緋雷ノ玉座   作:seven74

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 カレンちゃんが実装されましたね。これは彼女を召喚し、ラスプーチンを殴れという運営からの言伝でしょうか?

 だからこそ、ここで言いましょう。








































 カレンちゃん当たりましたやったーッ!


偽りの大蕾、魔将の武勇

 

 突如として行われた、人理漂白。そして、各地域に出現した“あり得たかもしれない歴史”である八つの異聞帯(ロストベルト)。さらにそこには、キリシュタリア・ヴォーダイムを始めとした八人の旧カルデア所属者―――クリプターが管理者として割り当てられている。

 

 ヨーロッパに三つ、アジアに二つ、南米に一、そして南アフリカに一つ。そして最後に、大西洋に一つ。

 

 現段階において最大規模を誇るこの大西洋異聞帯が、キリシュタリア・ヴォーダイムが管理する場所である事、大西洋異聞帯に存在する空想樹が、現在地球の成層圏を覆っている樹枝の膜の発生源であるという事を推測。

 

 ではすぐにそこへ突入し、空想樹を伐採するのがカルデアの目的となったが、現実はそう上手く運ばない。

 

 大西洋異聞帯は、有史以来文明が興らなかった大西洋に突如出現したものだ。場所が場所であるので、そこが先史文明期から続く、一万二千年以上の“強固な世界”という事が判明している。だが、そことほぼ同じ条件を満たしている場所が存在する。

 

 南アフリカに存在する異聞帯―――通称、シュレイド異聞帯だ。

 

 神代における神代―――それこそ幻想種の最上位の竜種が当たり前のように跋扈していた時代が現代まで継続してしまった魔境。北欧異聞帯に出現したスルトからオフェリア・ファムルソローネを救出する為に現れたアンナ・ディストローツは、最強の古龍種の一体である“煌黒龍”を従え、オフェリアの言動から彼女が伝説に語られる“黒龍”をも従えていると考えられている。

 

 片や当時最大規模の領土を誇っていた王国を滅ぼした龍、片や存在するだけで地獄を顕現させる龍―――逸話だけでも、この二騎がどれだけの戦闘力を備えているか、否が応でも理解させられる。

 

 一騎だけでも簡単に星を滅ぼせるような存在が、二体。そんな奴らが存在するシュレイド異聞帯が生半可な場所であるはずが無い。

 

 さらに恐ろしい事に、シュレイド異聞帯は少しずつ拡大していっているらしい。あと少しすればアフリカ大陸は完全に覆いつくされてしまうだろう。規模やそこに生息するであろう者達の事を鑑みれば、シュレイド異聞帯が大西洋異聞帯とほぼ同格の危険度を誇る場所である事がわかる。

 

 故に、まずは地球を覆っている樹枝の根源がある大西洋異聞帯を攻略し、次にシュレイド異聞帯を攻略する―――という結論が出た。

 

 大西洋異聞帯への突入は今から一ヶ月後。それまでの間、各自彷徨海に用意された新生カルデアベースで休息を取り、充分に英気を養う事となった。

 

 かつて過ごした場所とほぼ完璧に再現された場所で、共に戦場を駆け抜けた英雄達とまた会える。

 

 錬鉄の英雄(カルデアのオカン)を始めた食堂班が作る料理を食べたりしながら、歴戦の英雄達と談笑する。眠くなれば溶岩水泳部に見守られながら就寝する―――そんな生活が戻ってくる。そう信じて疑わなかった。

 

 しかし、その未来予想図は跡形もなく崩れ去った。

 

 ベリル・ガットの依頼を受けたコヤンスカヤの策略によって、藤丸立香はカルデア新所長ゴルドルフ・ムジーク共々毒を呷ってしまい、その解毒剤を手に入れる為に急遽中国異聞帯に向かう事となってしまったのである。

 

 これまでの異聞帯とは違う、過酷さをまるで感じないこの地で、カルデアの霊基グラフからこの地に“王”として君臨しているであろう始皇帝に対抗すべくサーヴァントを召喚。過去の人理修復の旅でも行動した事があるモードレッド、スパルタクス、荊軻(けいか)の三騎と共に、いざ中国異聞帯の攻略へと乗り出そうとしたところで、“それ”は現れた。

 

 人馬型の魔将、項羽。この異聞帯では“会稽零式”と呼ばれる嵐が、カルデアの前に現れたのだッ!

