砕けた岩が砕いた場所に流れ込んでしまった
「どうしたらいいんだよ!」
「雌煌~、ブレス、出力は0.1%よ。それ以上は遺跡そのものが崩壊しかねないわ」
「マジで!?超手加減したブレスじゃねぇといけねぇのかよ・・・」
手加減が苦手な雌煌には無茶な注文だった。とはいえ、このまま諦めるという選択肢はありえない
「ブレスの圧縮と射程の固定化が出来るなら一番なのよねぇ」
「あっ、そういう事か。雌煌姉、ビームサーベルで突き進むって言えば分かる?」
「おお!そういう事か!!クソ神をケツから殺す一手として考えていたビームソードで穴を開けてやるぜ!」
「元主が敵対すれば雌煌御姉様がお尻から突き刺して殺すという事ですね」
とても酷い殺し方だ。しかも、このビームソードのエネルギーは龍エネルギー―――分かりやすく言うなら龍の中でも美羅と雌煌だけしか使えないエネルギーだ。神様エネルギーなんて目じゃねえ!
話は戻り、雌煌はビームソードを槍の様に構えて岩部に突き刺すと、岩は融解して大穴を開ける。雌煌はそのまままっすぐ進み、潜水艇もその後を追いかける
「ん?」
「うわっと!?」
「きゃ!?」
雌煌が通路を開拓して広い場所に出たと思ったらそこの海の流れは荒れており、潜水艇が揺れた。だが、ハジメが咄嗟に重力石という船を安定させるアーティファクトに魔力を流す事で潜水艇の揺れは収まった
「ノイント大丈夫?」
「だ、大丈夫です」
「ハジメのお腹に顔を埋めたノイントちゃん、ハジメはそのままノイントちゃんをおそ「いません」―――冗談よ冗談~」
ハジメは美羅が冗談を言っている事は分かるが、この状況を冷静にスマホで録画している状況に呆れつつ潜水艇の操作に戻る。激流な為少しばかり流されてしまい、雌煌は大丈夫かと周囲を見るとトビウオ擬きな魔物をビームソード一本だけで殲滅していた。恐らく縛りプレイで戦う事を楽しんでいるのだろう
「雌煌姉はどうしようか?」
「そのまま魔物の殲滅で良いでしょ」
雌煌は潜水艇の上に乗り、一行は迷宮を進む。流れに任せて進も、景色は変わらずどれ程進んだのかも分からない時、ノイントが壁面に紋章があった。美羅がスマホで写真を撮り、他にも同じような場所が無いかを探し五つの紋章が発見された
「・・・これってこの紋章に何かしらのギミックがあるんだろうなぁ。こういう時は特殊ソナーの出番だね」
ハジメは船体に取り付けている特殊ソナーを発動。これは全方位を反響させ、平面と断面の歪さを確認する事が出来る
「ハジメ、この先に違和感があります。反響の強さが違うと言ったらいいのでしょうか?」
「ビンゴだね!雌煌姉~、これから潜水艇が進む壁をビームソードで切り開いて」
「おっしゃ、任せろ!!スゥゥゥゥ―――――ぶるぅぁあああああああああああ!」
雌煌の咆哮と同時にビームソードが巨大になり、違和感のある壁をぶち壊しながら進む。ここもオルクス迷宮同様に融解した壁が徐々に修復されている。ソナーで確認しながら進むと、大きな空洞が下にあったのでそちらに進路を変える。進路を変えて少しした所で、潜水艇が落下。地面に激突してかなり揺れたが、ハニカム状のクッションのお陰で痛みは左程なかった
「ノイント、大丈夫?」
「ハジメ、私は大丈夫です」
美羅達は潜水艇から出て周囲の様子を観察する。天井には小さな穴が開いており、フジツボが付いているのだと判断。取り敢えず、罠が無いかどうかを確認する為に腕を伸ばす。すると、フジツボの穴から水が勢いよく噴射された。まるでレーザービームの様な水は、美羅の腕を貫く事は出来ない。しかし、攻撃範囲内に入った腕だけに大量の水の攻撃は常人では避ける事すら出来ないだろう
「美羅姉さん大丈夫?」
「私本体は大丈夫だけど、このまま進んだら服が破れちゃうわね。ノイントちゃん、障壁を張る魔法って使える?」
「聖絶と言う頑強な障壁があります。ですが、頭上に張る位しか出来ません」
ノイントは神の使徒であり美羅の加護を得ているので性能は許可されてはいるのだが、繊細な微調整が未だに対応出来ていない。だが、そんな問題も解決する方法が一つだけある
「あれ?オルクスでハジメとしっぽりやったんじゃなかったの?」
「み、美羅姉さん。それは今関係ないと思うんだけど」
「いや・・・私の加護を持っている者同士が粘膜接触したら情報が共有される筈なんだけど?」
「「え?」」
