「炭治郎君には、鬼殺隊の柱になって欲しい」
話しは少し前に遡る。
炭治郎が蝶屋敷でアオイの手伝いをしていると。覆面をした集団が現れ鬼殺隊の頂点にいる人物、産屋敷輝哉が会いたいと言っている事を聞き炭治郎は隠に連れられ鬼殺隊本部へと向かう。
そして、産屋敷輝哉は炭治郎と会うと同時に冒頭の言葉を投げた。
「母上まさかあの方が例の剣士なのですか?」
炭治郎と輝哉が対面している様子を隣の部屋から伺う女の子がいる彼女は娘のひなき、そして隣には妻のあまねがいる。
「そうですよ、ひなき彼こそが鬼殺隊の救世主竈門炭治郎様です」
「ふつくしい」
「ひなき?」
炭治郎は輝哉からの申し出に対しこう答える。
「お断りします!」
輝哉は断れた事に対してショックを受けるが予想通りとも考える。こちらとしてはこの少年を鬼殺隊に入れれば間違いなく無惨を倒してくれると、自身の勘が告げている。
「いきなりこんな事を言っては失礼なのはわかっている。だが僕達には君の力が必要何だ」
「確かに鬼は放っておきませんが俺には炭焼きの仕事があるので無理です!」
「其処を何とか」
「長男なので無理です!俺が次男だったらお引き受けしましたが!」
「そうか……………」
何か良い手はないかを考えていると、隣の部屋から妻あまねの声がこちらに話しかけてくる。
「輝哉様…………炭治郎様に無理強いをさせるのはどうかと思います、それにこれ以上彼がここにいるとあっちょっとひなきお願い落ち着いて………娘には刺激が強いので」
「わかったよ、炭治郎君気が変わったら連絡をくれるかい?」
「はい!わかりました!ところで隣にいるのは貴方の娘さんですか?」
「うん、そうだよひなき入っておいで」
「えっちょっと輝哉何言ってん……………あこら!ひなき!」
隣の部屋へ行こうとするひなきを押さえていたがひなきは振りほどき炭治郎がいる部屋へ入る。髪はぼさぼさになっている。
「はっ始めまして炭治郎様!産屋敷ひなきと申します!」
綺麗なお辞儀をし挨拶をする。炭治郎は音も無く近付き乱れている髪を治してあげる。
「こらこら髪がぼさぼさじゃないか、こんなに綺麗な髪なのに勿体ないよ!」
日輪スマイルを添えてひなきにお見舞いする。
「はぇ………………」
恥ずかしさが頂点に達しひなきは気を失う。
「あれ?どうしたんですか!ひなきさん!」
「どうやらひなきは緊張しているみたいだね、炭治郎君日を改めてひなきと会ってくれると嬉しい」
「はい!俺で避ければ!では俺は蝶屋敷に戻ります!」
炭治郎を見送り、あまねと輝哉は二人話し込んでいた。
「あまねひょっとしてひなきは?」
「はい、一目惚れです、あの日輪スマイルがトドメだった様です」
「炭治郎が無惨を倒したならひなきを嫁がせよう」
「はい」
そんな事もあったなと思いながら炭治郎は街を歩いていた。
「ん?何だろうこの悲しい匂いは?」
辺り一面の匂いを覆い隠してしまう程の匂いがする。炭治郎は気になり辺りを探していると一人の女が河川敷に座っているのを見つける。
(どうやらあの人から悲しい匂いがするみたいだ)
その女は髪が桃色で毛先が緑色になっている。
「あの!すいません!何でそんな所に座っているんでしょうか?」
「……………………………」
女は黙っている。
「自己紹介も無しに失礼でしたね!俺は竈門炭治郎と言います!家は炭焼きをしてます!」
ハキハキと自己紹介をすると。
「何か君って面白いね、私は甘露寺蜜璃って言います」
「蜜璃さんですね?わかりました!あの蜜璃さん何か悲しい事でもあったんですか?」
炭治郎が問いかけると、蜜璃は何かを思い出し泣き始めてしまう。
「あわわわわ!すいません!泣かせるつもりじゃ」
あたふたしていると、泣き止んだ蜜璃が喋り始める。
「私ねこんな外見じゃない?それに良く食べるの、だからねお見合いでね言われたの」
君の様な女性と結婚出来るのはゴリラぐらいじゃないかな?
「って、それで悲しくなっちゃって」
「許せない」
「え?」
「蜜璃さんは素敵な女性だと思います!、髪の色も良く似合っていてとても可愛いらしい!それに良く食べる女性何て沢山います!。ちょっと話しただけでも蜜璃さんの良さは伝わるのにそんな男は許さない!一発頭突きをしないと!」
突然炭治郎がそんな事を言うもんだから蜜璃の顔は段々赤くなる。
「炭治郎君落ち着いて!私は別に気にしてないから!」
「蜜璃さんが言うなら」
「あの……ね、炭治郎君は今の私でも素敵な女性だと思うのね?」
「はい!自信を持って下さい!」
「わかったわ!」
(この人だわ!私の全てを受け入れてくれるのは!)
その後、炭治郎は蜜璃を横抱きにし、家まで送り届け炭治郎は家へ向かって帰ろうとするが。
「止めて下さい!私は今から家へ帰る所なんです!千寿郎は私の後ろに!」
「姉上」
誰か炭治郎を止めろ。