ベディ卿に士剣好きが憑依したようです。   作:割れコップ

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ゴッホちゃん出なかった記念に投稿しました。


そのいち

 ベディヴィエールに憑依した。

 

 事の起こりは本当に唐突で最初は自分が誰かも、いつの時代のどこに存在しているのかもわからなかった。

 

 しかし、記憶を喪っているわけでもないらしく、混乱から抜け出すと円卓という己の立場とベディヴィエールという名前をしっかりと認識できた。

 

 どうやら憑依といっても元からのベディヴィエール卿の記憶がどこぞに消失したわけでもないらしく、俺という自意識がベディ卿の体に上乗せ、渾然一体となっているような状態らしい。

 

 よくわからない? 

 

 大丈夫だ。言っていて自分でもよくわからん。

 

 が、まあそれは良い。わからんことは置いておこう。

 

 そんなことより問題なのは、『はー俺がアーサー王伝説の登場人物かよスゲー』と半ばヤケクソ気味に感動していたらそれを怪訝に思い親しげな声をかけてきた男が赤髪の細目だったことだ。

 

 おかしいなー、どっかで見たことあるんだよなー。

 

 てか、君はもしや某スマホゲームの六章で散々俺を苦しめたトリさんなのでは? 

 

 いや、それ以前になんか会議中だよね、いま。

 

 見たことある顔がちらほら並んでるし、その中に王冠かぶった金髪超美人いるしさ。

 

 あのね、俺知ってるよ! このコ、アーサーくんじゃなくてアルトリアちゃんって言うんだよ! 

 

 

 …………マジかよ。アーサー王伝説はアーサー王伝説でも、型月世界だわココ。

 

 

 

 ベディ卿に士剣好きが憑依したようです。そのいち

 

 

 

 

 どうもベディヴィエール(偽)です。

 

 あれからそれなりの時が経ちましたがどうにかこうにか円卓の騎士として過酷なこの世界を生き抜いています。

 

 スペック的には末席とはいえ円卓だからね。人間関係に気を遣いつつなんとかお仕事がんばってますよ。

 

 でだ。まがりなりにも原作知識もって作中それなりのポジのキャラに憑依したわけだからして、俺も色々悩んだんですよ。

 

 ほら、あるじゃん。

 

 俺tueeからのブリテン救済とか、二次創作でよく見る諸々の原作改変。

 

 せっかく憑依したんだし、いっちょやってみっか! ってさ。

 

 

 結論からいうと無理だったわ。

 

 スペック的にもそうだけど、まずどうすればブリテンの窮状を良くできるか考える頭と知識が俺にはない。なかった。

 

 それに加えて素晴らしきかな世界の修正力。

 

 俺がどう足掻いても結末は変わらない。

 

 カムランの丘へ至る過程に多少の変化はもたらせても、どうあれブリテンは滅びを迎える。

 

 手を尽くしたつもりでも我が王が鞘を失った時点で、なんとなくそう理解できてしまった。

 

 ありがたいことに宮廷魔術師のお墨付きである。

 

 だから割り切った。

 

 滅びは避けられない。

 

 なら、まず何よりも我が王アルトリア・ペンドラゴンの最期が救われたものであるように行動しよう。

 

 うん、わかるよ。嫌な割り切り方だよな。

 

 いまのこの世界を現実として生きている時点で、既に俺を取り巻く彼、彼女たちはゲームのキャラじゃない。

 

 それがわかっていながらアルトリアという好きな1キャラの最終的な幸福最優先ってのはろくでもないよな。

 

 原作ではどうか知らないけどさ、いまの俺には仲間たちだけじゃなく、息子も娘(アムレンとエネヴァウク)もいるんだぜ。

 

 それなのに我が王第一って本当にどうかと思う。

 

 けどさ、ベディヴィエール卿言ってたよね。『王を想う心あればこそ!』って。

 

 言い訳に聞こえるかもしれないけど、そういう忠義とかがこの体には強くこびりついていて、それに引っ張られているところもあるんだわ。

 

 行動原理の根本がどうしても我が王第一になってしまう。

 

 まあ憑依する前の俺からして、士剣ファンだったからね。仕方ないね。

 

 

 ということで、いまの俺の使命は我が王が士郎くんとの黄金の別離(Stay night)を経て運命の再会(Last episode)をするまで、少しでも心安く国を治めて頂く為の陰に日向にのお手伝いだ。

 

 我が王と他の円卓たちの関係の潤滑油になったりね。

 

 多少だが功は奏していると思う。

 

 この前我が王笑ってくれたんだよ。天使ですわ。

 

 

 ん? なんですかトリスタン卿。え、飲みに行こう? 

 

 そうやって女口説きに行く前に仕事しろよオラァ! 

 

 我が王ファンクラブの布教活動も今季のノルマ終わってねぇぞ! 

 

 ランスロット卿見倣えや! 彼奴めは期間前半にノルマこなしとんのやぞ。

 

 なぁおい頼むよ本当に。

 

 円卓の結束が未来に関わるんだからさぁ。

 

 

 

 大前提として。

 

 滅びの運命は変えられないと悟りはしたけれど、俺なりに抗うだけは抗うよ、うん。

 

 

 

 

 

 

 トリスタン「私はベディ卿の心がわからない」

 

 




 プロローグのおおよその流れ(ガバ)としては



 士剣推しのモブプレイヤー(知力5くらい)がベディヴィエールに憑依

 ↓

 ベディヴィエール(偽)、ブリテンの滅びに抗うために奔走(良い結果を出せるとは言っていない)

 ↓

 所々相違点はあれど、結局ブリテン滅びる

 ↓

 アルトリア、少し異なるZERO、SNの物語を経てFateルートエピローグへ

 ↓

 ところがベディヴィエール(偽)、王をアヴァロンに送り出すつもりが聖剣返還に失敗という痛恨のミス

 ↓

 アルトリア、聖槍を携え彷徨える亡霊の王になると思いきや愛の力(ガチ)で神霊化キャンセル、身体的には槍王くらいまで成長し今度は生身のまま永き時を経て士郎救済のため第4次直前の冬木へ

 ↓

 どうにかアヴァロンに辿り着きそれを知ったベディヴィエール(偽)、王に聖剣を届ける(生士剣てぇてぇする)ため自らも冬木に乱入



 てな感じで進展する予定です。よろしくお願いします。
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