美羅から明かされた驚愕な真実にハジメとノイントは呆然とする。しかし、オルクスで事を致している二人はそんな事を体験していなかった
「んん~?通常は常時発動しているんだけど・・・二人は切り替え型かな?」
美羅はハジメとノイントの頭に手を乗せて情報を読み取ると、美羅の予想通り二人は切り替え型だった。これはちょっとしたミスだ。だが、そんな問題を解決するのはお茶の子さいさいである。美羅が強制的に二人の情報共有能力を改竄して常時発動型に書き換える
「はい、これで大丈夫よ」
「美羅姉さん、ありがとう」
「美羅御姉様、ありがとうございます」
「あぁ、通常の粘膜接触で情報共有って言ったけど、これは変更したわ。長いディープキスで情報共有に書き換えたから、しっぽりやる時に邪魔になる事はない筈よ」
ハジメは、「・・・なるほど」と呟きながら色々考えていると、美羅が言っていた事を思い出してノイントの方を一度見て素早く美羅の方に振り替える。美羅の表情はニヤニヤとしており、スマホを片手に持っていた
「さあ、今すぐノイントちゃんとディープなキスをするのよ!ハリー!ハリー!」
「図ったなぁあああああ!」
美羅の思惑をようやく理解したハジメは、顔を真っ赤にして美羅に、「理不尽!」と言いたげな表情をしていた。一方、ノイントは未だによく理解していない様子で首を傾げていたが、美羅の言葉を聞いてハジメの方を見て顔を赤くしていた
「ここで立ち止まらず進む為には必要でしょ?ハジメのオタク知識には沢山情報が詰まっている。これは必要な事なの!そして、私は二人の愛し合いを報告する義務があるの!」
そんな義務なんてないでしょ!と突っ込みたかったが、理不尽の権化であり、ハジメ達の力の源である美羅には逆らう事は出来ない。八方塞とはこの事だ
「おうおうハジメ、お前は男だろ?キス程度で恥ずかしがるなよ。どうせ美羅の事だから、夜の方もばっちり録画されている筈だ。だったら開き直っちまえ!」
ハジメは雌煌の言葉を聞いて驚愕の表情を浮かべながら美羅の方を見れば、スマホの画面を見せる形で持っており、ばっちりと夜の営みが録画されていた。これはノイントも見ており、二人は四つん這いで抵抗を諦める事にした
「そ、それじゃあ・・・うん・・・しようか」
「は、はい・・・こうなれば開き直りましょう!」
普通はハジメからするのだろうが、今回はノイントからキスをした。完全に吹っ切れたのか、ハジメを襲う様に上から覆い被さり周囲を気にする事なく舌を絡ませる。ハジメも最初はびっくりしていたが、少しして落ち着きを取り戻して受け身から攻めに切り替えた
しばらくして二人に変化が訪れた。まるで生まれてからの人生の景色を、超高速で見る―――景色が見えないのにも関わらず理解する。二人はこれが情報の共有だと分かった。全てを見終えた二人は、キスを止めてしばらく見つめ合っていると、美羅が手を叩いて意識を切り替えさせる
「見つめ合うのは良いけど、これから何をするか、何が出来るかを理解した筈よ」
「はい。ハジメのアニメ知識から流線形の障壁ならば耐久性と頑丈さを兼ね備えている事を理解しました。知らない知識、知らない経験とは己の殻を二つ程破るのですね」
「僕もそうだね。神代の人達が扱う魔法、工夫、技術と色々と見る事が出来た」
「だったら良いのよ」
ノイントは共有した記憶から聖絶をドーム状に張り、皆を覆う。ハジメも板状のビットを飛ばし、魔力の壁を作ってバリアを張る。二重構えの守りは過剰とも思うが、ノイントの聖絶は、初めて形を変えての展開なので念には念を入れてだ
美羅達はフジツボの攻撃範囲内に入り、大量の水のレーザーが襲いかかる。だが、流線形の聖絶が全てを防ぐ。そのまま快調に奥へと続く通路へたどり着いた。道なりに進み、襲い来る魔物をドンナーで殲滅していく。しかし、ここでハジメは迷宮の違和感を感じ取った
「ここの魔物・・・弱い?」
「そうですね。オルクス迷宮に比べると、二回り程弱いと感じます」
「そりゃあそうよ。オルクス迷宮は、他の迷宮を全てクリアする事で開く―――要するに今までの集大成を~って感じよ」
「・・・鬼畜じゃん」
ハジメは、「知ってたなら教えてよ」と呟いたが、美羅の、「オスカー本人に聞いた」という言葉で後から知ったと理解した。だが、美羅は表の百層にあった石板の内容からある程度は想定していたのだ
