女体化した挙げ句、転生先は存在しないクリスの妹でした。 作:わらぶく
ちょいと、やらしい描写がございます。
第一話
「本日は演奏会に来ていただき、本当にありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそこのような舞台を用意していただき、感謝この上ございません。また機会がありましたらこのコンサートホールで演奏させていただければ、と思います。それではまた」
金一封と書かれた分厚い封筒を受け取り、タキシードを着た男性の感謝の言葉を背に浴びながら、本日共に演奏を行った著名な合奏団が用いた楽器の森を掻き分けて、雪音雪花はヴァイオリンケースを片手に会場を後にした。既に日は沈み、外には講演を聞いていた観客たちがまだ多く居残っている状態で、雪花の姿を見つけると──主に女性たちが──たちどころに黄色い歓声をあげ始める。
原因は雪花の格好にあった。
黒のきっかりとした燕尾服を身に纏い、髪は掻き上げて後ろへと回し一つにまとめている。引き締まった体にも関わらず、胸部の豊満さはしっかりと見えた。正に麗人と言うに相応しき雪花の姿に、女性たちは見惚れていたのだ。無名の演奏家として活動してからまだ三ヶ月と経たないのにである。
その群衆の中に、雪花は一人の女性を見つける。
黒のつばが広い女優帽とサングラスで、僅かな不自然を残しながらも溶け込んでいた。たまらずそれはどうなんだと毒を吐きそうになった雪花だったが何とか飲み込み、その女性の首の動きで『ここから離れるぞ』との命令を受け取り群衆へと一礼してからその場を去った。
向かった先は駅近くにある一つの豪華なホテルだ。
ここは雪花の雇い主となる人物から与えられた、いわゆる隠れ家的なものであり協力者の従業員たちが多く働いている。現にホテルのエントランスで出迎えたのはアメリカ人の女性であり、雪花の燕尾服の胸ポケットから見えているバラの刺繍が入ったハンカチを目視すると英語で『フィーネの元へお連れします』と告げられる。ただ一言、「お願い」と答えればお辞儀の後女性は『こちらへ』とホテル内部へと連れられた。
案内された先は最上階奥、スイートルームと呼ばれる豪華な一室だ。金かかってるなぁとしょうもないことを考えながら床一面に敷かれた分厚く柔らかい真っ赤な絨毯を踏みしめながら考える。
貧乏人を自負する雪花には、こんな豪華なホテルに入るなんて初めてのことだった。これまでを振り返れば、思い起こされるのはこざっぱりとしたビジネスホテルやカプセルホテル、そして緊急時に立ち寄ったラブホテルのみ。堪らず感嘆の溜め息を吐いた雪花を、通常の目的で利用している裕福そうな人間たちが怪しむような目で見ていたことを、雪花は知らない。
『フィーネ様、お客様がお目見えになられました』
『入れなさい』
『承知しました。では、お部屋へ』
女性の丁寧な所作で開かれたドアを通り、革靴で踏み鳴らす大理石の床の音の何と心地いいことか。コッコッコッコッと快音鳴らす大理石と革靴の相性の良さを実感しながら部屋奥へと進めば、先ほどの女性がサングラスを外した姿で現れた。
「今日の音色は特段素晴らしかったわ、雪花。ヴァイオリニストの血をひく娘なだけはあるのかしら。あなたとあなたの父、一度は聞いてみたかったものね」
「どうも。わざわざ見に来るなんてフィーネらしくもない。放任主義だったのでは?」
称賛の言葉を聞き流しながらヴァイオリンケースをソファーに立て掛けた雪花は、タキシードを脱ぎ掻き上げていた髪を下ろしていつものおさげへと戻す。窮屈な服装には慣れていたものの、性格上やはりゆったりとした服装の方が雪花には合っている。このようなものは演奏会ぐらいでしか着たくないものだと考えながら、シワがつかないようにハンガーにかけクローゼットの中に収納。机の上に置かれていたコップ一杯の水を一気に飲み干しながら、ソファーに勢いよく座った。隣にはうっすらと顔を笑みを浮かべた雇い主──フィーネが座ってくる。
