雄英体育祭が終わり、休みを挟んだ月曜日。
井ノ中ヨコヅナは学食で昼食を食べていた。
「新メニューのお好み焼き定食、美味いだな」
今日もテーブルには三人前の料理が並んでいる。
「炭水化物×炭水化物はどうかと思っただが、何でも食べてみないと分からないだな」
お好み焼きを食べながら、ブツブツ言っているヨコヅナに、
「なに呑気な事言ってんのよ」
そう言って断りもなく、テーブルの向かいに座ったのは拳藤一佳。
「本当バカね、あんたって。あそこまでいって最後に失格とか」
「それまでの成績も無効になるとは思わなかっただな、酷い話だべ」
雄英体育祭の決勝は行われず、ヨコヅナは失格となった。
負傷による辞退などとは違い、試合外で暴力を振るったいう反則行為と判断され、ヨコヅナの体育祭での成績は【決勝進出】などではなく、【失格】だ。
「酷くないわよ、当たり前でしょ!相手が先に攻撃して来たからってやり過ぎ」
爆豪の治療後、事情聴取のようなことが行われ、事の原因は爆豪が先に個性で攻撃したことにあるのは分かってる。
その為爆豪も【失格】扱いだ。
「でも、あの爆破はオラじゃなかったら大怪我してるだよ。あういう調子に乗ってる奴は、顔面潰して良いと法で決まっているだよ」
ヨコヅナの「ヒーローに向いてない」発言の怒りから、爆豪はヨコヅナに向けて個性【爆破】を使用した。
爆豪としては無効化されることを見越しての爆破だったのだが、ヨコヅナは攻撃された瞬間爆豪の頭を鷲掴みにし、顔面を床に何度も叩きつけたのだった。
「そんな法律ないわ、よ」
バカな事を言うヨコヅナの額をチョップする一佳。
「優勝してたら、ヒーロー科編入はほぼ間違いなかったでしょうに…」
「そうだべな~。ヒーロー科編入、やっぱ駄目だべかな」
ヨコヅナの成績は反則による【失格】。事実はどうあれ、ルール上では一種目の障害物競走で棄権した生徒よりも低い成績になるらしい。
「でも、ブラド先生に聞いたら、可能性は零じゃないみたいだよ」
「ほんとだべか?」
「詳しくは何も教えてくれなかったけどね」
反則で【失格】にされたヨコヅナだが、その実力と個性の有用性を評価する者もいるようだった。
「そうだべか……それじゃまぁ、もう少し頑張ってみるだべかな」
「もっと真剣になりなさいよね」
「それなりに真剣だべ。でも、オラはヒーロー資格が欲しいだけだべからな」
「はぁ~…前言撤回。やっぱあんたなんて【失格】の評価で十分よ」
「ははは、オラもそう思うだよ」
ヨコヅナは体育祭で多くのヒーロー志望の者と関り、自分がヒーローに向いてないと思った。
と言うよりも、それは高校受験の時から分かっていた、
「拳藤、久さしぶりに、ちゃんこ食べに来ないだか?新作もあるだ」
「いいの!…いや~、実はずっと食べに行きたかったんだけど、高校に入ってからヨコヅナ誘ってくれないし…自分から言うのもアレかなっと思って…」
「オラは、拳藤はヒーロー科で忙しいと思って、誘わなかったんだべが」
「そうなんだ。ヒーロー科でも、ご飯食べに行くぐらい出来るよ」
「そうなんだべか……それじゃ中学の時みたいに、ちょくちょく誘うだよ」
「うん!」
ヨコヅナはのんびり平穏に、ちゃんこ鍋を作って美味しいと言って貰える。そんな暮らしが目標なのだから。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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