ドウモ、ミナサン。
サーヴァント達の強化素材が欲しく、日夜BBちゃんを殴り続けているマスター、seven774でございます。
今回のイベントの最高効率クエ、オベロンの大切さがよくわかるものでしたね。我がカルデアにはオベロンがいないため、Wキャストリアと壱与ちゃん、そしてプーリンで攻略しています。これでもカード運が良ければ2ターン周回出来ますしね。
そういえば先日、アトランティスのリコレクションクエストが出ましたね。これが終われば、次はオリュンポスですが……絶対にあのトラウマクエ出てきますよねぇ……。素直に辛いです。
そして先日、ゼノブレイド3を購入しました。歴代作品も攻略していたので、どんなストーリーが展開されるか楽しみですッ! スプラトゥーン3も買いたいのですが、それは来月の給料が入ってからですかねぇ。来月は給料日前に友人とibのコラボカフェに行く予定なので、そちらでお金を使いますからね。
それでは本編、どうぞですッ!
「アイドルをやらないか……と言われてもねぇ、私達、そういった経験ないけど……」
親睦会を終え、数十分程の休憩を取ったアンナ達は、プロフェッサー・Kの執務室にいた。
如何にも高級そうな革張りのソファに腰かけたアンナの質問に、プロフェッサー・Kは答える。
「私だって、アイドルをプロデュースするのは初めてだよ、アンナ。しかし、未経験だから挑戦しないなんて、もったいない事この上ない。幸い、ここにはそれを行うに足る人材が多くいる。その一人が彼女―――ミス・クレーンだよ」
プロフェッサー・Kが隣に立つミス・クレーンに片手を上げて促すと、彼女は一歩前に進み出てお辞儀をした。
「アイドルプロデュースは社長らにお任せしますが、衣装は私が担当させていただきます。衣装とは相手のイメージを損なわず、しかし華やかに見せるもの。では、綺羅びやかで魅力あふれる衣装を身に纏い、ステージの上で舞うアイドルとは、実質私の出番なのでは、と思いまして」
「彼女はキャスタークラスのサーヴァントではあるけれど、あまり戦闘は得意な部類ではないんだ。この國の戦闘面については、女王モルガンの忠臣であるウッドワスが率いる“牙の氏族”の方が適任だ。我が社にもそういった面で強力なメンバーはいるとはいえ、流石にあちら側の仕事を取るわけにもいかないからね」
「そうですね。私は呪詛や
「霊衣の仕立て……。服を作るサーヴァントなんて珍しいわね」
戦闘が不慣れなサーヴァントなどあまり想像できなかったオフェリアにとって、ミス・クレーンの存在はとても珍しく見えた。
元々は人理焼却を防ぐ為に選出されたAチームの一人だったからこそ、サーヴァントについてはそれなりに深く勉強していたつもりだった。数多の英雄達が歴史に刻んだ偉業や伝説、逸話から、彼らがサーヴァントとして召喚された場合はどのような宝具やスキルを保有しているのかと考察したりもしていた。
カルデアに召喚されていたサーヴァントであるダ・ヴィンチから色々話も聞いていたが、やはり実際に目の当たりにすると色々と考えさせられるものはある。
「ふふっ、珍しいですよね。先述したように、私は霊衣の仕立てがメインの役割です。仕立てものは専ら、アイドルの為のステージ衣装。和風洋服なんでもござれです。もちろん、貴女方マスターの為の衣装も仕立てますよ」
「といっても、君達全員をアイドルにする、というわけではない。流石に強制するというのは気が引けるしね。だから、君達自身で答えを出してほしい」
「……ちょっと質問してもいい?」
「なんでもどうぞ」
「それなら、早速。……まず一つ目は―――」
プロフェッサー・Kに促され、オフェリア達を代表してアンナが質問を投げかけた。
一つ目。参加を拒んだメンバーはどうなるか。
こちらの質問に対する答えは、『そのメンバーが望んだ仕事を与える。各部門にはそれぞれに特化した妖精達がいるので、彼らのアドバイスを受けながら仕事をこなしていく』。
二つ目。アイドルをやるとやらないとで、給料云々の変化はあるか。
こちらの質問に対する答えは、『当然ある。しかし、お互いに決して不満にならないよう尽力する』。
三つ目。他にアイドル候補になっている妖精はいるのか。
