二種目の騎馬戦が終わり、一時間の昼休憩を挟んで午後の部となった。
最終種目の発表。
『進出4チーム総勢16名からなる。トーナメント形式!!一対一のガチバトルだ!!』
「ガチバトルだべか…今年だけ奇を狙って例年と全然が違う競技とかじゃくて良かっただ」
得意と言える種目に少し安心するヨコヅナ。
その後、トーナメントの組み合わせ決めのくじ引きをすることとなったのだが、
一人の生徒が挙手をし、
「あの…、すみません。俺、辞退します」
ヒーロー科のA組、尾白猿夫が最終種目出場の辞退を希望する。
さらに、
「僕も棄権したい!」
ヒーロー科B組の庄田二連撃も辞退を希望した。
「あの二人、どうしてだべ?」
この二人はヨコヅナと同じ、心操チームで騎馬をしていた生徒達だった。
辞退の理由を要約すると、
「皆が力を出し合い争ってきた
とのことだった。
それを聞いてヨコヅナの心に、グサッ!グサッ!幻痛が走る。
(何もしてないことは…ないだべ、よな……心操を乗せて動いてただ、うん)
そして、さらに拳藤チームが繰り上がりでの最終戦出場を似たような理由で鉄哲チームに譲る、
それを見て、さらにヨコヅナの心にグサァ!!!と幻激痛が走る。
痛みに強く、倒れないことには自信のあるヨコヅナでも、膝をついてしまいそうになるほどだった。
「おまえは、辞退しないのか?」
「心操……」
心にダメージを喰らっているヨコヅナに、いつの間にか近くにいた心操が問いかける。
「しないだよ」
心は痛むがはっきりと言い切るヨコヅナ。
「あの二人はヒーロー科、そもそもの立ってる位置が違うだべからな」
他科がヒーロー科に編入する為の見せ場なんてほとんどない、体育祭でも三年はもちろん、二年生になってからでは無可能に近いだろう。
ヨコヅナにとっては、この体育祭が最初で最後のチャンスと言っても過言ではないのだ。
だから、ヨコヅナは他の生徒がどう言おうと辞退するつもりはない。
「そうか……お前とは当たらないことを祈ってるよ」
「はは、それだと優勝出来ないだよ」
「…ふ、ニコニコしながら言ってくれるな」
くじ引きが終わり、トーナメント表が完成した後、ヨコヅナに拳藤が話しかけてきた。
「最終種目、出場おめでとうヨコヅナ」
「ありがとうだべ。でも拳藤も出場できたのに…」
「良いの、私のことは……それより組み合わせ的に、決勝まで行かないとB組とはあたらないし、試合観ながら不利にならない程度に、ヨコヅナの個性、クラスメイトに説明してもいいかな?」
「良いだよ」
「ありがと。じゃ準優勝までは頑張って」
「オラは優勝するだよ」
「ははは、塩崎と鉄哲が負けたら、最後まで応援してあげるよ」
そう言って拳藤は他のB組生徒の元へと戻っていった。
トーナメント表に井ノ中の名前が書かれているのは、左から5番目、第三試合。
対戦相手はヒーロー科A組 上鳴電気。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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