【更新停止中】緋雷ノ玉座   作:seven74

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 どうも、皆さん。先週のGWに絵師100人展や東方紅魔郷イベント、そして博麗神社例大祭に参加した事で財布が大分軽くなってしまった作者、seven774です。

 いよいよ6.5章「死想顕現界域トラオム」の実装が決定しましたねッ! 以前の眼鏡イベで登場したコンスタンティノス11世に加え、新たに五人(六人?)の新規サーヴァントが登場するとの事ですので、今から楽しみですねッ! 私としてはお知らせにあるシルエットのうち、恐らくローランであろうサーヴァントの左にいるサーヴァントが気になります。
 シルエットからして、恐らくextella/Linkで登場したシャルルマーニュではないかと予想しているので、絶対召喚したいと思いますッ!

 そしてサンブレイクの新情報も公開され、新たにセルレギオスの参戦が決まりましたね。セルレギオス装備はなにかと4Gでお世話になったので、また戦えるのが楽しみですッ! NPCとも共闘できるようですが、皆さんは誰と一緒に狩りに行きたいですか? 私はヒノエと行ってみたいですッ! 来月末が楽しみですねぇッ!

 それでは本編、どうぞですッ!



降臨

 

 ゆっくりと降り立ったアンナが抱えていたキリシュタリアの体を優しく下ろすと、すぐにオフェリアが駆け寄ってきた。

 

 

「キリシュタリア様……」

 

 

 まるで眠っているように安らかな表情で瞼を閉じているキリシュタリアの頬に手を当てる。まだ時間がそれほど経っていないため、頬の温もりはまだ感じられるが、それが少しずつ消えていくと考えるオフェリアは、知らず知らずのうちに涙を流していた。

 

 

「……これで良かったの? アンナ」

「これが最適解よ。こうするしかなかった」

 

 

 ペペロンチーノの問いかけに、憮然と答えるアンナ。僅かな哀愁の色が見える表情の彼女は、一瞬だけ目元を伏せるが、すぐに顔を上げた。

 背後から近づく濃密な気配。荒れ狂う波のような荒々しい魔力から、自分の背後に立つ者の正体を看破したアンナは、ゆったりとした動作で振り返る。

 

 

「出来るなら、私達と君達。それぞれ一騎打ちで決めてみたいと思ってたんだけど……ごめんなさい、カイニス」

「…………」

 

 

 なにかしらの契約を結んでいたのだろうか、これまでキリシュタリアではなくカルデアと共闘していたカイニスは、右手の槍―――トライデントを握ってアンナを睨んでいた。

 

 

「上っ面だけの言葉を吐くんじゃねぇ。(はな)っからオレがいない間にケリをつけるつもりだったんだろ」

「まさか。なんとなくだけど、君とキリシュタリアの間には絶大な信頼がある事は理解してたよ。私とボレアスと比べてもいいレベルにね」

「……チッ、それで? これからどうすんだよ? マスターは死んだが、オレはまだまだやるぞ。なんなら、敵討ちにテメェの首級を獲ろうとするぐらいにはな」

「義理堅いんだね、カイニス」

「馬鹿が。オレは最初から最後まで、そいつのサーヴァントだ。取るに足らない奴だったらそこまでする義理はねぇが、そいつは取るに足るクソ野郎だ。オレがそうしたいって思える程にな」

「……やっぱり、君は殺せないね。ここで退去させて記憶を記録に変えるには惜しい。それに―――」

 

 

 そこで言葉を区切り、アンナは(おもむろ)にカイニスから視線を外した。

 自分が攻撃されると微塵も思っていないのか、警戒する様子を欠片も見せないその姿に、カイニスの心中に一瞬だけ「攻撃するか……?」という考えが浮かんだが、その考えはすぐに却下した。

 今の自分に、彼女を攻撃する理由は無く、するつもりもなかった。それが、今は亡きマスターとの契約( ・ ・ )だったから。

 それに、彼女の事だ。もし仮に自分が攻撃を仕掛けたとしても、彼女は間違いなく躱し、カウンターを叩き込んでくるだろう。この異聞帯の生命である双子と会話していた時と比べて、明らかに魔力量が増えているし、なにより纏う雰囲気が変わっていた。きっと自分が攻撃しても、彼女は難なく対処してくる―――そういう予想が出来ていた。

 

 

「……どうするんだ、アンナ。あれじゃあ、『異星の神』の降臨は防げないぞ」

 

 

 カイニスがそう考えているなど露程も知らないカドックがアンナに声をかける。

 彼らの前では、ギリシャ異聞帯をこの地球上に固定している空想樹が変化を遂げ始めていた。

 これまでよりもさらに強い光を放つ空想樹の中心に見える、巨人のような人影。あれが『異星の神』なのではないか、と考えるカドックだが、アンナはその考えを(かぶり)を振って否定した。

 

 

「大丈夫だよ、カドック。あれは、『異星の神』じゃない。あれはギリシャの神だよ」

「なに……?」

「そうでしょ? カイニス」

 

