「何言ってるのよ希乃子!?私に恋人なんていないわよ!」
「ほら、この間お昼に会った…」
「…ヨコヅナは違うわよ、別に恋人なんかじゃ…」
「ん~、私は井ノ中の事なんて言ってないよ、のこのこ!」
「…いや、それは…」
小森の簡単なカマかけに引っ掛かり慌てる拳藤。
「マジなの!?、今まで全くそんな素振りなかったじゃん」
「Are you sure?一佳のboyfriend!?」
「ほら、ポニーが驚きで英語出ちゃってるよ」
「白状して」
「嘘は罪人の始まり」
あっという間にクラスの女子に囲まれる拳藤。ヒーロー科と言えど恋バナ大好きな高校一年生なのだ。
「ほ、本当にそんなんじゃないって…」
「茨ちゃん、やっちゃってのこ」
「委員長の不祥事、逆さ吊り刑です」
塩崎茨の【個性:ツル】が拳藤の足を縛り逆さにして吊るす。
「ぎゃぁー」
逆さになったことでスカートが捲れそうになり、
「おおぉ!…」
期待する男子達だが、その前に拳藤の【個性:大拳】でしっかり押さえる。
「はぁ~…」
残念がる男子達、ヒーロー科だが思春期の高校一年生なのだ。
それは置いといて、
「さっさと白状しな」
「は、話すって、と言うか同じ中学ってだけなの!だから降ろして!ー」
「同中なだけにしては仲が良すぎのこ、一佳ちゃんのチョップを相手は笑っておでこで受けてたのこ」
「ふむふむ、つまり気楽にスキンシップがとれる間柄だと…」
「何でそうなるのよ!?ヨコヅナとは格闘技の稽古で手合わせしてたから、慣れてるだけ!」
「ふむふむ、つまり一緒に稽古している内に愛が芽生えたと…」
他の女子も「格闘少女らしい~」「ベタだけど青春って感じ」と、恋愛脳に適当な言い訳は寧ろ逆効果のようだ。
「だから何でそうなるのよ!?……ヨコヅナはすごい太ってるの、希乃子だって見たでしょあの出っ張ったお腹」
拳藤は疑いを解く為、言い訳の方向性を変える。
「被告人はこう言ってるが、どうだ?証人希乃子」
拳藤は別に悪い事してないのに、何故か逆さ吊りの上に被告人扱い。
「確かに太ってたけど、半袖から出てた腕から鍛え上げられた筋肉が見て取れたノコ、ヨコヅナという名前から考えるに、相撲の使え手だと思うのこ」
お昼に相席しただけなのに、良く見いる希乃子、それに推測も当たっている。
「ワォ!?スモウのヨコヅナ!」
日本古来の文化、相撲に反応するアメリカからの留学生、角取ポニー。
「あ、いや、力士だったお祖父さんから相撲を教わってたから相撲の使い手なのは確かだけど、ヨコヅナは本名だから、ポニーが考えてる横綱とは違うよ」
ヨコヅナを相撲番付の横綱と勘違いしてそうだから訂正する拳藤。
「ふむふむ、つまり家族の事も知っているズブズブの関係だと…」
「だ、か、ら、何でそうなるのよ!?」
一佳の逆さ吊り裁判はまだ続く。
小説投稿サイト『カクヨム』にて、
ヨコヅナが主人公のオリジナル小説、
『なんでオラ、こんなとこにいるだ?』を投稿しております。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054922126022
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