異世界学園の不適合者~史上最強の魔王の始祖、ボタンを押して異世界の学校へ通う~   作:瓢さん。

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 表現がなんか同じものなのは作者の文才のなさが原因ですので、どうか勘弁してください……。

 アノスの口調って難しいですよね。配下の口調がみんな違うから助かっている面もあります。


下校

 自己紹介をしたあと、ゆんゆんからこの世界について教わった。

 

 ゆんゆんによると、自分もこの世界とも俺の世界とも違う世界から転移し、この学校に通っているという。

 

 ゆんゆんは彼女がいた世界のことを俺たちに教えてくれた。

 

 レベルやスキル、ギルドに冒険者カードなど、興味深いものばかりだった。

 

 ふむ。さすが異世界だな。世界の仕組みや理まで俺の世界とは全く違うというわけか。

 

 行けるのだとしたら、行ってみたいものだ。異世界に行くことのできる魔法を作ってみてもよいかもしれぬ。

 

 しかし、彼女の話の中に一点、気になることがあった。それは、

 

 

 

「魔王が、人間界を侵略していると……」

 

 

 

「はい……。そうなんです……」

 

 

 

 そう、彼女の世界では魔王が人々を襲っているのだ。

 

 平和を自分から壊し、ましてや人を殺したりするとはな。愚かなことをするものだ。

 

 俺が今彼女の世界に行けたのならば、その魔王を滅ぼしただろうな。

 

 

 

「ね、ねぇ……こ、こんなこと言うのもなんだけど、私たちと友達になってよかったの……?確かにアノスは人間界を侵略しようとはしないけど、魔王なのよ?」

 

 

 

 サーシャが恐る恐るゆんゆんに聞く。

 

 

 

「い、いえ大丈夫です。アノスさんは私の世界の魔王とは違うってことぐらいわかります」

 

 

 

 ゆんゆんがニッコリと笑う。

 

 

 

「それに、昔友達が出来無さ過ぎて、悪魔とか召喚しようとしましたし。友達になってくれるならたとえ人外でも、言語が通じるなら大丈夫って決めてますから!」

 

 

 

「わーお、全然大丈夫じゃないぞそれ……」

 

 

 

 エレオノールが苦笑する。

 

 

 

「まあゆんゆんがいいなら……。だけど、せめてあの名乗りだけはなんとかならないのかしら?」

 

 

 

 サーシャは先ほどのゆんゆんの様子を思い出したのか、げんなりした様子だ。

 

 自己紹介をしたあと、正気を取り戻したのか、ゆんゆんは顔を真っ赤にして、その場にうずくまったのだ。

 

 あれほどまでに恥ずかしがるのなら、やらなければいいものを。

 

 こちらもなにか事情があるのか?

 

 ゆんゆんも先ほどの失態を思い出したのか、顔を少し赤くしながら、

 

 

 

「あ、あれは紅魔族がやる自己紹介の仕方で……。紅魔族は皆これをやらなきゃいけないんです……」

 

 

 

 彼女曰く、紅魔族は彼女の世界に存在する「紅魔の里」という場所に住み着いている、高い知力と魔力を持つ種族だという。そして、ゆんゆんもその一人らしい。

 

 しかし、先程のような名乗りを紅魔族は全員やるのか?とても高い知力を持つようには思えぬがな。

 

 

 

「あー、これ中二病ってやつだと思うぞ、アノス君」

 

 

 

 といきなりエレオノールが聞いたことのない単語を口に出す。

 

 ふむ、二千年前にはなかった単語だな。

 

 

 

「中二病?名前から察するに病気のようだが、どんな病気なのだ?」

 

 

 

 エレオノールがえーっとね、と説明する。

 

 

 

「中二病っていうのは、14歳ぐらいの人間が、自分をかっこつけるために、自分に妙な設定を付け加えたり、よくわからない言葉を発することだぞ」

 

 

 

 なるほどな。病気ではなく自分をよく見せるための背伸びのようなものか。

 

 

 

「妙な設定やよくわからない言葉とは?」

 

 

 

「えーとね、例えば、右手に包帯を巻いて、『くっ、神々に封印された俺の右腕が今、解放されようとしているっっ!』て言ったり、アルクランイスカでのクラス別対抗試合で、三手に分かれて攻めるだけの作戦を、『聖光之三叉戟作戦(ホーリーライトニング・トライデント)』とかにしたり……」

 

 

 

「……眼帯……とかも……つけたりします……」

 

 

 

 エレオノールがその時のことを思い出したのか、顔を暗くする。ゼシアも、若干嫌そうな顔をした。

 

 ゼペスやリオルグのようなものか。奴らも魔侯爵とか魔大帝とかよくわからぬことを言っていたしな。

 

