ドーモ=ミナサン。
ワイルズベータテストに参加しアルシュベルドに挑んだものの、結局勝てず仕舞いになってしまい製品版での再戦を誓ったseven774です。
皆さんはアルシュベルド、討伐ないし捕獲は出来ましたか? 私はソロでもマルチでも勝てませんでしたし、捕獲も出来ませんでした……。ですが、今回のベータテストでランスに触れてみたところ、カウンターが楽しい事に気付き、製品版ではランサーの道に足を踏み入れてみようかと思えたので良かったですッ! これまでランスを使った経験はなかったので前回ベータテストでの炎上はよくわからなかったのですが、製品版では色々と上方修正が入るそうなので、手に取るのが楽しみですッ!
今回はモルガンパートから、ルーツ達のパートとなります。
それでは、どうぞッ!
(……ベリル・ガットが死んだか。よくやりました、マシュ)
脳裏を駆けていく情報に一瞬だけ口元に笑みを宿す。
ベリル・ガット―――まだ異聞帯だった頃のブリテンの管理者として汎人類史から現れた魔術師。思い返してみれば、現在のブリテンは、彼がルーラークラスのモルガンを召喚した事が始まりだった。過去の自分に記憶を転送した事でルーラーの自分は消えたが、その果てに今の自分は本来死ぬはずだった歴史から逃れ、この妖精國を作り上げた。それに合わせた世界の再編によて『ベリル・ガットに近しい男』として蘇った彼を、魔術を教えられないカリアや仕事で時間を作れない自分に代わってバーヴァン・シーの魔術の講師にしたが……今この瞬間、あの頃の自分は間違った選択をしてしまったと確信できる。愛娘に汎人類史や黒魔術の知識を与えてくれた事には感謝しているが、スケープゴートにされた怒りはその感謝を上回る。
だが、死亡したとなれば最早彼について考える必要はない。
視線を上へと向ける。
2000年以上続くこの國の歴史の中心地。我が治世の象徴―――キャメロット。これまでの戦いで破壊されてしまったその城の真上に浮かぶ、三十基の
―――しかし、それを相手が許すはずもない。
「チッ、ベリルの奴、しくじったか」
「貴様の戦力も、残りはアルトゥーラだけだ。いよいよ追い込まれたな、蛆虫」
モルガンと、彼女が跨っているディスフィロア。彼女達が求めるロンゴミニアドの間に滞空する人型の影を嘲笑すれば、彼はその手に持つ鎌を握る力を強め、逆に馬鹿にしたような笑い声を返した。
「そう言う割には俺の結界を解除できずにいるじゃないか。そっちに回せる程の余裕もなくなってるんじゃないか?」
己の背後にあるロンゴミニアドを覆う、黒い靄。
絶えず形を変え続ける不定形でありながらも効果を維持し続けるそれは、いずれモルガン達がキャメロットに戻ってくる事を危惧した影が施した結界だ。
最初にグロスターから転移してきたルーツが解除したものと比べ全体的な効力は劣るものの、外部からの魔力の干渉の一切を阻むように構築したものであり、万全の状態ではないモルガンでは解除に時間がかかるだろう。でなければとっくに解除されてしまい、力を取り戻されているわけなのだから。
ルールなど度外視で消去しにかかってくるルーツも、今は羽化したアルトゥーラに集中せざるを得ない為こちらに手を出せない。
「でも、追い込まれてるって事は認めるよ。事実は受け止める主義なんだ。だがベリルに気を回さなくて済んだ分、こっちもやりやすくなった」
「貴様一人で我らを相手取ると? 随分と舐められたものだ」
翼を羽ばたかせてディスフィロアが影へ向かうと同時、モルガンが自分達の周りに展開した六本の槍を射出。
瞬く間に音の壁を突破した槍に、影は鎌を連続して振るって迎撃。弾かれ、切り裂かれた事で標的を貫けずに消えていく中で鎌を横薙ぎに鎌を振るえば、彼の纏う漆黒のオーラと同じ色を宿す斬撃がモルガン達に向かうも、ディスフィロアは勢いよく翼を羽ばたかせて行動を上げる事で回避、大きく開いた口から放った灼熱のブレスで影を狙う。