 

 軽く首を傾げて問いかけてきたアンナに、カイニスは最早仕方ないとばかりに肩を竦めて頷いた。

 

 

「そうだよ。あそこにいるのは、アトラス。うちのマスターが召喚した、最後の神霊だ」

「アトラス……アトラスだってッ!?」

 

 

 まさか、あれが―――と遥か上空に見える巨人の影を見上げるカドック達。

 

 アトラス―――ティターン神族と呼ばれる原初の巨神族の中でも最強の腕力を持つとされた神。ゼウスらオリュンポス神族との戦いに敗れた後、最後まで彼らに抗い続けた罰として天空を支える役目を受けた存在である。()の巨神の存在は、後のギリシャ神話の礎となったという。

 

 

「なんでそんな奴があんなところにいるのかって考えてるな。あいつはな、キリシュタリアと話し合った上であそこにいるんだよ。『異星の神』が体にするはずだった空想樹に先に入れておく事で、その降臨を阻害する役割を果たす為にな」

「まるで不法占拠だね。でも、キリシュタリアが考えそうな事だなぁ」

「あいつの事だ。どうせ、『空っぽのままでは据わりが悪い。私なりに、先に住人を用意させてもらったのさ』なんて言うだろうよ」

「ははっ、よくわかってるね、君。彼なら絶対言うよ、それ」

 

 

 キリシュタリアの口調を真似して、如何にも彼が言いそうな言葉を発したカイニスに、アンナはこのような状況にも拘らずに笑った。

 彼女達がそう話している間にも、空想樹は変化を続け、その光を赤色に変色させた。

 

 

「つまり、『異星の神』はあの空想樹には降りられない……って事?」

「その通り。アトラスも、最後の矜持ってところなのかな。あの調子だったら、たとえ魔力が底をついたとしても根性で現界を続けていけるだろうね。……けど、それだけじゃ駄目。アトラスもサーヴァント。マスターがいなかったら、いつか必ず消滅してしまう」

 

 

 たとえ根性で現界を維持し続けたとしても、マスター不在のサーヴァントなどいつ消えるかわからない朧げな存在だ。今はまだ無事なようだが、しばらくすれば空想樹の内部に留まっていられなくなるだろう。内部にいるアトラスの存在が薄くなれば、そこを突かれて『異星の神』が降臨しかねない。

 故に、アンナの取るべき行動は―――

 

 

「アトラスを極力残した状態で、空想樹を伐採する。そうすれば、仮にアトラスが消えても『異星の神』は降臨できない。先送りにはなるだろうけど、少なくとも今降臨されるよりはマシだよ」

「出来るの? 貴女の力で」

「出来なきゃ諦めてるし、こんな事言わないからね? まぁ見てなって。これから君達に見せてあげる。私の権能(チカラ)が見せる、空想樹消失マジッ―――」

 

 

 意気揚々と懐から龍結晶を取り出した刹那、凄まじい轟音が響いた。

 何事かと空想樹の方を見やったアンナ達の目に映ったのは、先程とは異なる赤に染まった空想樹の姿だった。

 先程までの赤色は、あくまで『異星の神』の降臨が阻害されてしまっている事を報せるようなものだったが、今のそれは違う。今のそれは、真っ赤に燃え上がる炎の色である。

 例えではなく、本物の炎。空から伸びた枝という枝から、この空想樹目掛けて炎が伸びているのである。

 

 

「アンナ……? まさか、これが貴女の空想樹焼失マジック……?」

「違うよッ!? 私がしようと思ったのは、あの空想樹だけをこの世界から消滅させる『消失』であって、ああやって燃やすタイプの『焼失』じゃないからねッ!?」

「―――(わり)ぃな、マジックショーは中止だぜ。アンナ」

 

 

 予期せぬ事態にあわあわと慌てるアンナだったが、突然自分に声をかけてきた人物が現れ、キッとその人物―――ベリル・ガットを睨みつけた。

 

 

「ベリル……ッ!」

「最高のサプライズだったろ? 他の空想樹を根元から燃やして、枝を通して山火をそっちにお裾分けってな。空想樹の枝はネットワークだって言ってただろ? それを利用したウィルスッて寸法だ」

 

 

 飄々とした態度と口調で現れたベリルは、アンナの背後で横たわっているキリシュタリアの体に視線を移し、残念そうに首を振った。

 

 

「どうせならそこにいるキリシュタリアを驚かせたかったんだがなぁ。ま、死んでちゃ意味ねぇか。ついでに言えばそいつを殺すのもオレがやりたかったが……ま、アンナにさ気取られちゃぁな。仕方ないって諦めるさ」

「ベリル……ッ。まさか、最初からキリシュタリア様を裏切るつもりで……ッ!」

 

 

 ベリルのセリフにオフェリアが憤るも、ベリルは表情を曇らせて両手を持ち上げた。

 

 