 

 その戦闘力。まさしく蹂躙―――ッ! その暴力の前には、流石のカルデアも風前の灯火ッ! 

 

 あわや敗北か、と思われた瞬間に、項羽が撤退したためにカルデアは生存できた。しかし、次彼が襲ってきた時こそ、カルデアの敗北となってしまう。

 

 圧倒的なまでの暴力を前に、カルデアは夜襲を決意。不意打ちを仕掛ける事で、陣地にて待機しているクリプター、芥ヒナコとそのサーヴァントである蘭陵王共々、項羽を打ち倒す事にしたのである。

 

 ……が、これは正史( ・ ・ )であればの話。

 

 カルデアの夜襲は行われない。その前に、芥ヒナコの陣地にてとある戦が始まるからだ。

 

 どうやらこの地には、()の“祖龍”の支配下にない古龍もいる様子。あぁ……ッ! 惜しいッ! この歴史が英霊の座と繋がっていないのがなんとも惜しいッ! 是非ともその戦、間近で観戦したいものだッ!

 

 あいや……この霊基( ・ ・ ・ ・ )で召喚されてはカルデアも困惑し、余計な迷惑をかけてしまうな。

 

 ふむ……悔しいが、此度は断念するとしよう。私が出向くのは、ある程度準備が整ってからだ。

 

 召喚条件が整い次第、私の代わりには彼に出向いてもらうとしようか。彼も、相手が古龍となれば出向かねばなるまいて。

 

 なぁ―――モンスターハンター?

 

 

 

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『では、先程伝えた通りに。良いな。秦良玉が着くまでは動くでないぞ。それまではカルデアなる者共が尻に帆をかけぬよう、監視するのみで止めよ』

「御意に」

 

 

 通信が切られる。この異聞の秦を治める始皇帝は、鋼鉄の躯体を手に入れた事で疑似的な不老不死を会得した存在。しかし、汎人類史のように機能をコンパクトにまとめる必要性を感じなかったのか、その外観は巨大な建造物のようなものになっている。

 

 そこから飛ばされてきた通信を終え、ヒナコは隣にいる異形の将を見る。

 

 世界全土を斡旋し、この歴史の中国が真の天下泰平を成し遂げるのに誰よりも貢献したとされる覇王、項羽。汎人類史と異なり、その姿は人馬型のものへ改造されてしまっていたが、そんなのはヒナコ―――虞美人にとってはどうでもいい事だ。

 

 死に別れてしまった愛する男と、ようやく再会できたのだ。これ以上の喜びはない。ようやく手に入れかけた死の安寧を拒んだ甲斐があったというものだ。

 

 しかし、それもカルデアの手によって破壊されようとしている。

 

 コヤンスカヤが暗殺に失敗した事で、カルデアは解毒剤を入手する為にこの中国異聞帯に来てしまった。彼らを打倒しない限り、項羽は戦場に赴き続けるだろう。

 

 始皇帝によれば、驪山より呼び覚まされた秦良玉が一軍を率いてこちらに向かっているのだとか。現勢力でもカルデアの抹殺は容易いが、これ以上始皇帝に目を付けられるわけにもいかない。ならば、秦良玉が到着次第、即座に強襲を仕掛けるのみ。それで、カルデアは今度こそ滅ぼせる。

 

 誰もが秦良玉の到着を今か今かと待っていた、その時だった。

 

 

「―――……なに?」

 

 

 初めに感じたのは、振動。

 

 まるで、姿無き巨人が歩いているかのような振動が幾度となく走り、ヒナコは辺りを見渡す。彼女、いや、彼女を含めた意志持つ者達は既に、この振動が何者かがこちらに向かってきているものだと判断していた。

 

 

「マスター、私の後ろに」

 

 

 万が一があってはならないと蘭陵王がヒナコの前に立ち、剣を抜き放つ。そうしている間にも、森林の奥から迫る足音は徐々に大きくなり―――

 

 

「グルアアアアアァァッ!」

 

 