こちらの質問に対する答えは、『もちろんいる。全員が意欲を以て参加する決意を固めているので、お互いに相手を高め合う事も出来る。しかし数が多いため、少し弾かなければならないのが苦しいところだが』。
四つ目。では、自分達も弾かれる可能性があるのか。
こちらの質問に対する答えは、『アンナ達は特別故、余程の事でない限りは採用とする。なぜかというと、
質疑応答を終え、アンナは「ん〜……」と腕を組んで唸る。
アイドルをしてみないか、という誘いに対して、アンナ自身は乗り気だ。プロフェッサー・Kの言う『アイドル』というものが、かつて彼女が形なき島で出会ったとある姉妹が象徴するものとは違うのもわかっていた。崇拝される彼女達のようなレベルで慕われるのは望んでいないが、現代で使われるアイドルならば、彼女はやってみたいと考えていた。
しかし、それはアンナ自身の考えであり、他のメンバーがそうだとは限らない。
例えば―――
「なら、私は降りさせてもらうわね」
彼女―――虞美人の場合は、真っ先に辞退した。
なぜか、と問いかけてきたプロフェッサー・Kに対する答えは、『愛する夫だけの前ならまだしも、不特定多数の前で踊るのは嫌』というもの。なるほど、項羽という最愛の存在を失い、二千年近く彷徨い続けた、実に彼女らしい返答だ。
「では、我も辞退しよう。この躯体では、舞の一つも踊れないのだからな」
「それなら、私もマスターと共に……」
「なに言ってるのよ。お前はアイドルやりなさい」
「え? な、なぜです?」
主や項羽が断るのなら自分も、と思って辞退を申し出ようとした蘭陵王だが、虞美人に「馬鹿じゃないの」と言いたげな表情と共にそう言われてしまう。
なぜ自分がおかしな事を言ったような感じになっているのか―――そう思って訊ねてみると、虞美人は彼の仮面、その奥にある顔を指差しながら答えた。
「その仮面の奥にある顔、今がその使い時じゃないの?」
「で、ですが私の顔は……」
自分の顔を話に出され、蘭陵王は思わず顔を顰める。
蘭陵王が仮面で素顔を隠す理由―――それは彼の生前に由来する。
蘭陵王とは、女性顔負けの美貌の持ち主である。生みの母親に与えられた予言の通り、美しい男性として産まれた蘭陵王であるが、しかし彼はその美貌によって自軍の士気が下がってしまう事、敵に侮られる事を恐れ、己の顔を仮面で隠したという。
アイドルが行うのは戦ではないとはいえ、自分が仮面を外してしまえば他のメンバーに迷惑をかけてしまうのではないか。そう蘭陵王が考えていたところ、プロフェッサー・Kが虞美人に問いかけた。
「む、もしや、迂闊に仮面を外せない理由でもあるのかい? 他者には見せられない怪我とか……」
「そうじゃないわ。高長恭は純粋に顔が良いのよ。でも、それが原因で昔酷い目に遭ってね。でも、ここじゃそれは起こりそうにないし、大丈夫かと思ったのよ。それに、顔が良いのはアイドルとして大切な要素の一つでしょう? まぁ、強制はしないわ。高長恭自身がやりたくないのなら、それでもいいし」
「マスター……」
「ま、好きにしなさい。私にお前を自由にする権利は無いわ。お前が決めなさい」
「…………」
虞美人の言葉に、蘭陵王は顎に指を添えて考え込む。
自分の顔の事は、自分がよくわかっている。ここが戦場ではないとはいえ、自分が素顔を晒す事で、周りに迷惑をかけてしまうのではないのか、という疑念は、今も晴れない。しかし、虞美人が「顔が良いのはアイドルに必要な要素」と言われて、正直悪い気はしなかった。
チラリ、と虞美人と項羽を見やる。
虞美人は蘭陵王からの視線に首を傾げるが、項羽は蘭陵王からの視線に対し、重々しく首を縦に振った。
項羽の持つ高度な演算機能は、最早未来視にも等しい。それによる未来演算でも、蘭陵王や虞美人など他のメンバーにとっての悪い未来は今のところ導き出されていないようだ。
「……それならば、私は参加しましょう。アイドルとして、精一杯活躍してみせます」
「わかった。第一候補者は蘭陵王、っと……」
蘭陵王に頷いたプロフェッサー・Kは、羽ペンを片手に手元に置いてある紙に蘭陵王の名を書き込んだ。
