ドーモ=ミナサン。
fgoフェスチケット先着申し込みに敗れ、参加できない事が決定したseven774です。
今年で10周年という以上、これまでよりも過酷なものになるとは思っていましたが、まさか販売開始直後で混雑のためサーバーに入れないとまでは思いませんでした……。この拙作を読んでくださっている方の中にはチケットを獲得できた方もいらっしゃると思いますので、是非楽しんできてくださいッ!
また、私もただ嘆いているだけではなく、一昨日は銀座で開催中のワダアルコ展に行ってきましたッ! 昔からあの方の絵柄は好きだったのですが、今回のイベントを通してその素晴らしさを改めて知る事が出来ましたね。
再来週には最終再臨展にも行く予定ですので、そちらも楽しみですッ!
そして皆さん、新たなオルガマリークエストはクリアしましたか? 私は色々と苦戦しながらもクリアできたのですが、その後明かされた真実を前に「え? これどうなるの? 今考えてるルーツの目的とかシュレイド編どうしよう……」となっております。ですがミクトラン編は普通に執筆していくつもりですので、そこは安心してほしいです。多分ミクトラン編終わる頃には絶対原作のオーディールコール編終わってますし、なんなら次の章の中盤辺りになってそうだと考えていますので、いつも通りのペースで書きながら構想を練っていこうと思います。
今回は妖精國編最終話です。
それでは本編、どうぞッ!
―――素晴らしい。
仲間達の力を借りて放たれたバーヴァンシーの一射も、それを迎え撃つべくマシュが顕現させた白亜の城塞も。
互いに命を、魂を懸けた全身全霊の奥義。その二つの衝突による凄まじいまでの力の渦の中でも、ルーツは口角が持ち上がるのを止められなかった。
絆の力。それが如何に強力なものかを、ルーツは知っている。
これまでの歴史の中、その力によって数々の偉業が成されてきた。その中にはそれが悪い方向へ向かってしまい、悲劇となってしまったものもあるが……元より、絆とはそういうものだ。結んだ者達の意思によって、それが齎す結末は如何様にも変化する。
しかし、今回はその例に該当しなかったようだ。
バーヴァン・シー達も立香達も、悲劇には向かわない。互いに納得の行く形で、この戦いは終わりを迎える。
「姉上」
「姉ちゃん」
「……うん、わかってる」
自分の両隣に立つ弟達に小さく返答する。
「やっぱり、彼女達は私達の世界に必要だね。こんなにも素晴らしい戦いを見せてくれたんだもの」
愛した世界を焼却され、漂白された事には、憤りを感じている。
だが、今となっては最早、それ以上の気持ちが胸の内にある。
それはきっと、遠い昔から抱いていた感情。気付かない振りをしていただけのそれが、この二つの出来事を通していよいよ無視できない程に肥大化していたのだ。
最早抑え切れるはずのないこの感情のままに、ルーツは自然とそう呟いていた。
「でも、まだ駄目よ。彼女達にはもっともっと、強くなってもらわないと。今はまだ、足りないのだから」
大事なのは、心だ。肉体の強弱など関係ない。
生き延びようとする意思。
あらゆる外敵を跳ね除ける意思。
ひたすらに前へと進み続ける意思。
この三つをより強靭なものへと進化させてこそ、こちら側の目的もまた達成に大きく近づくのだから。
「終わったのか……?」
「そうだよ、キリシュタリア。この戦いは終わった。でも……」
光が収まっていき、その奥にいる者達の姿を露わにする。
「勝敗は、付かなかったみたいだけれどね」
けど、それでいいと、ルーツは静かに笑った。
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どこまでも澄み切った、青い空。
物心つく前から、当たり前に妖精國を包んでいた夜空の残滓はどこにもなく、ただただ、太陽に照らされた空だけがそこにある。
そんな見慣れない空を、バーヴァン・シーは仰向けに倒れて見上げていた。
「…………はぁあああぁぁ」
開かれた口から、肺に溜め込まれた空気が一気に溢れ出す。
(勝てなかった、か……)
胸中に宿るは、あまりにも大きな悔しさだった。
最初から最後まで、全身全霊。全力中の全力だった。今持てる全てを用いて、彼女達と戦った。
それでも勝利は掴めなかった。
だが、
―――視線を動かす。
そこにはバーヴァン・シーと同じように倒れている、立香とマシュの姿が見えた。
