自称カルデア最強マスターとぐだ子の人理修復録   作:なまゆっけ

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メレアガンスの王妃襲撃事件に居合わせた十人の騎士の中には、ペレアスとアイアンサイドの他にケイやアグラヴェインもいたという話があるそうです。ケイは死んだふりしてやり過ごしてそうですが、アグラヴェインはさらに闇が深くなりそうです。


第38.5話 エドモンズブートキャンプとフォウくんの事件簿

 第四の特異点を攻略したカルデア。

 彼らはついに人理焼却の黒幕であるグランドキャスターと相見え、命からがら聖杯を持ち帰ることに成功した。

 魔術王の力はまさしく神域だ。魔術師の祖である彼にはあらゆる魔術は通用せず、その眷属たちは一体だけでも複数のサーヴァントを上回る。ロンドンで猛威を振るったオティヌスやテスラですら、彼にかすり傷ひとつ付けられなかったのだ。

 この先の戦いが激化するのは必至。カルデアの戦力強化は急務であった。相手は神にも等しい力を持つ。いくら強くなったとしても油断はできない難敵である。

 ロクデナシが揃いも揃ったEチームの奇跡とも言える快進撃は、いつまでも続きはしないだろう。

 なぜなら、Eチームには救いようのない三銃士がいる。

 肥溜めの底を煮詰めたような人間性の白髪アホマスター。

 最近ヒロイン面がしつこい女マスター。

 剣からビームも出せないセイバーの恥。

 今後予想される激闘において、彼ら三人は足を引っ張る可能性が高い。霊子演算装置・トリスメギストスを用いた予測演算ではその確率が150%であると示された。一度アホをやらかすと連鎖する確率が50%の意味である。

 スタッフ一同は危機感を覚えた。

 誰かがこの三馬鹿をどうにかしなくてはならない。が、自分たちが行動しても、クーデターを起こした時のように叩き潰されるのがオチだ。

 絶望したその時、立ち上がった男がいた───!!

 

「さあ、目覚めろ! 人理を救う勇者たちよ!!」

 

 カルデアで設定された時間で早朝。

 ノアと立香、ペレアスは仰々しい芝居がかった声に眠りの淵から引きずりあげられる。

 何処とも知れぬ、暗い石造りの一室。三人は布団もカーペットもない殺風景な床に転がされていた。

 立香は寝起きの重いまぶたをこすりながら、ぼそぼそと小さい声で言う。

 

「…………今何時ですか、リーダー」

 

 ノアも負けず劣らずの気の抜けた声で、

 

「……六時くらいじゃね」

「まだ仮面ライダーすら始まってないじゃないですか……二度寝キメます」

「俺もサザエさん始まったら起こしてくれ」

 

 そう言って、ノアと立香は二度寝の体勢に入った。ちなみにペレアスは一度だけ気怠げに目を開けると、即座に睡眠を再開した。

 彼らを叩き起こした声の主。ポークパイハットを被った色白な青年は、全員が眠りについてから一拍置いて言い直す。

 

「さあ、目覚めろ!! 人理を救う勇者たちよ!!!」

 

 しん、と無音が響く。

 本気で大声を張り上げたにも関わらず、彼の声は虚しく空気に溶けて消えた。

 三人は起きることすらなく、ただ煩わしそうに寝返りを打つだけだった。これがマシュやジャンヌであったなら即座に鉄拳を振りかざしていたところだが、青年の忍耐力は伊達ではない。

 何しろ、十四年の雌伏を経て脱獄し、その九年後に華麗なる復讐を成し遂げた男である。この程度の苦難は慣れたものなのだ。

 彼は鉄の忍耐力を以って言い放つ。

 

「さあ、目覚めっ」

「うっせーんだよ寝かせろボケ!!!」

 

 寝たままの体勢から放った飛び蹴りが青年の顔面にめり込んだ。彼は蹴りをかましたノアを見て、鼻から流れる血を押さえる。

 

「よし、起きたな。それでは今回の主旨を説明する」

「なに普通に始めようとしてんだオイ。その頭刈り上げてカツオくんみたいにしてやろうか」

「人類最後のマスターの片割れであるというのにその程度か? 俺の手にかかれば相手を『ですぅ』しか言う能がないタラちゃん状態にすることも可能だぞ」

「おまえこそ俺の手にかかったらおよそ意味のある言葉を発せないイクラちゃん状態になるからな。タンパク質でできた哀れなスピーカーになる覚悟はいいか?」

 

 イクラちゃんの台詞くらい中身のない会話を繰り広げる二人の声を聞いて、立香とペレアスが起き上がった。

 立香は寝癖立った髪の毛を手櫛で直しながら、不機嫌そうに言う。

 

「あの、こんな朝っぱらから騒がないでもらっていいですか。サザエさん症候群患者なんで、今から憂鬱になりたくないんですけど」

「おいおい、これだから現代っ子は困るんだよ。サザエさんは絶望のエピローグじゃなくて、明日へ飛び立つ希望のプロローグなんだよ。分かったら録画ボタン押してこい」

「サザエさんの魅力を理解しないとは……これは座学からやり直すべきか? そこの白髪魔術師の方がよほど日曜日の過ごし方を心得ているぞ」

「なんでいきなり手組んでるんですか!? 今どきサザエさんと日曜日をイコールで結びつけてる人間なんていないんですよ! しかもどっちも白髪だし!!」

 

