夜明けの明かりが部屋に差し込んで来る中、一人の赤子が産声を上げた。
「産まれましたよ、炭十郎殿」
産婆から赤子を受け取り優しく抱くそして赤子の容姿を見ると。額には奇妙な痣があった。
「ふふ貴方にそっくりね、額に痣が浮かんでるなんて」
妻葵枝は優しく微笑む。炭十郎は思った、この赤子に浮かんでる痣は自身の額にある痣とは何かが違うと。だがその事を口にすれば妻は不安になるそう考え炭十郎は言葉を飲み込む。
「そうだね、この子の名は炭治郎だ」
この日、竈門家に長男が産まれた。丁度その頃。
「何だ?!今私の身体の傷が」
ある場所で一人叫ぶ男がいた。
炭治郎は額に痣がある事から周囲の人達は気味悪がっていたため、街へ連れて行くと色々言われた。
「何?あの赤ん坊の痣汚らしいったらありゃしない」
「ほら良さないか聞こえちまうよ」
陰口を言っている人へ葵枝が文句を言おうとするが。
「葵枝大丈夫だ、いつか必ず誤解も解けるさ。今は我慢しよう。炭治郎の為だよ」
「はい」
暫くは炭治郎を街へは連れて行く事は無かった。ある日炭治郎はずっと葵枝のお腹を擦っていた。
「葵枝?炭治郎は何でずっと君のお腹を擦っているんだろ」
「どうしてでしょうか…………」
それから暫く経ち、葵枝が身籠っている事がわかった。
(まさか炭治郎は葵枝が身籠っている事が分かっていたから擦っていたのか……………まさかな)
炭治郎が五歳、妹の禰豆子が四歳になった。下には更に弟が産まれた。炭治郎は街で人気者になっていた太陽の様な微笑みに皆惹かれていると炭十郎は思った。
「あらぁ!炭十郎さん!それに炭治郎ちゃんも毎日お疲れ様!今日も炭をいただけるかしら?」
「勿論です、何時もありがとうございます」
「ありがとうございます!」
炭十郎が礼を言うと、炭治郎も真似て礼を言うその下りを見るのが客の毎日の日課になっていた。
葵枝も炭治郎が街に住む人達にも受け入れられた事を泣きながら喜んだ。そして年始めの時期がやって来た。
「あれ?父さんは?母さん」
「あら?炭治郎起きたの?お父さんはねヒノカミ神楽を舞いに行ったの」
「?」
炭治郎は頸を傾げている。葵枝は炭治郎にも見せてやろうと考えた。
「炭治郎も行くかい?」
「行く!」
葵枝は寝ている禰豆子を背に背負い、炭治郎と共に父の元へ向かう。
「ほらごらん、炭治郎。お父さんの神楽よ」
炭治郎は寒さに耐えながら父の舞っている神楽を見ていた。
「あれが………………」
炭治郎は何故か始めて見た気がしなかったその理由はわからなかった。その次の日。
「ねぇ父さん!」
「どうしたんだい?炭治郎」
「今から俺神楽を踊るね!」
「え?」
葵枝も洗濯物を干しながら二人の会話を聞いていた為、禰豆子と様子を見ている。
「ヒノカミ神楽」
「円舞」
「陽華突」
「火車」
「烈日鏡紅」
「灼骨炎陽」
「幻日紅」
「陽輪陽炎」
「碧羅の天」
「斜陽転身」
「輝輝恩光」
「日暈の龍・頭舞い」
「炎舞」
「これは……」
炭十郎は見惚れていた。息子の踊る神楽は美しかった呼吸の仕方、腕の角度、足運び全てが一連の流れになっており無駄の一つも無かった。
神楽を舞っている時の炭治郎は精霊に見えた。
「炭治郎その神楽を何時までやれる?」
「三日間でも、いけると思う!」
「炭治郎来年からお前が舞うんだ、この耳飾りもお前に託す」
「分かった!」
来年以降は神楽は、炭治郎が舞う事になった。
始めまして!拙い文ですが、楽しんでもらえれば!