自称カルデア最強マスターとぐだ子の人理修復録   作:なまゆっけ

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第27話 ヘルメスの系譜、魔女の饗宴

「黒髭の旦那。アンタにゃ悪いがここまでだ。聖杯は返してもらう」

 

 霧に包まれた海上。

 アルテミスが起動したトライデントによって、アトランティスの廃墟で構成されていた島は崩壊した。さすがに古代文明の遺都といえど、海神の一撃には耐えられなかったようだ。

 黒髭とヘクトールは何とか一命を取り留めたものの船を失い、仲間とはぐれ、島の残骸を利用して漂流している状況だった。

 その残骸の上。鋼鉄の瓦礫を踏みしめ、彼らは対峙していた。ヘクトールは自らの槍を取り出すと、黒髭の胸へと突きつける。

 黒髭はその切っ先を見つめる。

 生前、武器を向けられてきたことは数え切れない。刃物にせよ銃器にせよ、そこには扱う者の恐怖や殺意といった感情がありありと見てとれた。

 だが、自分自身の心臓を狙っている穂先には、あまりにもそれがない。

 殺気がないから、いつ攻撃が来るか読むこともできない。あくまで飄々と振る舞うヘクトールを見て、黒髭はほくそ笑む。

 

「ようやく尻尾を出しやがったな。お前の企みに、この名探偵黒髭が気付いてないとでも思ったか?」

「……流石は海賊船の船長。人を見る目は確かって訳か。そう、俺はアルゴー号の───」

「エウリュアレたんのことをチラチラ見やがって!! 前から狙ってたことは察してんだ、お前には絶対渡さねえ! 同担拒否!!」

 

 ヘクトールはぽかんと口を開けて、先日の戦いを思い返す。

 

〝黒髭の旦那、俺はどうする。アンタがご執心の女神様を捕まえてみせようか〟

〝そうですな、ヘクトール先生のご随意のままに───〟

 

 そう、あの時、黒髭は一瞬の逡巡を経て、

 

〝──いえ、先生は拙者と一緒にトライデントへ。あらゆる創作作品で単独行動は第一級の死亡フラグですからな!〟

 

 ヘクトールに同行を求めてきたのだった。

 アルゴー号に雇われている身である彼にとって、エウリュアレの捕縛は重要な意味を持っている。

 神霊を聖櫃に捧げた者は大いなる力を得られる──はっきり言って胡散臭いことこの上ないが、イアソンの言には結局逆らわなかった。

 そのために黒髭に聖杯まで与えたものの、エウリュアレを捕まえる機会を逃し続けてきた。一度目はアステリオスの奮闘によって、二度目は黒髭の命令によって。

 それを見越した上で行ったのなら慧眼と言う他ないが、諧謔を含めた黒髭の言い草からはその真意を見極めることは困難だ。

 ヘクトールは槍を引き戻し、口角を上げた。

 

「あんたも中々の策士だな。それだけ強かなら、俺たちの時代でもやっていけただろうよ」

「男に褒められても嬉しくねえよ!」

 

 金属音が炸裂する。

 黒髭が手にした鉤爪とヘクトールの槍。それらが衝突し、深い霧の中に無数火花が散った。

 一合、二合と重ねる度に、ねずみ色の残骸が深い赤に染まっていく。

 勝負を分けたのは、両者の本領。ヘクトールは類稀な軍略を有する将軍だが、その根底にあるのは戦士としての武芸だ。一方、黒髭は自らに従う者がいてこそ真価を発揮する。

 無論、彼とて単騎でも並大抵の敵に負けることはない。

 しかし。

 今日、この日の相手ばかりは。

 抉るように放たれた一刺しが、黒髭の右手を文字通り吹き飛ばす。

 露出する骨と肉。耐え難い痛みに眉を凝らすこともなく、彼の体は生存本能に従って動いた。

 次撃、サーヴァントの急所である霊核──即座に左腕を胸の前にかざし、

 

「言った通り、聖杯は貰っていくぜ」

 

 その防御ごと、ヘクトールの槍は袈裟に薙ぎ払った。

 聖杯が現出し、彼はそれを懐に納める。たとえ勝負が決まろうと、油断はしない。視線の先には、おびただしいほどに血を垂れ流しながら項垂れる黒髭の姿。足は頼りなく、倒れ込むように後ずさる。

 戦闘の余波によって不安定な足場はさらに均衡を失い、黒髭の足元には深い亀裂が入っていた。

 

「俺を殺しても第二第三の黒髭がお前を狙う! 海の底からでも蘇ってやらァ!!」

 

 ぐらり、その体から力が抜け、海へ落下する。

 同時にいくつかの瓦礫が崩れ、海中に沈んでいく。

 濃紺の水面にいくつもの泡が生まれては消え、そしてついに波にかき消される。そこまでを見届けて、ヘクトールは独りごちた。

 

「生き返った奴なんて生まれてこの方ひとりも見たことないんだがね、オジサンは。……さて、ひと泳ぎしますか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───夢を見る。

 朝起きて、まず確認すること。

 鏡の前に立って、口元を緩める。

 いま、私はちゃんと笑えているだろうか?