「可愛い部下の晴れ舞台、目に焼き付けても良いじゃない」
「なら、せめて事前に見に行くぐらい伝えておいてくださいよ。こっちはフィーネに見られていることを自覚する度に、演奏が疎かになりそうだったんですから」
「あら、私のことを思いながら演奏してくれたのかしら。嬉しいわね。その調子で、私のために動いてくれるともっと嬉しいわ」
「……あぁもう、そう言うことにして結構です」
ハッキリと言って雪花がこのフィーネが大の苦手だった。
もちろん、容姿が苦手とかではない。むしろフィーネの容姿は絶世の美女とも言える。腰ほどまでに丈の長い黄金の髪は毛先に向かうほどふわりと広がって絡まること無く存在し、キメ細かい珠の肌は誰彼構わず引き付けるほどの輝きを持っていた。それでいて胸部にこさえた豊満な双丘は雪花の一回りも二回りも大きく、出るところは出た素晴らしいボディラインをしている。
ただとにかく、性格と意地が悪い。
今日の演奏会も、フィーネが来るなんて一言も言っていなかった。別に見にくるだけならば良い。ただ演奏に集中して合奏の世界に入ってしまえば、観客のことなんて気にもならないからだ。だと言うのに、何をとち狂ったのかフィーネが楽屋まで突撃してきた。わざわざ彼女の関係者ですと周りに言って、楽屋で寛いでいた雪花のところまで来たのだ。何の用ですかと聞こうとして、告げられたのはたった一言──見てるわよ──これである。
雪花にとってはその言葉は脅迫に近い。
フィーネに見られていることへの苦手意識と、何より『最愛の姉を人質の取られているということ』がそれを脅迫へと仕立て上げている。
変装? をしていたこのフィーネに誘拐されてからというもの、『姉の命』という三文字をちらつかされるだけで動かざるを得ない状況を作り上げられてきた。それはさながら下僕、もしくはペット。会話こそ対等であるように見えるかもしれないが、その実圧倒的なヒエラルキーの下にこの関係は成り立っている。
「私もたまの安らぎくらいは求めるのよ? 特に音楽、この私が推しているのだからもっと胸を張っても良いんじゃないかしら? あんまり素直じゃないと、イタズラしちゃうわよ?」
「からかうつもりなのか、脅すつもりなのか、せめてどっちかにしてください。こっちは距離感が掴めなくて困ってるんですよ」
「そう、なら今夜はからかい続けようかしら」
そしてこの掴めない性格。
暢気な気分家なのか、それとも激情家なのか。
今でこそからかい大好きな楽しい人間であるが、一度スイッチが入ってしまえば失敗を許さない非情な人間と化す。もし失敗して怒りでも買おうものなら、殴打、鞭打ち、蹴り、体を痛め付けるあらゆる攻撃が雪花の体を襲う。今こそシャツとズボンで隠されているが、剥ごうものなら包帯で巻かれた腹部や腕が暴かれることになる。
……これまでのことを簡単に言えば、お付き合いしたくない人間、その一言に収められる。
ニヤニヤと笑みを浮かべながら視線を向けてくるフィーネに居心地の悪さを覚え、この場からの逃走を図ろうとする。さっさとお風呂に入ってさっぱりしようと考え、ソファーから立ち上がろうとした時だった。空いていた右手を引かれ、ソファーの上に倒される。
突然のことに気が動転するも、目の前に迫ってきたフィーネの顔で現実から引き戻されてしまう。これはまさかと嫌な予感を思い浮かべたところで、目の前のフィーネがおもむろに舌なめずりをしたことを確認し、やがて傍観へと至った。
「……拒否権は?」
一応の質問、案の定いやらしい笑みを浮かべた後にフィーネはこう答えた。
「あると思う?」
「……お手柔らかにお願いします」
肉体関係、そう言えればどれだけ良かったことか。