オルクス迷宮よりも歯ごたえのない魔物を倒しながら進んで行くと、広い空間に出た。だが、その瞬間出入口が透明なゼリーが塞ぐ。ノイントは分解魔法を放ち、ゼリーを消し飛ばした時に違和感を感じた
「・・・貫く筈の分解魔法が途中で途切れた?」
ハジメはドンナーでゼリーを撃った。弾丸は吸い込まれ、ゼリーを貫通する前に溶け消えた事を確認した
「これは物理だろうと魔法だろうと全てを分解する魔物だ!」
「聖絶で防いでも溶かされるという事ですね」
「美羅姉さん、この魔物を倒す事は出来るんだけど・・・迷宮が崩壊しそうなのでお任せしてもいいでしょうか」
ハジメは、この状況を打破する術を持っている。だが、それは大量の液体であるゼリー状の魔物相手には危険な攻撃の一つだ。水蒸気爆発でこの遺跡そのものが崩壊する可能性もあり、自分達もお釈迦になってしまう。なので、ここは頼りになる美羅に助力を乞う事にした
「まぁ、仕方がないわね」
「おい、俺のビームソードの出番だろ!」
「雌煌姉、ビームソードだと水蒸気爆発起こすから駄目だよ。迷宮が崩壊したら元も子もないよ」
「・・・雌煌、龍気だけの氷ブレスやってみて」
「良いのか?」
「実験よ、実験」
雌煌は笑みを浮かべながら手から氷の玉を射出する。その玉が魔物に接触した瞬間、一瞬で全てが凍りついた。美羅達を覆っていたので、簡易的な冷凍庫となったこの空間はとても寒く、極寒地域と言っても過言ではない温度になった
「さ、さっむ!?ヤバイヤバイ!このままじゃ凍死する!?」
「こ、これは駄目です。体の熱が一瞬で奪われる!?」
「・・・加減間違えちまったぜ!」
「実験だから全力でやるのが良かったのよ。二人共、ホットドリンクを飲みなさい」
ハジメとノイントは美羅から手渡されたホットドリンクを飲み、この極寒でも適応出来る位まで回復した。そして、改めて美羅と雌煌の強さが規格外である事を理解した
「龍気だけの氷玉程度で全部凍って死滅するとか雑魚だな」
「原子レベルまで凍ったから、完全に死亡しているわね。ツルハシで開通させるのも楽しそうだけど、ここはデコピンで粉々にしましょう」
美羅が氷の傍に立ってデコピンを一発―――傍目から見ればかわいいと思えるが、美羅のデコピンを食らった事がある雌煌は遠い目をする。たったの一発で雌煌の頭蓋骨にヒビを入れる程の威力だと思ってくれれば分かりやすいだろう
「敵も倒したし、先に行くわよ」
「次に現れた魔物は俺のビームサーベルで切り刻むからな!」
ビームサーベルをブンブン振り回しながら先へ進む雌煌と、その後ろをついていく美羅。ハジメとノイントも置いて行かれない様に直ぐに後を追う。魔物が襲うがどれも弱く、雌煌のビームサーベルに直撃して蒸発する。呑気な旅の様に進むと、海水が滝の様に流れ込み激流となっている場所へと出た。ざっと見た感じでは、進む通路は無く行き止まりだ
「ビットを飛ばして先を確認するよ」
ハジメはビットを飛ばして、海水が流れ込んでいる場所に飛ばす。流れはずっと進み、道が無かった。だが、しばらく進めると奥へと続く道があった。とはいえそれは幾重にも分かれている川の一つだ。他の場所もビットを飛ばして確認してみると、それぞれに奥へと続く道があった
「川が流れ込んでいるところ全てに奥へ続く道があるよ。多分、試練として個々の力を試す。若しくは、進んだ先の試練の内容が同じである事の可能性がある」
「なるほど。となれば、試練を突破した先には合流出来る場所がある可能性が大きいですね」
「でも、分かれて行動するのは得策じゃないね。試練の内容が分からないし、もしもさっきと同じ魔物が立ち塞がったら僕とノイントだけじゃ危険だよ」
美羅と雌煌は別々で行動しても良いのだが、ハジメの言ったゼリー状の魔物が現れた際にかなり危険な状況に陥るという事で一緒に行動する事にした。ライセン大迷宮と同じ様に、ハジメはノイントに抱えられて飛ぶ。行先は比較的川の流れが緩やかな場所だ。川の上を進み、岸の場所に降り立った美羅達は奥へと続く道を進む。そこで目にしたのは、荒廃した家屋や石碑があった
「これは遺跡?」
「滅亡した文明の名残ね」
「遺跡クエストってところか!」
雌煌の例えは置いておき、現在美羅達が居るこの場所が試練の場であると予想出来た。何かしらの手掛かりがないかと周囲を調べ、一番目立つ石碑に近付く。すると、景色が一変した
――――うぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!