「おいおい待てって、オフェリア。オレがこうしようって思ったのはつい最近。元からそのつもりなわけねぇだろ?」

「だったら尚更質が悪いわね。やっぱり、貴方は信用すべきじゃないとキリシュタリア様に強く報せておくべきだった……ッ」

「でもよぉ、オフェリア。オレぁ別に神サマになるつもりは無かったし、なりたくもなかったんだぜ? なのにそいつと来たら、全人類を神に変えるなんて言いやがる。そんなの―――つまらないだろ?」

 

 

 途中までは弁明するような態度だったが、最後にはその態度を一変させ、悪魔のような邪悪な笑みを浮かべるベリル。それにオフェリアがますます怒りを募らせるも、彼に掴みかかろうとしないのは、自分の前に立つアンナに止められているからだろう。

 

 

「オレはクズのままでいたいんだ。偉大な自分になんて、なりたいとも思わない。それよりさ。なんでブリテン異聞帯を敵視してんだ? アンナ」

「なんでって? あそこには、野放しに出来ない要因があるからに決まってるでしょ? キリシュタリアがそう教えてくれたんだから」

「それが嘘かもしれないって考えた事は無かったのか?」

「あの状況で嘘を吐く理由はないでしょ? だから君にブリテン異聞帯を任せようって思ったんだけど……人選ミスだったみたいだね」

 

 

 『異星の神』による蘇生後、白紙化された地上でのキリシュタリアとの対話。その時に彼から伝えられた、ブリテン異聞帯に根付いているであろう『呪い』の情報。それはアンナでさえも看過できるものではなく、だからこそベリルにその異聞帯の破壊工作を依頼したのだが、彼女の言う通り、人選ミスだったらしい。

 

 

「ハハッ! ひっでぇ言われ様だッ! ま、その通りだけどな。それより、これで確信できた。やっぱマジモンの爆弾って事だなあいつらッ! あのハンター( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )の苦労が知れ―――いや、無いな。寧ろ嬉々として解除に勤しむか」

 

 

 愉快そうに笑ったかと思えば、本気でげんなりとした様子で肩を落とすベリル。ブリテン異聞帯にしばらく滞在していた影響か、すっかり表情豊かになったようだ。

 しかし、すぐに咳払いをしてアンナと向き合ったベリルは、もう先程までの様子は見られなかった。

 

 

「お礼にこっちも教えてやるよ。どうしてオレがこの異聞帯に来たのか。アンタも気になってるだろ?」

「そっちの異聞帯に嫌気が差したからってわけじゃないの?」

「ん~……まぁ、(あなが)ち間違っちゃねぇな。オレ、あっちじゃあんま立場無いし。……あぁ、違う違う、今はその話じゃなかった。オレはこんなでも、妖精達を裏切った身ですし? ぶっちゃけ、いつでも狙われてるわけ。ちょいと声高に『ここにいるぞ』って叫べば、すぐ天罰が落ちてくるくらいにはな?」

「―――ッ!! まさかッ!」

「知ってるなら話は早い。―――んじゃあまぁ、お別れだ」

 

 

 瞬間、星々が煌めく空に黄金色の光が煌めいたかと思うと、そこから巨大な槍のような形の光が落ちてきた。

 

 その輝きを、アンナは知っている。

 あれは、あの輝きは、最果ての槍(ロンゴミニアド)の光―――ッ!

 

 

「ボレアスッ!」

「了解」

 

 

 主の叫びを受けたボレアスが一気に飛び立ち、黄金の光槍の前で停止する。

 全てを焼き尽くすかの如く迫る光の奔流を前に、ボレアスは静かに己を紅蓮の業火で包み込む。

 

 そして、一瞬の間を経て業火を振り払い―――伝説が顕現する。

 

 四肢に鋭い爪を、比較的小さな頭部には王冠のような角を、雄々しくも禍々しい巨大な一対の翼を持つその姿、正しく御伽噺に登場する邪悪なドラゴンそのものといったところか。

 しかし、それはあくまで、彼が汎人類史の力のみを持つ場合による。

 今の彼の身には、汎人類史の力だけでなく、かつてシュレイド異聞帯に存在した己の力も宿っている。その力が、彼の肉体をさらに変異させていた。

 

 元々は四本だった頭部の角が六本に増え、胸部が焔のように光っているその姿は、彼をより禍々しく、邪悪な存在として周囲に知らしめている。

 

 

[汎異権能―――完全励起]

 

 

 異聞の力を取り込んだ、“禁忌”と称される最強の古龍種の一角―――“黒龍”ミラボレアスが耳を劈く大咆哮を轟かせる。すると、彼の眼前の空間が歪み、巨大な黒い穴を作り上げていく。

 

 

[呑まれろ。その文明(まじゅつ)は、私には通用しない]

 

 

 対文明権能。

 それは、古代の文明を滅ぼした彼だからこそ持つ力。人類、または人類以外の存在が積み上げた歴史そのものである文明を、彼が作り出したブラックホールを以て呑み込み、無効化する能力。

