ヒーロー科B組の観戦席。
「あんな強個性相手に、準決勝も圧勝とか、強すぎだろ…」
「おスモウさん!Extremely strong!!」
「相手の個性を無効化する個性か…」
「前に鉄哲と格闘試合した時も、鋼鉄化は額がぶつかった時に無効化してたってことだね」
「弱点、ある?」
「…あるよ。だから個性を秘密にしてたわけだしね」
ヨコヅナの【個性無効】は弱点・欠点は多く、知っていれば簡単に対処も出来る。
「……ひょっとして井ノ中は肌で直接触れないと個性を無効化出来ないのこ?」
「そう、だから今の試合ヨコヅナは褌一丁で戦ってたの、服は凍っちゃうからね。それに個性を使えなくする場合も相手の肌に触れないといけない」
ヨコヅナが個性を無効にするには、肌での直接な接触が必要。それは薄い布一枚纏うだけでも防ぐことが出来る。
「ヨコヅナにとって一番やっかいな相手は、二回戦の飯田だったろうね。もし飯田が足首まであるジャージ履いてたら、個性を無効化する事が出来ず、蹴りを額で受けたとは言え無事じゃすまなかったはずだよ」
ヨコヅナ自身も飯田を強敵と言っていたように、個性で格闘技術を向上させるタイプは相手の肌に触れれなければ、強力な攻撃を喰らってしまう。
飯田はふくらはぎから、マフラーが出ている為、膝までのジャージを履いていたのはヨコヅナにとって幸運だった言える。
「それじゃ、肌の出てないヒーロースーツ着てたら、無効にはされないんだ」
「肌に触れるにしても、射程もないし一度に無効に出来るのはせいぜい両手でつかめる二人が限度」
「相澤先生の【個性抹消】の上位互換かと思ったけど、そうでもないのこね」
「そうだね。それともう一つ相澤先生と大きく違うのが、ヨコヅナの個性は常時発動型なの」
イレイザーヘッドは個性の発動を自分の意思で決めれるが、ヨコヅナは個性の発動は自分の意思で決めれない。常に触れた個性を無効にしてしまう。
「奇襲でも無効化出来るってことか」
「じゃあ庄田と違って騎馬戦で心操に操られてなかったんだ」
最終種目を自体した庄田や尾白と違い、ヨコヅナは心操に操られてはいなかった。
騎馬戦のチーム決めの時、もちろん心操はヨコヅナを操るつもりで話かけた。だが、不意打ちでしかも、目に見えない声による個性であろうと、ヨコヅナは無意識で無効化出来るのだ。
「常時発動の利点は確かにあるんだけど、欠点の方が大きんだよね」
「欠点……あ!リカバリーガールに治療してもらえないのこ…」
「そう、だから一種目の障害物競争なんてヨコヅナにとって本当に命がけだったと思うよ」
個性の発動をoffに出来ないヨコヅナは、個性による恩恵も無効化してしまう、リカバリーガールの治療を受けれないヨコヅナにとって体育祭はとても危険な行事…
「それなら個性を秘密にするのも納得のこ」
「もうその必要もないけどね」
正確には、危険
「個性の攻撃力に頼ってる奴には、ヨコヅナを倒すのは厳しいから、こういう試合形式だと特に」
「……残ってる二人もそういうタイプの個性だよね」
決勝でヨコヅナと戦うのは、これから試合する常闇と爆轟のどちらかだが、どちらも個性その物に攻撃力を持ち、だからこそヨコヅナには通じない。
「え、じゃ普通科が優勝!?」
「可能性高い」
「それちょっと、悔しいと言うか、ヒーロー科として情けなく思えてくるね」
B組の生徒達にとって、A組の生徒に優勝されるのも悔しい気持ちになるが、普通科のヨコヅナだと、ヒーロー科として情けない気持ちにまでなってしまうのだった。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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