自由奔放な天竜人   作:アットホーム

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書くのめちゃ疲れた…なかなかうまくまとまらなかった…腹減った。
とまぁこれからもちょくちょく頑張って投稿頑張りたいと思います。
変なところ多そうだけど…
やっとマリージョアから出られる…


出発の日の出

 

 

 

 

〈ギルレットの部屋〉にて

 

「zzz…へへへ…りんごがいっぱいだ…」

 

広々とした部屋の大きなベットの上でギルレットは寝言を言いながら気持ちよさそうな顔で眠っていた。

部屋の窓の外では朝日が昇り始め聖地マリージョアを徐々に明るく照らし、そして部屋の窓から入り込む日の光が1日の始まりを告げていた。

 

 

ガチャッ

 

 

すると部屋の扉が突如開けられて1人の女性が部屋の中に入ってきた。

 

「……ギルレット様朝です起きてください」

 

部屋に入ってきたのはセリシアであり、彼女はいつもの仕事モード顔でギルレットの眠るベットに近づき、揺さぶりながら起きるよう呼びかける。

 

「zzz…親方…空からパイナポーが…zzz…」

 

「朝です起きてくださいギルレット様!」

 

次にセリシアはギルレットの頬を引っ張り耳元で起きるよう呼びかける。

 

「zzz…セリシア早まるな……そいつはバナナだ…zzz」

 

だがこれでもギルレットはピクリとも起きません。

 

「いったいどんな夢を見てるんですか…はぁやっぱりアレを出すしかないですね」

 

呆れながらそう言うセリシアはこれでも起きないのを確認するとすぐさま手慣れたようにあるものを袋から取り出す。

 

「はぁ…毎回思いますがなんでこれで起きるのか謎です」

 

そう溜め息を吐くセリシアが袋の中から取り出したのは真っ赤なりんごである。

 

ポイッ

 

そしてセリシアはそのりんごをギルレットが眠るベットに放り投げます。

 

するとあら不思議

 

ガブッ

 

ギルレット君は反射的にベットから起き上がると投げられたりんごを犬のように口でキャッチしてあっという間に芯まで食べてしまうではありませんか。

 

「もぐもぐもぐもぐごっくん……うまし!」

 

投げられたりんごを食べ終えると笑顔で満足そうに美味いと叫ぶ。

 

これがギルレットの朝の始まりである。

 

 

 

さてどうしたものかね…

 

僕は現在自身の部屋で頬をかきながら頭を悩ませていた。

 

僕は昨日落札した6人の女性たちと今後について話し合っていたのだが、6人中5人は自身の故郷に帰りたいと恐る恐る頼んできたためモス爺にさっき頼んで彼女たちの帰るための手配をしてもらっている。

だが一つ問題があるとすれば…

 

「へぇここが地上の人が住むお部屋なのねぇ、広いし色々な物が置いてあるのね」

 

僕の部屋をきょろきょろと見渡しているこのメロという人魚についてである。

 

何故彼女は僕の部屋にいるのか?それは少し前に遡る。

僕は朝起きてすぐに彼女を寝かせていた部屋に行き、色々と話を聞こうとしていた。

当然のことながら彼女は目を覚ましてすぐは警戒してなかなか喋ろうとしなかったのだけど、僕が能力で手品のようなこと披露した途端たちまち目を輝かせてすぐさま僕に心を許してくれた。

ちょっと単純すぎる気もするが仲良くなれたから良しとした。

 

そしてそんな彼女に僕は故郷である魚人島に帰るかと提案してみたのだが、それに対して彼女は首を横に振りしばらくここに住みたいと言い出したのだ。

あんな目にあったのだ、僕はてっきり魚人島に帰りたいと言うと思っていたのに…逆にここに住みたいと言うとは思わなかったため僕は少し反応に困ったものだ。

理由を聞くに彼女は幼い頃から地上での生活に憧れを持っていてこのチャンスをものにしたいと思ったらしい。

あと地上での生活を友人たちに自慢したいらしい。

まぁ僕の予想していた通りだったので少し呆れたものだった。

そして彼女はかなり本気のようで何度も頭を下げてお願いされた。

 

そのため僕はこれに関してはモス爺に相談することにした。

 

 

 

 

「何、人魚がここで暮らしてみたいとな?」

 

「うんそうなんだよ、それでモス爺に意見を聞きたいんだよ」

 

僕はモス爺の部屋のソファにもたれ掛かりながらそう言う。

 

「ふむ…そうか」

 

それに対してモス爺は軽くそう言いソファで新聞を読みながら考える。

 

「まぁいいのじゃないかの?しばらく住まわせてあげても」

 

とモス爺はあっさりと住む許可をくれた。

 

「あ、本当に?じゃあ彼女のこともモス爺に任せていい感じだよね?」

 