――――ワァアアアアアアアアアアアアアアア!!!!
ハジメ達の周囲から聞こえる雄叫び。ハジメはライトボウガンを構えて弾を装填し、ノイントは大剣を手に持ち周囲を警戒する。近付いてくる足音に何時でも迎撃出来るように待機していると、遠くから火球が飛んで来た。ハジメはその火球目掛けて弾を発射するが、弾が素通りした
「なっ!?」
「聖絶!」
ノイントの障壁がハジメを守り怪我一つ無かった。ハジメは、この一発で感じた違和感を整理してどのような攻撃かを推測していく
「火球を撃ち抜く事が出来なかったのにも関わらず熱量は感じた。物理攻撃はすり抜けるけど、障壁にはぶつかった・・・この試練は魔力で切り抜ける?」
ハジメは、仮説として魔力を用いた防御ならば攻撃を防げることに注目し、次に飛んできた魔法をドンナーの魔力砲撃で迎撃。すると、魔法を消す事に成功した
「この試練は魔力だけの攻撃、防御で迎撃出来る。ノイント、障壁を張りながら攻撃はどう?」
「照準がズレて直撃は難しいです」
「おうおうおう、めっちゃ面白そうじゃん!ノイントの銃を俺に寄越しな。ガンシューティングハイスコアの俺が殲滅してやるよ!」
雌煌は、この試練をゲーム感覚でクリアするつもりだろう。だが、それと同時に攻撃の手が増える事は嬉しい誤算だ。ノイントは雌煌にドンナー・シュラークを渡し、一瞬で障壁を張れる様に集中する
「ちょっと~、雌煌だけズルいわよ。私もやりたいわ」
「ちっ、だったら勝負するぞ。敵を多く倒した方が勝ちって事で良いか?」
「カウント不正しないでよ?」
「けっ!誰がするかよ。美羅を倒す為に修行したガンシューティングは伊達じゃないって事を見せてやるぜ!」
更に予想外な事に美羅も参加する事になった。雌煌からシュラークを奪い、ガンマンの様にガンスピンをする。そして、美羅と雌煌の競い合いの流れになった。敵は泣いていいだろう
「おらぁっ!十連クイックドロウ!」
「技術ないわね。全てを計算して跳弾で数多く当てる方が余裕が出来るわよ」
「・・・僕って弱いね」
「ハジメ、御姉様方が極端に強いので比べたらダメです」
とはいえ、ハジメも両手に持ったドンナー・シュラークで敵を屠る。しかし、敵は魔力で構成されているのか無尽蔵に湧いて襲い掛かる。人族、魔人族が信仰する神達の為ならその命すら捧げる覚悟で戦う内容は悲惨の一言。かなり達観しているハジメでも、自分の心臓を抉り出す者や仲間を盾にする者等の血走った眼を見ると気分が悪くなる
「ヒャッハー!1000キル達成だぜ!」
「少ないわね。私は5000殺ったわよ?」
「ダニィ!?―――って、広範囲ショットガンはチートだろ!真面目にハンドガンで倒せよ!?」
「気付かない雌煌が悪いのよ」
美羅と雌煌はこの敵を見ても何も思わない。龍大戦という命の倫理を無視した戦争を生き抜いた過去があるので、この程度はあまり気にしていない。二人の禁忌に触れるのは、大量の命を犠牲にした殺戮兵器と言う名の生物を生み出す事だ
敵を屠りながら出口を探していると、大きな建物へと道が伸びている事に気付いた。美羅達がその建物に入ると扉が閉まり、お化け屋敷の様に血の手形が浮かび上がる。何かしらの負の霊が居る事に気付いたハジメは、ノイントの傍に近付いて護る様に手を握ってゆっくりと進む
「お化け屋敷に入るカップルね」
「無意識で恋人繋ぎするハジメとかトータスに来る前までは考えられなかったぜ」
「結婚出来るか心配だったからね~」
「そこうるさいよ!」
『ギャアアアアアアアア!?』