「それなら、私も辞退しようかしら。アイドルとして活動するのも興味はあるけど、やっぱり裏から支援するのが私らしいわ」
「んじゃ、俺もだな。マスターの手伝いでもするか」
「あら、ありがとう、アシュヴァッターマン」
そして、ペペロンチーノとアシュヴァッターマンも下りた。残るはアンナ、オフェリア、カドックと、そのサーヴァント達である。
「それなら、僕も下り―――」
「
「アナスタシア??」
虞美人、ペペロンチーノに続いて自分も辞退しよう。そう思った直後、アナスタシアがカドックの言葉を遮った。
「カドック、私、踊りたいわ。舞踏会の経験こそありますが、あれは格式高い貴族のみが行うもの。それとは違うダンスというのもしてみたいわ」
「……待ってくれ、アナスタシア。この場で言うのはなんだが、僕はアイドルに興味がないんだ。僕は芥やペペロンチーノと一緒に、後方で活躍したいんだ。自分でも、そういう役割が似合っているのがよくわかるからな」
「卑下はよしなさい、マスター。貴方にも出来る事はあるでしょう? 例えばほら、貴方の好きな……ロック、でしたか? それをやらせてもらえばいいではありませんか」
「確かにロックは好きさ。でも、好きだからやるというわけじゃないという事はわかってくれ」
アナスタシアの言う通り、人理焼却前のカドックは日頃からロック系の音楽が好きだった。人理焼却は藤丸立香によって解決され、自分達は各異聞帯の担当者として白紙化された地上で目覚めたため、今では嗜む機会はないが、聴けるのならまた聴きたいとは考えていた。
だが、カドックはあくまで『聴く』のが趣味であり、『歌う』のが趣味というわけではないのだ。
「ですが、やってみたいという気持ちはあるでしょう? だって、貴方の部屋にある机……あそこの上から三段目の引き出しに―――」
「わかった、やるッ! やるから黙ってくれッ!」
アナスタシアが何かを告げようとした途端、咄嗟に彼女の口を塞ぐカドック。それがなにを意味するのかを瞬時に察したアンナ達は、「あ~……」と色々察した視線を彼に送った。
「やめろ……そんな視線で僕を見るなッ!」
「ふむ、ではカドックの
「へっ、誰に願うってんだよ。この國にゃ神なんざいねぇだろ? この神霊カイニス様を除いてなッ!」
「そういう割には、君は祈られるのは好まないだろう? これは、彼ら自身に祈っているんだよ」
「嬉しい事を言ってくれるわね。頑張りましょう? カドック」
「はぁ……もう、なるようになれだ。出来る限りやらせてもらう」
プロフェッサー・Kとアナスタシアに流されるまま、カドックのアイドル入りが確定した。
残るはアンナグループとオフェリアグループである。
「残ったのは私達になったけど、オフェリアちゃんはどうする?」
「そうね……。私一人なら辞退していたところだけど、貴女とタッグを組めるのなら、参加したいと思ってるわ」
「え、本当ッ!? 実は、私も参加してみたいと思ってたんだ。それなら、一緒に参加しようよッ!」
「えぇ、そうしましょう、アンナ」
「ふふっ、嬉しいなぁ。まさか、オフェリアちゃんと一緒にアイドルやれるなんてッ!」
「きゃっ、ちょっと、アンナ……」
あまりの嬉しさに抱き着いてきたアンナを、オフェリアが抱き留める。
そのままアンナを放すかと思いきや、しかしオフェリアはアンナを放すつもりは無いらしく、放すどころか彼女を両腕で強く抱き締めていた。
「……あの、オフェリアちゃん? そろそろ放してほしいんだけど……」
「どうしてかしら? 抱き着いてきたのはそっちでしょう?」
「そ、それはそうだけど……。オフェリアちゃん、苦しくないの……?」
「まさか。むしろ、私は貴女をもっと抱き締められるけど?」
「えっ? あの、ちょっと……」
「ふふっ、じゃあ、もっと強く抱き締めて―――」
「やめなさい、二人共」
「あぅっ」
どんどん顔を真っ赤に染め上げていくアンナの変化が面白く、より彼女と密着しようとするオフェリアだったが、その寸前に虞美人が彼女の頭を叩いた。
「全く、人目も憚らずイチャイチャイチャイチャと……。少しは周りの事を考えたら?」
「うわっ、ぐっちゃん自分の事棚に上げてる……」
「うるさいわね、爆発するわよ」
「やめてくれ……」
「それはやめてほしいなぁ」