 茂みから飛び出してきた巨大な影が、一番近くにいた項羽に襲い掛かった。

 

 

「ぬん―――ッ!」

 

 

 覇王の武を象徴せし剛撃が繰り出される。二本の左腕に携えられた剣の迎撃は、並みのサーヴァントであれば瞬時に細切れにしてしまうであろう威力を誇っている。的確なカウンターが入り、巨影が吹き飛ばされる。

 

 備え付けられた天幕に巨影が突っ込んだ影響で砂ぼこりが巻き上がり、僅かに遅れて敵襲に反応した傀儡兵達が飛びかかる。

 

 全方位からの同時攻撃。サーヴァントにも通用する攻撃力を誇る傀儡兵の攻撃が迫るが、しかし次の瞬間には、それらは突如地中から生えてきた無数の緑槍によって串刺しにされてしまった。

 

 カルデアのサーヴァントの襲撃か、と身構えるヒナコだが、カルデアが召喚した三騎のサーヴァントに、あのような攻撃を行う者はいなかったと考え、即座にその考えを捨てる。

 

 ではなにが、と傀儡兵を串刺しにした槍を注視し、驚愕する。

 

 

「た、竹……ッ!?」

 

 

 なんと、傀儡兵を貫いている槍の正体は、竹だったのだ。他の植物よりも繁殖力に優れるそれならば、確かに成長速度は速いだろう。しかし、あんな常識に当てはまらない速度で成長する竹など聞いた事が無い。植物学に秀でているヒナコでなくとも、それぐらいはわかる。

 

 竹を使役する敵性体。カルデアのサーヴァントではないのなら、汎人類史の断末魔に応えて現界したサーヴァントか? いや、この異聞帯は他と違って環境が特殊すぎるが故、英霊の座とのラインは繋がれていない。

 

 

(……まさか)

 

 

 その時、ヒナコの脳裏にある生物の姿が浮かび上がる。あり得ない、と言いたいが、実際こうして目の前に現れている以上、()である事は明白。

 

 では、彼らの頂点たる彼女( ・ ・ )が中国異聞帯に侵攻を? 否。彼女はキリシュタリア・ヴォーダイムが敷いたクリプター間の不可侵条約と呼ぶべきルールを守っているし、なによりヒナコと交わした約束を破るはずが無い。交わした約束は必ず守る、彼女はそんな人物だ。

 

 という事は―――

 

 

抑止力(ガイア)め……やってくれたなッ!」

 

 

 こいつは、地球そのものが喚び出した兵器だ。

 

 

「グルアアアアァァッ!」

 

 

 竹が砕け散り、中心にいた者の姿が露わになる。

 

 黒を基調とした体は黄土色の優雅な鬣に覆われ、頭部には後方に折り重なるように発達した紅角。背部には朱色の長い鬣が生えている他、翼の名残のような突起も存在する。

 

 かつての世において、その獣はこう呼ばれていた。

 

 竹林の古龍―――“雅翁龍(がおうりゅう)”イナガミ。

 

 それを見た瞬間、項羽は即座にヒナコと蘭陵王の前に動き、二人をイナガミから護るように剣を構える。

 

 

「蘭陵王殿。芥殿を連れて急ぎ撤退せよ。あれは私が迎撃する。あれは、私でなければ対処できぬ魔物だ」

「……ッ。承知しました」

「な、高長恭ッ!? 項羽様ッ!」

 

 

 片腕でヒナコを抱え上げ、主の叫びを無視して呼び出した馬に跨って駆け出す。

 

 悔しいが、蘭陵王も理解していた。生前培われた観察眼が、彼我の実力差を残酷に知らせてくるのだ。あれは、項羽でなければ太刀打ちできない怪物だと。

 

 しかし、ヒナコは違った。

 

 四腕に武具を携え、イナガミと対峙する項羽を見て、ヒナコは咄嗟に右手の甲を睨む。

 

 

「令呪を以て命じる―――項羽様を護りなさい、セイバーッ!」

「な、マスターッ!? ぐ―――ッ!」

 

 

 眩い紅光と共に令呪の一角が消え、同時に蘭陵王の仮初の肉体に施された誓約が発動する。従者(サーヴァント)という形に当てはめられた者達は、(マスター)の命令に絶対服従せねばならない。令呪を使用しての命令であれば尚の事だ。