 それは、たとえブリテン異聞帯を統治する女王( ・ ・ )が長年の時を経て編み上げた魔術さえも例外ではなく、この異聞帯ごと消し飛ばそうとした聖槍の輝きは、一欠片も遺さずに“黒龍”の権能に呑まれ、その輝きを無明の闇の中で掻き消されてしまった。

 

 

「………………マジ?」

 

 

 あまりにも呆気ない、想像を絶する光景に誰もが閉口する中、ベリルの唖然とした、畏怖が籠められた呟きがその静寂を破った。

 

 

「ボレアスを侮らない事だよ。派手に空想樹を炎上させるつもりだっただろうけど、ごめんね?」

「……イカれてんだろ、アンタのサーヴァント。これじゃオレの計画が台無しじゃねぇか……」

「―――いた、あそこッ!」

 

 

 キリシュタリアの件も、空想樹の件も、どちらも上手くいかずに失敗して蒼褪めたベリルの額に冷や汗が流れ始めたその時、紫髪の少女を始めとする仲間達を連れた立香が階段を上ってきた。

 ゼウスとの決戦後のためか、誰もが全身に傷を負っており、息を切らしていた。しかし、その誰もが「まだまだやれる」と叫ぶように、しっかりと両足で自身の体を支えている。

 

 

「……ッ、キリシュタリアさん……」

 

 

 立香の隣に立ったマシュが、横たわるキリシュタリアを見て顔を顰める。しかし、それも一瞬の事で、すぐにアンナ達に視線を向けて盾を握る力を強めた。

 

 

「おいおい、カルデアまで来ちまったよ。ってか、お前達瀕死じゃんか。なんだ? そんな状態でも()るつもりか?」

 

 

 立香達が来るや否や、先程まで浮かべていた焦燥を掻き消したベリルが笑う。しかし、それが虚勢である事ぐらい、アンナ達は簡単に見抜けていた。

 

 

「巨大な“なにか”が現れたと思ってはいたが、あれは……」

 

 

 ホームズが上空を見上げ、眉を顰める。

 彼の視線の先にいる存在―――ミラボレアスはゆっくりと翼を羽ばたかせながら降下し、やがてズシンと軽い地響きを起こしながら着陸し、じっとカルデアを睥睨した。

 欠片でも敵対する可能性を持つ者達全てを灼き払うが如き眼光に貫かれた立香達の体がビクリと大きく震えるが、すぐに仕返しとばかりに睨み返す。

 それに満足したのか、ミラボレアスはその身を炎で包み込み、カドック達にとっては馴染み深い人間の姿を取ってアンナの傍に寄った。

 

 

「もしかして、キリシュタリアとケリをつけようとしてた? だったらごめんね。私が先に倒しちゃったから」

「アンナさん……」

「そんな顔しないの。……始まった戦争は、どちらかが折れるか倒れるまで続くものだからね」

「ですが……」

「よぉ、マシュ。しばらく見ない内に、随分と表情豊かになったじゃねぇか。あの時みたいな無感情なのも良かったが、今のお前さんも魅力的だなぁ」

「ベリルさん……」

「マシュ、私の後ろに」

 

 

 ベリルが浮かべる笑みになにかしらの邪悪な気配を感じたのか、立香が自ら窮地に身を投じるようにマシュの前に踏み出した。その姿にアンナが「おぉ」と感心して小さく口角を上げるが、ベリルのそれは全く別物で、獲物を見つけた肉食獣のような獰猛なものになった。

 

 

「お姫様の物言いってか? いいねぇ、マスターってのはそうでなくっちゃ。そうやって前に出てくるのは歓迎だ。勇敢で、好感が持てる。なにより―――笑っちまうほど、狙いやすくなるからな?」

 

 

 今にも飛びかかろうとするベリルに立香が身構えた瞬間、ベリルの足元目掛け緋色の雷が落ちた。

 

 

「やらせると思う? この私が」

「……ホント、なんでそこまでそいつを贔屓するのかわかんねぇな、アンナ」

「彼女は、是が非でも私の異聞帯に来てほしいの。少なくとも、ここで君に殺させるわけにはいかないよ。どうしてもっていうなら、君をここで終わらせるけど?」

「……わかったわかった。もうやんねぇよ。折角拾った命だ。オレもまだ死にたくねぇからな」

 

 

 右手に新たな雷を生み出したアンナが放つプレッシャーに圧され、ベリルはやむを得ず構えを解いた。

 

 

「―――その通り。これ以上、味方同士で無益な血を流す事はないのではないかな? ベリル」

 

 

 そこへ、また別の声が響く。

 その場にいた全員の視線が、その声が聞こえた方角へ向けられると、そこには『異星の神』の使徒であるアルターエゴの一騎が立っていた。

 

 

「ラスプーチン……言峰綺礼ッ!」

「ロシアの雪原以来だな、カルデア。そして……」

 

 