 つまり、紅魔族は、知力が高く、魔力が強いが、全員中二病を患っている、と。

 

 俺に言わせるなら、命知らずな真似だと言いたい。

 

 二千年前は、大量の情報が四六時中錯綜していて、どの情報が真でどの情報が誤か判別するのが難しかった。

 

 故に、魔界を脅かそうとするような敵の情報が入ったときは、真か誤か確認せず即座に現地に向かい潰したものだ。そんな確認をする暇など到底なかったからな。二千年前にあのような真似を居ていたら即座に滅びていただろう。

 

 そう思うと、これも平和の産物なのかもしれぬな。

 

 

 

「そうなんです……。私はおかしいと思っているのに、ほかの紅魔族のみんなは、これを平気な顔でするんです……」

 

 

 

 ゆんゆんも顔を暗くする。

 

 

 

 彼女は中二病の集団の中でただ一人常識的な性格を持っていたというわけか。周りと自分の価値観が全くちがうのだ。その中で友を作れ、などと言われても、難しいだろう。

 

 そう考えるとゆんゆんは、紅魔族としてみると、不適合者なのかもしれぬな。

 

 

 

「だから友達がいなかった」

 

 

 

「そうなんですぅ~」

 

 

 

 泣き出してしまったゆんゆんをの頭を、ミーシャがよしよしと撫でる。

 

 

 

「いえ、だけどもう大丈夫です!今日、こんな素晴らしい友達が7人も出来たんですから!」

 

 

 

 ゆんゆんは涙を拭き、そう宣言する。と、その時、

 

 キーンコーンカーンコーン

 

 とチャイムが鳴った。

 

 

 

「あっ、もう下校時刻ですね。私は家に帰るんですけど、アノスさんたちはどうするんですか?」

 

 

 

 ゆんゆんが聞いてくる。今日この世界に来たと話したばかりだ。心配なのだろう。

 

 

 

「なに、心配いらぬ。ルーテルドルフから住む場所の情報くらいは聞いてある」

 

 

 

 と、ポケットから白い紙を取り出した。

 

 

 

「ルーテルドルフから地図をもらってな。これに俺たちが住む場所が書いてあるとのことだ」

 

 

 

 ゆんゆんが地図を覗き込む。

 

 

 

「へえー。ここにあるんですね……って……」

 

 

 

 ゆんゆんが突如黙り込んだ。

 

 

 

「知っているのか?ゆんゆん」

 

 

 

 そう問うと、ゆんゆんはこちらを向き、

 

 

 

「こ、ここ……私の隣の家なんです……」

 

 

 

 ほう。ゆんゆんの隣とはな。とんだ偶然もあるものだ。

 

 

 

「でも……ここってただの空き地で、家なんて建っていませんよ?」

 

 

 

「はぁ!?」

 

 

 

 ゆんゆんからの追加の情報に、サーシャが素っ頓狂な声を上げる。

 

 

 

「それ、家じゃないじゃない……」

 

 

 

「俺たちは意図されず転移してきたのだ。仕方ないだろう」

 

 

 

 土地だけでも確保できたのだ。ありがたいと思うべきだろう。

 

 

 

「なに、心配することはない。土地さえあれば家などどうとでもできるからな」

 

 

 

 <創造建築(アイリス)>を使えば家など一瞬でできるしな。

 

 

 

「ゆんゆん。よかったら俺たちの家に、遊びに来ぬか?お泊り会というやつだ」

 

 

 

 同じクラスになるのだ。親交を深めてもよいだろう。そう思い提案すると、

 

 

 

「行きますっっっ!!!!」

 

 

 

 と即座に答えた。今のはなかなかの早さだったな。

 

 

 

「お、お泊り会……まさか本当にできるなんて……。夢みたい……」

 

 

 

 ゆんゆんは今にも天に昇りそうなほど幸せな表情をしている。

 

 

 

「あははー。すぐ決まっちゃいましたねー……。でも、楽しみですねー」

 

 

 

「彼女の世界のことも、もっと知りたいしね。興味深いことがいっぱいあるよ」

 

 

 

 ミサやレイだけでなく、全員乗り気のようだしな。

 

 

 

「じゃあ、すぐに帰りましょう!」

 

 

 

 もう一秒でも待ちきれないといったようにゆんゆんが俺たちのことをせかす。よほど楽しみのようだな。

 

 もうゆんゆんの帰り支度が済んでいるようだし、そろそろ帰るとするか。

 

 

 

「<転移(ガトム)>を使う?」

 

 

 

 ミーシャが聞いて来るが、残念ながらそれはできない。

 

 

 

「<転移(ガトム)>は一度行った場所でないと転移することができなくてな。今日は歩くとするか」

 

 

 

 そう言いながらドアを開ける。

 

 すると、廊下には、下校時間からなのか、廊下にたくさんの生徒がいた。

 

 少年少女だけでなく、幼女や明らかに人外の存在もいた。彼らも別世界の人間だとゆんゆんは説明してくれた。

 

 一体いくつの世界から来ているのやら。

 

 そう思いながらも帰ろうとしたとき、

 

 

 

「おや?ゆんゆんではないですか。そちらの人たちは誰なのです?」

 

 

 

 珍妙なトンガリ帽子をかぶった、黒いマントに黒いローブ、黒いブーツを身に着けた、黒髪の少女が声をかけてきた。

 

 ゆんゆんと同じく紅の瞳を持っている。こいつも紅魔族か?