 

 ヒナコを抱えて撤退しようとした蘭陵王の動きが止まり、彼の気持ちを無視して項羽と交戦するイナガミへ向かう。

 

 

「これ以上、項羽様には戦ってほしくない……ッ! だから……高長恭ッ!」

「……わかりましたッ!」

 

 

 狂おしい程に願った再会をようやく果たした女性に懇願されてしまっては、蘭陵王もとやかく言う気も失せてしまうもの。

 

 馬を駆らせながらヒナコを下ろした後、最優と呼ばれたセイバークラスとして召喚されたステータスをフル活用して跳躍。上段から剣を振るうが、間一髪でそれに気付いたイナガミが飛び退き、振り下ろされた刀身は大地を穿つだけで終わった。

 

 

「不可解。あの魔物は強力。他の誰でもない、私が相手すべき存在である。撤退を推奨する」

「申し訳ありません、項羽殿。ですが、貴方が再び死地へ赴く事を、我がマスターは望まないッ!」

「グルアアアアアァァァッッ!!」

 

 

 大地が大きく揺らぐ。項羽は未来予知にも等しい演算能力で、蘭陵王は生前の戦で磨き上げられた直感でこれから起こるであろう事を把握し、すぐにその場から離れる。

 

 瞬間、先程まで彼らがいた場所を地中から飛び出してきた竹が貫いた。

 

 それを横目に地面を滑るように駆けた蘭陵王の剣が、月光を受けて煌めく。まるで舞いのような美しい軌跡を描く剣がイナガミの右前足を切り裂き、少量の血が噴き出した。しかし、古龍種の一頭であるイナガミがそれで怯むはずもなく、左前足で蘭陵王を薙ぎ払おうとする。

 

 

「ゼェアアアァァッ!」

 

 

 そこへ、覇王の一撃が振るわれる。轟音と共に繰り出された剣撃がイナガミを吹き飛ばし、すかさず項羽がもう一本の剣を投擲する。

 

 真っ直ぐ脳天を狙って飛んできた剣はしかし、空中で体勢を整えたイナガミが尻尾の先端を地面に突き刺した事で出現させた無数の竹によって阻まれてしまった。さらにイナガミは尻尾で竹を砕くと、砕かれた竹は操られるように狙いを項羽に定めて飛ばしてくる。だが、高度な演算機能を備える項羽が、それを予測していないはずが無い。

 

 

「蘭陵王殿。補佐を」

「承知ッ!」

 

 

 項羽の背を踏み台に飛び出した蘭陵王によって竹槍が粉砕され、木端を蹴散らして項羽が駆ける。

 

 人馬の形を得ている彼にとって、彼我の距離など考慮に値しない。瞬時にイナガミとの距離を詰め、竹が破壊された影響で打ち上げられていた剣の柄を取り、ほぼ同時に四撃を叩き込む。

 

 夥しい量の血をその身から噴き上げて、イナガミが膝をつく。しかし次の瞬間、全身の傷口から滲み出た体液らしきものが瞬く間にイナガミの傷を塞ぎ、さらには新たな外殻を作り上げてしまった。その光景を見た項羽は、辛うじて眉と思しきそれを顰めた。

 

 

「……蘭陵王殿。急ぎこの場から離れよ」

「ですが……」

「我が連撃を以てしても、この魔物の討伐は叶わぬと判断した。早期決着をつける為、ここで我が機能の全てを発揮する」

 

 

 その言葉から、蘭陵王はこれから項羽が取るであろう行動を把握した。項羽から離れ、ヒナコの下へと向かう。

 

 

「なぜ戻ってきた。お前には、項羽様をお護りせよと命じたはずだッ!」

「マスター、項羽殿は全力であの古龍を討伐するつもりです。その威力は我らサーヴァントの中でもトップクラスの宝具に匹敵するかと。我らがいては、彼も全力が出せません」

「……ッ!」

 

 

 それでも、と言いかけたヒナコだったが、辛うじてその言葉を呑み込む。イナガミの再生能力は彼女も目の当たりにしている。蘭陵王の宝具は攻撃型のものではないので、今この場でイナガミの討伐を可能にする方法を持つのは、項羽以外に存在しない。