お互いに助け合うようにしてなんとか起き上がった彼女達に、バーヴァン・シーもまた起き上がろうとするが、上手く起き上がれない。
最早起き上がる余力もないだろう。軽く身動ぎする程度で終わってしまった。
情けない。先に向こうが立ち上がって、こっちが立ち上がれなければ、先程考えた『勝利も敗北もなかった』という結末も嘘になってしまう。
しかしその直後、バーヴァン・シーの顔を覗き込むように一つの顔が現れた。
「手伝いますわ、バーヴァン・シー」
「私もね」
「……おう、助かる」
子ども染みた考えが浮かんだ直後に、燃え移る事のない白い炎で補強した腕で自分を助け起こしてくれたバーゲストとメリュジーヌに、短く感謝を伝える。
戴冠の影響によって成長した自分にバーゲストが肩を貸し、身長差故に肩を貸せないメリュジーヌは倒れそうになる度に体を支えてくれている。
そうしてなんとか立ち上がる事が出来たバーヴァン・シーはゆっくりと立香達の元へ向かっていき、「よぉ」と声をかけた。
「お互い、疲労困憊ってやつだな……」
「あ、はは……そうだね……」
隠し切れない疲労が染み込んだ声。今すぐにも気を失ってしまいそうなぐらいに疲れ果てた立香とマシュに、バーヴァン・シーもまた小さく笑った。
「それで、どうだったかな……私達」
「……あぁ、合格だ。お前達は私に……いや、私達に価値を示した。……悪かったな、私の我儘に付き合わせちまって」
「そ、そんな事はありません。私達も、最後に貴女達と戦えて、良かったです」
「そうか? 余計な事を、なんて思わなかったか?」
「まさか。寧ろ、貴女達の事を知れて良かったよ。貴女達が、私達と同じくらい……ううん、私達以上に絆を結んでいた事を知れたから」
立香達もこの戦いを通じて、バーヴァン・シー達の繋がりを知る事が出来た。最後の一射だって、ほんの少しの違いがあれば、こちらが敗北していただろう。
それ程までに、バーヴァン・シー達は強かった。輝かしいまでの、黄金の魂を有していた。
「……それなら、負けるんじゃねェぞ。私達だけじゃねェ。これまで乗り越えた世界の分生きて、戦い続けろ」
「……うん。負けないよ、絶対に」
「おう。頑張れよ」
およそ女王の座を受け継いだ者とは思えないような軽い口調で、しかし多くの経験を見聞きしてきたが故のハッキリとした声で、短いながらも激励を送る。
それを受けた立香達が穏やかな笑みを浮かべながら、仲間達と共にブリテンを去っていくのを、バーヴァン・シーは静かに見送った。
「……お前らも、ありがとな。私達の戦いを見届けてくれて」
「ううん。私達も、君達の最後の戦いを見たいと思ってたから。……お疲れ様」
入れ替わるように近づいてきたルーツ達に、バーヴァン・シーは「おう」と小さく返し、左右の仲間達を見やった。
「お前達も、もう大丈夫だ。少し休めたから、もう立てる」
頷いたバーゲストとメリュジーヌがゆっくりと離れ、背後に控える。もしバーヴァン・シーが倒れかけた時にはすぐに支えられる位置だ。
「迷惑かけちまったな。世界の危機に手助けしてもらってよ」
「そんな事はないさ。元より彼女はそのつもりで、私を先にこの國へ派遣していたわけだからね」
「は? おい、だったらお母様に協力するって言っておけよ。そうすればもう少しまともな結果になっただろ?」
キリシュタリアの返答に、バーヴァン・シーの眉が顰められる。自らの顔を仮面で隠し、プロフェッサー・Kとして活動していた彼の手腕は大したものだった。それこそ、短期間でモルガンからその功績を認められる程に。
それ程の彼の忠告や協力の申し出でれば、モルガンも一蹴せずに耳を傾けたはずだ。もしかしたら、完全とは言えずとも、ブリテンがここまで荒廃するのを防げたかもしれない。
しかし、キリシュタリアは「実は協力していたのだけれど」と前置きして話し始めた。
「アルトゥーラ、マキリ・ノワ。この二体の存在は掴めていたものの、前者は神出鬼没で、後者は封印されていた。下手に手を出せば余計な被害が出かねないし、肝心の
「……いや、こっちこそごめんな。そういえば、キャメロット攻防戦の時に私を助けたのもお前らだったな」
脳裏に思い浮かぶは、キャメロット攻防戦の時の記憶。あの時の自分は黒魔術の代償で魂の腐食が進んでおり、満足に動けないでいた。そこを狙ってきたスプリガン達から救ってくれたのが、全身白タイツのキリシュタリア達だった。