仰々しくお姫様抱っこをしてくるフィーネにベッドへと連れ込まれた雪花は、自身の不幸さを呪った。寝かされ服を脱がされたことで露になっていく自身の裸体、必死の抵抗と右腕で目元を隠そうとするも結束バンドで両手を頭上に拘束されてしまい、これから乱れていく自身の顔を見られてしまうのかと羞恥心で赤くなっていく自身の顔を自覚する。
それさえも、フィーネには余興となってしまうのだから末恐ろしい。どんな動作をしようとも全て愉悦となってしまう。現に目の前に迫る顔は今まで見た以上に愉快そうだ。
「もう二年の付き合いだと言うのに、そんなおぼこいことはしないの。それとも、雪花ちゃんは私を誘っているのかしら? なら嬉しいわね。あなたの身も心も、何もかもを堕としたくなる」
「告白は、あなたの大好きな方にとっておくことをオススメします」
「そうね。あなたも私のことを理解してきたじゃない。良いわ、これまで会ってきたどんな人間よりも面白いわよ」
感謝の言葉がここまで信用ならないのは、それこそフィーネという女性を理解してきたからだろうと、雪花は乾いた笑い声をあげる。
これから行われるのはフィーネによる一方的な尊厳の蹂躙。
『刻み込みなさい』と言われ続け、何度も与えられてきた快楽と痛みを再び教え込まれるだけの時間。
ヒエラルキーをハッキリと知らしめられる教育。
屈辱だ。涙が出そうだ。反吐が出そうだ。
忌避すべき、侮蔑すべき、唾棄すべき行いだ。
……だと言うのに、雪花の体はその行いを求めてしまっていた。
体が疼いて、今体を這い回るフィーネの指を、求めていた。
「さぁ雪花、身を委ねなさい」
「ぁ──」
耳の側で囁かれた言葉が、雪花の理性と意識を甘くほどいていく。それを合図に体が官能の熱をもち、息を吐き出してフィーネに何もかもを融かされていく……。
一夜が明けた頃。
体に残る官能的な熱に呼吸を乱し、半ば虚ろとなった瞳で純白の天井を見上げれば、傍らで座る全裸姿のフィーネからの口付けに意識を無理矢理現実へと引き戻される。
日が経つにつれて、自身の体がフィーネを強く求めるようになっていくのを自覚されられている。姉だけに、二年の間にどれだけ成長したのかもわからない雪音クリスに捧げると。その考えは今も変わらない。
なのに、そこへ割り込むようにフィーネという存在が、姉妹の間に浸透し始めている。視界に先程よりも艶っぽくなっている肌のフィーネを映し「楽しそうですね」と震える声で呟けば、楽しそうに「もちろん」とあっけらかんとした様子で答えられる。
これまでも、事後はいつもこうだ。それほどまでに雪花で遊ぶのが楽しいのか、それとも人を弄ぶこと自体が好きなのか、その是非は雪花には分からない。が、確信していることはある。一度スイッチが入ったフィーネは絶対に満足するまで止まらない、途中で果てようと最後まで休ませないということだ。
「良かったわ雪花」
「オレは散々弄ばれて懲り懲りですよ……。腰を抜かしましたし、まだ余韻が残って気を抜けば意識が飛びそうです……。止めてと言った時ぐらい、指を止めてくれても良いじゃないですか」
「限界を超えての行為に興味があるの。動き、感情、思考、身体、欲望。あなたはパーフェクトよ、雪花。乱れ方も、求め方も、我慢の仕方も、何もかもが想像以上。また明日も見せてもらおうかしら、今度は屋敷で、ね?」
「うぇ、明日のオレが壊れないことを祈ります……」
「大丈夫よ、壊れる寸前で止めてあげる。あなたが欲しいって言っても、ちゃんと止めてあげるわ」
「フィーネ、それは嫌がらせって言うんですよ……」
「ふふふ、覚えておくわ」
……これは実行するときの返事だと、雪花は溜め息を吐く他無かった。
体の官能の熱がようやく冷め始めてきた頃合いをみて雪花は横たえていた自身の体を起こし、互いの体液で汚れた体を清潔にするためにバスルームへと向かった。一糸纏わぬ姿でその身に浴びるお湯の心地よさが沁みる。欲を言えばバスタブに湯を張り数分身を暖めたいところではあったが、そんな予定外のことをすればフィーネからどんな仕置きが下されるか分からない。