 カルデアへの挨拶を軽く済ませた言峰の視線が、アンナが連れてきたクリプター達の一人、カドックへと向けられ、次にその隣に立つアナスタシアへと向けられる。

 

 

「契約は果たせたようだな、皇女殿下」

「えぇ、お陰様でね、ラスプーチン。いえ、今は言峰と呼ぶべきかしら?」

「どちらでも、貴女の好きなように呼べばいい」

「言峰君、君はどういった用件でこっちに来たの?」

「なに。生前、こういった事( ・ ・ ・ ・ ・ ・ )に縁があってね。今回はその真似事といったところだ。それと、一つ確認をしに来たのもある」

「へぇ? それはどういう?」

「キリシュタリア・ヴォーダイムは、空想樹の中に巨神アトラスを召喚していた。これは明確な『異星の神』への叛逆行為だ。そして、君はそれを知っていたな? アンナ・ディストローツ」

「……まぁ、ね」

 

 

 腰に手を当て、目を逸らしたアンナに言峰の視線が突き刺さる。それを受けても飄々とした態度を崩さない彼女に、言峰はふっと小さく息を吐き出して肩を落とした。

 

 

「元より従うつもりはなく、隙あらば喰らいつく算段、という事か」

「私がそういう奴じゃないって事ぐらい、君は知ってるでしょ?」

「私もラスプーチンも、そのどちらの生前も縁のあった君だ。なんとなくそう考えてはいた。……残念だよ、アンナ。では君はどうかな、ベリル・ガット」

 

 

 表だけの感情だろうが、瞼を伏せて哀しむような仕草をした後、言峰の視線がベリルに向けられる。

 

 

「クリプターのリーダー、キリシュタリアは叛逆行為を行っていた。アンナ・ディストローツはその行為を見逃し、こうして『異星の神』への叛逆を宣言した。では、君はどちらに付く? 彼女か我々、どちらの同志と見るべきかね?」

「あ~……長い物に巻かれるべきが今の最善策なんだろうが、アンナのところでなにされるかわかったもんじゃねぇ。下手にカドック達に手を出したらモンスター共の餌にされちまいそうだしな。それなら、アンタら側の方が楽しそうだ。大人しくアンタの指示に従うさ。―――と、言いたいところだが。今の『異星の神』が強いものと言えるかは疑問だね」

 

 

 そこで言葉を区切ったベリルは、真っ赤に染まった空想樹を指差した。

 

 

「空想樹マゼランはキリシュタリアの手でこの始末。ブリテンの空想樹(セイファート)の中身は、あの女が干しちまった。シュレイドの空想樹(クエーサー)は知らねぇ。だが、『異星の神』が降臨するに適した形じゃねぇのは確かだ。でなきゃシュレイド異聞帯の戦力のほとんどが集結してるこっちで受肉するわけがない。それを相手に圧勝できるってんなら話は別だけどな? だが、オレはハッキリと言えるぜ?」

 

 

 そこで再び獰猛な笑みを浮かべ、挑発するように続けた。

 

 

「今この惑星( ほ し )で一番強いのは、うちの異聞帯の王サマだ。オマケに、極限を超越し、支配した狩人( ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ )最果ての龍( ・ ・ ・ ・ ・ )、そしてアルビオンの竜を抱えるブリテン異聞帯こそが、今一番強い異聞帯さ」

「……ッ!!? アル、ビオン……?」

 

 

 最後にベリルが告げたブリテン異聞帯の戦力の名にアンナとボレアスの目が見開かれる。

 

 

「ま、まさか……アルビオンがいるの……? 君の異聞帯に……?」

「ん? なんだよアンナ。そんな顔して。オレ達が管理しているのは異聞帯―――ifの世界だぜ? アルビオンの竜が生きてるブリテンだってあるだろ? ……っておいおい。どうしたんだよ、お前さん」

 

 

 平然と返された答えを聞いてボロボロと大粒の涙を零し始めた同僚の姿には、流石のベリルも驚いた。

 

 

「な、なんでもない……ッ。ほ、本当にあの子が……アルビオンが……う、うぅっ……!」

「えぇ……」

 

 

 その場に崩れ落ちて泣きじゃくるアンナに、困惑の視線が集まる。ふとその横を見れば、ボレアスもアンナ程ではないが、右手で顔上部を隠している。そこから零れる光からして、彼もまた泣いているのであろう。その中で唯一、平然とした様子で事の様子を見守っていた言峰が口を開く。

 

 

「なるほど。生粋の猟犬らしい、君らしい考えだ」

「え、なに? こいつ放置すんの……? こんなガキみたいに泣いてるこいつを?」

「ああぁあああぁぁあああ……ッ!!」

「うぉっ、ガチ泣きしやがったッ!? なんだなんだ? わけがわかんねぇぞおいッ!」

「彼女は放置しよう。じきに泣き止む」

「で、ですが……」

「放置だ」

「はい……」

 

 