……思い返すだけでも頭が痛くなるが、あの時は本当に助かった。もしもあの時彼らがいなければ、自分は今ここにはいなかっただろう。ブリテンも、世界諸共完全に闇に呑まれていたかもしれない。
「それで……お前らも帰るんだろ? お前達の世界に」
「うん。ここでの役目はもう終わった。私達も帰るよ」
「……改めて、ありがとな。私達と一緒に戦ってくれて。お前達やあいつらがいなかったら、きっと負けてたから」
「貴方方には本当に助けられました。一緒に戦ってくださり、ありがとうございました。貴方方の事は、絶対に忘れません」
「私達も忘れないよ、バーヴァン・シー、バーゲスト。貴女達の雄姿は、絶対に忘れない」
進み出たバーゲストとルーツが固い握手を交わす。
互いに共に戦った相手の事を忘れないと心に誓い合っている姿を見ながら、バーヴァン・シーは背後を見やる。
「…………」
「……おい、メリュジーヌ」
「え……な、なに?」
なにか考え事をしていたのか、俯いていたメリュジーヌが少し驚いたように顔を上げる。
「話したい事、あるんだろ? この世界が終わるまで、まだもう少し時間がある。さっさと言ってこい」
「……ありがとう、バーヴァン・シー」
思いもしなかった言葉に口元を綻ばせて、メリュジーヌはゆっくりとルーツ達の前へと歩み出た。
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それは、旧い世界の記憶だった。
今は遙か遠い時代。宙より落ちてきた白き巨神に全てを奪い去られるずっと前の、大自然に包まれた地球の景色。
夕焼けに照らされる緑豊かな大森林を山の頂から見下ろすかつての自分と、その傍らに立つ一人の
己に与えられた権能故に狩人達の目に留まる事は許されない自分だったが、この時は彼らや龍歴院の目も届かない場所もあって、久しぶりに創造主に連れられたのだ。
『綺麗だね、アルビオン』
こちらを見つめる母の眼差し。あらゆる者を慈しみ、同時に裁く絶対強者である彼女は、自らの子である
いつまでも続いてほしかった、この光景。永遠に続くと思っていた、この世界。
それが遠い昔の光景だと思い出す度、胸が張り裂けそうになった。同時に、彼女や巨神に立ち向かった勇者達を死に追いやった妖精達への憎悪と憤怒に魂を焦がした。
何度、妖精國を滅ぼそうと思った事か。何度、あの時の彼女達の絶望と哀しみを、奴らに味わわせてやろうかと思った事か。
しかし、自分はかつてのように暴虐の限りを尽くす事はなかった。
醜悪な在り方だが、確かな美しさを有していた妖精に出会い。
多くの悲劇に見舞われながらも、この國を支配する女王となった妖精と出会い。
勇猛な騎士に憧れ、自らもまたそうであろうとした妖精と出会い。
自分達との絆を胸に抱き、新たに王座に就いた妖精と出会い。
その果てに―――別の歴史に生きる創造主と、兄達に出会った。
彼女が、彼らが、自分の記憶にある者達とは別の存在だという事は理解していた。それでも、嬉しかった。もう一度彼らに出会えた事が、本当に嬉しかった。
「アルビオン……」
けれど、それもこれで最後だと思うと、涙が溢れてくる。
「あ、はは……なにを、話したかったのか、忘れちゃったな……」
心の奥底から湧き上がってくる激情が、彼女達に伝えたかった言葉の数々を押し流していく。
「少し、少しだけ待って……。今、思い出すか―――」
ら―――と、言い終えようとした瞬間、
いったいなにがと思って顔を上げれば、涙で瞳を歪ませたルーツと視線が交わった。
「ごめんね、アルビオン……。貴女を見ていると、どうしても、こうしたくて……」
「ルーツ様……」
「貴女は、私達の世界の貴女ではないけれど……もう一度、
(……ッ!)
それは、奇しくも先程の自分の考えと同じだった。
それに気付いた瞬間、
「私も……同じです。貴女方に出会えて、嬉しかった。でも、これが最後だって思ったら、涙が止まらなくて……」
新たに加わる、二つの温もり。それがボレアスとバルカンのものだと気付き、
……だが、いつまでも泣いてばかりではいられない。
時間も差し迫っている。そろそろ、別れの時間だ。
ある程度涙が収まった頃、ゆっくりとルーツ達の抱擁から離れた
「さようなら、メリュジーヌ・アルビオン。この國で生まれた、私の新しい娘」
「さようなら、ルーツ様。ボレアス様も、バルカン様も、どうかお元気で」
同じように、別の世界の家族に別れを告げる
涙と鼻水でぐちゃぐちゃだが、その顔には、柔らかい笑みが浮かんでいた。
Now Loading...