まるで「自分達は例外だ」とでも言うように脅迫してきた虞美人に、カドックとプロフェッサー・Kが苦言を漏らす。
実際、人類とは異なる種族の精霊種である彼女ならば、たとえ爆発したとしても死にはしない。新たに肉体を再構成して復活するだけだ。しかし、外見は完全に人間のそれなので、爆発四散したという事実によってもたらされるスプラッター映画さながらの猟奇的な光景は見る者の脳裏に深く刻み込まれる。
それを軽々しく口にし、仮に許可したら本気でやりかねないのが質の悪いところである。
爆散されても困るので、オフェリアは仕方なくアンナを放す。
オフェリアからの拘束から解放されたアンナだが、「あっ……」と小さく名残惜しそうな声を漏らし、僅かに手をオフェリアに伸ばす。
「アンナ、そういうのは二人きりの時にしてくれないか?」
「あ、ご、ごめんね……」
目に見えてしゅんとするアンナ。その姿にオフェリアは、彼女に垂れ下がった犬耳と尻尾の幻覚を見た。
龍―――それもその頂点に君臨する“祖龍”である彼女を犬と例えるのはどうかと思うが、物は試しとこう告げてみる。
「安心してアンナ。今日も一緒に寝ましょう?」
「……っ! えへへ、うんッ!」
(あっ、尻尾振ってる)
その時、オフェリアは確かに、アンナの腰から伸びた、ぶんぶんと左右に振られている尻尾を再び見た。
「……首輪でもあったら買おうかしら」
「えっ……?」
「? どうかしたの?」
「う、ううん……? 大丈夫、気のせいだよ、うん、気のせい……のはず」
一瞬なにか怪しい言葉が聞こえた気がしてオフェリアを見やったアンナだが、当の本人は「なにも言ってませんよ」と示すようににこやかに返した。それに先程自分が感じた悪寒は勘違いだと決定づけ、アンナがオフェリアから視線を外す。
しかし次の瞬間、二人を見ていたプロフェッサー・Kは、仮面の奥にある瞳を僅かに見開いた。
オフェリアの僅かに開かれた、眼帯に隠されていない瞼。その奥にある左目には、ゾッとする程に燃え盛る、情欲の炎が宿っていたのだから―――。
「そ、それで、ボレアス達はどうするの? 私はアイドルやる事になったけど、君達もやる?」
「姉上が参加するのなら、私も参加する。どこまでも、貴女についていく」
「あァ、俺も同じだ。二度と姉ちゃんを一人にするか」
「う、うん。嬉しいけど、君達もしたい事があるなら、そっちを優先してもらっても―――」
「「姉上/姉ちゃんよりも優先する事なんて、あるはずがない」」
「な、なんか重いよ……?」
オフェリアが向けてくる情欲については知らないとはいえ、まさかの
しかし、彼らにこの状況を打破できる算段などあるわけもないので、誰もが目を逸らして彼女への助けを拒んだ。
「あははっ、それぐらいいいじゃないか、アンナ。愛されている証拠だよ」
「愛されているのは嬉しいけど、これは流石に……。まぁ、いいや。別に悪い気はしないしね」
「その通りよ、アンナ。私が貴女に対して『首輪をつけたい』とか、『おやつをあげたい』とか思ってるのもそれと同じよ」
「待って? 今なんかおかしな事言われなかった?」
「それで、シグルドはどうするの?」
「あっ、逸らしたッ! もう~ッ! 後でちゃんと聞かせてもらうからねッ!」
両腕をぶんぶんと振って怒りを表すアンナと、それを微笑みながら見つめる主という構図に、シグルドはなんとなく、生前の自分と
「そうだな……。では、当方は後方に回るとしよう。我が叡智の煌めきは、戦だけでなく経営でも活躍する。どうか期待してほしい、マスター」
伝説に曰く。
大英雄シグルドは、グニタヘイズの貪欲なる輝きの
力、頭脳、あらゆる技能において余人に勝る無双の大英雄として語られる彼は、戦闘面ではその全てを活用して勝利を手にする。しかし、今求められているのは戦闘力ではない。その卓越した身体能力であれば、アイドル活動も問題なくこなせるだろうが、彼は優れた知恵を活かせる後方支援を選んだ。
「わかったわ。頑張って、シグルド」
「了解。素晴らしい成果を約束しよう」
「頼もしい限りだね。これからよろしく、シグルド」
オフェリアとプロフェッサー・Kからの言葉に、シグルドは頷いて答えた。