どうせ僕はしばらくここに帰ってこないだろうし、僕の従者として連れていけないし。

 

「うむ、まぁとりあえずはうちの従者として働いてもらうつもりだが…せっかくだからアンネの担当をさせてみるかの?」

 

「あぁそれはいいかもね、人魚見てみたいとか言ってたし」

 

僕も納得とばかりにそう答える。

 

「うむそうじゃな、だからギルよあとでアンネにそのことを伝えておいてくれぬか?」

 

「オッケー、どうせ後で寄るつもりだったからついでに伝えとくよ」

 

「うむなら頼んだ…ところでギルよ、話は変わるのだがおぬし昨日シャボンディ諸島でロズワールの息子から少女を助けたそうじゃな?」

 

モス爺は新聞から一度目を離してそう問いかけてくる。

 

「ん?あぁ…まぁそうだけど、なんでモス爺がそれを知ってるの?」

 

 

僕は昨日帰ってから僕はモス爺に軽く報告してすぐ寝たから少女のことについては一切話してないはずだけど…

 

「何、今日の新聞で仮面をつけたおぬしが写っておるからじゃよ、ほれ」

 

そう言いモス爺は読んでいた新聞を僕の方に向けて見せてきた。

 

「えーなになに…驚愕、仮面の天竜人、少女を助ける…ってほんとじゃん」

 

僕はその新聞を受け取り見てみるとそこには新聞の見出しにデカデカとそう書かれ少女の頭を撫でている場面が写っていた。

僕はそれを見てすぐさまなんとも変な気持ちとなりドサッとソファにもたれかかり苦笑いする。

 

なんかすっげぇ恥ずかしいわ…

てかいつの間に撮られてたんだよ…人が多すぎたから全然気がつかなかったよ。

 

 

「さすがは儂の孫じゃの、ノルシュタイ家の人間としてよくやったわい」

 

そう言いモス爺はでかしたとばかりに嬉しそうな顔で僕を褒めてくる。

 

「いやぁ〜照れるなぁ…あ、それならこれからいつでも旅に出ても…」

 

「それは無理じゃな」

 

僕が言葉を言い切る前にモス爺に真顔ではっきりダメだと断言された。

 

ちぇやっぱりダメか…

これに乗じて数年ほど旅に出れると思ったのに…モス爺のケチ!

 

「褒めはするがそれは許可できんわい、諦めろ」

 

はーいわかりましたよぉ

まぁあまり期待はしてなかったからいいけど

 

とそんなこんなで最終的にメロは2ヶ月だけここで仮の従者として生活することに決定した。

 

 

 

〈とある部屋〉にて

 

 

トントンッ

 

僕はモス爺の部屋からある部屋の扉の前に瞬間移動してその扉すぐさま2回ノックする。

 

「入ってどうぞ」

 

すると部屋の中から透き通ったような女性の声が聞こえてきて入るよう促される。

 

ガチャッ

 

「母上少しいい?」

 

僕は扉から顔を覗かせベットの上にいる自身の母親に静かにそう聞く。

 

「ええ大丈夫よギル、それで何か用事かしら?」

 

誰もが魅了されそうな優しい笑みを浮かべる母上は、すぐさま僕に要件を聞いてくる。

 

彼女の名は ノルシュタイン・アンネリーゼ

彼女は僕の母親で僕と同様に雪のような白髪が腰あたりまで伸び、宝石のような輝きのある青い瞳が特徴的な若々しい美女である。性格は非常におっとりとした優しい人で、幼い頃から自由奔放な僕に対しても怒ることなく優しく見守ってくれていた。

そんな彼女であるが昔から病弱であるため基本的にベットの上での生活を強いられていることが多い。

 

 

「実は母上に報告しておきたいことがあるんだ」

 

とりあえず僕は母上に昨日のオークションであった出来事とメロの件について説明する。

 

「なるほどねぇ、それは大変だったわね」

 

そう言い母上は僕の頭を撫でて優しい笑みで僕を見る。

 

「本当にね、まぁその甲斐もあってモス爺から旅の許可が下りたからよかったけどさ」

 

僕は母上のベットに座りされるがままに撫でられながらそう言う。

うむ、やはり落ち着くなこれ

 

「あらそうなの?それは良かったわねぇ」

 

「うん、でもそのためにメロのことを母上に頼みたいのだけど大丈夫?」

 

僕は上目遣いで母上にそう確認する。

 

「ええ大丈夫よ、むしろ私は大歓迎よ!念願の人魚ちゃんを見られるんだからとてもわくわくするわ!」

 

そう言い母上は相当嬉しそうな顔をしており、待ち遠しいとばかりに軽く鼻歌を歌いだす始末であった。

 

母上本当に嬉しそうだなぁ

 