ボレアスが開いた空間の歪みを通り、ルーツ達がシュレイド異聞帯へ帰還した後の事。
先程まで涙を流しながらも笑顔だったメリュジーヌだったが、彼女達がいなくなった直後に隠し切れない寂しさを横顔に滲ませていたのを見て、バーヴァン・シーは思わず口を開いていた。
「……行きたきゃ行けばよかったろ。なんで残ったんだよ」
「……そう、だね……」
視線をバーヴァン・シーに向けず、空に上げる。
風のままに流れていく雲を見つめながら、やがてゆっくりと答えを口にし始めた。
「……ついていきたいって気持ちがないって言ったら、嘘になるよ。でも、私はこれでいいんだ」
「そうなのか?」
「うん。これでいいの。正直言ってしまえば、あの顔を見られただけでも満足だったし。……貴方もそうでしょう?」
空から外れたメリュジーヌの視線が、
自分達のように言葉を話す事は出来ないが、彼女の問いかけに対する優しげな眼差しが、彼の返答を物語っていた。
「それに、貴女を残していくのは嫌だった。最後まで一緒にいたいと思ったの」
「……そっか」
「なに、その反応。もしかして、照れてる?」
「馬鹿。ンなわけあるかよ」
言って、顔を背ける。
不思議と顔が熱いが、それを無理矢理無視し、「そっか……」ともう一度呟いた。
「
「主ってお前……。治める國がない私に、女王の肩書はないだろ?」
「それでも、貴女はモルガン前女王から王座を受け継いだ。ならば貴女は女王であり、我々は貴女の臣下ですわ」
「……そうかよ。……おい、なにニヤニヤしてんだよ、ノクナレア」
バーゲストの噓偽りのない心からの言葉に上手く返答できないでいると、こちらをニヤニヤと見つめているノクナレアに気付いた。
「いえ? いくら母親に認められても、まだまだ女王としては甘いって思っただけよ」
「馬鹿にしてンのかテメェ」
「まさか。その分成長できるんだからいいじゃない。なんだったら私が教えてあげてもいいわよ? 女王の先輩としてね」
「……考えとく」
「あら素直」
「お母様に誇れる私になる為に努力するのは大得意だ」
「誇れる私になる、ねぇ……」
バーヴァン・シーの返答に、ノクナレアがバーゲストとメリュジーヌに視線を向ける。ノクナレアの考えが伝わったのか彼女達は小さく苦笑するが、とうのバーヴァン・シーは彼女達の間でどんなやり取りがされているのかわからなかった。
(……ま、いいか。もう疲れた。上手く考えもまとまんないし)
背後に控えるように座った
(お母様……私、まだ終われません。ここで終わったとしても、まだ……貴女に誇れる私に成れていません。だから、『次』は
共に世界を滅ぼす『厄災』と戦い、魂をぶつけ合った彼女達の姿を思い浮かべる。短い間でも、互いの想いを交わし合ったからこそ、彼女達の下につく事を、バーヴァン・シーは不満だとは思っていなかった。
(だから、見守っていてください。必ず、貴女に誇れる私に……)
意識が深い眠りへと落ちていく。
氷のように冷たいものではなく、優しい月光に照らされているような安心感に包まれながら、新たな妖精妃は静かな眠りに就くのだった―――。
・『バーヴァン・シー』
……カルデアには激励を、ルーツ達には感謝を送り、仲間達に囲まれて眠りに就いた。後にカルデアに召喚され、そこで先んじて召喚されていたモルガンと再会して大泣きする。
これにて妖精國編は終わりですが、次回は後日談です。
ですが一足先に、ここまで妖精國編が長引いた理由について二つ、書いていきたいと思います。
一つ目からですが、こちらは原作のモルガン達の辿った末路が悲惨すぎる故、この作品では少しでも幸せな形で終わらせたいという気持ちがあったからです。
彼女達に幸せな最期を与える要素として私が足りない頭を絞って考え出したのは、『絆の力』でした。
私事ではありますが、我が人生は昔からウルトラシリーズに支えられていました。これまで数多くの作品が生まれてきたシリーズですが、一貫している要素の一つとして、他者との絆が挙げられます。