 白髪二人とサザエさん症候群患者の立香の間に横たわる溝は深かった。テレビ以外の娯楽が豊富な現代っ子である立香にとって、サザエさんは月曜日の魔の手に近しいのだ。

 そこで、だんまりを決め込んでいたペレアスがうめき声をあげる。彼は四つん這いの姿勢から右手を胸に当てて嗚咽していた。

 

「ちょっ……静かにしてくれ…………あーこれもう完全に二日酔いだろ……なぁにがラモラック最強説だ、ダンテのやろ、」

 

 不自然に言葉がつっかえる。

 

「うぼおろろろろろろ!!!!」

 

 次の瞬間、ペレアスは床に吐瀉物をぶちまけていた。

 

「ギャアアアアア!! 何やってんですかこの人! 昨日食べたであろうサザエさんやカツオくんの残骸があああああ!!」

「なに魚介類つまみにして酒飲んでんだよこいつ! 消化されかけの食いもんとか誰も見たくねえよ! どっかいけ!!」

 

 青ざめた顔で後ずさるノアと立香。しかし、白髪の青年は四つん這いのペレアスに近づくと、彼の背中を優しい手付きで擦る。

 

「おまえたち、吐いている人間を無碍にするのは良くないぞ。洗面台から湯を入れたバケツとタオルを持ってこい。おっと、もらいゲロだけはしてくれるなよ?」

「いや、しないですけど。そもそも誰なんですか?」

「訊かれたか。ならば答えよう!」

 

 白髪の青年は大仰な身振り手振りで歌い上げるように言う。

 

「我が名は巌窟王エドモン・ダンテス! 恩讐の彼方より来たりし、永久の復讐者である!!」

 

 彼の演技じみた動きは変人そのものでしかなかったが、煌々と燃え盛る瞳と体の芯に響くような声がそれを陳腐と感じさせなかった。

 惜しむらくは足元で胃の内容物を垂れ流している男がいることか。ノアと立香はクレオパトラが肥溜めの上で踊っているような違和感を覚える。

 二人はエドモンに背を向けて、ひそひそと話し出す。

 

「知ってますか、リーダー?」

「さあな。だがアヴェンジャーってことは分かった」

「ジャンヌと同じですね。そう思ったら何だかラスボス面してるような感じがしてきましたよ」

「殴り合うにしてもあいつの逸話を1ミリも知らないのが問題だな。ペレアスもあのザマだ」

 

 という話をする二人に、エドモンのそれとは違う類の声がかかる。

 

「───ふっ。知らぬのならば教えてやろう。この私がな!!」

 

 そう言って現れたのは赤い外套を纏った褐色の男。色の抜けた白髪はこの場の白髪率を過半数にした。

 いきなり現れたその男だが、ノアと立香は初対面ではなかった。ムニエルのクーデターにてチェイテ城の案内役を任され、ジャンヌに腕を叩き折られた抑止力の派遣社員である。

 立香は特に感慨なく、

 

「あ、エミヤさん。あれから少しは筋肉つきました?」

「会っていきなり煽ってくるとはどういう了見だ!? 私の筋肉はすでに完成形、パンプアップする余地などない!!」

「いーや、俺の見立てだとまだまだいけるな。霊薬を混ぜた特製のプロテインでも譲ってやろうか?」

 

 ノアはいぶかしむような表情でエミヤ──アーチャーの肉体を品定めした。無論、英霊の体や戦闘能力は召喚された時点で固定されるので、今更筋トレに励んだところでDランクから逃れることはできない。

 

「…………それは後で貰うとして、まずはそこの男の解説……もとい文字数稼ぎをさせてもらう!」

「「正義の味方の姿か? これが…」」

「黙れ!」

 

 ……エドモン・ダンテス。アレクサンドル・デュマが手掛けた世に名高き復讐劇『モンテ・クリスト伯』の主人公。日本では明治期に、数々の翻案小説を生み出した黒岩涙香の『巌窟王』として知られた。

 その長大かつ壮大な物語はこの場では到底語り尽くせない。ただ、文学研究的な観点から言うと、ダンテの神曲との繋がりが少なからず存在するとされる。

 デュマが小説を執筆した当時のフランスでは神曲、とりわけ地獄篇が流行していたこと。罪を清めるために登った煉獄の山と、キリストの山(モンテ・クリスト)というモチーフ。ダンテスという名前など、ダンテの影響を見て取る人は少なくない。

