天竜人とはどんな存在か?
一言で言えばこの世で最も最悪な存在と言えるだろう。
地上にいる人々を家畜のように扱い、ボロ雑巾のようにする。少しでも気に入らないことがあればその人物は簡単に殺されてしまうか、オークションで売り飛ばされてしまうことがほとんどである。
普通に考えればそんなこと地上の人々は絶対に許さないだろう。
しかし天竜人はそれが許されてしまうのだ。
天竜人は神の末裔と言われ、世界政府に守られているからだ。
そのためもし天竜人に手を出せば海軍大将の赤犬、青キジ、黄猿の誰かがその存在を必ず排除しに来る。
海軍大将達は大将と呼ばれるだけありかなりの実力者だ。ロギア系悪魔の実を3人とも食べているため覇気を使えない奴ならまず相手にもならない。そのため海軍大将とわざわざやり合う奴などそうそういないのだ。
後ろに海軍大将がついてるためかその影響で天竜人は傲慢で屑な奴がほとんどなのである。
だからこそ…
僕は天竜人という存在はこの世から消えるべきだと思っている。
◯
ある日のこと、聖地マリージョア内の広々とした自然豊かな庭。
多くの木々と植物が立ち並び、どこからともなく小鳥の囀りが聞こえている。
「ふわぁ〜…穏やかだなぁ…」
そんな庭である少年が木の上にもたれ掛かりのんびり昼寝をしていた。
雪のように白い髪、宝石のような輝きのある青い瞳、誰もが魅了されそうなほど整った顔立ち。
そんな少年の名は、ノルシュタイン・ギルレッド
世界貴族、天竜人の一人である。
天竜人は極悪非道な奴らがほとんどだがこの少年は天竜人の中では優しい部類である。
自由奔放なところは問題ではあるが……。
「ようやく見つけましたよギルレッド様」
すると突如隣から黒髪で褐色肌の美女が現れた。
彼女の名はセリシア
昔お忍びでシャボンディ諸島に行った時たまたま奴隷オークションに出品されそうなところを僕が買い取り助けたのが出会いだ。
それからというものセリシアは僕のことを慕い今では僕の専属護衛として働いている。
「ん、セリシアか…何か用事ごと?」
「はい、先程モストレア様が部屋に来るようにとおっしゃっていました」
「モス爺が?なんだろう」
「わかりません、来てから話すとのことですから…」
モス爺が僕を呼ぶとか何かしらあるよな……。
「ま、とりあえずモス爺のところに行くか!」
そう言って僕は木の上から降りてその場から一瞬で消えたのだった。
「また勝手に能力を使って…」
そう言いセリシアはその場から離れた。
◯
〈モストレアの部屋〉
「ふむ…またあの馬鹿どもはふざけたことを…」
胸元まで伸びた髭、女性のように長い白髪、70代とは思えない程の若々しさを感じる顔立ちの老人が部屋で書類を見て顔を顰める。
この老人の名は ノルシュタイン・モストレア
世界貴族、天竜人の一人である。
彼は他の天竜人と比べてとても優しく穏やかな性格をしており、とてもできた人格者である。彼は密かに奴隷たちの解放を実行しており、過去に数百人の奴隷たちが彼により救われてきた。
そのためノルシュタイン家では他の天竜人と比べ奴隷の数が少ない。
残っている奴隷たちも身寄りのない者たちがほとんどであるし、食事、寝床、自由時間はしっかりと与えられているためうちの奴隷たちはかなりの忠誠心がある。
シュッ
「モス爺来たよ〜それで用って何?」
「またお主は突然と…まぁいつものことかの」
モス爺は見慣れた光景なため呆れた顔をしていた。
「今更でしょ?それより早く」
「わかったわい、お主を呼んだのは実は頼みたいことがあるからじゃよ」
「頼み事?」
「うむ、お主は2日後にシャボンディ諸島で奴隷オークションがあるのは知っているかの?」
「あぁ確かそんなのあったね…僕はあそこ嫌いだからあんまり行くことないけど」
あの奴隷たちの絶望した顔とか見てて辛いし、あの糞天竜人たちがその奴隷たちを平然と落札して家畜のように扱うのが胸糞悪いし。
「うむ、それには儂も同感じゃが、少しでも奴隷たちを解放してあげるにはその奴隷オークションに行かねばならんからの」
「まぁね、それでその奴隷オークション関係でどんな頼むがあるの?」
「あぁその2日後のオークションに儂の代わりにお主が参加してほしいのじゃ、儂は急用ができて行けぬからな」
「えぇ…マジかよ…」
「そこをなんとか頼む、それにもし行ってくれたらしばらくお主の世界旅行を許可しようと考えとる」
「マジで!! それなら行く!絶対行くよ」
やったぜ!前にモス爺にバレてからここ数ヶ月まともに旅できてなかったからね!