大気を焼き焦がして突き進むそれを回避した影の斬撃をモルガンもまたハルバードを振るって飛ばした魔力の刃で迎撃。ディスフィロアの背から跳び浮遊した彼女がハルバードの穂先で空間を突けば、影の背後の空間が歪み、そこから渦を巻く魔力の槍が飛び出す。
背後から串刺しにしようと迫る魔力の槍に気付いた直後、影の体はほぼ無意識に回避行動を取っていた。
真横へ飛び退くように動いて背後からの一撃を回避した影が上空へ手を翳すと、歪んだ空間から溢れ出した漆黒の濁流がモルガン達に襲い掛かる。
先の一撃の意趣返しが如く現れた濁流が重量に引かれる事無く途中で幾本にも分かれる中、ディスフィロアが全身から絶対零度にも等しき冷気を迸らせる事で濁流を凍らせようとするが、濁流は多少もその動きを鈍らせる事無く突き進み、ディスフィロアを吞み込もうとする。
「させるものか……ッ!」
濁流がディスフィロアを吞み込もうとしたその瞬間、モルガンが魔術を発動。友を護るように出現した半透明の防壁に濁流が直撃すると、防壁はそれらを吸収、影の周囲に出口を出現させ、そこから影目掛けて吸収した濁流を吐き出した。
ディスフィロアに向けた威力をそのままに返された影を、濁流が呑み込む。―――しかし。
「俺自身の攻撃が、俺に効くとでも思ったか?」
濁流の奥から嘲笑するような声が聞こえた直後、濁流を全身で取り込んだ影が姿を現す。
傷一つついていないその姿にモルガンは「忌々しいな」と吐き捨て、強く睨みつける。
「先の攻撃、虚無そのものだな? ディスフィロアの冷気が効かなかったのもそれが理由か」
先のディスフィロアの行動は、濁流を凍らせる事で反撃のチャンスを生み出そうとしてのものだろう。しかし、数多いる古龍種の中でも上位に位置するディスフィロアの操る冷気であっても凍り付くどころか勢いを欠片も落とさずに動いていた事から、モルガンはあれがただの濁流ではないと見抜いていた。
そこに、影が濁流を起こす前に空間を歪めていた事も加えて考えれば、濁流を構成していたものは簡単に理解できた。
即ち―――虚無。
光も闇も、あらゆるものが存在せず、存在してもその全てを取り込み、消去してしまうもの。
ディスフィロアの冷気が通用しないのも当然だ。なにもない場所に冷気を注ぎ込んだとしても、なにも凍るわけがないのだから。
そして、その虚無を濁流として操る事が出来るとなると……一つの考えがモルガンの脳裏に浮かぶ上がってくる。
(目覚めは近い、か……)
虚無の濁流は、今目の前で得物を構えている影の本体―――『大穴』の底に眠る“魔竜”の一部だろう。それを影が使えているとなれば、本体が目覚める時が刻一刻と近づいてきているという事だ。
「情けないものだな、蛆虫。本体が目覚めなければ我々を殺せないか」
「挑発か? 生憎、それに乗っかる程短気じゃないんだ」
「その答え方はほぼ認めているようなものだな。安心しろ、その答えを今すぐに現実のものにしてやる。『我々を殺せない』ではなく、『我々に殺される』という訂正も加えてな」
「確かに今の俺じゃお前らには勝てない。だが、なにも今お前達を殺す必要があるわけじゃないんだ」
確かにモルガンの言う通りだが、現時点における自分の勝利条件は、『大穴』の底にいる本体が目覚めるまでの時間稼ぎだ。端からモルガン、ないしディスフィロアの殺害など出来るはずがない。この身に残る“凶気”の力と、今尚無尽蔵に注がれる“凶光”の力があったとしても、単騎で神域の魔術師とその相棒たる古龍種相手に勝利できる確率など0に等しい。
だからこその時間稼ぎ。今の自分に勝利が不可能であるのなら、本来の姿を用いてブリテンを崩壊させればいい。
(……と、貴様は考えているのだろう?)