僕は母上の嬉しそうな顔を見てオークションに行った甲斐があったものだと嬉しい気持ちになる。

 

「フフフ、それにしても明日からギルが旅ねぇ…本当に死んだあの人とすることが同じだわ…」

 

母上は突如そう言うと昔を懐かしむようにして机に置いてある写真を見る。

 

「そんなに僕と似てたの、その死んだ父上は?」

 

僕は母上に釣られるように机に置かれた写真を見ながらそう聞き返す。

 

「えぇそうよ、あの人は昔から自由気ままでよく旅に出ていたものだから帰ってきたらその時の出来事をよく私に楽しそうに聞かせてくれてものだわ」

 

「へぇそうなんだ」

 

死んだ父上も僕と同じで旅好きだったんだなぁ…もし父上が生きていたら旅について語り合えたのに…残念だよ

 

僕は写真を見ながら父上の死を惜しむ。

 

そんなもう亡き父の名はノルシュタイ・ユリウス

父は15年前に起きた聖地マリージョア襲撃事件の時に不慮の事故により亡くなってしまったらしい。当時の僕はまだ2才だったため父のことは写真でしかよく知らないのだ。

 

「でもギル、旅に出る前にこれだけは絶対に約束してほしいわ」

 

すると母上はいつもの優しい顔から真剣な顔へと変わり僕の目をしっかりと見つめてくる。

 

「危険と思ったら必ず逃げること、これだけは必ず守って」

 

母上はそう言い僕の手を握ると答えを待つようにして僕を見続ける。

 

「…わかったよ母上、危険と思ったら絶対逃げるようにするよ」

 

それに僕も真剣な心持ちで母上に約束は守るように誓う。

 

「フフそれならいいわ、じゃあこの話はお終い!それじゃあ他にどんなお話をしましょうか?」

 

僕の言葉を聞いた途端母上は話は終わりとばかりに真剣な顔からいつもの優しい顔へと切り替わる。

 

「そうだなぁ…あ、じゃあ前に虫にびっくりしていたセリシアについてでも話す?」

 

「あらなにそれ凄く気になるわ」

 

母上は面白そうといった顔で僕の話に耳を傾ける。

 

そして僕はしばらく母上と他愛のない話をして楽しい時間を過ごした。

 

 

 

「ねぇねぇこれってなんて言うお花なのかしら?」

 

「あぁそれは薔薇っていう花だよ、ちなみにその花は葉や茎に棘があるからあんまり触らないほうがいいよ」

 

母上の部屋から出てからしばらくして僕はセリシア、メロと共に聖地マリージョア内にある広い庭園をのんびりと散歩していた。

 

なぜ僕らがこんなところにいるのかと言うとメロに地上の植物などを見てみたいと頼まれたからであり、そのため僕がよく昼寝していた庭園を案内することにしたのだ。

メロは人生で初めて見る地上の庭園に子供のようにはしゃぎまくっており、少しでも気になったものがあればとにかく僕にたくさん質問をしてくる。

 

それもかなり密着した状態で。

 

「……」

 

そのせいかな?後ろに控えるセリシアは何も言わないもののかなり不満そうな顔でこちらを見ていた。

って怖!何あの冷たい眼差し!ちょっと待って…怖!

 

僕はまるで蛇に睨まれた蛙のような気持ちになり少し青ざめた顔になっていた。

 

「あ!アレって本で見たことがあるわ!確か兎という生き物よね!白くて小さくて可愛いわぁ」

 

しかしメロはそんなことは露知らず茂みから飛び出してきた兎に夢中になっていた。

 

わぁ楽しそうだなぁ(現実逃避)

僕は兎に近づきモフろうとしているメロを見ながらそんなことを思う。

魚人島ではもふもふした生き物などいなかったのだろう、そのためあれほどはしゃぐのは無理はない。

 

でも何故すぐさま僕のもとに戻ってきて密着してくるんだこの子は?

 

「はぁ本当に地上の世界は素敵なところねぇ…こっそり来た甲斐があったわぁ」

 

そう言って満足そうな顔でメロはその場に座り込み太陽を見上げる。そんなメロのもとにはいつの間にか無数の蝶たちに集まり始め彼女の身体に止まる。

 

「そっか、気に入ってくれてよかったよ」

 

ここは僕のお気に入りの昼寝スポットなんだ、それを気に入ってもらえるのはなんだか嬉しいものだ。

 

「あら、あれは何かしら?」

 

するとふと何かに気づいたのかメロはある方向を指差した僕に聞いてくる。

 

僕もそれに釣られてそちらの方向を見る。

 

うわぁ…

 

僕はすぐさま嫌な顔つきになりすぐさま帰りたくなった。

何故なら…

 

 

「ムッフゥ〜、こいつまぁまぁな乗り心地だえ〜」

 