 もっとも、巌窟王本人が実在していたとなるとその話は大きく変わってくるのだが、作家論からテクスト論に移り変わった現代の文学研究では詮無い指摘である。

 もちろんエドモンとて、作品を楽しんでいる人に口出しするような類の人間ではない。復讐者であろうと彼は紳士なのだ。

 ノアは自らの知識(聖杯産)を語るアーチャーを冷めた目で見る。自分が薀蓄をひけらかすのは好きだが、他人の話を一方的に聞かされるのは性に合わなかった。

 アーチャーが話し込んでいる間に床の清掃は完了し、薬を処方することでペレアスの二日酔いも大分収まっていた。ノアは眠気を吐き出して、エドモンに問う。

 

「……それで? こんなシケた場所に呼び出して何のつもりだ。おまえに復讐されるようなことをした覚えはないぞ」

「ああ、それこそが今回の主題だ。時におまえたち、自分たちに足りないものは何か分かっているか?」

 

 逆に質問され、Eチームの三人は顔を見合わせた。

 

「俺に足りないものなんてある訳ねえだろ」

「私はガチャを回す資金力ですかね」

「派手な逸話。あとエクスカリバー」

「君たちに足りないのは自分を省みることではないかね?」

 

 アーチャーの痛烈なツッコミは三人には届かなかった。エドモンは妖しく微笑んで、頭を振る。

 

「ひとつ答えに近いものはあったが、やはり自らを捉えきれていないようだな。おまえたちに最も足りないもの、それは───必殺技だ!!」

「必殺技って……私はともかく、リーダーとペレアスさんは持ってるんじゃないですか?」

「ふむ。確かにヤドリギは必殺技と言えなくもないが、ペレアスの宝具はどうだ。キメの場面を作れない、話に起伏も作れない、使い勝手最悪の宝具だぞ」

「おい待てェ! 人様の宝具をさらっとディスってんじゃねえ! オレはこれ一本でここまでやってきてんだよ!」

 

 憤るペレアスに、アーチャーは諭すように言った。

 

「他の仲間の宝具と比較してみたまえ。『あらゆる攻撃を防ぐ円盾』、『触れたもの皆焼き尽くす炎の嵐』、『現世を天国に塗り替える固有結界』…………見ろ、絵面の時点で負けているだろう。あと、ぶっちゃけ『死の運命を回避する』という映像が想像できない」

「それに関してはオレの責任じゃねえだろ! マシュちゃんとジャンヌちゃんは良いけどダンテのアホに負けたのはなんか腹立つ!」

「いいや、一理あるな。攻撃手段が剣振り回すだけってナメてんのかおまえ。せめて全集中の呼吸でも覚えて、斬撃にエフェクト付けれるくらいになってきやがれ」

「うっせえ余計なお世話だ! オレだってそりゃあ剣からビーム出そうと頑張ったよ! エクスカリバーとかガラティーンとかアロンダイトとか叫んでみたかったよ! あーあ、オレにも聖剣があったらなァ!!」

 

 ペレアスは膝を抱えて泣きじゃくる。

 中々に万感の想いがこもった独白だったが、立香は前から気になっていた疑問をぶつけることにした。

 

「それだったら、奥さんに頼めば良かったんじゃ? 湖の乙女なら聖剣くらいポンとくれそうだと思いますよ?」

 

 すると、ペレアスは一転無表情になる。

 

「…………聖剣持ってる人間って、大抵ろくな最期にならないから……」

 

 いたたまれない空気が流れる。円卓の崩壊を間近で目の当たりにした人間が言うと、とてつもなく重い一言だった。

 人間は矛盾した感情を持つ生き物である。ペレアスはその言動の一方で、聖剣への憧れを未だに抱き続けているのだろう。

 誰もかける言葉が見つからず、居心地の悪い静寂が続いた。エドモンはばつが悪そうに咳払いして、一枚のホワイトボードを引っ張り出して来る。

 

「い、一概に必殺技と言ってもその様相は多岐に渡る。そこで、要望に応じて主に二つのコースから選んでもらうことにした」

「え、そんな塾みたいな感じなんですか。放課後に勉強するくらいのノリで必殺技習得しちゃっていいんですか」

「近頃は修行編は好かれないからな。それにいざとなったら『あれから三年後……』みたいにテロップを挟んでおけばなんとでもなる」

「なんとでもなってねーよ! それやったら全てが終わりだろうが! ドラクエなんて『魔王倒した』の一文だけで終わらせられるだろうが!!」

 

 ノアの指摘にエドモンはニヤリと笑い、

 

「ふっ、気付いたか。それが第一の必殺技『二年後にシャボンディ諸島で』だ。あらゆる状況に対応できる便利な技だぞ」

「どこが必殺技だよ。話自体を殺してるじゃねえか。ひとりだけシャボンディ諸島に置き去りにしてやろうかこの野郎」

「リーダー、いちいちツッコんでたら話が進まないですよ。とりあえず聞いてみましょう」

 

 エドモンはホワイトボードにペンを走らせる。

 

「それではドラゴンボールコースと、いちご100%コースのどちらかから選んでもらうことになるが……」

「「ジャンルが違いすぎるだろォォォ!!」」

 

 ノアとペレアスの蹴りがエドモンに炸裂し、彼の上半身はホワイトボードを設置した壁に突き刺さった。

 浜に打ち上げられた魚の如く痙攣するエドモンの下半身を尻目に、アーチャーはわざとらしく首を傾げる。

 