だが、影がそのように考えている事など、モルガンには手に取るようにわかっていた。
初めから時間稼ぎを狙って自分達と戦っている事は、最初から理解していた。単騎で自分達を倒せないのであれば、勝利の可能性を有する本体が目覚めるまでの時間稼ぎの道を選ぶだろうと。
しかし生憎、
遅れてこの地に向かったメンバーは、自分とディスフィロアだけではない。
だが、それだけで済ませるつもりはない。
全てを彼女に任せるつもりなど毛頭ない。
目の前に、この國を滅茶苦茶にした相手がいるのだ。この地を支配する女王として、長年苦しめられてきた相手を潰したいと思うのは必然。故に、今は時間稼ぎであろうとも、チャンスがあれば即座に殺害する。
「直に本体が目覚める。それまで付き合ってもらおうか、女王サマ?」
「であれば、その前に貴方を潰し、アルトゥーラを討伐してやろう」
「ハッ、やれるもんならやってみろッ!」
影が鎌を消滅させて自由になった両手から放った極大の魔力光線と、モルガンの魔術で強化されたディスフィロアのブレスがぶつかり合った―――。
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その龍は、周囲から敵意と殺意の視線を浴びせられながらも、悠然とした動作で飛翔する。
幼体から成体への羽化に合わせ、血のように赤い光から海のように透き通った蒼い光へと変わった粒子を纏いながら飛行する姿は一枚の絵画のように美しい。
―――それが、死と崩落を齎す破滅の翼でなければ。
(来る……ッ!!)
立ち止まったルーツの視線の先。上空を飛翔していたアルトゥーラの瞳孔と思しきものが見当たらない特徴的な眼が大地を見下ろした直後、その周囲に漂っていた光の粒子が一斉に動き出す。
アルトゥーラの全身から溢れ出すエネルギーが形となったそれらをカイニスと項羽とKが迎撃するが、打ち漏らしてしまった光の粒子が地面に着弾。
―――おいで
―――おいで
―――おいで
―――おいで
瞬間、粒子の着弾地点から身の毛もよだつ声と共に、粒子と同じ蒼光を放つ無数の手が出現。
それは、“破翼龍”アルトゥーラが成体となる際に取り込んだ獣神が溜め込み続けてきた呪い。妖精達へと向けられた神の呪いは龍の力へと変換され、純粋な殺意の塊としてルーツ達を狙う。
「みんなは手を出さないでッ!!」
一度触れれば、相手が何者であろうとも呪い殺される呪詛の掌を前に飛び出したルーツが、純白の鱗に覆われた右足を振り上げ、勢いよく地面に叩く付ける。
瞬間、彼女の右足を中心に構築された緋雷の障壁が仲間達を護るように聳え立ち、呪詛の掌を受け止める。
対象を呪い殺そうと迫っていた光の手は、触れた対象を消し去る“祖龍”の護りを前に霧散していくが―――
「ぅ……ッ!?」
その護りに消去されても尚貫通してきた呪詛が彼女の精神を蝕み、ルーツは思わず胸元を抑えて膝をついてしまう。
「アンナッ!」
そこへすぐさま駆けつけたKが倒れかけたルーツの体を支える。
自分を支えてくれたKに「だ、大丈夫……」とルーツが答えるが、その顔色は決して良いものとは言えない。
「やっぱり、まだ治りきってなかったかな……。君達だけに無理はさせられないのに……」
「……もうしばらく下がっていた方がよかったんじゃないか?」
Kはアルトゥーラが羽化する直前に放出した呪詛の衝撃波を、ボレアス達の防御があったとはいえルーツが受けてしまった光景を見ている。今の彼女の様子はその時と比べればまだマシだが、それでも彼女の精神は今尚獣神の呪詛に蝕まれているはずだ。先の防壁も、彼女からすればいつも以上の集中と魔力を以て構築したものだろう。
