【更新停止中】緋雷ノ玉座   作:seven74

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 ドーモ=ミナサン。
 初めてサバフェスに参加し、サーヴァント達の作る同人誌がどれも実際に読みたいものばかりで、とても楽しかったですッ!
 私は『ときめきアイアンウィップ』、『EVER DARK -永夜戦線-』が読みたいですねッ! アイアンウィップは恋愛模様、永夜戦線はデザインが好きです。特にシャルルの衣装が滅茶苦茶刺さりました……。
 そういえば、『妖精國の夏休み』では左上にアルビオンっぽい竜が描かれていましたね。個人的なアルビオンのイメージはマガラ骨格だったのですが、前足が長かったりと、少しミラ種に近かったのが意外でした。

 また、ガチャではミコケル以外は全員確保できましたッ! ミコケルも引きたいのですが、水着メリュジーヌに石を搾り取られてしまったのと、保険として100個は残しておきたかったので、残念ながらそこで断念しました……。

 今回は短いです。
 それではどうぞッ!



変貌

 

「私が、貴女の転生体……?」

 

 

 信じがたい言葉を前に、オウム返しにそう返してしまう。

 アンナはそんな私に頷き、周囲の空間を見渡す。

 

 

「ですが、先程も言いましたように、貴女が(わたくし)であるという事ではありません。転生体といえど、その精神の形は生まれ育った環境によって相違がありますから。貴女の精神が、そのまま私のものであった―――なんて事はありませんので、ご安心を」

「それでも、色々頭が混乱するわ……」

 

 

 もう私の頭は、情報量の多さに頭痛がしてきた。

 

 自分がシュレイド王国第三王女の転生体? 正直、信じられない。でも、彼女本人からそう言われ、さらには当時の映像も見せられては信じざるを得ない。たとえそれが、あまりにも荒唐無稽な話であってもだ。

 

 

「……アンナは、貴女をずっと探していたのね。貴女というよりは、どこかに転生しているであろう、貴女の魂を」

「はい。私の最期の我儘が、本来であればどこかのタイミングで内海へと戻っていた彼女を、この世界に留めていました。……そうして彼女が出会ったのが、貴女というわけです」

「……そう」

 

 

 最早、どう返せばいいのかわからない。

 返答する為の言葉すら思い浮かばないでいると、なにかを勘違いしたのか、アンナが「……申し訳ございません」と頭を下げてきた。

 

 

「貴女がこのような事態に巻き込まれてしまったのは、全て私の責任です。そうでなければ、貴女はきっと命を狙われる事はなかったはず。もしかしたら、ルーツとの出会いすらも……。本当に、なんとお詫びすればよろしいか……」

「ぇ……あ、ちっ、違うの。貴女に対して悪感情を抱いていたわけではないの。ただ、色々と混乱していて……」

 

 

 それに―――と、私は続けて告げる。

 

 

「私は、幸せなの。生前(かつて)の貴女が、自分の魂が転生すると彼女に伝えたからこそ、私はあの(ひと)と―――ルーツと出会えた。だから、貴女が謝る必要は無いの」

 

 

 自分がアンナの転生体だという事には、心底驚いた。

 でも、それが悪い事であるとは決して思わない。

 

 だって、彼女のお陰で、私はルーツと出会えた。彼女と出会えたからこそ、私は変わる事は出来た。

 時計塔で彼女と出会い、たくさんの事を経験して、今の私が()る。

 

 それに、彼女は『自分の魂が転生する』という未来を実現させただけで、『オフェリア・ファムルソローネとして転生する』という未来を選んだわけではないのだ。もしかしたら、私ではない別の誰かに転生した場合だってある。なのにそれを謝られても、私にはそれを責めるような理由にはならないのだから。

 

 

「……本当に、ありがとうございます」

 

 

 言葉を終えた私に、アンナは深く頭を下げてきた。

 頭を下げる必要は無いと思って彼女に頭を上げるよう促すと、彼女は素直に従ってくれた。

 

 

「申し訳ございません。まさか、そのような事を言ってくださるとは思っておらず……」

「いいのよ。私も貴女も、こうなるとは思っていなかったんだから」

「ですが、それでも申し訳なさでいっぱいです。ただ助かるだけならば良かったのですが……」

「……なに?」

 

 