「一体何が不満だ。西野の可愛らしさはそれこそ必殺だぞ」

「別にオレたちゃそこに不満は抱いてねえよ! それよりなんで悟空の横に西野が並んでんだ! ミスマッチにも程があるだろ!」

「む、もしかして東城派か。東城はいかんぞ。青少年の健全な成長を妨げる恐れがあるからな」

「青少年なんざ脳みそピンク色なくらいが身の丈に合ってんだよ。頭の片隅に常に東城のパンツが置いてあるくらいが逆に健全だろうが」

「健全という言葉の意味とは……?」

 

 ノアの言い草に、アーチャーは思わず正気に戻った。

 

「───待ってください」

 

 真剣味を伴った立香の声が響く。

 彼女は顔に深い影を落として、

 

「ToLOVEるコースはないんですか……っ!?」

「ある訳ねーだろ!! よしんばあったところでおまえは何の必殺技を学ぶつもりだ!?」

「局部を謎の光で隠す技があるじゃないですか! 私にはアレを利用してマシュとジャンヌの裸体を守るという義務があるんです!!」

「必殺技の定義がこんがらがってきてないか?」

 

 ペレアスは独りごちる。彼は壁にめり込んだエドモンの両脚を掴んで引き抜いた。身についた汚れを手で払うと、エドモンは何事もなかったかのように立ち上がった。

 彼は帽子を深く被り直す。

 

「……仕方がない。必殺技を学ぶ気がないというのなら、俺にも考えがある」

「いや、学ばせたいならそれなりの態度を取れよ」

 

 ペレアスの冷静な指摘を、エドモンは華麗に無視した。

 

「そう───この俺、巌窟王を打倒して、必殺技を必要としないほどの強さを示してみろ!!」

 

 エドモンの全身から蒼く黒い炎が立ち昇る。

 復讐者たる巌窟王が抱える怨念の発露。熱風が放射状に拡散し、ノアたちに吹き付けた。向けられる戦意は偽りなく純粋。説得が通用しないであろうことに、立香は戦慄した。

 

「まさかの本格バトル展開!? いやいやいや、戦うくらいなら必殺技習得しますって!!」

「今更遅い!おまえたちの仲間にはダンテ・アリギエーリがいるのだろう。言うなれば、我が宝具はかの詩人の旅路を体現するもの! すなわち、この世の地獄を脱する鋼の矜持である!!」

「「「過大評価にも程がある!!」」」

 

 ノアたちは思わず叫んだ。

 ダンテの人となりを知っている彼らからすれば、エドモンの言葉は過大評価にしか聞こえなかった。とはいえ、現世と幽世の違いはあれど地獄を切り抜けた二人だ。遠からずはあるだろう。

 エドモンは自身が誇る宝具の名を唱える。

 

「『虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)』!!」

 

 彼の実像が失われる。五感による捕捉を悠々と凌駕し、超高速の黒炎が乱舞した。

 エドモンの移動が発する余波のみで、四人は冷たい床に転がされる。腐っても円卓に名を連ねていたペレアスはぬるりと戦闘態勢に入る。

 相手の動きは視覚では捉えられない。

 ペレアスの卓越した先読みを以ってしても、凌ぐのがようやくだった。

 

「速すぎだろ! 少なくともアキレウスと同等くらいはあるぞ! なんでそんな宝具持ってんだ、モンテ・クリスト伯ってのはジャンプで連載されてたのか!?」

「ほう、かのアキレウスと比べられるとは光栄だな! しかし俺はサンデー派だ!!」

 

 エドモンが繰り出す連撃を受けて、ペレアスの体は型をはめたように石壁に激突した。

 謎のカミングアウトを聞いて、立香とノアは歯噛みする。

 

「くっ……これだからサンデー派は手に負えないんですよ!」

「全くだ。サンデー派さえいなければ世界は平和だっただろうな……!!」

「おい、このご時世にそういう風評被害はやめろ! 敏感な時代なんだから!」

 

 アーチャーはそう言って止めに入る。が、ノアは眉をひそめて口をとがらせて文句を言う。

 

「あん? おまえもサンデー派か? いつもそうやって俺たちジャンプ派を目の敵にしやがってよ。チャンピオンもコロコロもおまえの悪口言ってたからな。学校の帰り道で」

「黙れェェェ!! コロコロがそんなこと言うはずがないだろう!! あいつはラジオ体操のスタンプを網羅するほどの優等生だぞ! 貴様らジャンプ派が漫画界の主流だと思うなよ! ちなみに私はボンボンが好───」

 

 その言葉を遮るように、黒炎がノアとアーチャーを呑み込んだ。次いで、エドモンは立香を狙った一撃を繰り出すが、ペレアスの剣に阻まれる。

 瞬時に持ち手を変えて刃を薙ぐ。

 だが、横殴りの斬撃は空を切り、エドモンの外套すら傷つけはしなかった。

 部屋を縦横無尽に駆け巡り、彼は哄笑する。

 