これをfgo×モンハンのクロスオーバー作品でどう再現しようかと考えた末、モンハンシリーズの一つであるストーリーズから絆石を抽出。さらにフロンティアの“最果ての地”からディスフィロア、多くの者達との出会いがあるモンハン4(4G)を選択し、妖精國に介入させました。
さらに絆を阻み、蝕む存在としてストーリーズのラスボスであるマキリ・ノワとアルトゥーラ、そして絆もなにもかも呑み込んで世界を滅ぼす存在として超強化オベロンを登場させました。彼らの存在もあり、バーヴァン・シー達を始め、ルーツ達もまた、自分達の絆をより強く結ぶ事が出来ました。バーヴァン・シー達が新たな姿を、マシュが新たな宝具を得たのもその結果ですね。
しかし、元が異聞帯であり、またオベロン達に完膚無きまでに破壊された事もあり、ブリテンに先がないのは変えられません。そこで考えたのが、バーヴァン・シー対立香&マシュによる決闘です。これでバーヴァン・シー達は彼女達の強さを改めて心から認め、彼女達の旅路についていく決心をしました。戦いの果てにまた新たな絆を結び、共に歩む仲間となる……私が好きなシチュエーションです。
モルガンはカリア達の助力もありバーヴァン・シーと素直に気持ちを伝え合い、その末に王位を継承しました。メリュジーヌは、かつての自分であるアルビオンと妖精であるメリュジーヌを同時に受け入れ、新たな姿に覚醒。バーゲストもまた、自分の宿命を受け入れる事で新たな力を手に入れました。これも、彼女達がカリア達と絆を育んだ成果です。
滅びという結末は変えられませんが、それでも原作と比べれば、彼女達はよい結末を迎えられたのではないかと思っています。少なくとも、悲劇の末にブリテンを破壊したり、悪辣な妖精達に嬲り殺しにされるよりはマシだと思います。
二つ目の理由としてましては、メタな話ですがストーリーの進行的な意味です。
妖精國ブリテンは、ロシアから始まって六番目の世界。原作ではこの段階でもう異聞帯編は終盤であり、この作品では中盤的ポジションでした。そして、皆さん既にご存知のように、この後に控えるのはミクトラン……つまりは大蜘蛛です。こいつを如何に倒すかというのは、私が昔から頭を悩ませていた内容でした。
基本的にこの作品は、ルーツやボレアス達を強者の位置に置いています。ですが俺TUEEEE的な展開をずっと続けるのは個人的にも好みではないため、時間の経過やサーヴァント化で彼女達を弱体化させ、軽々しく本気を出せない状況を作り、その上で苦戦させられる相手を用意してきたつもりです。しかしこのままでは力を取り戻したルーツや、彼女に引っ張られる形で全盛期に近付いた禁忌種が、カルデアやオフェリア達そっちのけで大蜘蛛または宇宙大統領と殴り合う展開になりかねないと思ったため、仲間の強化に走りました。
その強化の先駆けとなったのが、この作品のヒロインであるオフェリアです。独自設定としてシュレイドの王女の転生体であるとし、そこから魔力や魔眼を強化させ、限定的ではありますがオベロンと真っ向から殴り合えるようにしました。また、今後は自身がアンナ・ディストロート・シュレイドの転生体であると知った彼女をルーツと関わらせる事でさらなる強化を予定しています。
また、他のキャラクター達も順番に強化していく予定ですので、ルーツとオフェリアだけ強化、なんて事にはしませんのでご安心ください。魅力的なキャラクター達を空気になんてしたくありませんからね。
以上の理由から、妖精國編は長期に亘るストーリー構成となりました。約三年と時間をかけた話でしたが、楽しんでくれたのなら幸いです。
追記となりますが、この作品の妖精國編の主人公はバーヴァン・シーです。数は少なくとも、仲間達と絆を結んだ彼女は母から女王の座を与えられ、そして新たな決意を抱きながら次のステージへと進んでいく―――この話は、そんな一人の
次回についてですが、なぜオリュンポスで死んだはずのキリシュタリアが生きていたのか、オベロンがルーツに語った『彼女が気付けなかった事』とはなにか、そしてルーツとオフェリアの関係についてを書いていく予定ですので、楽しみにしていただければ幸いです。
その後は幕間、番外編などを書いていく予定ですので、そちらも楽しみにしていただければと思います。
それではまた次回ッ!