 そんなことを自分に問う時点で、答えは分かりきっていた。後ろ髪を引かれるような思いで、けれどその感情をルーチンワークで押し潰す。

 歯を磨いて、髪の手入れをして、カルデアから支給された服に着替える。後はいつも通り食堂に行って、みんなと顔を合わせればそんな感情は吹き飛ぶはずだった。

 見慣れた廊下を歩く。一歩二歩と進むうちに、視界が涙で霞んでいた。思わず壁にもたれかかり、袖で水滴を拭う。

 

〝…………あれ?〟

 

 そこからはもう、とめどがなかった。

 管制室が炎に包まれ、冬木の特異点に飛ばされて、他のことを考える余裕なんてなかった。それでも、この瞬間、忘れていたはずの恐怖が蘇ったのだ。

 伝説の騎士王との戦い。

 勝てる保証なんてどこにもなかった。

 今こうして生きているのは、マシュとペレアスの二人が死力を尽くしたからこそだ。

 命を懸けて戦うということ。心臓を冷たい手で鷲掴みにされるようなあの空気が、いつまでもへばり付いて離れない。

 あれを、あと何度繰り返せば良いのか。

 そう思うと足が竦んで、動くことができなかった。

 その時、前から足音が響いた。咄嗟に顔を上げると、そこには右手に酒瓶を握ったリーダーがいた。無言で近づく彼から顔を背けるように、私は笑ってみせる。

 

〝リーダー、こんな朝からお酒ですか? ダメ人間が加速しますよ〟

 

 我ながらぎこちない笑顔だと思った。

 たぶん目元は腫れているし、声だって震えている。

 リーダーはそんな私に不敵な笑みを向けて、

 

藤丸(ふじまる)、────〟

 

 ……そう、リーダーが言ったのは───

 

「昼に起きた時の罪悪感と裏腹にある清々しい気持ちって何なんだろうね」

「……立香(りつか)。アンタまだ寝ぼけてるでしょ」

「わたしは先輩に共感します。貴重な時間を無為にした絶望感がボディブローのように効いてくるのが、何とも言い難い快感を……」

「アホなの?」

 

 ざざざ、と水面を切って進む音が耳に届く。その速度は帆船が得られるものではなく、さながら現代の高速ボートじみている。

 目指す先は、ノアたちが滞在しているという島。彼らは立香たちと合流するため、アルゴノーツと交戦した島からは移動していた。

 立香たち、カルデア三人娘は団子のように並んで海の向こうを眺めていた。まるで、背後の何かから目を逸らすように。

 

「さあ、行きなさいダーリンと私の『愛の逃避行丸』!! 流れ星よりも雷霆よりも速く!!」

「うーんこのネーミングセンス。これならタイタニック号の方がマシだと思う今日この頃のオリオンなのだった」

「『なぜナレーション口調……?』」

 

 ロマンの疑問はごうごうと吹く海風にさらわれていった。

 アルテミスとオリオンが駆る愛の逃避行丸は、アトランティスの残骸を組み換えた巨大な高速船であった。その外観は動く島そのもの。立香たちが最初に訪れた時より、島の大きさは半分以下ほどに縮小されているが、それでも圧倒的な威容には間違いない。

 ドレイクの船も陸地に引き上げられ、愛の逃避行丸にタダ乗りする形になっている。

 容赦なくトライデントをぶっ放してきたアルテミスであるが、意外にも協力を申し出てきたのは彼女だったという。

 立香が気を失った後、ドレイクとエウリュアレは戦闘を覚悟で三叉の塔へと向かった。そこで彼女たちが見たのは、クマのぬいぐるみがアルテミスを叱っている場面だった。

 オリオン曰く、いきなり神器を撃つやつがあるかという至極真っ当な正論によって、アルテミスは考えを改めたのだとか。

 いきなりでなくとも、あんなものを使わないでほしいと立香は思ったが、なんとか自分を納得させた。ジャンヌは不満な様子だが。

 立香はちらりと後ろに視線を投げかける。

 島の遠方には、相変わらず異様な雰囲気を放つ三叉の塔があった。淡く輝いていた表面からは光が失われているが、その存在感は色褪せない。

 かつて海神が手繰った槍と言えば聞こえは良いが、立香たちにとってはトラウマでしかない。海を眺めるのも、それをできる限り視界に入れないためであった。

 海風を受けるアルテミスに、立香は質問する。

 