「さて、これで全員決定したね。この後は君達が今後配置されるチームと、その集合場所を考えるから、そうだな……うん、一時間。一時間自由行動だ。我が社の談話室で社員達と交流を深めるも良し。街に繰り出して観光するも良しだ。あぁ、そうだ、これを持っていってくれ」
プロフェッサー・Kは引き出しから人数分の財布を取り出すと、それを順番にアンナ達に手渡してきた。
アンナ達が、いかにも高級そうな革張りのそれを開くと、中には冷徹な雰囲気を感じさせる長髪の女性が描かれた紙幣と、三人の女性の顔が刻まれた銀貨が入っていた。
「これって……モルガン?」
紙幣を眺めていたアンナがポツリとそう零すと、プロフェッサー・Kが僅かに顔を上げた。
「むっ、アンナは知ってるのかい?」
「まぁ、
「そう、彼女だよ。妖精妃モルガン、この異聞帯の頂点に君臨する“王”。そして銀貨に描かれているのは、彼女に仕える三人の妖精騎士。妖精騎士トリスタン、妖精騎士ガウェイン、そして妖精騎士ランスロットだ」
「モルガンに、円卓の騎士だって? 汎人類史じゃビッグネームの英雄じゃないか……」
プロフェッサー・Kから告げられた四人の妖精の名前に、カドックが目を見開く。
モルガンとは、汎人類史においては、歴史に名高いアーサー王の姉として語られる女性の名前だ。またアーサー王の死後、彼をアヴァロンへと導いたとも語られている。
そして、トリスタン、ガウェイン、ランスロットとは、アーサー王とは切っても切れない関係にある円卓の騎士の代表格である。その誰もが他と比べても見劣りしない伝説を残しており、サーヴァントとして召喚できれば強力な戦力になる事は間違いないと、カルデアの講義で学んだ記憶がある。
その四人が、このブリテン異聞帯の頂点に立っている―――その事実に、カドックは思わず固唾を呑んだ。
「だが、私達は彼女達と事を構えるつもりは今のところ無い。我々がそうするような要素が感じられないからね。だから、この話はこれでおしまいだよ。それじゃあ、一時間にまたこの部屋に来てくれ。その時に、君達が向かう部屋を教えるよ」
「わかったよ。じゃあ、行こうか」
プロフェッサー・K達に見送られ、アンナ達は部屋を出る。
「それで、みんなはどうする? 私はこのまま観光に繰り出そうと考えてるんだけど……」
「そうね……。なら、私も一緒に行こうかしら。流行の街だもの。どんなものが売ってあるのか、どんなものが流行しているのか、気になるわ」
「私は談話室に行くわ。あまりそういったものには興味ないし」
「では、私や項羽殿もご一緒します」
「そうねぇ……。じゃあ、私もショッピングに出かけようかしら。この街についても色々知っておきたいしね。アシュヴァッターマン、ついてきてくれる?」
「おう。荷物持ちは任せろ」
「あら、優しい。ありがとう」
「カドックはどうする?」
各々の今後の予定が決まり、アンナはカドックに今後の予定を尋ねる。
それに対し、カドックは険しい表情で返した。
「僕も談話室に行く。折角、この異聞帯の“王”とその騎士達の名前がわかったんだ。色々調べて、対策を講じておきたい」
「生真面目だねぇ。折角の
「生真面目で結構。これが僕の性分なんだ」
「なら、私も残ろうかしら。サーヴァントらしく、マスターのお手伝いでもするわ」
「……なにか企んでないか」
「なにかしら? まさかマスターともあろうものが、自ら手助けを申し出たサーヴァントを疑うのかしら?」
「君の場合は手伝いをするって言いながら悪戯してきそうなのが怖いんだ」
「心外ね。私、そんな事一度もした事ないのに……」
「……本当にしないんだな?」
「しません。本当に真面目に作業するのなら、私は邪魔しません」
「……信じてるからな」
「信じたいのなら、私に全力で作業する貴方の姿を見せなさい、マスター」
「……わかった。という事で、僕らも残る。ちゃんと時間通りに帰って来いよ」
「は~い。じゃあみんな、一時間後、また会おうねッ!」
そうして手を振りながら、アンナはオフェリア達を連れて会社から出た。
その後、アンナ達はよりグロスターについて知る為、別行動をする事になった。