モス爺は基本は穏やかな性格だけど怒ったら怖いし、何よりあの罰がかなりキツい…
「うむ、良い返事が貰えて良かったわい、それじゃ2日後頼んだぞ」
「わかった!じゃあ僕は色々準備してくるね!」
そう言って僕は瞬時に部屋から消えた。
「……まったく…あの時アレを落札しなければあ奴が容易に旅に出ることもなかったものを…」
そう言ってモストレアは自身のした過去を思い出し、恨んだ。
◯
〈ギルレッドの部屋〉
「ふん♪ふん♪ふーん♪最高の気分だなぁ〜」
部屋に戻ってから今の僕の気分は空島のように高い。
(旅に出たらまずどこに行こうか? 過去に行った場所ならいつでも行けるし、とりあえずは適当に飛び回って行くかな)
(あぁ早く旅に出たい…そして未知の食べ物や景色を堪能したい…)
これからのことを想像すると思わず涎が出てしまった。
「ずいぶんと気分がよろしいようですねギルレッド様」
すると部屋にセリシアが入ってきて呆れたように僕を見ていた。
「セリシアか、もちろん気分は最高だね!なにせモス爺から旅の許可が出たのだから!」
僕はスタップを踏みながらそう言った。
「!モストレア様が許可されたのですか!」
意外だったのかセリシアはかなり驚いていた。
「うん、2日後のオークションに代わりに行く代わりにって条件でね」
「はぁ…またギルレッド様の長い旅が始まるのですか…」
セリシアは過去の旅を思い出したのかとても疲れた表情をしていた。
「別に無理してついてくる必要はないよ?」
ぶっちゃけ一人で行くほうが楽だし
「それはいけません!ギルレッド様は何をするかわからないので!」
「えぇそんなことないと思うけどなぁ」
僕がしたことと言えば海賊船をぶっ壊したり、海軍本部に茶菓子食べに行ったり、四皇達に会いに行ったりしたくらいだけどなぁ…
何がいけないんだ?
「仮にもギルレッド様は世界貴族の1人なのですから私も絶対についていきますからね!」
「ちぇー…わかったよ」
まぁ仕方ないかな…旅できたらいいし
「はぁ…ギルレッド様が
「えぇそんなこと言わないでよ、僕は気にいってるんだからさ」
そう、僕は実は過去に悪魔の実を食べたことがあるのだ。
その悪魔の実の名はスペスペの実
能力はどんな場所にでも自由に亜空間を作り出すことができるというものだ。
そのため人や物などを亜空間に収納することができるし、亜空間を通じて瞬間移動みたいなこともできるのだ。
この能力を利用することで僕は世界中を自由に旅することができ、僕が行った場所を記憶していれば聖地マリージョアからその場所まで一瞬で移動することもできる。
ぶっちゃけ超便利な能力である。
ではどうして天竜人である僕が悪魔の実の能力者になったのか?
それは幼少期にモス爺がたまたまオークションで落札したスペスペの実を僕が好奇心で勝手に食べたからだ。
ちなみにその時モス爺には僕は泣くほど怒られた。
あの時のことは今でも覚えている。
しかしアレは本当に不味かったなぁ…さすが悪魔の実と呼ばれるだけはあるよ。
後悔も反省もしていないけどね。
◯
そして2日後
「ギルレッド様、準備が整いましたのでこちらへ」
セリシアがそう言い僕を天竜人専用の巨大船に案内を始める。
「さてと…それじゃ行きますかね…奴隷オークションに」
そう言って僕はゾロマスクとダサい天竜人専用の服を着てシャボンディ諸島の奴隷オークションに向かうのだった。
初めて書くためうまく書けたかわからないけどどうぞよろしくお願いします!