「あの、トライデントはもう動かないんですか?」

「うん。元々アトランティス崩壊のせいで傷ついてたのか、前の一撃で砲身が焼け付いちゃったみたい。直せないこともないけど……」

 

 口ごもるアルテミスに代わって、オリオンが言葉を引き継ぐ。

 

「アレを直すにはテオス・クリロノミアってのが必要でな。この島にも幾らか在庫はあったんだが、トライデントが全部吹き飛ばしちまった。ま、諦めた方が賢明だな」

「どこかに漂流してる可能性もあるよ?」

「どうやって見つけんだよ。元はといえばお前のせいだし」

「うーん、そう簡単に事は運ばないってことですか」

 

 立香は僅かにその表情を曇らせる。彼女の顔を覗き込むように、ドレイクがやってきた。

 

「どうしたんだい、シケた面して。そんなんじゃあせっかくの美人が台無しじゃないか」

「あはは、ありがとうございますドレイクさん。でも、不思議じゃないですか? いくら特異点でも、あんなものがあるなんて」

「特異点つっても、ここはアタシたちの時代だろ? ポセイドンもアトランティスもトライデントも、元々この時代に存在してたってことじゃないかい?」

「ああ、確かに……」

 

 納得しかけた立香を止めたのは、ロマンの発言だった。

 

「『アトランティス絡みのことはそれで説明はつくかもしれないけど、立香くんの疑問もあながち間違いじゃない』」

「どういうことですか、ドクター?」

 

 聞き返すマシュに彼は頷く。

 

「『ノアくんが戦ったアルゴノーツのメディアは、明らかに真名とは関係のないヘルメス神の杖を持っていたんだ』」

 

 それに、と付け加えて、

 

「『これは後からアステリオスくんに聞いた話だけど、君たちが戦ったヘクトールはアリアドネの糸を所有していたらしい。これも先の例に当てはまるね。つまり、彼らはどこからかそれらの宝具を入手したと考えるのが妥当だろう』」

「杖と糸はこの時代にあった、なんてオチじゃないでしょうね?」

「『もちろん。ラプラスを使っても、この時代にヘルメス神の杖とアリアドネの糸が残っていたという情報はなかった。トライデントはともかく、杖と糸は特異点発生に際して出現したものと見るべきだ』」

「それで、その原因は分かったんですか?」

 

 何の気無しに発された立香の質問を受け、ロマンは動揺した顔で口ごもる。

 

「『え、えーと、その件に関しては可及的速やかに対処させていただく方針をわたくしどもで立てている最中でして……』」

「急に胡散臭くなったわね」

「調査に進展がなさそうですね」

「私たちにできることなんて、いつか敵にネタばらしされて驚くくらいだしね」

「『うん、立香くん、その発言はあまりにも問題だからやめようか』」

 

 カルデア三人娘にバッサリと斬り捨てられ、ロマンの体力は一瞬にして無に帰した。

 マシュは言う。

 

「そういえば、エウリュアレさんは何処に?」

「ああ、それなら……」

 

 立香が視線で指し示した先には、体育座りで項垂れるエウリュアレの姿があった。

 暗い瘴気すら幻視してしまうその光景を見て、立香たちはひそひそと話し出す。

 

「何をあんなに落ち込むことがあるんでしょう。アステリオスさんも生きていたという報告がリーダーからありましたし」

「ヘクトールをまんまと逃がしたからじゃないの。仇だと思ってたんでしょう?」

「いや、あれは恋する乙女の憂鬱だよ! 想い人にどう接すれば良いのか分からない……そんなラブコメの波動を感じる!」

「ラブコメの波動とは真逆の空気を放っている気がするのですが!?」

 

 エウリュアレはぼそりと呟く。

 

「……ない」

 

 三人はその声に耳をそばだてる。

 

「出番が少ない……」

「「「…………」」」

 

 女神エウリュアレの思わぬ闇の側面に触れた三人は、いたたまれない表情で顔を合わせた。

 

「き、聞かなかったことにしようか。嫌な深淵を覗いた気がする……」

「そ、そうね。聞き耳を立てるのはいけないと旧約聖書にもありますもの」

「もうすぐリーダーとの合流地点ですし、気を取り直していきましょう」

 

 マシュがなんとか締めくくると、それを見計らったかのように甲高い声が響く。

 その声の主であるアルテミスはノアとの合流地点である島を指差していた。それに釣られて、その場の全員が指差す方向に目を向ける。

 草木一本生えていない荒れ野の孤島。その上空にはドス黒い雲が立ち込め、時折雷が降り注ぐ。地上に見える町はもうもうと立ち上がる黒煙を吹き上げていた。

 

