ひよこのマクシミリアンとの生活を始めてから、まだあまり時は経っていないけれど、わたくしにとって本当に大切な子。
この世界には存在しなかった推しに触れているような……。本当にとてもとても嬉しく温かい気持ちがしてしまう。
ご飯の時も本当に美味しそうに食べるのは、お野菜よりお肉だから、ついついお肉を食べやすいサイズにして食べさせてしまう。
けれど身体に問題は出ないのかしら?
でもあの至福!といったつぶらなお目々を細めて、幸せそに食べるお顔が見たくて、わたくしもついたくさん食べさせてしまうのよね…。
小鳥の雛にご飯を食べさせるって、こんなに愛おしくて嬉しいなんて!わたくし癖になってしまいそう……。
お膝でうとうとしている姿をたまに見かけると、すごくほっこりとした気持ちになってしまう。
お兄様が、私の部屋に迷子になった(?)、マクシミリアンを連れてきてくれた。
神妙なお顔をして、お兄様の手のひらに乗ってるマクシミリアンがなぜだかとても可笑しかった。
相手によって緊張するのかしら?
『これでお空が飛べて、もう少しほっそりした小鳥さんだったら、マクシミリアンは前世で見たことのある桜文鳥に少し似てるかしら??』
ふと前世の記憶に触れ、つい笑みがこぼれてしまった。
強気な態度を見せるところも少し似ている気がする。
ある日、フィリップ様が遊びにきたのだけれど、以前に前触れのお知らせをお願いしたはずなのに、「ビアンカも俺に会えるの嬉しいだろう?」などと言っていつも聞いてくれないのよね。
「そして、そろそろ婚約者になる気になっただろうか!」とキラキラ輝く、ある意味では凶悪な笑顔で聞いてくるのだ。
「わたくしには務まりませんわ。もっとお似合いの方が現れると思いますわ」といつも通りにお断りをし、フィリップ様が少し拗ねるまでが、いつもの二人のやり取りだ。
ノエル様がいたら「余裕のない男は嫌われるんじゃないかな〜」とスイーツをバクバク食べながら、いつも笑顔で止めてくださるのに…。
「そういえば今日はノエル様は?」
ノエル様の話を出したせいか、少し頬を膨らませながらフィリップ様は「本当につれないな、君は。今日は城で訓練があると言っていたかな?」と教えてくれた。
フィリップ様が私の肩に乗せていたマクシミリアンに気がついたようで、美しい太陽のような黄金の瞳を見開いて思わずといったように、「ビアンカ?その珍妙な生き物はなんだろうか?」と口にした。