イナズマイレブン 二回目は好きな物から逃げずに。   作:ウツマ

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 ハロウィーン編!


ハロウィーン編
仮装をしよう


 10月。それは尾刈斗中生にとって非常に大きなイベントがある月である。

 

 

 古代ケルト民族のドルイド教で行われていたサウィン祭を起源とし、1年に1度だけ先祖の霊が家族の元に帰ってくれるとされる日。そう、ハロウィーン!

 歴史の授業でしっかりと教えてもらったため、予習はバッチリだ。

 英語の先生はアクセントの位置に厳しく、みんなちゃんとウィにアクセントを置いて発音している。ハロウィンは禁句だ。ここはホグワーツなのか?

 

 そしてそのハロウィーンに重ねるように尾刈斗中学の文化祭、尾刈斗祭が開かれる。10月31日は水曜日だから、日曜日の10月28日が開催日だ。

 

 尾刈斗祭は校区外からもかなりの客がやってくるらしい。前世と比べてまだハロウィーンの文化がそんなに一般的じゃないから、仮装をしたい人達がここ尾刈斗に集中するのだ。

 

 

「仮装、かあ……」

 

 仮装なんて、今までほとんどしたことがない。もちろん前世も含めて。せいぜいハロウィンっぽい帽子をかぶったくらいだ。あ、ハロウィーンっぽいだね。

 しかし来たるハロウィーンをそんな生半可な仮装で乗り切るわけにはいかない。この学校はガチなのだ。普段からハロウィーン気分な格好をしているみんなも、よりレベルの高い仮装のための準備をしている。

 不乱先輩がフェイスペイントの練習をしている姿を見てしまったときは、怖くて気絶してしまうかと思った。

 

 

 いや本当に、なんの仮装をすればいいんだろう。

 困ったときは仲間に相談。ってことで一番仲のいい三途に聞いてみた。

 

 

「うーん好きなようにしたら良いんじゃないかな。お祭りだし、そんなに気に病むことは無いと思うよ」

 

「好きなようにって言われても、それが一番難しいよ。三途のその頭につけてるソレはどういう意図でつけてるの?」

 いつ頃からか、三途は三角頭巾を頭につけ始めた。第一印象は緑の長髪が特徴的ってくらいだったのに、ワンアイテムで尾刈斗らしい姿に化けた。

 

「ああこれ? 幽霊をイメージしてるんだ。僕は自分のこと、幽霊みたいなものだと思ってるから。

 ハロウィーン当日は白い袴でも着て、全身幽霊でいくつもりだよ」

 

 

 三途がジャパニーズ幽霊スタイルで行くなら、僕はブリティッシュゴーストスタイルってのもありかもしれない。白い布でも被って……これだと魔界先輩と一緒か。

 できるだけ他の人とキャラが被らないようにしたいから一旦保留で。

 

 

 次は最近仲良くなりつつある屍に相談してみた。

 

「ぐふっ、実は俺もそれで悩んでる。だから役には立てない、ぐふふっ」

 

 相談する相手を間違えた。よく考えたら屍は特に普段から変な格好をしたりしていなかったし、喋り方を除けばごくごく一般的な感性を持ってるんだった。

 

 

 次は普段からガチガチの仮装をしてる奴らに相談してみよう。

 

「ああこのマスク? かっこいいだろ! これが俺のアイデンティティ!

 ハロウィーン当日は支給される血糊をマスクにつけて、鉈を振り回してやるプランだぜ! 一応チェーンソーも用意してるから紫藤もどうだ? シャルユーチェーンソー?」

 

「え、遠慮しとくよ……」

 

 さすがに本物の刃物は使わない、はず。

 

 

 次!

 

「この帽子は母国の民族衣装アル。断じて仮装ではないアル」

 

「その御札は?」

 

「力が暴走しないように鎮めているだけアル」

 

「……」

 

 霊幻ってこんなに病気を患ってたっけ?

 魔界先輩のように厨二病に振り切っているわけでもないし、なんともとらえどころがないやつだ。

 

 

 NEXT!

 

木乃伊(きのい)ってなんでそんなにいつも包帯巻いてるの?」

 

「……乾燥肌だから」

 

 え、極端すぎない?

 

 

☆☆☆

 

 

 結局誰からもろくなアドバイスを貰うことができずに、僕は家に帰った。

 

 

 家に着くと、ちょうど母さんがかぼちゃグラタンを作ってくれていた。

 2人で食卓を囲んで、いつものようにおしゃべりをする。

 

「今日スーパーで月村さんとばったり会って、月村さんが言うにはハロウィンに仮装をしなきゃいけないらしいじゃない」

 

 ちょうど悩んでいた問題だ。

 

「義務ってわけじゃないけど、ほぼみんな仮装するらしい。してないと逆に浮くかもって」

 

「それで月村さんのお宅はどのようにするんですか?って訊いたら、全身狼男の着ぐるみを手作りしてますって言うのよ。お母さんびっくりしちゃって、どんな風に作ってるのか見せてくれませんかって言っちゃったの」

 

 着ぐるみを手作りしちゃう月村ママ、恐ろしい。うちの母さんもアグレッシブさで言うと負けてないかもしれない。昔はそんなことなかった気がするけど。

 

「月村先輩のお母さんと母さん、仲良かったんだ」

 

「月村さん家はまあまあご近所さんでね、市役所の近くのあのスーパーに行くとたまによく会うのよ」

 

 近くのスーパーよりも安くて品揃えがいいとのことで、市役所の方まで母さんは毎日自転車を片道15分走らせている。結構な距離だからご近所さんとは言えない気もする。

 まあでも母さんにママ友がいるってことは嬉しい。昔はいたママ友も僕が尾刈斗に進学したせいでいなくなっていたから。こんなこと子供が心配することでもないか。

 

「そう、それでね。月村さんにコツとか教えてもらって、お母さんもちょっと作ってみたのよ。百均でフェルトの素材とか買って、久しぶりに裁縫箱開いたの」

 

 そう言って母さんは立ち上がり(食事中に席を立つなと母さんはよく言うけど、自分自身は例外らしい)棚の中からあるものを取り出した。

 

「じゃーん! 手作りかぼちゃ〜」

 

 ジャック・オー・ランタンかぼちゃのような被り物。不気味だけどどこか愛嬌もある、よくできた被り物だった。

 

「それほんとに手作り? 普通に凄いじゃん!」

 

 母さんが作ったものならどんな酷いものが現れても褒めるつもりだったんだけど、予想していたより遥かに良い。

 

「でしょでしょ! この目と口の部分がメッシュになってて、ちゃんと外が見えるのよ。一旦被ってみて、写真撮るから」

 

 言われるがままに僕はそれを被った。被り心地は悪くない。

 

 

 

 こうして僕の仮装はかぼちゃに決定した。

ところで、尾刈斗に対してどの程度知識がありますか?

  • 正直誰も分からない
  • 主要な数人は顔が分かる
  • アニメに登場した範囲で顔と名前は一致する
  • ベンチメンバーまで全部完璧に分かる
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