「ふふ、あそこが私たちの新しい愛の巣になるのね!」

「どこが愛の巣!? どこからどう見ても不穏な予感しかしないんですけど! 不穏という字が褌巻いて仁王立ちしてるんだけど!!」

「物理的に暗雲が立ち込めているのですが、本当にこの座標で合ってるんですかドクター」

「『計器に狂いはないし、残念ながらあの島で間違いなさそうだ。まあ、そのなんだ、頑張れ!』」

「帰還したら一発殴ります」

 

 ロマンがマシュから恐怖の宣告を受けた後、愛の逃避行丸は島に接岸した。傍から見た様子では島が島に体当たりするようにしか見えなかったが、そこは女神のご愛嬌であろう。

 舟を後にして、ざらついた地面を踏みしめる。揺れることのない足元は、それだけでも有り難いものだった。

 嗅覚を刺激する土の匂いも、海上では得難い感覚である。久しぶりの地上を堪能しながら、一行は海上から見えた町を目指すことにした。

 その最中、ドレイクは遠くの町を見つめながら訊く。

 

「ところで、アンタらのリーダーってのはどんな男なんだい?」

 

 問われ、カルデア三人娘は顔を見合わせる。最初に口を開いたのはマシュだった。

 

「一言で表すとアホですね」

「あら、クズって情報を付け加えるのを忘れてるわよ?」

「色々と救いようのない人なのは確かだよね」

「なるほど、とりあえず信頼されてないのは分かった」

 

 でも、と立香は補足する。

 

「何だかんだ決めるところは決めますよ。セーフとアウトの間を反復横跳びしてる人ですから」

 

 そうして、一行は町の入り口まで辿り着く。あたかも西部劇に出てくるような寂れた町並みであり、通りを闊歩する人間も中々に人相が悪い。

 奥へ進むと次第に人だかりが見えてくる。やがて円形の広場に到達すると、燃え盛る燭台を両脇に配置した玉座が中央に鎮座していた。

 すると、豪奢な外套を纏ったノアがどこからともなく現れ、玉座に腰を落ち着ける。

 

「アルゴノーツとの決戦は間近だ。それまでにこの島の防備を整える必要がある。そのために貴様ら愚民どもにはこの俺、世紀末魔王ノアトゥール・スヴェン・ナーストレンド三世に命を捧げてもらう! まずは手始めに近隣の島を略奪する!! ケツの毛一本残っ──」

「アウトォォォォォ!!!」

 

 瞬間、立香の飛び蹴りがノアの顔面に突き刺さった。

 彼は玉座ごと後方に倒れ込んだ体を起こす。ボタボタと血を流す鼻を手で押さえながら、何でもないように言う。

 

「おいおい、久しぶりの挨拶がそれか藤丸。もっとリーダーを敬いやがれ。リーダーだってなぁ、他のメンバーが仕事してる間、D○SH島で遊んでるだけじゃねえんだぞ」

「それ別のリーダーですよね。あれは島で遊んでるんじゃなくて、ちゃんとした仕事の一環ですからね。そもそも世紀末なんたらってどういうことですか」

「勝手に縮めんな。世紀末魔王ノアトゥール・スヴェン・ナーストレンド三世だ。世紀末魔王ノアトゥール・スヴェン・ナーストレンド三世は、世紀末魔王ノアトゥール・スヴェン・ナーストレンド三世以外の何者でも無いんだよ」

「あからさまな文字数稼ぎやめてください」

 

 そんな愚にもつかない問答を繰り返していると、

 

「我らが魔王! 大丈夫ですかァァ!」

 

 顔面を白塗りにしたヘビメタバンド風の厳つい服装の男が駆けつけてくる。その風体を目の当たりにして、立香はぽつりと言葉を洩らした。

 

「……デ○モン閣下?」

「閣下じゃねえ、ダンテだ」

 

 ノアの一言に、立香は目を丸くする。

 

「どんな悪魔合体をしたらこんなのになるんですか!? 一人称絶対我輩ですよね! 世紀末っていうか聖飢魔IIですよね!?」

「落ち着け藤丸。これはダンテ自身が望んで俺の魔改造を受けたんだ」

「犯人はしっかりリーダーじゃないですか。地獄から命からがら生還したダンテさんが、地獄の使者になる経緯が分からないんですけど」

 

 立香の疑念を受け、ダンテは語り出した。

 

「……我輩、先日アルゴノーツと戦ったんですが、宝具使う以外ほぼ何もしてなくね? って思ったんですよね」

「前の特異点からそうだったと思いますよ」

「それです! 分かりますか、他の皆さんが頑張ってる時に突っ立ってるだけの疎外感が! 最近は〝ダンテいらなくね?〟〝二人目のサーヴァント、ダ・ヴィンチちゃんで良かったんじゃね?〟などという声が頭の中に……!! だからこそ魔改造を受けて近接戦闘もこなせるようになったのです!!」