「我が宝具は時空を含めたあらゆる縛めを超越する! それを駆使すれば、時間停止に比する速度での連撃も可能という訳だ!!」

 

 エドモンの主観では時間停止に等しい速度域の駆動。しかし、それはサーヴァントの肉体であってもかなりの負荷を強いる技だ。人形にブースターを付けて無理矢理動かしているのと同じく、度を過ぎれば自壊する可能性もあった。

 アキレウスはエドモンがそこまでして実現した高速移動と素の状態で競い合える。さしもの巌窟王の鋼の精神もひやりとするような話だ。

 立香は唇を切り結ぶ。

 

「必殺技の解説! 教えようとしてた立場だけあって、お約束は弁えてますね!」

「───ならば、当然このお約束も知っているだろうな?」

 

 全身が煤で黒ずんだアーチャーが立香の前に進み出る。遅れてノアも立ち並ぶと、遠隔でアーチャーにパスを繋いで魔力を送り込んだ。

 ノアはニタリと笑い、

 

「必殺技は先に出した方が負けるって相場が決まってんだよ! やれ、アーチャー!」

「『無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)』!!」

 

 赤い弓兵の言霊とともに、世界が色を変える。

 空に浮かぶ巨大な歯車。一面の荒野に突き立つ剣はまるで墓標。乾いた風が肌を撫で、埃っぽい土の匂いが鼻腔を擽った。

 無数の剣の全てはアーチャーが記憶したいわくつきの武装。しかして、ありとあらゆる名剣・魔剣が揃い踏みしたこの場所に絢爛さはなく、ただ寂寞とした荒涼の空気だけが世界を色付けている。

 立香とノアはペレアスの肩を叩いて、哀れみの目を向ける。黙して語るその瞳に、ペレアスは額に青筋を立てた。

 

「べっ、別に気にしてねーし! どんな大層な武器も結局使い手の力量次第っていうかァ!?」

 

 なお、言うまでもなくアーサー王もガウェインもランスロットも、使い手としては超一流である。

 ペレアスには知る由もないが、アーチャーは憑依経験によって武器の本来の使い手の技量を引き出すことができる。彼の主張は正しくはあるが、アーチャーにはあまり刺さらない。

 

「剣をいくら並べたとしても、振るう身はひとつ! 俺にその刃は届かぬぞ!」

「いつから私が剣を振るうと錯覚していた? こうするのだ───『壊れた幻想(ブロークン・ファンタズム)』!」

 

 この固有結界の中に存在する剣はどれもが贋作。アーチャーの卓越した投影魔術による産物だ。そのランクは真作より一段階落ちるが、逆を言えば宝具を思う存分に使い捨てられるということでもある。

 唯一無二の武装を使い捨てる『壊れた幻想』。アーチャーは荒野に在る全ての剣を魔力の詰まった爆弾として利用したのだ。

 目にも留まらぬ速度で攻撃を避けるというのなら、逃げ場を与えなければ良い。

 しかしそれは、ひとつの事実を指し示していた。

 

「あの、これ私たちも巻き込まれるんじゃ……」

 

 周囲の剣が爆発の前兆として発光する。

 アーチャーはゼンマイ人形のようにガタついた動きで振り向くと、口元をひくつかせて言った。

 

「…………そ、そう。これが最強の必殺技。その名も『爆発オチ』だ」

「「「……嘘ォォォ!?」」」

 

 ノアたちの叫び声も虚しく、荒れた大地を光が包んだ。

 爆発に巻き込まれる寸前、エドモンは口の端を歪める。

 

「何から何まで滅茶苦茶だ……が、それこそが彼らの強さか。魔術王に与するのは癪だったから鍛えてやろうとしたが、余計なお世話だったようだな」

「意味深なこと言って勝手に納得して死んでんじゃねえええええええ!!!」

 

 そして、ノアたちの脳裏にエドモンの存在は不審人物として刻みつけられたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 とある日のカルデア。

 非戦闘員のスタッフたちが次の特異点の調査とレイシフトの準備を進めている間、Eチームもサボっている訳ではない。

 そもそも想定されているよりはるかに少ない人数で施設を回している状態である。人手はいくらあっても足りない。それに加えて訓練などもあるため、Eチームも程々に忙しいのだ。

 午前の訓練を終えたEチームは、いつも通り食堂で昼食を摂っていた。

 そんな折、マシュが神妙な面持ちで切り出す。

 

「最近、フォウさんの姿が見えないのですが……」

 

 カルデアに住まう謎の生命体・フォウくん。文字数稼ぎとステータスアップに定評のある、猫とも犬ともつかぬ四足獣である。

 ぴたりと、食事を口に運んでいた全員の手元が止まった。

 嵐の前の静けさのような沈黙の中で、ノアと立香は顔を見合わせる。

 

「フォウって……」

「……誰だっけ」

 

 マスター二人のとぼけた物言いに、マシュは目を白黒させた。

 

「…………え、忘れたんですか!? あんな謎生物一度見たらなかなか忘れられませんよ! そうでしょう!?」

 

 と言って、彼女はペレアスとジャンヌ、ダンテに視線を向ける。

 

