『おぉ!爆豪が優勢っぽくなってるぞ!?』
『個性を上手く使い、相手の弱点をついているな』
『担任が【個性抹消】とか使えるから、対策を普段から考えてたのか?』
『どうだろうな…だが、あれだけで勝てるほど甘い相手ではないと思うが…』
距離を取った爆豪は再度ヨコヅナに向けて大きめの爆破を行う。初手同様、煙による目隠しが目的だ。
爆豪の狙いが分かったヨコヅナは動かず冷静に、音や煙の動きに集中する。
先に動かなければ足場を崩されることはない。それに爆破の反動で打撃の威力の上げているのだから、爆破音が爆豪の大まかな位置と攻撃のタイミングを教えてくれる。
後手にはなるが、足場を崩されてさえなけれ張り手で相打ち、もしくは打撃を喰らってから捕まえ投げる事は可能だと考えるヨコヅナ。
BOOM!、BOOOM!!と爆破音が聞こえ、その方向の煙の合間から爆豪の姿が微かに見えた。
ヨコヅナはそれに向けて張り手を繰り出す。
しかし、
「な!?…」
手ごたえがまるでなかった、ヨコヅナが張り手を喰らわしたのは、
「ジャージの上着?」
「油断して試合観ねぇから、こんな手にひっかかんだよ!」
爆豪はヨコヅナの考えの一歩先を読んでいた、音で攻撃を悟られると考えた爆豪はジャージの上着を爆破でヨコヅナの方へ飛ばして囮にしたのだ。一回戦で爆豪が戦った麗日お茶子の戦法のパクリだ。
BOOM!BOOM!BOOM!今まで以上の連続した爆破音はヨコヅナの頭上。
爆破の反動で前方宙返りしながら、遠心力をつけた、
「死ねぇ!!!」
爆豪の強烈な踵落としがヨコヅナの頭部に叩き込まれた。
『爆豪のド派手で強烈な踵落としが井ノ中の頭に炸裂!!!さすがの井ノ中も終わったか!?』
『…いや、まだだ』
「油断?なんのことだべ」
ヨコヅナは空中にある爆豪の体をガッシリと両腕で捕らえる。
「あれは余裕と言うだよ」
「なん…だと!?」
『爆豪捕まった!!踵落としは井ノ中に効いてなかったのかぁ?』
『いや、二回戦の飯田の時と同じだ、ヨコヅナは爆豪の踵落としを額で受け止めたんだ』
「クソがっ!」
捕まった爆豪はどうにか逃げようとするが、単純な力ではヨコヅナが圧倒している、それに上着を脱いだ為、肌がヨコヅナと接しているので個性が使えない。
「喋ってると舌噛むべ」
ヨコヅナは爆豪を高々と持ち上げ、勢いよく頭から、
ドゴンっ!!
『頭から床に叩きつけたぁ!!!』
『相撲、というか、プロレスのパワーボムだな』
『あぁ、爆豪だけにな!!』
『そんなギャクを言ったつもりはない』
ヨコヅナのパワーボムで、頭からセメントの床に叩きつけられた爆豪。
「……」
「爆豪君、戦える?」
直ぐに起き上がらない爆豪に主審のミッドナイトが近づく、
そんな動かない爆豪に、
「立てー!カっちゃん!!」
幼馴染の緑谷から大きな声援。そのおかげなのか…
「…うるせぇ、クソデク」
悪態をつきながら、ゆっくり立ち上がる爆豪。
爆豪が立ち上がったことに会場の観客達もワアァァァと歓声を上げる。
『終わったかと思った爆豪立ち上がる!根性あるぜ!!』
『選手宣誓での「1位になる」は本気の宣言だからな』
「まだやるだが?」
立ち上がったとはいえ、頭を強打した爆豪は重心が安定していない。
「あたりまえだ!!」
爆豪はヨコヅナの不愉快な質問に、怒声の返答と共に両手をヨコヅナに向ける、そして目隠しの為の個性【爆…
「それはもう無理だべ」
ヨコヅナは爆破が起こるよりも早く爆豪に近づきの腕を掴む。
爆豪の個性は、大きい爆破を起こすのにタメが必要となる。普段の爆豪であれば、ヨコヅナの動きに反応できただろうが、ダメージで負った状態では無理だ。
ヨコヅナは掴んだ腕を強引に引き付け一本背負いで爆豪を投げる。
「ぐっ…」
「……これ以上怪我したくないならそのまま寝てるだよ」
倒れた爆豪を見降ろしながら、
「でも、立ち上がって来るなら容赦しないべ」
二回戦で飯田にしたのと同じ忠告をするヨコヅナ。
「…ふざ、けんな!」
ヨコヅナの忠告に怒り心頭で立ち上がる爆豪。
「何故、倒れてるうちに攻撃しねぇ?」
「相撲は地に足の裏以外がついた時点で決着になるだよ。倒れた相手への攻撃は駄目押しと言うだ」
「この試合は相撲じゃねぇぞ!!」
「分かってるだよ。でも、命の危険もない状況で、オラは倒れた相手に攻撃する気はないだよ」
「とことん、ムカツク野郎だなぁ……だったら」
爆豪は着ているシャツをBOOM!と爆破しつつ破るように脱ぐ。
「相撲でテメェを倒してやるよ」
爆豪は破いて布切れになったシャツを頭に巻きつける。
「頭から突撃し合うんだよな、相撲ってのは?」
「それが相撲ってわけじゃないだが……そんな状態で本気で言ってるだが?」
ただでさえ、頭にダメージがあるのに正気とは思えない爆豪の言葉。
「てめぇだって、そんな状態だろうがよ」
ヨコヅナにもダメージがある事を、爆豪は見抜いていた。踵落としを額で受け止めたとはいえダメージでは決して少なくない。だから、先の一本背負いも威力が低く爆豪が直ぐ立ち上がれたのだ。
「……分かっただ」
ヨコヅナはそう言って腰を落とし、ドスンッ!と大きく四股を踏む。
そして、腰を落とした状態から手を前につき、手合の構えをとるヨコヅナ。
「本当の相撲を教えてやるだよ」
「…へっ、それがお前の本気ってわけか」
手合の構えをとるヨコヅナの圧力は今までの比ではなかった。
爆豪は少しさがって距離を取り、クラウチングスタートに似た構えを取る。
「それを上からねじ伏せるやる」
爆豪は全力で走り、爆破を使いながら前に飛ぶ。
さらにとBOOM!BOOM!BOOM!連続の爆破で自らを回転させ、
「
頭からヨコヅナに突っ込む。
「個性使ってる時点で相撲ではないべ」
自らを榴弾にして突っ込んでくる爆豪に対して、
ヨコヅナは毎日の稽古で鍛え上げた己が身による、全力のブチかましで迎え撃った。
BOOOOOOOOM!!!!!!
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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