 なんとかアンナが泣き止むまで待てないものかと口を挟もうとしたマシュだが、有無を言わさぬ言峰に気圧されて頷いてしまう。

 号泣しながらも、真面目な話をなるべく邪魔しないように気を遣う余裕が微かに残っていたのか、何度も鼻水を啜ったり嗚咽を漏らしながらも頑張って声を抑え始めたアンナに心中で感謝の言葉を述べた言峰が、ベリルに視線を向けた。

 

 

「では、ブリテン異聞帯は我々の敵に回る、という事でいいのだね、ベリル・ガット。君はあちらの王の使徒のようだ。君の考えはブリテンの考え、と捉えるが?」

「お、おう、捉えてくれ。名代(みょうだい)として好きに振舞え、と言われてるんでね。元々、さっきのロンゴミニアドは『異星の神』用に王サマが編んでいた魔術ってやつだ。誰が何をしようと、結局はオリュンポスをぶっ潰す気だったのさ。……それも、そこの奴に簡単に消されちまったがな」

「了承した。『異星の神』が救いあげた者はキリシュタリアのみ。それ故、彼の生存権は『異星の神』のものだったが……君達の命を救ったのはキリシュタリアだ。『異星の神』は君達の命に錠はかけていない。君達は自由だ。この終末の惑星で、思うままに生きるがいい。―――もちろん、『異星の神』の敵として、ね」

「―――ッ!」

 

 

 最後に浮かべた言峰の笑みに底知れぬ脅威を感じたのか、ベリルが今までとは比にならないレベルで焦った表情になる。

 

 

「転移だコヤンスカヤッ! 今すぐオレをブリテンに運べッ! なんだかわからねぇが猛烈に寒気がするッ! ここにいるのはマズい……ッ!」

 

 

 ベリルが叫ぶや否や、すぐに彼の傍にコヤンスカヤが現れる。

 

 

「あら、いつの出番になるかと様子を見ていましたが、情緒の無い。ですが承りました。危険を察知する嗅覚だけは流石ですわ、ベリル様」

「コヤンスカヤ……ッ! ベリル・ガットを連れ去るつもりか……ッ!」

「はい♡ お一人様につき一度のみ、お好きな異聞帯にお送りする―――それがクリプターの皆さん向けの、(わたくし)のビジネスですので。それではしばしのお別れですわ、皆さま。今後も、NFFサービスを御贔屓の程を。―――この場から生き延びられたら、の話ですが」

 

 

 最後にそう残し、コヤンスカヤはベリルを連れてオリュンポスから消えていった。

 

 

「コヤンスカヤ君はあちらに付いたか。まぁ、このあたりが潮時だろう。なにしろ、同じ『在り方(クラス)』だからね。共にいては食い合ってしまう。―――では出番だ、千子村正。存分にその刀を振るうがいい。君はこの瞬間の為に、『異星の神』に選ばれたのだから」

 

 

 言峰が言い終えた刹那、どこかから一筋の光が煌めく。

 恐らく、地上から飛ばされたその光は、一本の斬撃となって空想樹の中心にいる存在―――アトラスを真っ二つに斬り裂いた。

 

 

「なんという事でしょう……ッ! アトラスの霊基(おからだ)が……ッ!」

 

 

 紆余曲折あってカルデアと共に行動する事になったサーヴァント―――エウロペが悲鳴を上げる。

 誰もが茫然と見上げる中、アトラスの体は徐々に崩れていき、その中から新たな気配が漏れ始める。

 やがて、空想樹内部のその巨大な人影は、赤黒く禍々しいオーラを纏って巨大化していく。

 

 

「―――ッ! 空想樹内に強力な魔力炉心反応を確認ッ! 魔力量、個人装備(こちら)では測定できませんッ! ですが……この霊基パターンは……ッ!」

 

 

 すぐにマシュが、あの巨大な人型の詳細を告げ始める。

 それは、言峰を除いた誰もが驚愕に値する情報だった。

 

 

「トリスメギストスが予測、分類した七つの人類悪、最後に位置する“獣冠(つの)”―――クラス、ビーストⅦです……ッ!」

 

 

 マシュがそう叫んだ途端、無機質な、どこか機械音声に似た声が響く。

 

 

『■■言語■■知性・■■■共有■■■』

 

『■■■■■・プレーン■■作戦■■■、生成』

 

『―――応答 セヨ』

 

『―――返答 セヨ』

 

『コれ ヨり』

 

『コウシンを カイシする』

 

 

 やがて、赤黒いオーラは眩い光となって周囲を満たす。

 そのあまりの光量に誰もが瞼を強く閉じた瞬間、

 

 

『―――ハ』

 

『―――ハハハ』

 

『―――はははははははははははははははははははッ!』

 

 

 女性らしさを感じる声での高笑いが響き、“それ”が顕現する。

 

 人類悪たるビーストを象徴する巨大な二本の角。右手に指輪を嵌め、純白のマントを羽織ったその存在は、己の降臨に酔いしれるように笑った。

 