 途中で言い淀んだアンナに、少し嫌な予感を覚える。

 まさか、またなにか新たな情報が投下されるというのだろうか。これまで教えてもらったもの以外に、いったいどんな情報が残されているのか―――再びアンナに訊ねようとした、その時だった。

 

 

「―――あ、れ……」

 

 

 突然、全身の感覚が狂い始めた。

 先程まで安定していた視界が一気に歪み、全身から力が抜けていく。しかし、力が抜けたと思った箇所がいきなり治ったり、または先程まで普通だった部位の感覚が完全に消えたりと、通常では有り得ないようなあべこべなもので、今自分がどんな状態なのかを把握出来ない。

 

 

「―――そんな、まさか、対抗し切れなかったというのですか……ッ!?」

 

 

 視界が明滅を繰り返す中、妙に鮮明な声が聞こえる。

 いったいなにが、と訊こうとする口も、今となっては掠れ声を出すだけで使い物にならない。

 

 

「答える必要はありません。ただ、集中して私の言葉に耳を傾けてください。その状態でこのような事を言うのは酷ですが、貴方の今後についての話ですのでッ!」

 

 

 両足の感覚が無くなり、顔面を床に強打したような痛み。

 予期していなかった痛みに一瞬思考が途切れるが、それでも私は言われるがまま、彼女の言葉に意識を集中する。

 

 

「私は先程、貴女の魔術回路に自身の魔力を結合させ、ルーツもまた、貴女に自らの血を与えたと言いました。人間の肉体に、サーヴァントと“祖龍”の力を受け止める容量などありません。私の魔力は、貴女を破裂させかねなかったルーツの力と相殺し合っているため、そのような事は起こり得ませんでしたが……恐らく、僅かながらルーツの方が勝っていたようです。その影響で、貴女の肉体には大きな変化が生じているはずです」

 

 

 ルーツの血が、私の現実世界の体に影響を与えている?

 それはどんな影響か。良いものなのか、それとも……。

 

 

「ですから、心を強く持ってください。そして、決して……決して、ルーツを責めないでください。彼女の行動は、貴女に未来が残されていたからこそ取ったものですから」

 

 

 ……なんだか、体中が熱い。

 内臓が溶け、骨が崩れ、意識が混濁としてくる。

 

 まともな思考が出来ない。

 それでも、彼女の言葉は聞き取れた。

 

 そのまま、私の意識は消えていった―――。

 

 

 

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「―――は……っ!」

 

 

 肺に溜まった息を勢い良く吐き出し、オフェリア・ファムルソローネは目を覚ました。

 

 

(……この天井は、見た事があるわね)

 

 

 何度かの瞬きをした末に視界に収めた簡素な模様が描かれた天井は、この異聞帯に来てから何度も目にしたアルム・カンパニーのもの。

 そして軽く上半身を起こしてみれば、自分の腹から下はふかふかの掛け布団で隠されていた。

 その事から、今自分はアルム・カンパニーにあるどこかの部屋にいるのだと理解できた。

 

 

「そうだ、傷……」

 

 

 そして、次に気になったのはベリルによって刺されたであろう背中。

 意識を失う前と比べ、随分と軽くなった腕(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)をベリルに刺されたであろう箇所に回すも、これといった痛みはない。これが、アンナとルーツの救護活動のお陰なのだろうか。

 

 だが、アンナは最後、ルーツの血が自分の体に影響を与えていると言っていた。その影響がどこに出ているのか、オフェリアにはわからない。

 

 なにはともあれ、九死に一生を得たようで良かった―――と、「はぁ」と安堵の息を吐いて瞼を閉じた、その時だった。

 

 

「―――ぁッ!?」

 

 

 これまで体験した事のない感覚が、オフェリアの脳を襲った。

 思わず閉じていた瞼を持ち上げ、周囲を見渡す。

 

 だが、先程視たもの(・ ・ ・ ・)は、どこにもない。

 

 気のせいか? と思うのも束の間、勘違いかもしれないという一縷の望みを賭け、もう一度瞼を閉じて―――。

 

 

「ぁ……あァッ!?」

 

 

 それが勘違いではなかったと、後悔する事になった。

 

 それは―――光だった。

 それも一つではない。十、百、千……いや、その程度では数え切れない無数の光が幾つもの河を作っており、瞼を閉じて見えないはずの視界を漂っている。

 

 さらに、予想外の事態がもう一つ。

 

