黒いひよことお嬢様   作:皇ひびき

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ビアンカさんの視点です。


黒いひよことお嬢様3(ビアンカ視点)

 

わたくしは小さい頃に泉に落ちた際に、前世の記憶の思い出した。

誰かに助けてもらったはずなのに、なぜかわたくしかも他のものも、誰一人その人の事を覚えていない。

「わたくしも今ではそこまで記憶力が悪い方ではないと思うのだけれど」

 

ここは前世のわたくしである春原みことが、大好きだった「胡蝶の恋」世界にとても似ている。

けれど登場人物との関係がゲームと違う。

最も悲しいのが…、わたくしの推しがこの世界にいないのだ。

 

『マクシミリアン…。わたくし貴方を困らせたりしないから、そばで見ていたかったな。推しはどうしていないのかしら…』

そんなことを考えながらも、我が家の庭園を歩いていたら、なんだか愛らしい黒いひよこを見つけた。

その子は驚いたように、私をじっと見ていた。

 

羽根の模様が、見事に執事服を着ているような色合いになっており、トテトテとわたくしに走り寄ってくる姿がとても愛らしい。

 

『全体的に黒いのですね、この子は…。ひよこはみんな黄色いものかと思ってましたわ』

 

思わずあまり見かけない色合いに驚いてしまいましたけど、可愛らしくて思わず笑みが溢れてしまう。

 

胡蝶の恋というゲーム。前世のわたくしの推しだった彼とイメージが重なるひよこに、思わず「うちに来る?」と声をかけ部屋に連れ帰ると、ひよこを見たジョアンナのお顔が引きつっているわ?どうしたのかしら。

 

お父様やお兄様に話したら、ひよこと暮らすことを許してくれた…。

そして彼のいない淋しさを紛らわすように、ひよこに「あなたの名前はマクシミリアンね!」と名付けるのだった。

 

わたくしがマクシミリアンと名づけたひよこは、嬉しそうに擦り寄ってきて、本当に愛らしい。

 

マクシミリアンは、メイドのジョアンナに「黒いのは汚れじゃないんですかね?」と黒い笑顔で捕まえられたあと「この子借りますね」と連れ去られた。

 

「なんだかマクシミリアンが全力で抵抗しているように見えたのは、気のせいだったのかしら?」

その後帰ってきたマクシミリアンはふわふわで毛艶(けづや)もよく可愛らしさが増していた。

 

もちろん、その後たくさんモフモフさせてもらいました。目を細めて喜ぶひよこの姿が愛らしくて尊い。

 

わたくしは後日になって、マクシミリアンがワシャワシャ洗われていたのを知るのだった。

幸いマクシミリアンはお風呂好きの様なので、毎日一緒にお風呂に入っている。

まだ水が怖いのか怯えたように擦り寄ってきてくれ、本当に愛らしい。

なぜかお野菜は拒むからいろんなものを試したら、マクシミリアンはお肉ばかり食べている。ひよこって肉食だったのね…。

食べさせてあげてたら、目を細めて嬉しそうに食べてくれるから、くせになりそう…。

 

そうして、私と黒いひよことの生活は、これからも続いていく。




ビアンカお嬢様は前世の記憶に残っているマクシミリアンに関しては記憶があります。
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