「相変わらず筋力耐久敏捷全部Eランクなんですけど!?」

「す、ステータスなど飾り!! 大事なのはスキルと宝具です! これで我輩は全サーヴァントの頂点に登り詰めっ」

 

 ダンテの言葉を遮るように、彼の額に矢が直撃する。

 その体がどさりと後ろに倒れ、動かなくなるのを見届けるとオリオンは叫んだ。

 

「あっ、アルテミスゥゥゥ!! なにやってくれてんの!? お前っ、これ、閣下が死んじゃったよ! 地獄に逆戻りしちゃったよ! 10万58年の歴史に終止符が打たれちゃったよ!!?」

「うーん、お話が長いなって」

「ノリが軽すぎるだろ! そんなだからアポロンに唆されるんだよ!」

 

 と、気炎をあげるオリオンの首根っこを、ノアが鷲掴みにする。

 

「おい、なんだこのクマは。ウチのマスコットキャラクターはあの謎生物だけで十分だろ」

「コンビにした方が良さそうじゃないですか? ムックとガチャピンみたいに」

「待って、マスコットキャラクターにされるのは構わないけど、俺はガチャピンだよね!? まさか赤い方じゃないよね!?」

「安心しろオリオン(ムック)、悪いようにはしねえ。俺たちの尊い犠牲となれ」

「ルビがムックになってるよォォォ!!」

 

 オリオンの悲痛な叫び声が町を超えて島中に響き渡る。上空に堆積する黒雲は、彼の運命を示唆しているかのようだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……という訳でだな、俺たちも何か新しいことをするべきだろ。具体的には金に繋がることがしたい」

「何がという訳なんですか。お金の前に全く話が繋がってないですよ」

 

 アトランティスの残骸改め、愛の逃避行丸。

 結局、一行はあの島を後にして愛の逃避行丸を根城とすることになった。世紀末魔王の野望はむなしくも打ち砕かれたのである。

 トライデントのほど近くに建てられた小屋の中で、ノアと立香はロマンとともに今後の計画を練っていた。が、ノアの急な戯言によってそれは中止されたのだった。

 いつものことながら、ロマンはため息をついて、

 

「『あの、作戦を立てたりとかは……』」

「何言ってんだ、これだけ戦力があって負ける訳ねえだろ。何より俺がいるしな。勝った勝った、負ける未来が見えねえよ」

「『ま、慢心がすぎる……!!』」

 

 どこぞの英雄王ばりの慢心を披露したノア。唐突に小屋の扉が開け放たれ、そこからコロンブスとドレイクが現れた。彼らの間には捕獲された宇宙人のようにダンテが運ばれている。

 

「「話は聞かせてもらった!!」」

「くっ、また茶番が始まってしまう……!

Eチームのシリアス担当である私がなんとかしないと!」

「『立香くん、どの口が言ってるのかな?』」

 

 コロンブスは一枚の企画書をノアと立香の眼前に叩きつける。彼は下卑た笑みを浮かべて、話を切り出した。

 

「金儲けの話なら俺たちに任せろ! これは絶対に売れるぜ!?」

「勿体ぶらずに教えろよ。商談は即断即決が基本だろ」

「その通りだ。言ってやれ姐ちゃん!」

 

 コロンブスにバトンを渡され、ドレイクは自信満々に言い切る。

 

「アタシらが売り出すのは史上類を見ないゲームアプリ───未確認生物を擬人化した、その名も『UMA(ユーマ)娘』だ!!」

「いや、それウマむす……」

「「UMA娘!!」」

「それじゃあ私、アグネスタキオン育ててくるんで」

「待て待て待て! 立香、これは絶対売れるから! 大ヒット間違いなしだから!!」

 

 ドレイクは退席しようとする立香にしがみつく。彼女は企画書を破れんばかりに広げながら、熱弁を振るう。

 

「シナリオライターはダンテ・アリギエーリで、イラストレーターはレオナルド・ダ・ヴィンチ! どうだい、このルネサンス期の二大偉人がタッグを組んだ作品は! 売れる予感しかしないじゃないか!」

「そう言われても、ダンテさんの『神曲』とか割とグロいし、ダ・ヴィンチちゃんは絵の中に暗号とか仕込んできますよね。意味不明な前衛芸術に仕上がりそうなんですけど」

「美味いもんに美味いもん混ぜたらもっと美味くなると思うなよ。おまえらのやってることはラーメンにカレーぶち込んでるのと一緒だからな」

「『その前に意見が衝突して永遠に完成しなさそうだ。ダンテさんは饗宴と俗語論を書き上げてないし、ダ・ヴィンチちゃんはシナリオに口出ししてきそう』」

 

