「嘘…?」
「飯田君まで」
「なんなんだ、あの普通科…」
「強すぎだろ」
ズタボロになり倒れ伏す飯田とそれを見下ろすヨコヅナを見て、A組の生徒は驚きの声を漏らす。
『なんだよオイ!?普通科井ノ中の一方的展開じゃねえか!!』
初撃の蹴り以降飯田の攻撃はほぼない。
立ち上がる度、多少の抵抗はするが、ヨコヅナの張り手を喰らい、投げで硬い床に何度も叩きつけられていた。
『どうなってんだよ?イレイザー』
『見ての通りだ、井ノ中ヨコヅナは強い。それだけだ』
『でも普通科だぜ?』
『…強くなる努力を積み重ねることに、学科など関係ないと言う事だろ』
「飯田君…まだ戦える?」
主審のミッドナイトが飯田に声をかける。
もはや、飯田に勝ち目がないのは誰の目にも明らかだ。
それでも、
「ま、まだ…戦え、ます」
ズタボロの姿で、ふらつきながらも立ち上がる飯田。
「もう止めるだよ」
ヨコヅナも何度も降参をすすめているが、
「それは、出来ない!。俺の目指すヒーローは、勝ち目が薄いからと、降参などしない!」
飯田は降参に応じない。
「…仮にオラが
「当然だ!命惜しさに
「オラはいると思うだがな」
たくさんのヒーローがいるこの世の中で、命惜しさに
「少なくともオラだったら、状況次第では降参するだ」
「……君は普通科だが、ヒーローを目指してるのではないのか?」
「自分のヒーロー像を他人に押し付けるのは良くないだよ」
「俺一人の考えではない、ヒーローとして当たり前の考えだ!」
「……あんたは真面目で良い人だが、オラとは考えが合わないだな」
そもそも、ヨコヅナはヒーローになりたいのではなく、ヒーロー免許が欲しいだけなのだ。
代々ヒーロー一家あり、真面目一辺倒な飯田と分かり合えるはずがなかった。
「話は終わりだべ。そして試合も終わらすだ」
ヨコヅナはそう言って、立っているのもやっと言った飯田に素早く近づき、がっつりと組み付く。
だが、今度は投げず、そのまま押していく。
『なんだぁ?井ノ中、飯田をどんどん押していくぞ!これは…』
『場外に押し出すつもりなのだろうな』
ズタボロの飯田は簡単に押されてく。
「くっ……この…」
何とか抵抗しようと、個性【エンジン】を発動させようとするが、エンジンはかからない。
「無駄だべ」
そして、飯田は、
「どんな個性だろうと、オラに相撲で勝てる奴はいないだ」
何の抵抗も出来ないまま、あっさりと場外へ押し出された。
「飯田君場外!勝者井ノ中ヨコヅナ!」
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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