 

『あーーーーーーはっはっはッ! ようやく私の出番かッ! 待たせたな使徒達よッ! 虚空の星に在りし我が身の器、よくぞ用意したッ! 少々時間はかかったようだが褒めてつかわすッ!』

 

 

 そう笑う『異星の神』の姿に、声を上げられる者は誰もいない。それもそうだ。その姿は、この場にいる誰もが知っている彼女( ・ ・ )と瓜二つのものなのだから。

 

 

『フ―――それにしても、ここが地球かッ! 我が同胞が苦しめられたというから来てみれば―――なあんだ、大した事のない惑星ねッ! 小さい小さいッ! この程度、征服に一年とかからないわッ!』

 

 

 その言葉に、ピクリと動く者が一人。沸々と燃え上がるその激情に、しかし気付く者は誰一人おらず、上空の存在に完全に意識が向かっていた。

 

 

『―――? なんだ、今私に向いた精神波は。原生生命のものか? 微弱なものではない事は少し驚いたけど、私への畏敬の念が感じられないわね……。……待て。なんだ、この貧相な身体は』

 

 

 その時、初めて自分の体を見下ろした『異星の神』は、自分が想像していたものより大きく異なっているであろう肉体に驚愕した。

 

 

『我が作戦実行体は空想樹から作られるものでしょう? それがなんで、こんな規模になってるの……?』

「……マスター。私の理解が及ばないのですが、今、私達の頭上にいる存在は、空想樹に(あらわ)れたクラス・ビーストであり―――『異星の神』そのものと、推測されます。でも、でも―――」

「そう、だよね……」

 

 

 『異星の神』が自分の肉体に戸惑っている間にマシュと立香がそう会話するも、すぐに『異星の神』が再び口を開いたため耳を傾ける。

 

 

『……まあいい。現状を報告せよ、使徒。キリシュタリアの件といい、多少の手違いがあったようだが?』

御身(おんみ)の玉体となるべきだった空想樹マゼランは、空想樹セイファートの炎上に巻き込まれました。御身の霊基そのものに支障はありませんが、恐らく、権能の出力範囲は低下しているかと」

『ふむ。羽化前、といったところか。それはそれで良い。楽しみが出来た。足りぬものはここで補えばよい。丁度良い食事が目の前にあるのだからな。異聞帯一つでは物足りぬが、なに、私も体を得たばかり。起き抜けと思えば栄養のバランスも良い。だが―――』

 

 

 そこで初めて『異星の神』の視線が、アンナや立香達に向けられた。

 

 

『折角の前菜に虫が混ざっているのは興覚めだ。なぜ排除していないのだ。そこの白髪の女と黒髪の男以外、我が使徒が手を焼く程の者とは思えないが……。そもそもなぜ、あの者達は私を畏れない? 神に(かしず)く事は、この惑星(ほし)の原則ではなかったか? ……そうだな。踏み潰すのは容易いが、この疑問は晴らさねばなるまい』

 

 

 そこで一旦言葉を区切り、僅かに高度を下げた『異星の神』は、眼下にいる者達の一人―――立香へと視線を向けた。

 

 

『答えよ、藤丸立香。貴様は、なぜ私を畏れない? 偉大なもの、強大なものには頭を垂れ、教えを請い、服従を示すのではなかったか?』

「だって、それは……貴女が、オルガマリー所長だからだ」

 

 

 そこで、ハッキリと立香は告げた。

 そう、空想樹マゼランから現れた『異星の神』の姿は、角や衣装など外見は大きく変わっているが、その顔は彼女はおろか、カルデアに所属している者ならば誰もが知る女性―――オルガマリー・アニムスフィアそっくりなのである。

 しかし、当の『異星の神』は、その名に心当たりはないようであるが。

 

 

『なに言ってるのよ、この地球人。私が、えーと、所長? なによ所長って。……仕方のない。恐怖で気が狂っているようだから、最後に教えてあげましょう』

 

 

 そして、『異星の神』はさも当たり前とばかりに傲慢さを前面に出し、我こそが正しいとばかりに胸を張った。

 

 

『私は虚空より降り立る神。この惑星の邪悪を廃し、正す為に(あらわ)れたもの。地球を一つの国家として手中に収め、人類を一人残らず管理する究極の支配者。即ち―――』

 

 

 口元に傲慢に満ちた笑みを刻み、彼女は高らかに叫んだ。

 

 

『地球国家元首、Uーオルガマリーであっっっつッ!??』

 

 

 ……尤も、それは途中から体に走った激痛によって遮られてしまったが。

 

 

「黙って聞いてみれば、なに? 地球国家元首? 頭トチ狂ってるのかな……? ここは国家じゃなくて、惑星(ほし)よ。勝手に出てきて、勝手に支配者になるなんて言わないで」

『……貴様』

 

 

 『異星の神』―――否、Uーオルガマリーが、いつの間にか自分の前に現れた銀髪の女性―――両腕に緋色の雷を纏わせたアンナ・ディストローツを睨みつける。

 