これはバスルームに向かう時に伝えなかった自身が悪いと、口にするわけでもなく胸の中で毒づいて一応の収集をつける。
「にしても、何でフィーネはあそこまで距離が近いのか」
閉まったリビングへの扉を見ながら、ボソリと一言。
フィーネの距離の近さは、誘拐された二年前からまったくと言って良いほど変わっていない。それはつまり知り合ってからずっとあの調子であり、何かある度に先ほどのように距離を一気に詰めてきて致してくる。
この奇異な関係に慣れてきている時点で、雪花もなかなかに毒されてしまっているのだろう。寝かされ、好き放題され、身も心もゆっくりと堕ちていくのが日常になりつつある。
「救いがあるとすれば、姉さんの安全の保障と身の回りの待遇の良さ。スイートルームに入れるとは思っても見なかったなぁ……」
僅かな幸福を噛みしめ、味わう。
フィーネが念願とする『対話』というものが成就するまで、雪花の戦いは尽きることがない。少し前までは生涯の全てをフィーネに尽くさなければならなくなるところだったが、それも二年前に奪取したという完全聖遺物『ネフシュタンの鎧』と、一年ほど前に雪花の尽力によって起動した完全聖遺物『ソロモンの杖』の力によって、フィーネの『対話』というものは予定を上回るかなりの速度で進んでいた。杖の力、それはバビロニアの宝物庫と呼ばれる異次元に保管された『ノイズ』なる人類抹殺兵器を動かせるのだとか。
人類にとってははた迷惑な話でしかない。人間を炭素に変え殺害、加えて位相差障壁によって人間兵器がことごとく無力化するノイズを運用可能とするその力は、正しく人間一人で国を滅ぼす力を持っているということだ。
そして、それをこれから運用するというのは、雇われ人となる雪音雪花ただ一人となる。それが意味示すことは、罪の無い人間たちも巻き込んで姉を守るためにあること手を汚す、ただそれだけだ。だが、それが何よりも辛かった。殺しで汚れた手で、純粋無垢の姉を抱き締められなくなるだろう。
「雪花、何を悩んでいるの?」
「……別に」
油断、していた。
暖かいシャワーを浴びて気が緩んでいたか?
ともかく、今の雪花の姿はフィーネにとっては都合が悪いはずだ。踏ん切りが悪く、覚悟がなく、役に立たない。人間的で、尚且つ合理的なフィーネのことだ。使えなくなった道具を捨てるように、雪花のことを捨てるだろう。
姉の安全のためにそれだけは避けなければならない。媚びへつらってでも、今は食い繋いでいかなければ。
脳裏での思考、それを遮るように背中へ強い衝撃がやって来る。壁に押し付けられ見下ろしてくる金色の瞳で鋭く睨み付けられてしまえば、これまでの教育によって体に刻まれた痕跡が体を強張らせ動けないよう思考にロックがかかった。
「私に隠し事が通用するとでも思っているのかしら。それとも、今更手を汚すことに戸惑っているの?」
「……そんなわけないでしょう。オレはもう決めました。姉さんのためなら、人を殺すことになろうが逃げないと。百、千、たとえ万を殺そうと、姉一人には変えられません」
「フッ、フフフッ……! 良いわぁ、たった一人の家族の為に万を殺すその非合理さと狂気、やはりあなたは傑作ね。予定は変更にしましょう。明日屋敷に戻れば、私があなたを染めてあげるわ。この手に汚されることを、光栄に思いなさい」
「なら胸を掴む手を離して欲しいんですけど」
「フフ、予定は変更と言ったでしょう? もう一度よ。さぁ雪花、身を委ねなさい」
「ぅぁ──フィ……ネ……」
たった一言で、意識が融かされていく。
それからの記憶を雪花は覚えていない。ただぼんやりと体に残る暖かさと異物感だけが、あの後散々弄ばれたのだと教えてくれる。