やはりもう一度下がり、今度こそ回復を図った方がいいのではないか―――そう考えたKだったが、彼の考えを見通したが故か、ルーツは首を横に振ってその提案を拒んだ。
「今ここで私が退いたら、あの呪いを防げるのはグリムだけになる……。でも―――」
ルーツが視線を動かす。
彼女の視線の先にいたのは、杖を地面に突き立てて詠唱を続けるグリムの姿。
北欧の大神オーディンの代行としてこの地に顕現した彼は、大神の扱う魔術の一つ―――『
しかし、それも長くは持たないだろう。一万年以上の年月をかけて蓄積され、さらにアルトゥーラに取り込まれた事でブーストがかかった呪いは、たとえ聖域であっても容易く防げるものではない。さらに、遠目から見ても攻撃を受けたわけでもないのに傷ついていっている姿を見るに、アルトゥーラもまた、呪詛返しをカウンターしてきているのだ。
「聞こえてンだよ、アンナッ! こんなの、影の国で師匠とアンタにしごかれまくった日々に比べりゃ屁じゃねェよッ!!」
ルーツとKの会話が聞こえたのか、詠唱を中断して振り返ったグリムはまだ余裕とばかりに獰猛な笑みを浮かべる。しかし、これまで強く食い縛っていたのか歯の数本は欠けており、言葉を発する度にその隙間から赤黒い血が吐き出されてる。きっと今も、想像もつかない激痛が全身にのしかかっているはずだというのに、それでも彼は笑みを崩さずに視線をアルトゥーラに戻し、「まだまだだァッ!!」と叫んで呪詛返しを再開し始めた。
「アンナ、彼もああ言っている。少しは信頼してみてはどうかな?」
「だ、だけど―――」
「―――ギシャァアアアッッッ!!!」
Kの言葉にそれでもと撤退を拒もうとしたルーツの声が、上空からの甲高い咆哮に遮られる。
光の粒子に護られたアルトゥーラが巨大な翼を大きく広げると、翼の中心にある瞳のような模様が紫色に光り輝く。瞬間、アルトゥーラの全身から模様のものと同じ色を放つ電撃が放出された。
「危ないッ!」
放たれた紫電が自分達にも迫っている事に気付いたKがルーツを抱えて浮遊魔術を発動。浮かび上がった直後に一気に魔力をブーストさせて加速した彼の背後を紫電が穿ち、間一髪d直撃を回避する。
カイニス達も迎撃や回避行動を取る事で直撃を避けていくが、その中に一人、対処に遅れてしまった者が現れる。
「ぐ……ッ!?」
それは、これまでアルトゥーラに呪詛返しを続けていたグリムだった。
詠唱を続けながらも魔術を行使して紫電を相殺していたものの、呪詛返しのカウンターを受けた事で集中が途切れてしまい、動きが止まってしまったのだ。当然、アルトゥーラが動きを止めたグリムを狙わないはずがなく、紫電を放ちながら模様の輝きを燃え盛る赤色に変換。紫電に代わって開かれた口内から繰り出された灼熱のブレスがグリムを焼き尽くそうとした―――その時。
「ハァッ!!」
アルトゥーラのものとは別の黒い炎が、グリムに迫っていたブレスを切り裂いた。
黒炎を纏う大剣を手に着地した巨影が再び大剣を振るえば、大剣から飛んだ黒炎の斬撃がアルトゥーラを護る粒子に激突。目標に届かずとも粒子に阻まれ破壊された衝撃波でアルトゥーラを押し飛ばした斬撃を飛ばした巨影は、大剣を構えながら背後のグリムへ「大丈夫ですか?」と安否を確かめる。
「お、お前……バーゲストか……?」
「えぇ。長らく待たせましたが、ここからは
態勢を立て直したアルトゥーラが、今度は翼の模様を澄んだ水色の変化。周囲に作り出された水が凍てつく冷気により固められ、無数の氷の槍となって降り注ぐ。
