イナズマイレブン 二回目は好きな物から逃げずに。 作:ウツマ
神様のイタズラ
これは、転生する前の最後の記憶です。
誰しも、世界を冷めた目で見たくなる時期ってあるじゃないですか。楽しそうに青春を謳歌している人たちを、小馬鹿にしないとやってられないような、そんな時期。え、ない? そうですか。
でも僕にはあって、ちょうどそういう時期だったんです。
自分の限界を感じてサッカーをやめて、友達とも疎遠になって。自分に嘘ついてないとやってられなかったんです。
どうしてあんな現象が起きたのかは僕にも分かりません。
神様が僕にチャンスをくれた、と考えるには僕は平凡な人間でした。きっと神様の気まぐれでしょう。
ただ一つ言えるのは、その神様のイタズラが、僕に最高な二回目の人生を与えてくれたということです。好きなものと向き合うことができる、そんな人生を。
★★★
「イナズマイレブン新作ゲーム再び延期。開発が難航か?」
別にもう興味はないけれど、ネットニュースはイナズマイレブンの記事を僕におすすめしてくる。
イナズマイレブン。ジャンプ漫画ではないけれど「友情・努力・勝利」に則った熱血青春モノ、僕が一番嫌いなタイプだ。
いくら頑張ったって覆せないことなんて世の中たくさんあるのに、努力すればなんとかなるってただの絵空事。
二度と見ることがないよう、詳細から「このニュースに関心がない」を押す。
最近何もすることがなく、目的もなく毎日を過ごしている。
でも、みんなそんなもんでしょ? 何か目的を持って生きている人なんて少数派だし、まだ高校生でそんなこと考えているやつなんて普通はいない。
僕は今のままでも充分幸せだ。自分で言うのもなんだけど、結構恵まれた家に生まれたと思う。お金持ちって訳でもなく中の上くらいの家だが、僕が部活をやめたいと言った時も、みんな僕の決めたことだからって尊重してくれたし、部活をやめて僕の生活が大きく変わった後、僕の楽しめることをいっぱい提案してくれた。両親に言われて始めたパソコンも今では結構扱えるようになってて、簡単なプログラムなら作れるようになってきた。お金の話とかせずに僕の幸せを願ってくれた。うん。
☆☆☆
えーと、なんの話をしてたんだっけ? 歩きスマホは良くないって話だっけ?
歩きスマホは良くないよ、だってよそ見しながら歩いてるとこうやってトラックに轢かれちゃうもん。
こういう事故にあったとき世界がスローモーションになるってのは本当だったんだ。
家族のこと、友達のこと、部活のこと。
トラックにはね飛ばされて地面に落ちるまでの間に色んなことを思い出した。
(これが走馬灯ってやつか。人って本当に死ぬんだなあ)
そんな訳の分からないことを考えながら僕の人生は終わった。
☆☆☆
「好きなアニメって何?」
クラスメイトにそう聞かれたとしたら、僕は「うーん、アニメはあんまり見ないんだよね」なんて答えていただろう。僕は基本的にアニメは見ないし、漫画も読まない。
ある程度ストーリーを知っている作品はいくつかある。「名探偵コナン」「ハリーポッター」「進撃の巨人」「僕のヒーローアカデミア」「HUNTER × HUNTER」「ONE PIECE」などなど。
ただ、実際に転生するとなると、巨人のいる世界なんて選んでられないし、日常的に殺人事件が起きる世界にも、ヴィランが暴れまくる世界にも行きたくない。つまり何が言いたいかと言うと、僕の選択は間違ってなかったってこと。
自称宇宙人が学校壊したり、地球がブラックホールに吸い込まれそうになったりするけれど、僕が何もしなければ僕になんの被害もないし、普通に生きられる。放っておけば主人公達が全て勝手に解決してくれる。
ああそうだった、あまりの混乱で話が飛んでしまった。車に轢かれて死んだ後、僕は謎の白い部屋で目が覚めて、神様らしき人に「どの作品に転生したいか」と聞かれたんだ。そうして口から出たのは
「イナズマイレブン」
僕は、僕の大嫌いな世界に転生することになった。
ところで、尾刈斗に対してどの程度知識がありますか?
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正直誰も分からない
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主要な数人は顔が分かる
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アニメに登場した範囲で顔と名前は一致する
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ベンチメンバーまで全部完璧に分かる