イナズマイレブン 二回目は好きな物から逃げずに。   作:ウツマ

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ということで(?)、ついに幻斗君も中2になります!
原作開始までもう少しです!


傍観する少女編
新しい風


 時は流れ、僕は中学2年生になった。

 

 今年は、色んなことが起こる年だ。王者帝国の陥落から世宇子の登場、エイリア襲来にFFIの開催。そう、原作が始まる。

 

 

 僕は強くなった、と思う。少なくとも神成FCにいた頃や、前世よりはかなり強くなってるはずだ。

 僕の目標はただ一つ、影山を潰すこと。僕達尾刈斗が勝ち上がれたらそれでもいいけど、原作通り雷門が世宇子を倒してくれたっていい。

 修也がいない分厳しいかなと思っていたけど、みんな真面目に練習しているおかげで原作よりももっと強くなっているように見える。

 

 壁山や栗松など新入生が入ってきて、より部が活発になったと円堂から聞いた。今のみんななら練習せずに部室でゲームみたいなことにはならないだろう。

 今部員が10人だから、あと1人部員を集めたらちゃんと練習試合をしようと言ってくれた。最後の部員として思いつくのは目金だが、帝国戦で不戦敗しないための数合わせなんて状況じゃなければ入ってくれそうな気がしない。新入生に声をかけて回れば誰か1人くらい入ってくれそうな気もするけど。

 

 

 新入生といえば、我らが尾刈斗サッカー部も新しいメンバーが増えた。

 妖怪博士の柳田(やなぎだ)しげると、原作キャプテン幽谷博之(ゆうこく ひろゆき)だ。2人ともとても良い子で、一緒にいると自分がいい先輩であるように感じられる。神成FCは縦の繋がりがあんまりなかったし、前世はあれだったしで、後輩と接するという経験は意外と初めてかもしれない。

 2人だけってのはちょっと少ないけど、それはおいおい集めていこう。

 

 

☆☆☆

 

 

「オレが最高学年ってなんだか実感湧かねえな」

「2つ上の先輩達に教えてもらってた頃がついこの間みたいだ。魔界の住人は時が進む速度も違うのか」

「お前中2じゃなくなったのにまだそんなこと言ってんのか」

「俺が魔界の住人なのは事実だからな」

 

 月村先輩と魔界先輩は相も変わらずいつもの掛け合いをしている。やっぱり仲がいい。

 

 

「今日のミーティングって何なんですか?」

「去年もあっただろ、監督からの部の方針の説明みたいなの」

 

 そう言っているとちょうど監督が部室に入ってきた。

 

 

「皆さん集まってくれましたか?」

 

 何人か別の部活に顔を出している人もいるが、幽谷と柳田さえいればいいのか満足そうに頷く。

 

「今から尾刈斗中サッカー部の方針について説明します。気になったことがあったらなんでも質問してください。そしてその上でどうしても相容れないと思ったならば、やめていただいて結構です」

 

 去年も同じことを言って話し始めていた気がする。

 

 僕は原作知識のおかげでこの学校が催眠術を使っていることを知っていたけど、知らずにサッカーの強豪だと思って入ったらインチキ集団だったと幻滅するかもしれない。

 サッカーの強豪だとしてもそのためだけに尾刈斗に入ろうとするやつなんて滅多に居ないと思うけど。

 

 僕は尾刈斗に入るしか選択肢がなかった。だから催眠術でもなんでもサッカーができるならそれでいいと思った。

 本当なら円堂達みたいに正々堂々と戦いたい、と思わなくはないけれど。

 

 考え事をしている間に、監督の催眠術についての説明が終わった。

 

「分かりました。郷に入れば郷に従えですね」

 前から思っていたけど、幽谷って見た目に反して凄い真面目なやつなのかもしれない。

 

 

「それから、もうひとつ大切な話があります。私達が今、成そうとしていることです。今から話すことは他言無用、他の先生方にも言ってはいけません」

 