「見たような見てないような……出番が少なすぎて覚えてないわね」

「私も同じような感じですねえ。最後に見たのがいつかすら思い出せません」

「まあ猫みたいなもんなんだから、放っときゃいつか出てくるんじゃねえか?」

「そ、それはそうなのですが、実は第三特異点辺りから一切見かけないので……というかリーダーも先輩も本当に忘れたんですか」

 

 野良猫のような扱いになっているフォウくんだった。幸い、カルデア内には命を脅かすような脅威は無い……とは主にノアのせいで言い切れないが、現代の街中よりは生きやすい環境であろう。

 ノアは聞くからに無関心さが溢れた声音で答える。

 

「おいおい、天才の頭脳ナメんな。覚えてるに決まってんだろ」

「じゃあ、フォウさんのことについて何か話してみてください」

「…………ほら、アレだよ。……俺はカミーユのヒロインはファよりフォウの方が適任だと思う」

「それ別のフォウですよね。強化人間の方のフォウですよね。フォウ・ムラサメですよね!?」

 

 食いかかるマシュに対して、ノアは仏頂面で言う。

 

「フォウもフォウ・ムラサメも大して変わらねえだろ。精々、夏休み明けの友達がちょっと大人びて見えるくらいだろ」

「大人びてるどころか種族まで変わってるんですが!? 夏休み中にモロッコでも行ったんですか! 股間の突貫工事でもしたんですか!」

「…………話がズレてません? フォウさんの姿が最近見当たらない、というのが本題だったはずでしょう」

 

 モロッコまですっ飛んでいった話題を、ダンテが無理矢理引き戻す。ジャンヌは呆れたように鼻を鳴らし、がたりと頬杖をついた。

 

「ダンテの言う通りね。そこのアホの話聞いてたら日が暮れるわ。何か手掛かりとかはないの?」

「そういえば、わたしの盾の中にこんなものが……」

 

 マシュが白衣のポケットから取り出したのは、一枚の手紙だった。紙は何の変哲もない材質だが、特筆すべきは裏面に滲み出た赤黒い染みである。

 血が乾いたような染みは点々と散らばっており、ほのかに鉄くさい匂いを漂わせていた。

 見るからにおどろおどろしい表面。マシュはそれを何食わぬ顔で見せびらかすと、場の空気が一瞬で冷え込んだ。

 誰もが言葉を失った中で、ペレアスが詰まりかけながら言葉を捻り出す。

 

「…………誰かツッコめよ」

「ペレアスさん。現代には言い出しっぺの法則というものがあるそうです」

「ふざけんな、こんなダイイングメッセージ的な代物に誰が触れられるか! 呪いとか籠っててもおかしくねえぞ!」

「とりあえず少年探偵団か寺生まれのTさんでも呼んできます?」

 

 立香はからかうように言った。前者を呼べば確実に死人が、後者を呼べば一瞬にして物語が終わる危険な人選である。

 ノアは若干の嘲りを込めて笑い飛ばす。

 

「たかが血糊がついた手紙程度に英霊がビビってんじゃねえ。見掛け倒しだろこんなもん。ダンテ、おまえが開けろ」

「えっ、なんで私なんですか。ノアさんがやってくださいよ」

「Eチームのリーダーに万が一があったらどうすんだ。人類の損失だぞ」

「Eチームのサーヴァントに万が一があるのも人類の損失なんじゃないんですかねえ!? そりゃあ戦闘力はナメクジ以下ですけど! あっ、ちょっと言ってて悲しくなってきました!」

 

 役目をなすりつけ合うノアとダンテ。Eチームというあまりに使いづらい集団がカルデアの主戦力となっている現状の歪みが表出した会話である。醜く争う姿に立香は深いため息をついた。

 

「良い大人が二人して何やってるんですか。こんなもの大したことないですよ。というわけでジャンヌ……」

「ふん、この流れで私がビビるとでも思った? そこら辺の呪いなんかアヴェンジャーの意地で跳ね返してみせるわよ」

 

 手紙に呪いがかかっていると決まった訳ではない。ジャンヌは無造作に手紙を手に取ると、勢い良く開封する。

 そこに書かれていた文面は一言。錆びた血文字で大きく〝ここから出して〟と綴られていた。その横には肉球の判が押されており、ずるずると力なく引きずったような跡が紙の端まで続いている。フォウくんが無事でないことはもはや明白だった。

 それが目に飛び込んできた瞬間、ジャンヌは手紙を机に叩きつけた。

 

「きゃあーっ!? 呪われるゥ!!」

 

 手紙の内容を見たマシュは顔色を青くして、

 

「た、確かにフォウさんはわたしの盾の中にいることが多かったはずですが……ということは、登場していない間ずっとあの中に閉じ込められて……?」

「ま、まさか数々の激闘の裏でこんなとんでもない事件が起こってたなんて……読めなかった、この立香の目をもってしても!!」

「一匹の命が失われてるんですけど!? その節穴アイ、指突っ込んでこじ開けてあげましょうか!?」

「視力を取り戻す秘孔はあっても眼球そのものに秘孔はな……ああああああ!!!」

 