ハジメは美羅達に突っ込みを入れながら、ノイントの後ろにいきなり現れた幽霊の頭を消し飛ばした。ノイントは気付いていなかったのか、驚きつつハジメの腕にピッタリと引っ付いた。そこから人形や本が宙に浮かび美羅達に襲い掛かるが、ハジメのドンナーとノイントの銀翼の羽であっさりと迎撃した
建物の中を進んで行くと、行き止まりの地面に魔法陣が描かれていた。警戒しながらその模様をじっくりと観察すると、オルクスの拠点から出口へと転移する魔法陣と酷似していた事から何処かに転移する物であると判断する。美羅達はその魔法陣の上に立つと、魔法陣が光り一行を転移させる。景色が変わり、美羅達の目の前には解放者の拠点らしき建物が建っていた
「・・・あれって解放者の拠点かな?」
「敵が居ないから多分そうね。生活痕も少なからずあるから間違いないわね」
美羅達は拠点に入り、神代魔法を取得する魔法陣を発見。ハジメとノイントはその上に立って新たな神代魔法を手に入れた
「どうなんだ?ここの神代魔法は便利なのか?」
雌煌の問いかけにハジメは少し考えながら答える
「再生魔法って言って、再構成じゃなく時間の巻き戻しって感じだからかなり使えるよ。盾に付与すれば、装甲が欠けても直るって言ったら分かりやすいかな?」
「ほ~、良い魔法じゃん!武器にも付与すれば摩耗しない便利な逸品が完成するじゃんか!後で何か作ってくれよ~」
雌煌に武器の製作を依頼されたハジメは、苦笑しつつロマン武器を作る事を承諾した。そんなこんなしていると、オルクス迷宮同様、迷宮攻略者に向けたメッセージを聞いて攻略の証を手に入れた。だが、ハジメが攻略の証を手にした直後海水が拠点の中に流れ込み、天井部分が開く
「強制退去ぉおお!?神代の女性ってひねくれてるの!?」
「ハジメ、手を!」
ハジメとノイントは手を繋ぎ、宝物庫から取り出した小型酸素ボンベを咥えると同時に部屋が海水で一杯になり外へと排出された。ハジメは、潜水艇を取り出し皆を収容して海面へと浮上した
「うぇ~、海水で服がびしょびしょだよ」
「さっさと陸に上がってシャワーしたいわ」
「濡れてんなら服を脱ぎゃいいじゃねえか」
「し、雌煌御姉様!?」
雌煌は潜水艇の中とはいえ、着ていた服や下着を脱いで全裸になる。ハジメが傍に居ようと気にしていない雌煌に、ノイントはハジメに見えない様に自らが壁になる事で防ぐ。だが、ノイントも濡れているので出るとこは出て引っ込んでいるところは引っ込んでのボディラインがくっきりはっきりと見え、服が下着にぴっちりと張り付いて下着が丸見えだ。ハジメはそんなノイントを見て、顔を赤くして潜水艇の操縦に集中する事にした
潜水艇をエリセンの街から人気のない場所まで離れて浮上し陸へ上がり、美羅は異空間から檜風呂を取り出して雌煌が水球を檜風呂の上に生成して炎で熱して常人が入れる温度まで上げて浴槽の中に落とす。これで海の景色を堪能しながら湯に浸かる事が出来る
「さ~て、全員で入りますか」
「一番いただきだぜ!」
既に裸の雌煌は一番乗りで風呂に入る。美羅とノイントも服と下着を脱いでいると、ハジメは先程美羅が言っていた事を思い出した
「え?全員?」
「そうよ。めんどくさがりの雌煌がお湯を温めなおすと思う?入ってる時ならまだしも出た後は絶対にしないわよ。それに、ハジメと一緒に入っても私達は気にしないわよ」
「僕が気にするよ!?」
「おうおうハジメぇ~、全員で入った方が後がめんどくねぇだろ。こういう時は郷に入っては郷に従えって言うだろ?日本じゃ混浴文化もあるんだ。何もおかしくはねえだろ」