結果、三人と四騎を三チームに分割して行動する事にし、アンナはオフェリアと、ボレアスはバルカンとシグルドと、ペペロンチーノはアシュヴァッターマンと行動するという方針に決定した。
「えへへ、オフェリアちゃんとデートだなんて、嬉しいなぁ」
「デートって……。まぁ、その通りね」
「そういえば、こうして一緒に出掛けたのって時計塔時代以来だよね。そう思うと、私達が最後に出かけたのってそんなに昔なんだね」
「確かに、カルデアに入ってからは、ずっと訓練とか勉強だったわね」
思い返してみると、確かにその通りだ。
時計塔に在籍していた頃は、場所がイギリスの首都ロンドンであっただけに、ショッピングや食事を一緒にする事も多くあった。しかし、カルデアに在籍する事になってからは、場所が場所という事もあったため、ショッピングに出かけたりは出来なかった。
そう思うと、自分達が最後にショッピングなどに出かけたのは数年前になる。アンナがこうして嬉しがるのも納得だ。
お互いに離れないようにと手を繋ぎながら歩いていると、オフェリアの視界にある店が飛び込んできた。
「あれって……」
「ん? どうしたの?」
「アンナ。少しだけ待っててくれるかしら」
「え? う、うん、別に大丈夫だけど……」
「ごめんなさい。十分ぐらいで戻るから」
そう言ってオフェリアはアンナをその場に残し、その店に入る。
そしてしばらく商品を吟味した後、これだと思ったものを一品購入し、退店。
「お待たせ、アンナ」
「ん、早かったね。なに買ったの?」
「見せてあげるから、ちょっと後ろ向いて?」
「え? ……こう?」
「そう。そのままじっとしてて」
後ろを向いたアンナに頷き、袋から先程購入した
「はい、終わり」
「え、あの、オフェリアちゃん……」
自分がなにを付けられたのかわからないため、首元に感じる違和感の正体を手探りで模索する。
その正体は、すぐにわかった。
「あの、なんで首輪……?」
オフェリアがアンナにつけたもの。それは―――首輪だった。
なぜ首輪を? そんな事を思い、振り返って問いかけると、オフェリアはわざとらしく首を傾げた。
「……なんとなく?」
「いや、なんとなくで首輪なんて買わないでしょ……?」
「でも、似合ってるからいいじゃない」
「や、オフェリアちゃんの美的センスを疑ってるわけじゃないんだよ? うぅ、なんでいきなり首輪ぁ……? しかもオフェリアちゃん、リード持ってるし……」
「つけてないからいいでしょう?」
「つけてたら変態だよ……」
誰が好き好んで、衆目の面前でリードに繋げられた首輪を装着して歩くのだろうか。それは最早デートではなく、ただの羞恥プレイである。
「安心して、アンナ。つけるのは夜にしてあげるから」
「えっ」
目を丸くして見つめてくるアンナに、オフェリアは満面の笑みを以て告げた。
「今日は
「ひゃ、ひゃい……」
アンナは震えた。
今夜、いったいどんな目に遭わされるのか。交代交代とはいえ、まさかこのような手段に出てきたオフェリアが、今夜はどんな事をしてくるのか、恐ろしくて堪らなかった。
それからというもの、アンナはデートに集中できなくなってしまった。
普段なら気に入りそうな服やアクセサリーを見ても、心ここに在らず。時間が経過して会社に戻り、自分達と共に活動するメンバーを紹介された時はなんとか気持ちを切り替え、その後のレッスンもこなす事が出来たものの、気を抜けば今夜の事を考えてしまい、悶々とするという繰り返し。
そして遂に来た夜が終わり、翌日。
アンナとオフェリアは、
練習パートはナレーションで片付けましょうかねぇ。練習パートまで書いていると、話が凄い長引きそうなので……。
そろそろカルデアのメンバーも出したいですが、その前にメリュジーヌ関連ですね。カルデアメンバーの登場については、そちらを終わらせてからですかね。
【『私の日』オフェリアメーター】
アンナに犬耳と尻尾の幻を見る……「お可愛い事……(20%)」
↓
アンナが尻尾を振る幻を見る……「お可愛い事……(二度目&40%)」
↓
デートで恋人繋ぎ……「そんなに笑ったりなんかして、誘ってるの?(80%)」
↓
首輪購入からのアンナに装着……「ブチ犯そ……(天元突破)」
次回もよろしくお願いしますッ!