藤丸立香は二人いる    作:かぷりっちょ

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どうも、かぶりっちょです。何か第6異聞帯が更新されそうでワクワクしてる今日びこの頃、素材集めに精を出しております。個人的には善の権化キシュタリア様と対をなすベリルの行動が気になります。
ま、ゆるりと読んで言って下さい。


Episode3:二人で一人(前編)

「…夢にくらい、来てくれたりするのかなぁ…」

 

藤丸りつかは二段ベットに横たわりながら呟く。時計は午前2時を指し示していた。だが彼女は一向に眠りにつくことができないでいる。

 

古人曰く、本当に自分を想ってくれている人は、夢にやってきてくれるという。カルデアがまだ活気に溢れていた頃、紫式部が教えてくれた。………分かっている、それは泡沫の夢。あの人は、もういない。ただ一人、死すらを超えた無限の孤独に身をやつして消えていった。

 

そんな事は分かっている。分かっているんだ…私だって…………辛いのは私だけじゃない、マシュもダビンチちゃんもカルデアの仲間たちも…平気そうにしているリツカだって辛いに決まってるんだ。……しっかりしなきゃ……私はカルデアのマスターで、マシュの先輩なんだから…しっかりしなきゃだめだ………

 

「ゔっ…うわぁあああああんあ……ひぐっ!う…どぉくたぁー…なんで…うううっ…」

頬を大粒の涙がぼろぼろと流れ落ちた。感情が抑えられない。胸から今まで感じたことがない痛みがする。

 

藤丸りつかは愛用の髪留めを唇に押しつける。これは、ロマニ・アーキマンの唯一の形見。かつて彼が使っていたものだ。そして、今カルデアに残されている最後の彼の私物だ。

 

「………どうして…行っちゃったの……」

虚しい問いかけに答える者はいない。ただ冬の夜の静けさが佇むだけであった。

 

 

 

 

兄妹の嗚咽を、藤丸リツカはマイルームの扉越しに聞いていた。

「……りつか…」

励まそうにも言葉か見つからない。彼はドアの前に立ち尽くしている。右手にはコーヒー、左手にはアルバムを持って、片割れを慰めに来た彼であった。が、逆に彼女の心を追い詰めるだけな気がしていた。

 

「あらら、こりゃ間が悪ったねマスター。出直したほうがいいんじゃない?」

背後から聞き慣れた声が聞こえた。

「…アンリか。霊体化して盗み聞きとは少し趣味が悪いね」

「違うよぉ、霊体化してんのはロビンの手伝いしてたからだ。……ロビンからの報告だけど、頼まれてた事は8割方完成してるから確認してくれとさ」

「なる程…了解と言っておいてくれ」

「へいへい…ところでマスター…今更かもしれないけど、なんで俺とロビンだけにこんな準備させてるんだ?ええっと、もう一人の藤丸りつか?ホントにいるのかは俺には分からねぇけども、にもこのことは言ってないんでしょ?」

「………」

「おっとっと…勘ぐりが過ぎましたかね??」

「……ま、いいや。アンリ、てめぇとはここに来る前からのつきあいだ…少し位なら話してやってもいいかな」

「わぉ、てめぇときた。大丈夫かマスター。あんた目つきがすごい事になってるぜ。」

「ははは…元からこんな目つきさ、元からね。ま、てめぇには特異点7個分の聖杯と、亜種特異点・並行世界4個分の聖杯でつぎ込んだんだから、いくら最弱サーバントとはいえ働いてもらわなけゃ行けないしな」

「えっ…何それ、聞いてない」

「お前の宝具と、ロビンの工作。あとは…まぁホームズはバリツがあるから良いとして、5人の目のサーバントはりつかの契約下だから計算外だからなしか…。でも足りるだろ。カルデア防衛戦だし、地の利はこっちにあるからな」

「マスター??何の話ししてんのさ?」

「いや?何でもない。明日になれば分かるさ」

「…何かイヤーな予感がする…」

 

分岐点まで夜はあと一つだけ。藤丸リツカは未来を書き換えるべく、あがく事を決意していた。藤丸りつかの代わりに、今は自分がやるしかない。「二人で一人、一人で二人」生まれてからずっとそうして来た。

 

………だがもうそうする必要もないかもしれない。例え、藤丸リツカがいなくなったとしても、もう藤丸りつかは一人ではないのだから。

 

「一人で二人…ね、ったく意味が違う。…ドクターめ、あーんな優しい顔して俺を叔父さんにする気だったのかよ」

藤丸リツカは苦笑いしてしまった。今は自分の体の変化に気付いていないリツカも、しばらくすれば検査の結果を知るだろう。

…その時までに、明日の腹立たしい消化試合に決着をつけてやらなきゃいけない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




補遺:作中でリツカが未来の情報を知っているのは…
①ロマニが人間になった際、朧げながらに人理修復された後の、白紙化の未来を千里眼で捉える。しかし、余りに朧げだったので確証は持てていなかった。
②ロマニがりつかと一夜を共にした際、寝物語としてそれを伝える
③更にりつかからそのことを伝えられたリツカが、「身内のそういう話って何か…アレだなぁ…マシュには言えん」と思いつつも、対策行動を練る。
てな流れになってますね。

ぶっちゃけた話、皆さんどんなお話がお好みですか?

  • オリジナル要素強めのシリアスバトル
  • オリジナル要素強めの日常エピソード
  • オリジナル要素強めの恋愛物(りつか)
  • オリジナル要素強めの情欲物(リツカ)
  • 知らん、作者の好きにしろ
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