ハジメは、問題だらけだよと言いたいが強く言えない。だが、美羅が言う通り雌煌がお湯を温めなおす事はしない可能性が高いのでおとなしく一緒に入る事にした。ハジメが服を脱ぐ中、美羅は徳利の中に日本酒を入れて浴槽の淵に置き、もう一つは熱湯に漬けて熱燗を作る。堂々とお酒を飲む気満々である
「かぁーっ!やっぱり風呂に入りながら飲む酒は良いもんだな!」
「日本酒も良いわね~。ハジメとノイントちゃんも飲む?」
「僕は未だ未成年だよ」
「お酒ですか。ハジメ、トータスでは十五歳で成人ですので飲んでも大丈夫ですよ」
日本で過ごしたハジメからすれば、お酒は二十歳からという認識があるので飲む事を避ける。酔う可能性が高い物を好き好んで飲もうとは思わないのだ。だが、美羅の一言でその思いが揺らぐ
「私の加護があるから酔いはしないわよ~」
「え?それ本当?」
「酔い=状態異常なの。だから大丈夫よ」
「・・・それだったら飲もうかな」
美羅の誘惑の言葉がきっかけとなり、ハジメはお酒を飲む事にした。二人は美羅の傍に置いてある徳利からお酒を木製の御猪口に入れて一口飲む
「辛っ!」
「酒精が強いですね」
飲みなれていないハジメは当然の反応である。そこで、美羅はもう一つの日本酒を取り出して渡す
「この日本酒は比較的甘い方だから飲みやすい筈よ」
「本当?」
ハジメは疑う様に少しだけ飲む。先程の日本酒程ではないが、辛みの中に甘さを感じた。ハジメは、少し飲みやすいそれを中心に飲む事にした。一方、ノイントは美羅から徳利を貰ってハジメの隣で飲む
ハジメは、異世界の月を見上げながら、さざ波の音を聞きながら飲むお酒は格別に美味しいと思った。そして、隣にはとても綺麗な女性三人となれば、自分の状況がどれ程幸福であるかを再認識する。この観光が何時までも続いたらと思いつつ、地球でもこの様な観光をみんなで行きたいと感じた
「おい美羅ア!それ黄金芋酒じぇねぇか!?俺にも飲ませろ!!」
「はぁ!?ふざけんじゃないわよ!」
ハジメとノイントは、黄金芋酒とは何ぞや?と疑問に思っていると、雌煌からヘルプが入る
「お前等も飲みたいだろ?百年に一本しか取れない芋を使った高級酒だぞ!」
「百年に・・・」
「一本・・・」
興味を示した二人は、スススっと美羅に近付いて御猪口を差し出す。それを見た美羅は、盛大な溜息を吐きながら諦めて別ける事にした。三人の御猪口に一杯だけ入れて、残りは自分の分にする。雌煌は悪びれもなくゆっくりと味わう様に飲み、ハジメとノイントは美羅に謝罪を入れて飲んだ感想は一言だ
「「美味しい」」
雌煌と同じ様にゆっくりと味わう様に飲んだ事が幸いし、もう一口味わう事が出来た
「良い景色だね」
「・・・はい」
ハジメはノイントの肩を抱き寄せて一緒に月を見上げる。美羅にお代わりをせがむ雌煌がアイアンクローで宙にぶら下げられる光景を無視しながら無意識に言葉が漏れる
「月が綺麗だね」
「・・・」
ハジメは何気ない言葉だったのだろう。だが、ハジメと記憶の共有したノイントが受け取る言葉のニュアンスは違っていた
「私、死んでもいいです」
隣のハジメにだけギリギリ聞こえる程度で返事をする。そして、ノイントはそのままハジメの肩に頭を乗せて体を預けて目を閉じる。「ずっとこの幸せが続きますように」とノイントは心の中で思いながら睡魔に負けて眠った
その後、ハジメがノイントをお姫様抱っこをしてお風呂から上がり一緒に寝たのは言うまでもないだろう
使徒と言うしがらみから解放されたノイントちゃんは、どんどんと人間味あふれる少女へと変わっています。もっとイチャイチャさせたいと思いつつも、これ以上に甘い展開を思いつかない作者を許して下さい。それでも頑張って書きます