 ジャンヌは立香の両目をぎりぎりとこじ開けようとする。立香はもがいて抵抗しようとするが、サーヴァントの筋力に勝てるはずがなかった。

 ノアはそれを眺めながら言う。

 

「待て、早とちりすんなおまえら。フォウがこれを書いたとは限らないだろうが。あの謎生物に言語を操る能力があると思うか?」

「いや、割と知能高そうだったろ。横に肉球あるし」

「そうですよ。そもそもフォウさんがいなくなったらどうするんですか。我々が代わりに画面の右下で走らされることになるかもしれないんですよ」

 

 ダンテがひとつの可能性を提示する。生憎、Eチームの男たちが画面の右下で走らされることについて心配する必要は全くもってないのだが。

 ノアは平坦な声で、

 

「……別に良くね? あのナマモノがいなくても」

 

 瞬間、マシュの手によって真っ赤に燃え滾る麻婆豆腐がノアの顔面に投擲された。

 マシュは何事もなかったかのように立香の方を向いて、話しかける。

 

「では、全員でフォウさんを探しに行きましょうか。死んでたとしても亡骸を葬るくらいはしてあげないといけませんから」

「フォウより前に俺が亡骸になりかけてんだけど。おまえこれもうアレだよ、目の前が真っ赤だよ。真っ赤っつーか真っ暗だよ」

「ポケモンセンターにでも連れて行ってあげましょうか? ああ、シオンタウンの方が良さそうですね。とびっきり深く埋葬してあげます」

「上等だ地の底からでも這い上がってやるよ。背中に気をつけろよキリエライト」

 

 そんなこんなで。

 Eチームの面々は生死不明のフォウくんを探し求めて、カルデアを隅々まで歩き回った。しかし、彼の姿は影も形も見当たらず、体毛一本すら発見することができなかった。

 第三特異点から一切の姿を消したフォウくん。そのステルス能力は並大抵のアサシンをも凌駕すると言えるだろう。

 Eチームが藁にもすがる想いで最後に訪れたのは、カルデアのドラえもんことダ・ヴィンチちゃんの工房だった。ここではかつて、複数人の優雅なおじさんをひとりに合成する狂気の実験が行われたこともある。

 マシュが勢い良く扉を開いた時、目に飛び込んできたのは、

 

「物体転送装置を利用した、異なる生物種の合体実験───準備は良いかな? ムニエルくん、フォウくん!」

 

 工房の真ん中に用意された二台の機械。それは高さ二メートル大の筒状になっており、双方が雑多なケーブルで連結されている。

 それらの装置には、それぞれムニエルとフォウくんが閉じ込められている。切腹を待つ武士のような面持ちのフォウくんとは対照的に、ムニエルは焦った様子で装置の半透明の壁を叩いていた。

 

「だっ、出してェェェ!! 訳も分からず連れて来られて合体ってどういうことだチクショー!! 俺なんてあっちの合体もまだなのに! いきなり合体なんて風情がないよ、エ○本でもそうそうないよ!? こんなザ・フライ的な合体が初めては嫌だァァァ!!!」

「…………フォフォウ(是非もなし)

「何言ってっか分かんねーよクソ謎生物!! というかなんでお前は覚悟決まってんだ! 言っちゃなんだけど俺だぞ!? もっと他にあるだろ! だいたい約半年ぶりに出演した第一声がそれで良いのか!?」

「往生際が悪いなあ、ムニエルくんは。サプライズにしようと思っていたのに、ノアくんたちにバレてしまったじゃないか」

 

 眼前の恐怖に視野狭窄に陥っていたムニエルは、ダ・ヴィンチの言葉によってEチームを視界に捉える。

 常人なら一も二もなく土下座して助けを求めていたところだろうが、彼はムニエル。スタッフの中でノアによる被害を受けた数はダントツの一位。とにかく他人の不幸が好きなEチームリーダーが、この状況を止めるようなことはしないと理解していた。

 無意識の内に、ムニエルの両膝は力を失っていた。まさに目の前が真っ暗になったのである。

 ノアは呑気に喋り出す。

 

「オイオイオイ、なに俺抜きで面白そうなことやってんだ。合体実験だと?」

「バレてしまったなら仕方がないか。これはフォウくんたっての希望でね。人間の体を得て言語を操れるようになり、出番を増やそうという試みさ」

「なるほど。ほとんど意味のない鳴き声にセリフを回す余裕はありませんからね。成功すればフォウくんの欠点を消せる大実験じゃないですか!」

フォウフォフォウ(微妙にディスるな)

 

 立香の言葉にフォウくんが同意する。

 それに食ってかかったのはムニエルだった。

 

「いや、俺の人権は!?」

 

 ダ・ヴィンチとノアは同時に首を傾げて、

 

「「じん……けん……?」」

「ぶち殺すぞドグサレマッドサイエンティストども!!!」

「口の利き方がなってねえ実験体だな。これが実行ボタンか?」

「うん。それを押せばなんやかんやで瞬間移動が行われて、ムニエルくんとフォウくんが分子レベルで融合することになるよ」

「イヤアアアアアごめんなさいィィィ!! 調子乗ってすんませんっした! あの、他の皆さんも何とか言ってやってください!!」

 