 

 少女は俺たちの視線に気が付いたのか、突然バサッとマントを翻し、

 

 

 

「我が名はめぐみん!紅魔族一の魔法の使い手にして、爆裂魔法を操るもの!」

 

 

 

 間違いなくこいつは紅魔族だ。しかも、ゆんゆんとは違い、微塵と恥ずかしいと思っていないな。これが普通の紅魔族か。

 

 

 

「こ、この人たちは私の友達よ!今日友達になったの!」

 

 

 

 そうゆんゆんがめぐみんと名乗った少女に胸を張る。

 

 

 

「とっ友達っ!?あ、あのゆんゆんに友達が!?あの、動物だけでなく植物にも逃げられ、誕生日会も毎年一人で行っていたあのゆんゆんが……!?」

 

 

 

「聞けば聞くほど可哀そうになってくるわね……。」

 

 

 

 めぐみんのカミングアウトを聞き、サーシャが今日何回目ともわからない憐みの視線をゆんゆんに向ける。

 

 ゆんゆんはサーシャのその視線に気づいていないのか、

 

 

 

「今日、みんなでお泊り会もする予定なの!もうめぐみんにぼっちなんて言わせないわ!」

 

 

 

 と、めぐみんにマウントをとっている。

 

 

 

「おっ、お泊り会ぃぃぃぃ――――!?」

 

 

 

 ゆんゆんのお泊り会宣言でめぐみんが完全に固まってしまった。驚きが彼女の情報処理能力の上限を上回ったのだろう。

 

 

 

「さて、帰るか」

 

 

 

「ちょ、ちょっとアノス、あの子あのままでいいの?」

 

 

 

 帰ろうとする俺をサーシャがゆすってくる。

 

 

 

「心配は不要だ。今、彼女の知り合いが来た」

 

 

 

 めぐみんの知り合いらしき少年が彼女を揺すっている。「めぐみん!?おいめぐみん大丈夫か!?」と聞こえるが、まあ大丈夫だろう。

 

 

 

「ならいいけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ところで、先ほどのめぐみんという少女は知り合いか?」

 

 

 

「あ、はい!めぐみんは紅魔の里でのライバルなんです」

 

 

 

 聞くところによると、ゆんゆんとめぐみんは紅魔の里でトップを競い合う仲らしい。しかし、大抵めぐみんにトップをとられていたようだ。

 

 あれがライバルとはな。世の中、見た目にもよらぬものだ。

 

 

 

「それにしても、ゆんゆんさんといいめぐみんさんと言い、珍しい名前だね。紅魔族はみんなそうなのかな?」

 

 

 

「はい。みんな私たちと似たような名前ですね。紅魔の里から出たときはびっくりしました……」

 

 

 

 そのような話をしながら俺たちは帰路についた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほんっとうに……何もないですね……」

 

 

 

 ミサが唖然としていた。いや、ミサだけでなく、サーシャやエレオノールも似たような感じだった。

 

 そこには、草すらない、見渡す限り一面茶色の空き地が広がっていた。広い空き地だ。城ぐらいなら建てられるぐらいには広い。

 

 空き地の隣には、小さな家がポツンと建ってあった。あれがおそらくゆんゆんの家なのだろう。

 

 俺は創造建築(アイリス)を使う。あっという間に巨大な魔王城が空き地に顕現した。

 

 

 

「すごい……。一瞬でこんな大きな城を立てるなんて……」

 

 

 

 ゆんゆんは魔王城を見上げ、唖然としている。

 

 

 

「この俺を誰だと思っている?魔王アノス・ヴォルディゴードだ。不可能など俺にはない」

 

 クイっと指を曲げると、ガゴォォォンッと重々しい音が響き、ドアが開いた。

 

 

 

「さて、楽しい楽しいお泊り会の始まりだ」

 

 




 ゆんゆん不適合者説。あながち間違っていないと思うんですよねぇ。

 少し話の進みが遅いのかな?グダグダ感が否めない……。自分が思いついたこと詰め込んでいったらこうなっちゃうんです……。
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