『井ノ中自分から場外に出たぁ!?いったいどうした?』
『どうしたも何も、ギブアップだろ』
『あんなあっさりとかよ。でも、さすがに眼を潰せねぇか』
『…そうだな』
主審のミッドナイトが手を上げ、
「井ノ中君、場外。よって、爆豪君の勝利!!」
『今は敗者より、勝者だろ』
『おっとそうだった。以上で全ての競技が終了!!今年度雄英体育祭一年優勝は――』
『ヒーロー科A組 爆豪勝己!!!!』
勝利者宣言の聞いて会場にワアァァァ!!!と割れんばかりの歓声が響き渡る。
勝敗が決しヨコヅナの背から離れた爆豪。だがその表情は、試合に勝利し体育祭で優勝したにもかかわらず、悔しさを押し殺しているのが容易に分かる。
「来年は小細工なしで、テメェをねじ伏せてやるからな!」
爆豪自身「何が何でも勝つのがヒーロー」と言ってても、こんな勝ち方は望むモノではなかった。
「それは俺の台詞だ」
「!?」
その声を聞いた瞬間、試合が終わったにもかかわらず警戒心強く身構える爆豪。
「憶えておけ。来年は俺がお前をねじ伏せる、同じヒーロー志望としてな」
爆豪は別人としか思えなかった、今まで戦っていたの相手とは全くの、
「……ケっ。そんな顔出来んなら、普段からそうしてろ」
「それは疲れるだよ」
「これより!!表彰式に移ります」
ヨコヅナは『2』の表彰台に立っていた。
「私がメダルを持って「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」
登場で台詞がカブったが、オールマイトがメダルを授与していく。
「井ノ中少年、おめでとう」
「…ありがとうございますだ」
首にメダルをかけられお礼をいうヨコヅナ。
「優勝こそ逃したが、君の実力は皆が思い知ることとなった。大半はヒーロー科編入に賛成してくれるだろう、私も約束を守りやすい……編入が絶対とは言ってあげられないがね」
「2位だべからな、仕方ないだよ」
「そうだね。もし君が倒れた相手に躊躇なく攻撃を出来たなら、大半と言わず、全員が賛成していただろう。井ノ中少年は幼い頃から相撲の稽古を積んできたから強い、しかしだからこそ相撲がヒーローになる為の足枷となっている」
「その辺は決勝で、優勝したのに不満そうな顔をしている隣の奴が教えてくれただよ」
ヨコヅナがそう言うと一段高い隣の台からチッと舌打ちが聞こえた。
「はっはっは、そうだったか、失敬失敬」
「確認として№1ヒーローに聞きたいだ。ヒーローは何よりも実績だべか?」
「……そうだ。法に反しないとことが前提だがね。綺麗ごとを口にするだけで実績のないヒーローはヒーローではないよ」
オールマイトの返答を聞いて、ヨコヅナはいつものニコニコ笑顔とは違う笑みを浮かべる。
「分かりましただ」
ヨコヅナをオールマイトは抱きしめるようにしながら、
「頑張りたまえ」
「はいだ」
こうして雄英体育祭は終了し、ヨコヅナはヒーロー志望へのスタートラインにつく。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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