 話を振られて、マシュを含めたEチームのサーヴァント陣は答える。

 

「フォウさんを見つけ出すという目的は達成されたので、わたしはミッションコンプリートと判断します」

「どうでもいい」

「ま、合体ってのもそう悪いもんじゃないぜ?」

「安心してください。こういうのは大抵、時間が経ったらしれっと戻ってますから」

「こいつら本当に英霊なんですかァ!?」

 

 ムニエルは思わず頭を抱えて叫んだ。英霊といえど人類に恩恵をもたらすばかりの存在ではないが、特に今回の彼に運が向くことはなかった。

 抗議する間もなく、ノアの手によってボタンが押される。

 二台の物質転送装置が青い光を放つ。

 工房が隅々まで照らされ、数秒して徐々に元の明るさを取り戻していく。

 

「…………あれ?」

 

 ムニエルは呆けた声を出す。

 この世の終わりを覚悟していたが、その体には何の変化もなかった。慌てて横を見ると、やはりフォウくんの外見にもおかしいところは見受けられない。

 ダ・ヴィンチは落胆したように肩を落とす。

 

「う~ん、失敗か。生物から始めたのは性急だったかな?」

「まずは無機物同士で実験するべきだったな。ムニエル、今日のところはここまでにしてやる」

「明日も明後日もお前らの実験に付き合うことなんてねーよ! ばーか!!」

 

 罵詈雑言を吐き捨て、ムニエルは転送装置を乱暴に開けて工房を後にする。その背中を見送り、マシュは言った。

 

「何はともあれ、フォウさんが見つかってよかったですね。あの手紙は未だ謎ですが」

「ああ、あれは私のイタズラだよ。ダ・ヴィンチちゃんの天才ジョークさ」

「お騒がせ者ですねえ、ダ・ヴィンチちゃんは。これで一件落着、なべて世はこともなしということですか。はっはっは!」

 

 ダ・ヴィンチの工房に笑い声が響き渡る。

 こうして、フォウくんを巡る騒動は集結したのだった。

 

 

 

 

 

 

 その日の夜。ムニエルが就寝する前に、トイレで用を足そうとしたその時であった。

 

「………………」

 

 ムニエルのムニエルがフォウくんのフォウくんになっていた。何がとは言わないがナニがそうなっていた。

 

「───なんでここだけ入れ替わってんだァァァ!!!」

 

 彼の悲痛な叫びがカルデア中に響く。

 その悲しみは、誰にも伝わることはなかった。




クラス︰ライダー
真名︰ペイルライダー(黙示録の騎士)
属性︰混沌・悪
ステータス︰筋力 B 耐久 B 敏捷 A+ 魔力A+ 幸運 B 宝具 A++
クラス別スキル
『騎乗︰A+』……竜種を除くすべての獣、乗り物を乗りこなすことができる。
『対魔力︰E』……魔術の無効化は出来ない。ダメージ数値を多少削減する。肉体を得たことで魔力の干渉を受けやすくなっており、魔術的な防御力が低下している。原典の黙示録の騎士はA++ランクの対魔力を持つ。
固有スキル
『黙示録の騎士︰A+』……ヨハネの黙示録に記された第四の騎士。地上の四分の一の支配と、人間を殺す権威を与えられている。その土地の魔力を吸い上げることでマスター無しでも活動可能な単独行動スキルと、同ランクの魔力放出スキルを内包する。
『殺戮の権威︰B』……人類に対する特攻を有する。また、人類からペイルライダーに対しての攻撃を遮断する効果も併せ持つ。サーヴァントの霊基でこのスキルを再現できるのはBランクまで。原典通りの黙示録の騎士には人の作り出した道具や概念では、一切の傷を与えることができない。殺すには神造兵装などの人以外の手によって作られた武装でなくてはならない。
『死病の風︰A』……黙示録第四の騎士が持つ、疫病を操る能力。サーヴァントにも感染し、対魔力で防ぐこともできない。ただし、どこかの婦長には全くの無力である。
宝具
『第四封印・終焉招く死病の風』
 ランク:A++ 種別:対人類宝具
 コヴェナント・アルマゲドン。黙示録に語られた終末の騎士が側に連れていると言われる黄泉(ハデス)を具現化し、現世を冥界に塗り替える固有結界。彼が発する黒い瘴気は可視化するほどの『死』であり、常人ならば触れただけで、サーヴァントでも数秒で死に至る。が、死そのものと死を回避するペレアスの宝具とでは相性が悪すぎた。
 基本的に対象が人間、もしくは人間の血が入った存在なら問答無用で、その他の生物でも尽くを殺すことができるが、無機物には効果を発揮しない。
 人間への殺意に満ち溢れた宝具だが、ペイルライダーの本質は主の遣いである。世界に終末をもたらすことで救世主が統治する千年王国を打ち立て、主が行う最後の審判にて全ての善き人を救う。彼の破壊の裏には常に再生があるのだ。
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