 三人からの反発をくらい、コロンブスとドレイクはうろたえる。いくら人材を揃えたとしても、良いものができるとは限らないのだ。

 すると、アステリオスを伴ったエウリュアレが、儲け話を提案してきた二人を押し退ける。

 

「やっぱりここは女神(アイドル)たる私の美しさと可愛らしさを全面に押し出した──」

「私、アイドルはエリザベートさんでうんざりなんで……」

「なんでよ!?」

「おまえに出番はやらん。次、入ってこい」

 

 ノアに促され、続けて入ってきたのはダビデとオリオン&アルテミスだった。

 

「僕の子孫のとある救世主くんを題材に、十二使徒を全員女体化して攻略していくギャルゲーを開発してみたよ」

「しかも全年齢版とD○M版でイベントが変わるおまけつき! ゼウスも購入待ったなしの大作になるぜ!」

「宗教的に大丈夫なんですか、それ」

「アウトな要素しかねえだろ」

「『ムニエルです。とりあえずユダちゃんはヤンデレだと良いと思いました』」

「『ダビデさんが開発者な時点で聖遺物化不可避だよね。ボクはあまり惹かれないかな』」

 

 一通り英霊たちの話を聞いてから、立香は気付く。

 

「そういえば、さっきからペレアスさんの姿が見えませんね。マシュとジャンヌもどこかに行っちゃったみたいですし」

 

 アルテミスは顎に人差し指を当てながら答える。

 

「逢い引きとかじゃない?」

「お前はなんでも色恋に結びつけるな。恋愛脳め」

「ペレアスさんは既婚者な上に、隙あらば惚気話する人ですからね。流石に無いと思います。……ハッ! もしかしてマシュとジャンヌの掛け算!? 信じて送り出した後輩が魔女に……!!?」

「藤丸、おまえはアホだ」

 

 ごす、とノアの手刀が立香の頭頂を軽く打つ。

 立香の妄想が加速する前に、件の三人が姿を現す。ジャンヌは数十頁ほどで構成された冊子を山積みにして持ってきていた。

 

「ペレアスさんの証言を元に、アーサー王の歴史をゆるく纏めた漫画を描いてみました。題名は『騎士サーの王』です」

「騎士サーの王言いたかっただけだろ」

「ちょっと面白そうなのが狙いに来てる感を醸し出してる」

「『円卓の騎士ってサークル扱いして良いのかな。もしかしてサークルと円卓をかけてる?』」

「現代で知られる分には良いと思うけどな。ついでにオレの知名度が上がれば他に文句無しだ」

 

 勧められるままに、山積みになった冊子が上から取られていく。静寂の中、ペラペラと紙をめくる音だけが鳴っていた。

 アステリオスは仏頂面で言う。

 

「はだかが、おおい」

「確かに……特にランスロット卿とガウェイン卿の絡みが多いね。本当にペレアスさんの言う通りに描いたの?」

「あ、あああ当たり前じゃない立香! 私は互いに信頼し合いながらも、最期は剣を交えるしかなかった二人の非業の運命を描いただけよ!! そうでしょう、ペレアス!?」

「こんな裸のやり取りを書けと言った覚えはないんだが!?」

 

 ノアは目を細めながら、

 

「〝ふふ……ガウェイン卿、昼の貴方はあんなにも雄々しいというのに、夜の貴方はまるで乙女のように愛らしい〟〝……くっ! 貴方のその瞳がいけないのです。湖の光が如き瞳が私を狂わせる……!!〟」

「朗読すんな!!」

「ジャンヌちゃん、これをオレはどんな顔して聞けば良いんだ。他人事なのに恥ずかしすぎるぞ」

「でも、ペレアスさんとガウェイン卿のやつもありますよ。〝ペレアス卿……今はエタードよりも貴方が欲しい〟みたいな感じで」

 

 立香から指摘をくらい、ペレアスは赤面した顔を両手で押さえながら、消え入るような声で言った。

 

「……ボツでお願いします」

「はぁ!? なんでアンタが勝手に決めてんのよ!」

「ジャンヌさん、これ以上足掻いても無駄です。大人しく観念してください」

 

 マシュとペレアスに説得され、ジャンヌは不満気に引き下がった。竜の魔女とはいえ、乙女の部分もしっかりと残っているのだ。

 そんなこんなで英霊たちによる新事業のプレゼンは全てが却下された。こうしてノアの暇潰しも終わり、対アルゴノーツの手はずが整えられることになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アルゴー号、船上。

