二回戦第二試合、井ノ中VS飯田の、
『START!!』
試合開始の合図が出される。
「俺も遠慮なく倒させてもらう!」
飯田は開始同時に個性【エンジン】を使って猛スピードで前に出る。
そして、ヨコヅナから少し遠い間合でジャンプし、
「レシプロバースト!!」
奥の手まで使って、強烈な飛び回し蹴りを繰り出す。
飯田の考えとしては、
ヨコヅナは、個性の分からない対戦相手、逆に自分は個性も奥の手も相手に知られている。
だから、開始早々奥の手を使った速攻で虚をつき、一気に勝負を決める策に出たのだ。
そして、飯田のレシプロバースを使っての強力な飛び回し蹴りは…
『ああっ!!飯田の強烈な蹴りが、井ノ中の顔面にキまった!!!』
プレゼント・マイクの実況通り、試合を見ている者全てが、ヨコヅナは顔面に強烈な蹴りを喰らったように見えた。
事実、飯田の飛び回し蹴りはヨコヅナの頭部に当たっている。
だがしかし、
ヨコヅナは間髪入れず、飯田の蹴り足を両腕で抱える。
「何!?」
「ふんっ!」
そして、抱えた足を一本背負いの要領で投げ、飯田を床に叩きつける。
「がはっ!」
ステージの床はセメントスが作ったモノなので、とても固く威力は絶大だ。
『なんだぁ!?井ノ中、蹴りが全く効いていなかったかのように、飯田を床に叩きつけた!!』
見ているほとんどの者が驚き、そして理解出来なかった。それほどまでに、飯田の蹴りは強烈で、完璧に決まていたように見えたからだ。
『一回戦の電撃の時といい。井ノ中に攻撃は効かないのかぁ?』
プレゼント・マイクのその言葉を、
『…違うな』
イレイザーヘッドが否定した。
『効かないのではなく、効いてるが耐えられてるだけだ』
『……あ!、あれか、イレイザーがズタボロに負けた
『ズタボロに負けたは余計だ。それに【衝撃吸収】でもない。井ノ中は蹴りに対して自らも、額をぶつけに行った』
ヨコヅナの顔面に飯田の蹴りがキまった、ではなく、ヨコヅナが飯田の蹴りを額で受け止めた、が正しい言い方だ。
『余程の頑丈な頭なんだろうな』
『それじゃ…個性使ってないってことか!?』
『…どうだろうな』
見ている者達がザワついている中で試合は進む。
床に叩きつけられたダメージは大きいが、飯田は立ち上がる。
「次はこっちから行くだよ」
飯田が立ち上がるのを見て、今度はヨコヅナから前に出る。
一旦距離を取ろうとする飯田だが、
「くっ」
足の痛みに動きが止まり、ヨコヅナに腕を掴まれる。
「その足じゃ、もうさっきのようには走れないべ」
初撃の蹴りでヨコヅナの額に当たったのは、飯田の脛の部分。ダベージが大きかったのは飯田の方であった。走る事はおろか歩く事すら厳しい。
ヨコヅナは捕まえた飯田の顔面に向けて、張り手を繰り出す。
飯田は掴まれていない方で腕でガードするが、
ミシっ!
「ぐぁっ!」
まるで石で殴られたかのような衝撃。
飯田が痛みに意識を取られている隙に、ヨコヅナは足をかけ、今度は二丁投げで背中から床に叩きつけるように飯田を投げる。
「ガハッ!」
背中を硬い床に強く叩きつけられ苦しむ飯田。
「……それ以上怪我したくないなら、立ち上がらないことだべ」
倒れている飯田を見下ろしながら、ヨコヅナは忠告する。
「でも、立ち上がるなら容赦はしないだ」
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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