 

 

「項羽様、ご武運をッ!」

 

 

 蘭陵王と共にヒナコは戦線を離脱する。彼らの気配が遠ざかっていくのを感じながら、項羽は四本の剣を強く握り締める。

 

 

「―――我は覇王に非ず、唯歴史を拓く為の時の歯車」

 

 

 我が身を歯車に見立て、己を律するように唱えながら駆け出す。己に接近する強敵を前に、イナガミは跳び上がったと思いきや、灰色の鎧を形成する体液を応用し、二対のブレード状の翼を出現させる。

 

 

「―――故に、阻めば」

 

 

 巨体が、跳ぶ。四剣を構えた人馬が宙に浮かび、古龍を超えて天空へ。

 

 イナガミの尻尾から白いガス状の煙が噴出する。本来であれば敵対者を昏倒させる力を持ったそれをブースター代わりにし、ロケットと見紛う速度で項羽を貫かんとする。

 

 重力に引き寄せられ、項羽の躯体が落下する。しかし、覇王の眼は常時変わらぬ氷の眼差しのまま、自らを撃墜せんと迫り来る龍を見据え続ける。

 

 

「―――蹴散らすのみぞッッ!!」

 

 

 目にも留まらぬ超連撃。暴虐の嵐と称すべき絶技の数々が、古龍を迎え撃つ。

 

 衝撃に腕が軋む。剣が刃こぼれする。一瞬でも攻撃の手を緩めれば、すぐさまこの身は砕け散るであろう。

 

 しかし、その衝撃を前にし尚、覇王の武は健在也。

 

 翼が砕け散る。腕が一本ひしゃげる。灰色の鎧が砕ける。腕の一本が崩壊する。骨肉が露わになれば、そこを切り裂く。衝撃に耐え切れず、剣が半ばから折れた。

 

 しかしそれでも、覇王は止まらない。魔王は、己が武を振るい続ける。

 

 

「グル……ッ!?」

 

 

 形勢が傾く。明確な隙が生まれる。

 

 無意識に腕が動く。驚愕に見開かれた二つの眼。その中心に、剣を振り下ろす。

 

 踏み込む必要は無い。足を付ける大地はここにはない。ならば、そこへ回されるはずだった余力を、四腕に注ぎ込む。

 

 竹林の古龍が最期に見たのは、鬼神が如き形相。絡繰りによって形作られた、異形の魔神。それを体現する、覇王の姿だった。

 

 

「オオオオオオオォォォォッッッ!!!」

 

 

 最後の一太刀が叩き込まれる。項羽とイナガミが同時に落ちた衝撃で、周囲の木々は吹き飛び、彼らが落ちた場所はまるで、隕石が落ちたかのようなクレーターが出来上がる。

 

 その中心には、全身から火花を散らせながらも、倒れ伏したイナガミを見下ろす、魔将の姿。

 

 

「……排除、完遂」

 

 

 覇王の武―――此処に在り。

 

 万夫不当の猛将は、星が喚びし竹林の古龍種を討ち果たした―――。

 




 
 冒頭の語り部。皆さんはもうおわかりですね? はい、ハンターランクが上がってくると決まって無理難題を吹っかけてくるあいつです。歴代主人公ハンターと一緒に、あいつも座に登録されています。

 ガイアに召喚されてから一話目でイナガミが狩られましたが、まずは読者の皆さんに、ガイアに召喚されたモンスターがサーヴァント(またはそのサーヴァントの生前)と戦った場合、どれくらいの勝負ができるか、というのを知ってもらおうと思ったので、こうしました。

 皆さんはスーパーロックオンチョコ、誰に上げましたか? 私は男性は村正に、女性はカレンちゃんに渡しました。男性は前から決めていたんですが、女性は迷ったんですよね……。去年来たコラボ鯖、十四歳えちえちスケベボディサーヴァントエリちとカレンちゃんで迷ってました。エリちの怪文書を読み漁っているうちに、だんだんエリちの事が好きになっていったんですよね。大好きだぞエリちッ!

 それではまた次回ッ!

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