最終種目の前にレクリエーションがあるのだが、参加は自由なのでヨコヅナは、控室で昼寝をしていた。
「ZZZ~、なんでオラ、こんなとこに…ZZZ~」
そんな寝言を言ってるヨコヅナを、
「君!、大丈夫か?君!」
体を揺らし起こす生徒がいた。
「Zっ…ん……誰だべ?」
「俺はヒーロー科A組の飯田天哉だ。君は体調が悪いわけじゃないのか?」
「ただ昼寝してただけだべ」
どうやら飯田は昼寝しているヨコヅナが体調を崩している思ったようだ。
これには理由があり、
「しかし、君は三試合目の生徒だろう。第二試合はもう終わったぞ」
飯田は四試合目であり、二回戦に勝ち進めば戦う可能性のあるヨコヅナが三試合目だと知っていた。
次が試合にもかかわらず、控室で寝ていたから心配になったのだ。
「え!?オラ、三試合目なのに…もう始まってるだか?遅刻だべか!?」
「いや、まだだ、今は轟君が作った巨大な氷塊を溶かしてる最中だ」
「そうだべか、良かっただ。起こしてくれてありがとうだべ」
「何、礼を言われる様な事はしていない」
結果はどうあれ、戦う可能性のある相手の体調を心配してくれたのだ。ヒーロー志望だけあって親切な人だなと思うヨコヅナ。
「ちょっと聞きたいだが……1試合目はどっちが勝っただ?」
「緑谷君だ、ヒーロー科A組の」
「心操は負けただか…」
同じ普通科として、少し残念思うヨコヅナ。
『まもなく、第三試合が始まります。上鳴電気、井ノ中ヨコヅナはステージへ』
スピーカーから呼び出しがかかる。
「呼ばれただな」
立ち上がり扉に向かうヨコヅナ。
控室を出る前に飯田の方を振り返り、
「起こしてもらって助かっただが、二回戦では手加減はしないだよ」
「……望むところだ」
大観衆の中スタージに立つヨコヅナ。
『最終まで残ったもう一人の普通科 井ノ中ヨコヅナ! 対 スーパーキリングボーイ!上鳴電気!』
実況のプレゼント・マイクが選手紹介をするが、観客のヨコヅナに対する評価はかなり低い。
予選は42位でギリギリ通過、騎馬戦は心操の個性のおかげで通過。
体格こそ、トーナメントの16名の中で一番大きいが、その程度は個性使用可の試合ではさして有利とは思われない。
対して上鳴の個性は【帯電】、操る事は出来ないが、広範囲に電気を放出する事が出来る。
その威力は騎馬戦時に観客も見ており、この試合勝つのは上鳴だと多く者が思っていた。
『普通科でここまで残ってるってこたぁ、やっぱヒーロー科編入を目指してるって感じか、井ノ中は?』
『…多分な』
プレゼント・マイクの疑問にイレイザーヘッドは推測で答える。ヨコヅナは心操と違い、普通科しか入学試験を受けていないからだ。
『それじゃ、しっかり実力を見せてくれよ!!』
『START!』
試合が始まり、
「試合で目立ってヒーロー科に編入したいみてーだが……相手が悪かったな」
「ん?」
早々に上鳴は喋りながら、
「多分この勝負、一瞬で終わっから。無差別放電!130万ボルト!!」
全力の電撃をステージ中に放電した。
そして、観客の目が眩むほどの電撃が静まった時、ステージには、
「確かに一瞬だったべな。相手が良かっただよ」
張り手一発でK.Oした上鳴を見下ろすヨコヅナの姿があった。
『……瞬殺!!あえてもう一度言おう!瞬・殺!!。二回戦進出は、普通科井ノ中!!』
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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