 瞼が持ち上がらないのだ。まるで昔からそうであったように、瞼が完全に塞がってしまっている。

 故に、オフェリアの脳はこの正体不明の河から得てしまう情報量を即座に処理する事が出来ない。

 

 どうすればいいのかわからず、ただ呻き声を上げていると、バンッと勢い良く扉を開け放つ音が聞こえた。

 

 

「……ッ!! オフェリアちゃんッ!」

「ァ……ンナ……ッ!? 私、どうなって……ッ!」

 

 

 悲鳴にも等しい声を上げて駆け寄ってきた女性―――アンナは、オフェリアの言葉に応えずに彼女の頭を両手で抑える。

 

 

「いいッ!? 深呼吸をして、気持ちを落ち着かせてッ! 慌てちゃ駄目だよ。今の君じゃ、それ以上慌てたら脳が焼き切れるッ!」

「―――ッ!」

 

 

 鬼気迫る声。

 言われるがままに深呼吸で焦った気持ちを落ち着かせる。何度かそれを繰り返していると、少しずつ目の前の光の河に慣れてくると、ほっとアンナが息を吐いたのが聞こえた。

 

 

「……うん、もう大丈夫。目を開けていいよ」

 

 

 頭に触れていた手が離れ、オフェリアは瞼を持ち上げる。

 そして、彼女の視界に、先程まで会話をしていた人物と瓜二つの外見をした女性が映り込んだ。

 

 

「アンナ……それとも、ルーツ……?」

「なんで迷って……そっか、“彼女”と会ったんだね。うん、それなら、ルーツでいいよ」

 

 

 自分の名前を呼ぶ時に迷う素振りを見せたオフェリアに首を傾げたアンナ―――ルーツだったが、彼女の様子から事情を察したのか、そう答える。

 

 

「私、どれくらい眠ってたの? それに、今のは……」

「二日ぐらいだね。一か八かの処置で、君が助かる可能性は限りなく低かったから、このまま目覚めないんじゃないかって怖かったよ。……それでね、さっき君が視たものだけど……それって、光の河みたいなものだった?」

「えぇ。教えて、ルーツ。あれはいったいなんなの? 私、どうなっているの……?」

「……話すより、自分の目で見た方がいいかも」

 

 

 おいで、と差し出された手を握り、彼女の介護を受けてベッドから下りる。

 彼女に手を引かれるまま椅子に座らされた私は、何気なしに目の前の鏡を見て―――驚愕した。

 

 

「これ、は……」

「……本当なら、私の血の力を、アンナの魔力が抑えてくれるはずだった。でも、あの時の私は正常な判断が出来なくて、かなり多めの血を君に与えちゃったの。そのせいで、君の体には龍種(わたしたち)の力の一部が宿ってしまった」

 

 

 さっきまで視えていたのは、魔力の流れ。自分達龍や、それに連なる竜種が視る事のできるものの中でも代表的なもの―――頭上から聞こえてくる声が、自然と脳に溶け込んでいく。

 

 アンナと会話していた時にはあれ程混乱していたというのに、今ではそれがすんなりと理解できてしまう。

 

 

「まだそれだけ(・ ・ ・ ・)で済んでいるのが奇跡なぐらいだよ。“祖龍(わたし)”の血の濃さは並みの竜種の比じゃない。場合によってはすぐに全身が変異(・ ・)してもおかしくはなかった」

 

 

 思わず目元に手を当て、軽く動かす。

 そうしただけで、それ(・ ・)はより大きく、オフェリアに現実を叩きつけてきた。

 

 

「……ごめんなさい。貴女を護りたかったのに、こんな事になってしまって……」

「…………いいの。貴女に悪気はなかった。私もきっと、その時の貴女と同じ立場なら、きっと同じ事になっていたと思うわ」

 

 

 心の奥底から、モヤモヤとした不快感が込み上げてくる。

 しかし、それを彼女達にぶつけるのはいけないと。どちらも自分達の為すべき事を全力でやっただけなのだと考え直し、込み上げてきた不快感を掻き消す。

 

 

「そう、私……」

 

 

 鏡に映る、オフェリアの瞳は。

 

 

「……もう、人には戻れないのね」

 

 

 既にヒトのものから―――龍の眼へと変貌していた。

 

 

 