 満天の星を掻き消すように月が輝く夜。その場所は異様な空気に包まれていた。

 船首近くに祭壇が設けられ、むせ返りそうなほどの香料が炊かれる。燭台の光に照らされる祭壇の上には、先日ペレアスに斬り捨てられたカドゥケウスの片割れがある。

 メディアは自らの杖の先で、甲板に複雑な円の紋様を描く。魔術の素養がある者が見れば、それが英霊を召喚するためのものであることは容易に見抜くことができた。

 見守るのは三人。イアソンとアタランテ、そしてヘクトールである。

 いくつかの魔言が紡がれる。それだけで甲板に書き込まれた術式は起動し、眩いばかりの光が船を包んだ。

 

「……嘘だろ」

 

 それは、誰が発した言葉だったか。

 軽装の鎧を着込んだ緑髪の英雄。己が乗騎である三頭立ての戦車を侍らせ、青銅とトネリコの槍を握る。

 その威風ある立ち姿は、あのヘラクレスと比べてさえ引けを取らぬ圧倒的な武を感じさせた。

 ヘクトールは頭を抱えながら呟く。

 

「───アキレウス」

 

 トロイア戦争において、オデュッセウスと並ぶ最大の英雄。かつて一騎討ちを演じた仇敵を見て、彼は獣のように笑った。

 周囲をぐるりと見渡し、メディアに顔を向ける。

 

「……で、俺はこのおっさんと戦えばいいのか? 良いぜ、船上なら逃げ場もないだろうしな」

「いえ、私たちは共に肩を並べて戦う仲間です。その矛は敵に向けるべきでしょう」

「ほう。その敵ってのは?」

 

 そうして、メディアは説明した。

 敵はカルデア。聖櫃と女神を狙う間柄であり、イアソンに大いなる力を捧げるために戦っていることを。

 アキレウスは夜空を見上げ、端的に思う。

 

(胡散臭え)

 

 確かに無敵の力を得られるというのなら、惹かれる人間は数え切れないだろう。が、そんな話に用意されているオチは大抵二つ。

 ひとつはそれ自体が嘘であること。もうひとつは無敵の力を得たものの、陥穽を突かれて死ぬという結末だ。

 自分がそうであったように、そんな都合の良い話は存在しない。だから、アキレウスは猜疑心を抱くことしかできなかった。

 彼は極めて単純に、冷徹に、決断する。

 

(──殺すか。魔女に騙された男は数知れず。世界を救うくらいの大層な目的ならともかく、こんな茶番に付き合う義理はねえ)

 

 所詮は魔術師。この足にかかれば、殺すのに一秒もいらない。

 踵を引く。その瞬間、彼の体は石のように硬直した。メディアはくすりと笑い、普段と変わらぬ調子で言う。

 

「召喚術における最大の要素は契約。あなたが現界する際に、私に危害を加えることはできないという条件を付けさせてもらいました」

「尚更付き合ってられるか。俺は降りさせてもらう」

「いいえ、それも不可能です」

 

 メディアは右手の甲に刻まれた令呪を見せつける。これがある限り、アキレウスは彼女の命令に逆らうことはできない。

 アキレウスはケイローンの教えの中で、魔術についても一定の知識を得ている。令呪の意味を悟り、彼は肩から力を抜いた。

 

「俺が敵前逃亡する可能性は考えてるのか」

「あなたは戦士です。眼前の敵との戦いに嘘はつけない……そうでしょう?」

「……あー分かった、好きにしろ。ただ、アンタの首を常に狙ってることだけは忘れんなよ」

「ええ、肝に銘じておきます」

 

 彼女は杖をくるりと回し、踵を返す。

 相手は狂したとはいえ、ヘラクレスさえも倒した。神殺しと不死殺しがある以上、アキレウスがいたとしても勝利は確信できない。

 

(さあ───ここからが、私の切り札)

 

 祭壇の前に跪く。

 メディアは三相一体の女神ヘカテーに仕える巫女であった。

 エジプトの神ヘケトに由来するその神は月と魔術、冥界を司る権能を有していた。古代ギリシャにおいてヘカテーは熱狂的な信仰を受け、特に魔術儀式においては、まずはヘカテーに供物を捧げることが定例と化していたほどである。

 しかし、キリスト教が浸透することでその位置は大きく変化する。女神ヘカテーは魔女たちの女王として、キリスト教徒たちの憎悪、もしくは恐怖の対象となった。

 女神や魔女とはしばしば性に奔放なイメージがあるが、その由来のひとつはヘカテーに求めることができるだろう。

 古来、神と繋がる役割を女性たちが期待されたのは、子を身に宿す神秘性ゆえ。仏教の尼僧は剃髪を行い、寺に隔離される。それほどまでに、女性性と呪術性は結びつきやすかった。

 そのため、魔術を認めないキリスト教世界では異教の巫女たちは魔女と蔑まれたのである。

 ───だからこそ、理解(わか)る。

 

(あの魔術王ですら、彼女の本質には触れていない)

 

