イナズマイレブン 二回目は好きな物から逃げずに。   作:ウツマ

4 / 49
インタラプト

 尾刈斗中の入学式を無事に終え、「幻斗の晴れ姿、パパにも見せなきゃ」なんて言ってる母と共に家に帰る。

 

 どうして尾刈斗中に入学することになったのか、それは話すと長くなる。

 

 

☆☆☆

 

 

 今からまた回想に入るんじゃないかと思ったかもしれないが、今日はもうたっぷり回想したのでもうしない。そんなことよりも、

 

「友達のところに行ってくる」

 

 どうしても行かないといけない場所がある。

 

「いくら友達だからって勝手に他の学校に入るのはダメじゃないの?」

 

 母から正論を言われるが、「大丈夫だって」とだけ言って家を出る。

 

 今日は尾刈斗中の入学式の日であり、刃也のいる帝国学園の入学式の日でもある。

 

 そして、雷門中の入学式の日でもある。

 

 聞いた話だと、うちの学校とは違い雷門中は入学式の日から部活動をしていて、新入生も即日入部できるらしい。()()が来るのもこの日だったはずだ。

 

 もちろん、彼らが来るのはパラレルワールドのひとつでこの世界にはやってこない可能性も十分にある。しかし、もし彼らがやってきて何かイレギュラーな出来事が起きてしまったら。サッカーが嫌いになる円堂なんて僕は見たくない。

 

 そんなことを考えながら僕は雷門中へ向かった。

 

 

☆☆☆

 

 

「ここから始まるんだ。雷門サッカー部の歴史が…」

 

「でも、それを阻止するためプロトコル・オメガが現れるはずだよ。雷門にサッカー取り戻すためにも絶対に奴らを倒さなきゃ」

 

 雷門サッカー部の誕生を見届ける2人と1体のアンドロイド。

 

「あれ? でもなんで円堂監督だけなんだろう」

 

 

☆☆☆

 

 

 入学式だからか正門は大きく開放されていた。記憶と勘を便りにサッカー部室へ向かう。

 

「見つけた!」

 

 遠くに見えるはボロボロの部室と、円堂と可愛い女の子(秋かな?)、それと紫の髪の男の姿。間違いない。クロノストーン編に登場するルートエージェント、アルファだ。

 

 何とかギリギリ間に合っただろうか。そう思っていると突然アルファを中心に青い光が展開される。

 

「僕たちも行かなくちゃ」

 

 その光に飛び込む天馬達。後を追おうと僕も全力疾走して光に飛び込んだが、直前に光は閉じ、僕は地面にダイブしてしまった。

 

 

☆☆☆

 

 

 顔面土まみれになった僕は、奇異の目にさらされながら雷門中を立ち去った。

 

 あの青い光の行き先は予想が着いている。原作と同じならば、彼らの行き先は雷門が伝説を作っていく場所、フットボールフロンティアスタジアムである。

 

 でも、今から行っても間に合うのだろうか? ここからスタジアムまで電車で30分以上はかかる。そもそも今お金も何も持ってきてない。

 

(行かなきゃ、かな?)

 

 少し悩んだ末、全速力で家に帰り財布だけ取り出して家を飛び出した。何があったのか問う母も無視して駅へ向かった。

 

 たとえ間に合わなかったとしても、ほとんど意味は無かったとしても、歴史が変わるかもしれないことを知りながらそれを無視するということは出来なかった。それとから、少しの好奇心があったことは否定できない。あのアニメの中だけだと思っていた光景が直接見られるのかと思うと、じっとしていられなかった。

 

 スタジアムの前に着いたが、予想していた活気も何もなく、ただひたすらに静かだった。

 

(どこから入ればいいんだろう?)

 

 侵入するためのルートを考えていると、

 

「きみきみ、ここは立ち入り禁止だよ」

「今日はこのスタジアムは誰も使ってないよ」

 

 スタジアムの整備でもしていたのだろうか、おじさんが話しかけてきた。

 

「今ここ誰もいないんですか?」

 

「もう俺たち以外には誰もいねえよ、そうだよな?」

「ああ、誰も見なかった。どうしてそんなことが気になるんだ? 誰も使ってないからって勝手に中に入って遊んでいいわけじゃないぞ」

 

「いや、さっき中から声がしたような気がして」

 

 原作知識でここにアルファがワープすると知っていたからです、なんて言えるはずもなく、適当に誤魔化す。

 

「いーやそんな声は聞こえなかったな」

「気になるんならおじさん達がもう一回見回りしてこようか?」

 

「いえ、結構です。聞き間違いだったかも……」

 

 そう言うとおじさん達は駅の方へ帰っていった。嘘をついたのは申し訳ないけど、再びどこか入れるところはないか探す。

 

☆☆☆

 

 なんとか侵入しフィールドまで来たが、おじさん達が言っていたように誰もいなかった。

 

 フットボールフロンティアスタジアムだと思っていたのは僕の勘違いだったのかもしれない。

 

「はあー、ほんと疲れたな」

 

 疲れたってのは全速力の結果なのか、時間とお金と心意気が無駄になった心の疲れなのか、はたまた転生してからの色々を振り返ってのなのか。自分でも自分の気持ちがよく分からなかったが、とりあえず芝の上に横になりたい気分だった。

 

 この芝の上で、雷門は円堂達は伝説を作っていくことになるのかと、そんなことを考えて

 

「僕も雷門に行きたかったなあ。円堂と一緒にこの芝の上でサッカーしたかったなあ」

 

 心の声が言葉となっていく。転生した頃はサッカーなんて嫌いだって言ってたのに、こうして出てくる言葉は「サッカーしたい」なのか、なんて自虐を挟みつつ。

 誰かに見られたら説明に困るけど、ちょっとここで一眠りしようかな?

 

シュン

 

 何か音がした。まるで誰かがワープしてきたみたいな。

 

「紫藤幻斗、お前がなぜここにいる」

 

 やっぱり説明に困るなあ。

 

「紫藤、これはどうなってるんだ?」

 

 そして、この作品の主人公円堂守の声。「円堂と一緒にこの芝の上でサッカーしたい」という僕の願いはすぐに現実になるようだった。

ところで、尾刈斗に対してどの程度知識がありますか?

  • 正直誰も分からない
  • 主要な数人は顔が分かる
  • アニメに登場した範囲で顔と名前は一致する
  • ベンチメンバーまで全部完璧に分かる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。