今は雪花の蠱惑的なボディラインが割りと浮き出る、ベージュの縦ニットと足をキュッと引き締める青のジーンズを穿いた私服姿で、愛用しているヴァイオリンの手入れをリビングで行いながらフィーネが机に並べた写真と情報書類を眺めていた。
証明写真に写るのは公の場で今をときめくトップアーティストである風鳴翼。二年前まではもう一人、天羽奏という相方と一緒に歌って踊ってを実行していたらしいが、それももう昔の話だ。
あの事件は、まだまだ記憶に新しい。
ツヴァイウィングのライブで起きたノイズ襲撃事件。死者、行方不明者合わせて12874人となった惨劇だ。それに伴い、シンフォギア装者である天羽奏が死亡。あの時はメディアが随分と賑わった。生き残った人たちに暴力や社会的抹殺を促進させるがごとき報道。まったくもって度しがたい。
それを引き起こした張本人は、目の前で優雅に紅茶を飲んでいる。本当に度しがたいことこの上ない。
「さて雪花、状況を進めていくとしましょう。あなたにはソロモンの杖を渡しておくわ。ヴァイオリンケース、もしくは筒状のケースにでも入れて持ち運びなさい」
「完全聖遺物をこんなに易々と渡すとは。どういう動きをオレはとれば良いので? そもそもソロモンの杖があれば、どうにでもなるのでは?」
「ソロモンの杖、それはあくまで手札であって切り札ではないわ。本当の目的は根を伸ばし覚醒を待ち続けているカ・ディンギルと無尽のエネルギーを産み出すデュランダル。後者は今も地下深くで未覚醒のまま保管されてる状態だから、さっさと確保して覚醒させたいのよ。もちろん、あなたの歌と音で」
「なるほど……その為には手を汚すことが不可欠と」
「ええ、保管庫周辺でノイズを産み出し続け死者を増やす。そうすれば完全聖遺物をそこで確保し続けようなんて気は失せ、場所を移そうとするはず。そこへ攻撃を仕掛け、デュランダルを奪う算段よ」
「気が引けますが、やりましょう」
「ああ、そうそう。あなたのお姉さん、クリスちゃんもこの街に住んでてリディアンに通っているから、ノイズを操るときは気を付けてね? 最愛のお姉さんを殺してしまったら、あなたは自死を選ぶだろうし」
「……了解しました」
もっと早く言えよと吐き捨てそうになるのを、何とか噛み殺して耐える。今反発しても何も変わらず、むしろ状況を悪化させかねない。
救いは今まで知らされなかった姉の行方が知れたことか。
無差別に襲ってその中に姉が含まれていようものなら、雪花は間違いなく壊れてしまう。それだけはフィーネとしても避けたかったのだろう。
説明を聞き終えた雪花は立ち上がり、ヴァイオリンケースとソロモンの杖を入れた斜め掛けカバンを身に付けて玄関へと向かった。
「あら、もう行くのかしら?」
「早い方がいいんでしょう? オレは、フィーネの願いを叶えるだけですよ」
「フフッ、そう、良い報告を期待しているわ。あなたの覚悟、しっかりと見せてもらうわね?」
「ご勝手に、それでは」
淡白な挨拶を終えて、雪花は逃げ出すように部屋から、ホテルから飛び出した。今は丁度お昼時ということもあって、目の前の通りには大勢の人間がひしめくように行き交っている。
サラリーマン、老人、学校をサボったらしい学生。
この中の何人かはもうこの世を謳歌できなくなるだろう。
罪から逃げない。弱音も吐くものか。覚悟はしている。
だから──
──姉さんのために死んでくれ。
本筋が終わった時、しないフォギア的な日常パートは必要ですか? それとも不必要ですか?
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必要
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必要ない
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どちらでもいい