 より真剣な口調で語り始めた監督を前に、幽谷と柳田は恐怖と好奇心の混ざった顔で次の言葉を待つ。

 

「私達は今、打倒帝国を掲げて戦っています――」

 

 

 

☆☆☆

 

 

「幽谷ってさ、やっぱり色々視えるの?」

 前世だったら霊感あるとか言ってる人は全員イカサマだと思っていたけど、この世界じゃそんなことはなさそうだ。

 少なくとも変なバンダナで目を隠してるのに普通に生活している時点で、幽谷の目が普通じゃないのは間違いない。

 

「はい。普段はこれでセーブしてるんですけど、外したらちゃんと視えますよ。先輩の会いたい人についても視ましょうか?」

 

 まだ何も言っていないのに、幽谷は僕の目的を見抜いていた。特殊な目をしているせいで、これまでの人生でも霊能者を頼まれることが多かったのかもしれない。

 

「そんな簡単にやってもらっていいの? 視るのに代償とかあるなら全然遠慮するけど」

 

「大丈夫です。困ることといえば視えすぎて視界がうるさくなるくらいなんで。

 先輩が会いたい人って先輩とどういう関係なんですか?」

 

「会いたいのは、僕の父だ」

 僕が幽谷に話しかけたのは、僕のせいで死んでしまった父さんと話が出来ないかと思ったからだ。

 

 

「先輩、目を閉じていてください」

 

 言われた通りに目を閉じる。幽谷が少し動く音が聞こえる。バンダナを外しているのだろうか。

 

「先輩と似た波長の霊を探します」

 

 波長っていうものの意味がよく分からないが、父さんの霊を探してくれているのだろう。

 

 

 

「うー、見つかりません。先輩の近くにいらっしゃるかと思ったんですけど、全然関係ない霊でいっぱいで」

 

「幽霊ってそんなにいっぱいいるんだ」

 今まで死んだ人類の総数を考えると、見えないだけでそこら中にいてもおかしくないのかもしれない。

 

「もう目を開けていいですよ。すいません、頼りになれなくて」

 

 目を開けると、再びバンダナを巻き直した幽谷に謝られた。

 

「いやそんな謝ることじゃないって」

 

「現世にとどまらず、成仏してしまったのかもしれません」

 

「それならそれでいいよ。っていうかそれがいいよ」

 幽霊の満員電車に揉まれているくらいなら、成仏して天国にいてくれたほうが嬉しい。

 父さんと話をすることはできなかったが、これ以上後輩に迷惑をかけるわけにもいかない。

 

 

 もしかしたら、僕の魂が特殊だから、波長の近い魂が見つけられなかったかもしれない。だとしたら、もう打つ手はないか。

 

 

 

★★★

 

 

 

 尾刈斗中学、校長室。

 

 生徒が入ることなど滅多にないこの部屋に、わざわざ2人きりで話がしたいと、ある男子生徒はやってきた。

 

「それで、どうしても私の耳に入れたい話とはなんだい?」

 校長はいつものように、優しい顔で尋ねる。

 

「サッカー部のことです。サッカー部は今、影山を倒そうと画策しています」

 

「影山というのはサッカー協会の副会長さんのことか? それがサッカー部とどう関わりがあるんだ」

 

「この学校が影山と深い関係にあることは知っています」

 

 好々爺の演技は不要と気づいたのか、校長は優しい微笑みを解く。

 

「僕に提案があります」

 

「それはつまり、私と交渉しようということかね?」

 

「僕がサッカー部の企ての証拠を持ってきたら、その見返りに僕を帝国学園に入れてください」

ところで、尾刈斗に対してどの程度知識がありますか?

  • 正直誰も分からない
  • 主要な数人は顔が分かる
  • アニメに登場した範囲で顔と名前は一致する
  • ベンチメンバーまで全部完璧に分かる
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