 

『この私の、Uーオルガマリーの言葉を遮ったわね? それどころか、この私と同じ場所に立つだなんて、自惚れも大概にしたらどうかしら?』

「それはこっちのセリフだよ。君みたいな蛆虫が、この惑星(ほし)の支配者? 私達の家をそんな下らない一言で片付けないでくれる?」

『ではどうする? 貴様風情、私にかかれば赤子の手をひねるよりも簡単に消せるぞ? 貴様が勝てる確率など、万に一つもありは―――』

「―――あるよ。あるに決まってる」

 

 

 自身の言葉を遮り、キッパリと不敵な笑みで答えたアンナに、Uーオルガマリーの目が細められる。

 

 

「孤高である君一人じゃ、絶対に手に入れられない力。それを教えてあげる。―――さぁ、おいで」

 

 

 アンナが軽く右腕を掲げれば、彼女達の下方から四つの輝きが飛び立つ。

 眩い輝きを纏って飛翔した四つの光がUーオルガマリーを取り囲むように並び、その光を紅蓮の炎や、色鮮やかな竜巻が包み込む。

 

 

「―――“黒龍”ミラボレアス」

 

 

 焔を消し飛ばし、現れるは“運命の戦争”。

 漆黒の巨体に、悪魔が如き六本の角と眼光。青白く燃える四肢に胸部を持つ伝説。

 

 

「―――“紅龍”ミラバルカン」

 

 

 マグマが如き灼熱を纏い、現れるは“運命を解き放つ者”。

 熔岩のように激しく発光する巨躯に、巨大な角を三又のように後方に伸ばしている災厄。

 

 

「―――“煉黒龍”グラン・ミラオス」

 

 

 大地が如く雄々しく強大な威圧感を纏い、現れるは“偉大なる破壊と創造”。

 己の魔力で滞空している中、飛行能力を持たない翼から絶え間なく灼熱の熔岩を噴き上げ続ける巨神。

 

 

「―――“煌黒龍”アルバトリオン」

 

 

 あらゆる自然の脅威をその内に封じ、現れるは“闇夜に輝く幽冥の星”。

 鋭利な刃が如き逆鱗に身を包んだ、あらゆる天災を操り、あらゆる生命を奪う破壊の象徴。

 

 かつて、世界の頂点に君臨していた“禁忌”の眼光が、Uーオルガマリーを貫く。

 

 

「あぁ―――自己紹介がまだだったね」

 

 

 そして、彼女( ・ ・ )もまた、その正体を露わにする。

 

 右手に刻まれた令呪の一画が消え、彼女の全身に莫大な魔力を流し込む。

 

 瞬間、いつの間にか上空を覆っていた暗雲から落ちた無数の緋色の雷がアンナを包み込み、巨大な球を作り上げる。

 そして、球体はまるで星が爆発したが如き衝撃波を周囲に飛ばしながら弾け、そこから純白の龍が現れる。

 

 青白く染まった二本の角が真っ直ぐ後方に伸び、その中心からは長い刃のような角が反り立つように生えている。

 刺々しく派手な形状となった翼から伸びる翼爪も、青白く染まっている。

 肩から腕にかけても体毛が生え、首の甲殻側面からは片側四本ずつ青白い棘が伸びている。

 

 

『なんだ……なんなんだ貴様は……ッ!』

[アンナ・ディストローツ。……でも、その名はあくまで借り物( ・ ・ ・ )。私の本当の真名(なまえ)は―――]

 

 

 翼を大きく広げ、原初の龍は己が真名を告げる。

 

 

[ルーツ―――“祖龍”ミラルーツ。そして―――]

 

 

 “黒龍”達が口内にそれぞれが操る属性のブレスを満たし始め、彼らの長もまた、その身から緋色の稲妻を迸らせる。

 

 

[この地球(ほし)の頂点―――アルテミット・ワンよ]

 

 

 その言葉を最後に、Uーオルガマリー目掛け五体の“禁忌”からの攻撃が浴びせられる。

 彼らから放たれた攻撃―――特に“祖龍”から放たれた天雷を前に、Uーオルガマリーは全身の肌が栗立つ感覚を覚える。

 それがなにかもわからぬまま、Uーオルガマリーはその攻撃に身を晒し―――

 

 

 ―――光が、全てを包み込んだ。

 




 
 いよいよ“祖龍”登場ですッ!
 ルーツ……というよりアンナの名前についてですが、これは後々解説する予定です。いつになるかはわかりませんが、必ず説明したいと思いますので、乞うご期待ですッ!

 オリュンポスは次回辺りで終了ですね。その後はラメールの幕間とプロフィール、それからアンナ達の日常話を数話入れてから妖精國編に入る予定です。妖精國でアンナ達がどう動くのか、そして今回ベリルが言及したハンターがどんな物語を紡ぐのか、楽しみにしていてくださいッ!
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