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 妖精國ブリテン上部、湖水地方。

 汎人類史ではイングランドの北西部、カンブリア群に位置している場所で、イギリス観光の名所の一つとして知られている。大小無数の湖が点在するリゾート地としても親しまれており、ある地域においては世界遺産としても登録されている。

 

 だが、妖精國における湖水地方は、汎人類史のものとは似ているようで違う箇所が多い。

 北部妖精の聖地であるこの場所に出現するモースは、他の地域と比べ強力で、並みの妖精では瞬く間に殺されてしまうため、とても観光地にはなり得ない。

 そして、最大の違いを挙げるならば、遠目に見てもわかる程巨大な枯木だ。

 

 しかし、今回語るべきはそこではない。

 

 今回焦点を当てる場所は、その枯木に近い場所。それなりに大きい沼地の上空に、バサリ、と傘をさす音が響いた。

 

 

「……ここですか」

 

 

 フリルのついた緑色のドレスに身を包んだ女性―――コヤンスカヤは、自らの眼下にあるそれ(・ ・)を見下ろす。

 

 それは、巨大な骨だった。

 半分ほど沼地に沈んでいるためにその全容は把握できないが、それでもかなりの大きさだ。それを視界に収めたコヤンスカヤは、次いで視線をその周りに向ける。

 

 

「…………」

 

 

 そこにいるのは、それなりの数のモース。そして、姿こそ見えないものの、モースとは別の気配も感じる。だが、気配については大きなものだが、微かに揺らめいている様子からなにかしらの残滓に近いものだろうと結論付ける。

 

 周囲の確認を終えた、コヤンスカヤは「はぁ」と鬱陶し気に溜息を吐いた。

 

 

「少し面倒ですが、大事な作業なので周りを綺麗にしましょうか」

 

 

 獣としての己の力の一部を解放。

 コヤンスカヤの全身から溢れ出した魔力の奔流が、地上にいるモースとなにかしらの残滓に伝わり、彼らに本能的な恐怖を与える。

 

 瞬く間に邪魔な者達が一斉にこの場から離れていくのを確認してから、コヤンスカヤはゆっくりと骨の上に降り立つ。

 

 

「ふふっ、さて、お楽しみのお時間と行きましょう♡」

 

 

 邪魔者を追い払い、これで安心できるとばかりに邪悪な笑みで指を鳴らす。

 どこからともなく現れたNFF印のバリケードテープが周囲の木々の間に張り巡らされていく。

 

 いよいよここから始まる大仕事。これが完了すれば、自分は新たな戦力を獲得できる。腕が鳴るというもの―――だというのに。

 

 

「……なんでしょう。なんか、とても嫌な予感が……」

 

 

 この全身が怖気立つような感覚は、いったいなんなのだろうか―――。

 

 

 

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「ぅ―――ッ!?」

「オフェリアちゃんッ!? どうしたのッ!?」

 

 

 突然苦しみ出したオフェリアに、紅茶を淹れていたルーツが駆け寄ってくる。

 

 肩を掴まれる感覚を覚えながら、しかしオフェリアの視界は彼女を映していない。

 

 

(これ、は……)

 

 

 それは、明らかにこの部屋のものではなかった。

 

 見覚えのない森の沼地。

 そこからぞろぞろと、靄のような存在―――モースがなにかに追いやられるように逃げていく。

 冷たい風が吹き抜けるその場所には、自然界には相応しくないバリケードテープが張り巡らされており、その奥に、白く巨大ななにかが見える。

 全容は見えないが、明らかになにかしら巨大な生物の骨格と思しきその上に立つ、邪悪な笑みを浮かべた緑色のドレスを羽織った女性の姿。

 そして、彼女は目の前にいる何者か達を、なにか悍ましい巨大な竜らしきものに襲わせようとしていた。

 

 

(知りたい……もっと、もっと見せて……ッ!)