地上のルーツ達目掛けて襲い掛かる氷の槍だが、そのさらに上から落ちてきた流星が縦横無尽に駆け回ったかと思えば瞬く間に粉微塵に切り裂かれていく。さらに流星は氷の槍を斬り捨てるだけで終わらせず、速度を上げてアルトゥーラへ接近。迎撃に動き出した光の粒子の間を瞬く間に駆け抜け、アルトゥーラを連続で斬りつける。
絶え間ない連撃を受けたアルトゥーラは全身に小さな切り傷を作りながらも全身から獣神の呪詛を放出しようとするが、その前兆を感じ取った流星は即座に離脱。放出された呪詛から逃れると、今度は呪詛が途切れた瞬間を狙って飛んできた不可視の斬撃がアルトゥーラを切り裂いた。
「メリュジーヌッ!」
「待たせてごめんね、アンナ」
「バーヴァン・シーも来てくれたんだね。体調はどうかな?」
「お母様の絆石のお陰で絶好調だ。でもな―――」
アルトゥーラの攻撃が止まった事で降り立ったKと、彼の腕から下ろされたルーツの前に、メリュジーヌとバーヴァン・シーが二人を護るように降り立つ。
ルーツを護れた事が嬉しいのか口元に笑みを湛えるメリュジーヌだが、しかしバーヴァン・シーはその真逆の、怒りと憎しみに染まった瞳でアルトゥーラを睨みつけフェイルノートを握る手に力を込めていた。
「アルトゥーラ……ッ! よくも、よくもカリアをッ!!」
ようやく“凶気”と“凶光”から解放できた相棒が、アルトゥーラが飛ばした衝撃波で生まれた亀裂に飲まれてしまった事による怒りに犬歯を剥き出しにしたバーヴァン・シー。彼女の敵意に反応したのか、アルトゥーラは再び光の粒子を向かわせて攻撃を仕掛けてくる。
ルーツとメリュジーヌ、Kとバーヴァン・シーがそれぞれ分かれて粒子を躱し、カイニスを呼び寄せたKが彼とバーヴァン・シーと共に攻撃。激流、光線、斬撃で自分達に迫り来る粒子を相殺すると、そこに加勢したバルカンの大剣が残る粒子を両断する。
続けてルーツとメリュジーヌに合流した虞美人とボレアスが双剣で粒子を破壊すれば、メリュジーヌがルーツの手を掴んで飛翔。
凄まじい勢いで加速していくメリュジーヌにアルトゥーラの紫電が襲い掛かるが、彼女に手を引かれるルーツが空いている右手から放った緋雷で打ち消し、続く粒子も消し去る。
「メリュジーヌッ!」
自らの名を叫ばれたメリュジーヌが、彼女の意図を察して放り投げる。
弾丸のように放り投げられたルーツは、自分を狙ったアルトゥーラの炎を前にしても一切の焦りを見せずに、右拳を突き出す。緋雷を纏った拳で炎を殴り飛ばすと、魔力で空中に作った足場を両足で蹴って一気に加速。アルトゥーラを護る粒子の壁を飛び蹴りで粉砕すると、そのまま両足を緋雷で覆い、回転。
かつての時代、双剣を扱っていたハンター達の技である『螺旋斬』のように高速で錐揉み回転したルーツの両足がアルトゥーラの胴体に突き刺さり、およそ足で繰り出した攻撃とは思えないギャリギャリギャリッ!! という金属を爪で引っ掻くような耳障りな音を奏でる。
「ガギャァァアアアアアッ!!?」
胴体に入った連撃に堪らず悶えたアルトゥーラが大きく身動ぎしてルーツを振り払うと、口から眩い“凶光”と獣神の呪詛を凝縮したブレスを発射。
周囲に漂う粒子とは比べ物にならない威力を宿したそれを前に、ルーツは背中に出現させた翼で自身を覆うように包み、緋雷のバリアを展開。間一髪でブレスを受け止めるが、障壁越しに襲い掛かってきた呪詛の重圧が精神を蝕んでいく。
「これは、マズいかも……ッ!!」
ビキビキと亀裂が入っていく障壁を必死に修復していく事でブレスを防ぎ続けるが、その瞬間、アルトゥーラに変化が起きた。
「ッ!? 翼が……」
「二対に……ッ!?」
ブレスを放射し続けるアルトゥーラの背中から生えている翼の下が蠢き、二対目の翼となって広がる。
瞬間、ブレスの威力が跳ね上がり、いよいよルーツの修復が間に合わなくなり始め―――