 永遠の領域(プレーローマ)に座す知恵の女。

 本来は存在しないサーヴァントを送り込んだ、『暗黒の人類史』の召喚者。

 ロベスピエールやダンテがあの女と呼んだ、孤高の存在。

 

(彼らの行動は統一されていない。ロベスピエールは結果的にカルデアに敵対したけれど、あの詩人やコロンブスに至っては私たちの敵対者となっている)

 

 ──メディア曰く。

 彼女に明確な行動原理はない。

 彼女は全てがどうでも良い。自分が手を出すことも、出さぬことも。故に確率は50%。これは偶然が重なった結果だ。

 そして、彼女は不完全な根源接続者であり───とある魔術師の寵愛を受けていた。

 

(三相一体の女神であることを望まれた魔女。それが知恵の女)

 

 ヘルメス文書という文献がある。

 ギリシャ神話のヘルメスが時の流れの中でエジプトの知恵の神トートと、錬金術師ヘルメスと同一視され、その人物が記した神秘主義思想の結晶。数々の魔術を収録したこの本は、魔術という潮流にあってその源泉に近い代物だ。

 ヘルメスに連なる聖遺物、カドゥケウスを所有するメディアは言祝ぐ。

 その杖は半身を失っている。彼女自身を呼び出すことは到底不可能。しかし、魔女である彼女と自身の縁、魔術を象徴する神の杖がここにある。

 僅かでも繋がりを持っている自分とこの杖であれば、その半身を降臨させることは決して不可能ではない───!!

 

(…………そう)

 

 魔女という共通点。

 ヘルメスの杖。

 しかして、彼女が共鳴したのは、その願いだったのかもしれない。

 

(全てが、消えてしまえばいい)

 

 光もなく。

 音もなく。

 ただ最初からそこにいたかのように。

 光り輝く月を背に、その女はいた。

 自らの裸体を覆い隠すように包まった亜麻色の髪は爪先を越えてなお長い。その髪の外側は緩やかなカーブで跳ね、目は虚ろ。端正な顔に生気はなく、まばたきのひとつもしていない。

 ぼとり、と空間が歪んで何かが落ちる。

 海上を悠々と歩く白馬。ケルピーと呼ばれる幻獣であった。それを皮切りに大量の海魔が産み落とされる。夜空に降り注ぐ魔の群れは、吐き気を誘う禍々しさを持ち合わせていた。

 

「意思持たぬ力の器──魔物を生み出すという特性は、地母神の面が強く発現したためでしょうね」

 

 名前を与えることは、魔術の世界ではその存在を規定する行為と受け取られる。

 メディアは名付けた。

 

「アカモート。上天より切り離されし分身。あなたにはその名が相応しいでしょう」

 

 知恵の女より分かたれた力の器は答えることもなく、ただ宙を泳いでいた。この夜空を、掻き回すように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 愛の逃避行丸、トライデント近郊。

 アルゴノーツと敵対する全ての者が集まり、東の方角を眺めていた。

 朝焼けを引き連れ、進撃する一隻の船と無数の魔物。津波さながらに襲い来るその光景は、強化を施すまでもなく肉眼で捉えることができる。

 ペレアスは剣を肩に担ぎながら、空いた手でノアを小突いた。

 

「おい、いきなり想定外だぞ」

「負けると思ったか?」

「んな訳ねえだろ」

「じゃあそういうことだ。やることは変わらねえ」

 

 相手はコルキスの魔女メディアだ。並大抵の想定外で驚くほど、彼女を侮ってはいない。

 ダビデは一度伸びをすると、気楽に切り出した。

 

「最後に状況を整理しようか。この戦いでは護らなければならないものがふたつある。聖櫃とエウリュアレだ。聖櫃に神霊を捧げると、特異点ごとこの時代が消滅するからね。これだけは絶対に避けるように」

「『トライデントが使えれば楽勝だったんだけどね。まあ、使えないものは考えないようにしよう』」

「これはこれは、カルデアのロマニくん。僕の活躍を指咥えて見てなよ。男を口説く趣味はないから勘違いしないように」

「『……期待せずに見てますよ。ダビデさん』」

 

 そう言うロマンの声音は、どこか堆積するようなところがあった。しかし、それをいぶかしむ者は、まだこの場のどこにもいない。

 ノアは手袋を両手にはめる。続いて帽子を被り直し、服の裾を払った。

 

「おまえら、配置につけ。聖櫃がどうとか細かいことは今は考えるな。敵を全員倒せば、それで終わりだ」

 

 敵を前にして。

 彼は獰猛な獣のように、不敵に笑う。

 その横顔を見て、立香の中で夢の記憶が蘇った。

 

(ああ、そうだ、思い出した)

 

 ───この人は、今日もまた同じことを言ってくれる。

 

「───()()()()()()()()()

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