 

 

 それがどこの光景なのか、オフェリアにはわからない。しかし、この映像についての情報をより多く集めようと、オフェリアはこの映像が続く事を願う。

 だが、そんなオフェリアの願いは叶わず、映像はブレーカーを落としたようにブツリと途切れてしまった。

 

 

「っ―――はぁっ、なに、今の……」

「なにかあったのッ!? どこか変な感覚はないッ!?」

「だい、じょうぶ……」

 

 

 ズキズキと痛む頭を抑え、焦った表情のルーツに応える。

 

 

「……ルーツ、貴女達の力に、未来視とか遠視の力はある?」

「え? うん、あるよ。龍/竜種(子ども達)創った(産んだ)時に与えたから、私にはもうその力は残ってないけど……。もしかして……なにか視えたの?」

 

 

 頷き、オフェリアは先程見た映像の内容を話す。

 逃げていくモースの奥に見える沼地。そこに鎮座する巨大な生物の骨に、その上に立つ女性。彼女が使役していると思しき、悍ましい巨大な竜らしきなにか。

 

 一つ一つ話していく内に、ルーツの瞳は大きく見開かれ、そして眉が顰められた。

 

 

「……オフェリアちゃん。もう少し、その場所についてわかってる事はある?」

「わからない。でも、モースの姿が見えたから、この異聞帯のどこかにいるのは確実だと思う」

「……わかった。ありがとう、オフェリアちゃん」

「ルーツ?」

 

 

 言い終わるが否や立ち上がったルーツは、オフェリアの視線を背に受けながら扉へと向かっていく。

 

 

「ごめんね、オフェリアちゃん。多分、それは私が出向く案件だと思う。―――いるんでしょう? シグルド」

 

 

 ルーツが軽く顔を動かせば、壁際に霊体化を解除したシグルドが現れる。

 

 

「シグルド? いつからそこに……」

「最初からいたよ。でも、私と君が色々話していたから出てくるタイミングを窺っていた……そんなところでしょ?」

「肯定。我がマスターよ、無事でなによりだ」

「あ、ありがとう……。それにしてもルーツ、よくわかったわね。私みたいに、彼と令呪で繋がってるわけじゃないのに」

「私の眼は、さっき君が視た魔力の河を視れるけど。それ以外にも色んなものが見えるんだ。瞼を閉じなくても霊体化しているサーヴァントに気付けるし、魔力の痕跡を辿る事も出来るの」

 

 

 多分君は、魔力の河しか視られないと思うけど―――そう言い終え、ルーツはオフェリアからシグルドに視線を移す。

 

 

「シグルド。後でボレアスにここに来るように言っておくから、もしオフェリアちゃんになにかがあったら、彼と協力して対処して。私はバルカンを連れて、オフェリアちゃんの言った骨を探しに行く」

「待って、ルーツ。さっきの骨に、なにか心当たりがあるの?」

 

 

 ドアノブに手をかけたところを呼び止められ、ルーツは「確証はないけど」と振り返る。

 

 

あの女(コヤンスカヤ)が、ただの骨を狙うとは思えない。その骨は多分、あいつが自ら出向いてでも欲しがるもの……」

「……まさか」

 

 

 そこで、オフェリアは思い至った。

 彼女が顔色を変えて探そうとするもの。コヤンスカヤが手に入れようとする程のもの。

 

 そしてこの國には、それに関連のある妖精がいる(・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・)

 

 つまり、彼女が探し出そうとしている骨の主は―――。

 

 

「そんな事はないと思うけど、もしその骨があの子(・ ・ ・)のものなら……。絶対にあいつには渡さない……ッ!!」

 




 
・『オフェリアの現状』
 ……ルーツの血により変異。種族も人類種から竜種に近くなっている。アポクリファのジーク君に近い状態。まだ鱗などは出ていないが、瞳が爬虫類のそれになっている。

・『オフェリアの未来視』
 ……アンナの千里眼とオフェリアの魔眼が重なったもの。任意で発動できず、予期しないタイミングで起こる。アンナの魔力が彼女の魔眼に影響を与えた事による産物。

・『ルーツの眼』
 ……星より与えられし、あらゆるものを見通す万能の眼。魔力の流れ、他者の意識、相手を確実に絶命させる線、あまねく未来/現在/過去など、その総てを見通す。しかし、ボレアス達を創造した際にこれらの力の大半は彼らへと移り、彼らの死後はまた別の何者かに移った。あらゆる魔眼、千里眼のオリジナル。

・『コヤンスカヤ』
 ……母娘にボコされる未来が確定した。


 ルーツとアンナの呼び方ですが、キャラクターごとに変えようと思っています。オフェリアならルーツ、カドック達ならアンナ、という感じです。文章もキャラごとに名前を使い分けていこうと思っているのですが、読みづらいですかね……?

 次回はルーツぶち切れ回ですッ! それではまた次回ッ!
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