「させるか……ッ!」
「させるものですかッ!!」
「させるかよォッ!!」
地上から飛んできたボレアスとバーゲストの炎がルーツとブレスの間に割り込み、バルカンの炎がアルトゥーラに直撃。三騎の攻撃によって遂にブレスは止むが、ボレアスとバーゲストの攻撃によってブレスが爆発した衝撃は既に限界に差し掛かっていたルーツの障壁を破壊し、彼女を吹き飛ばしてしまう。
「ギシャァアアアアアアアアアアッッッ!!!」
咆哮を轟かせたアルトゥーラの頭上に、巨大な魔力の塊が出現する。
周囲に浮かぶ蒼い“凶光”の粒子を吸収してみるみる巨大化したそれから発せられるエネルギーは、遥か真下にある大地を捲り上げ、その破片を浮かぶ上がらせる。粒子を吸収して膨れ上がっていくその周りには絶えず膨大な魔力の渦が吹き荒れ、あらゆる者の妨害も許さない。
―――視線が、落ちていくルーツへ注がれた。
「テメ―――ぐぉッ!!?」
アルトゥーラの狙いがルーツだと気づいたバルカンが大剣を構えるが、その瞬間、大地から噴き上がった“凶光”の柱が彼を呑み込み、攻撃を妨害する。ならばとボレアスが動こうとするも、アルトゥーラの翼から降り注ぐ光の粒子が絶え間なく彼へと襲い掛かり、攻撃を許さない。
「ギシャァアアアアアアアアアアッッッ!!!」
そして、魔力の塊が放たれる。
汎人類史の歴史において、『フィアムトゥーノ』と呼ばれたその技は、アルトゥーラが二対の翼を手に入れた際に使用したもの。まるで自らが成長した事の証を見せつけるが如く放たれたそれは、燃え盛る赤色と黄金色の輝きを以てルーツを呑み込もうとする。
「この……うッ!?」
自身に迫る巨大な魔力の塊を緋雷で迎え撃とうとするが、そこに先程のブレスと、これまで蓄積されていた獣神の呪詛が彼女の動きを鈍らせる。
抵抗する時間を失ってしまったルーツを魔力の塊が吞み込もうとした、その時だった。
「―――
一条の流星が、ルーツを突き飛ばす。
突き飛ばされたルーツは、先程まで自分がいた場所にいるその少女を見て、瞬時に顔を蒼褪めさせる。
「アルビオンッ!!!」
翼を広げ、加速。突き飛ばされた距離を、それ以上の速度で逆戻りしこの歴史の娘へ手を伸ばすが、それよりも彼女に―――
―――間に合わない。
絶望的なまでにわかってしまう事実に大きく見開かれたルーツの視線の先で、メリュジーヌに直撃した魔力の塊が大爆発を起こした―――。
・『モルガンが分身を出さない理由』
……万全の状態であれば何体も出して即勝利が狙えるが、分身を出した場合疑似心臓の魔力が枯渇するので、出したくとも出せない状態。
・『影が全ての攻撃に虚無の力を加えない理由』
……まだ本体が完全ではないため、常にその力を使えるわけではない。適度に使用しないと結界を維持する魔力さえ戦闘に注がなければならないため、使いたくても使えない状態。モルガン共々やり辛い状態で戦っている。
皆さんは今年のバレンタインイベント、既に誰かからチョコを受け取りましたか? それとも誰かにチョコを渡しましたか?
私は開始早々、すぐにザビ子からチョコを貰いに行きましたッ! 男らしい文面の招待状から始まりましたが、とても楽しめましたッ! 原作のextllaでは『クラスで三番目』と言われていましたが、そちらと比べて感情が表に出やすくなっていたり距離が近かったりなんだか勘違いさせられそうなムーブだったりと、「やっぱりこの女イイな……」となりました。
他にもチョコを貰ったりあげたりしたいサーヴァントはたくさんいるので、チョコガチャしたりロックオンしていきたいと思いますッ!
それではまた次回ッ!
次回、妖精三騎士の一騎が進化しますッ!