「お兄様、後で私にも乗らせてほしいあます」

 

なんとそこに見えたのは昨日落札した海賊船長に乗るチャルロス聖と人間の奴隷に乗るシャルリア宮の姿が見え、呑気に散歩をしていた。

 

「ん?おまえはノルシュタイン家のガキかえ…」

 

「あら、これはこれはギルレット様ではございませんか」

 

2人は僕らの存在に気づくと近づいてきて僕らに話しかけてくる。

チャルロス聖は若干嫌そうな顔をして、そしてシャルリア宮は少し頬を染め嬉しそうな顔をしていた。

この2人の表情に違いがあるのは僕自身の容姿が関係している。

僕は天竜人の中では珍しく母上譲りの整った顔立ちをしているらしく、嬉しくないことにシャルリア宮といった女性の天竜人に人気でよくモテているのである。

 

正直僕は天竜人が嫌いだからモテても全っっっっ然嬉しくないのだが…悲しいかな…たまにこうして話しかけられる。

僕は将来付き合うなら優しくて可愛い人をお嫁さんにすると決めているから絶対お断りだ!

 

僕は顔には出さないものの内心悪態をつきながら彼らを見る。

 

「む、そこにいるのは昨日手に入らなかった人魚じゃないかえ」

 

するとチャルロス聖が僕の後ろに隠れていたメロの存在に気づき醜悪な顔を向けてくる。

 

「えーっと…」

 

メロはその顔を見て苦笑いをするとすぐさま僕の後ろに隠れて服を軽く握ってくる。

 

「っ!?この魚風情が!ギルレット様に馴れ馴れしく触れるでないあます!」

 

その光景を見たシャルリア宮は突如として顔を真っ赤に急変させて怒りと軽蔑を含む目で睨みながら怒鳴りつけてきた。

 

「ひっ…!?」

 

突如怒鳴られたことでメロは肩をびくりとさせ僕の背中に顔が見えなくくらいまで隠れる。

 

「まだギルレット様から離れないあますか!ムカつくあます!身の程を知らない魚には死でもって償ってもらうあます!」

 

シャルリア宮は最早完全に頭に血が上ったのか懐からピストルを取り出し始める。

 

「まぁちょっと落ち着きなよシャルリア宮」

 

このままいくとメロを撃とうする未来が見えたためとりあえずシャルリア宮を気を遣いながら落ち着かせようとする。

 

「っ!…何故その身の程知らずの魚を庇うあますかギルレット様!」

 

シャルリア宮はメロを庇ったことに気が触ったのかさらに怒気を含む声でそう問いかけてくる。

 

いや何故ってたかが触れただけじゃん、いちいちそんなことで僕は怒らないし気にしないよ。 まぁ言ったところでシャルリア宮は納得しないだろうけど。

とりあえずなんとかしてこの状況を終わらせよう。

 

「それは彼女が僕の所有物だからだよシャルリア宮、だから勝手に僕の所有物に殺そうとするのはこちらとしては困るんだ…だからやめろよ?」

 

僕は威圧的にやめるよう告げてシャルリア宮を黙らせようとする。

 

「っ!?…それでも!たかが奴隷如きに気安く触れさせるなど誇り高き天竜人の威厳としてあまり宜しくないあます!」

 

しかしシャルリア宮は一瞬は押し黙ったもののどうしても認められないのかまだ反論をしてくる。

 

いやいや誇り高き天竜人って…奴隷を家畜のように乗り回している人たちがよく言えたものだよ。

 

僕はシャルリア宮の言葉に内心呆れを通り越して失笑である。

 

(これは言葉で言っても埒が明かない気がするし…物に頼ろっと)

 

 

なんかめんどくさくなってきたので僕はもう物で解決するかと考え、すぐさま亜空間からあるものを取り出してシャルリア宮に差し出す。

 

「シャルリア宮、僕からこれを差し上げますので今回はどうかご容赦を」

 

そう言って僕が差し出したのは紅い宝石が嵌め込まれた金ピカのブレスレットである。

これは海賊船から取り上げた財宝の一つで似たようなのがいくつかあったのであげることにした。

 

 

「ギルレット様が私にプレゼントを…ということはつまり…」

 

シャルリア宮が僕からブレスレットを受け取ると何やらぶつぶつと小声で何か言っており、すぐさま咳払いをして熱い眼差しでこちらを見てくる。

 

「ギルレット様のお気持ちはよく理解致しました、本日はこれに免じてその魚の件は目を瞑るあます。それではギルレット様私はこれにて失礼するあます…お兄様用事は済みましたのでもう行くあますよ」

 

何かシャルリア宮がとんでもない勘違いをしてそうだけど僕はもう疲れたため思考をそこで放棄した。

 

 

「ようやく終わったかえ、ならさっさと戻るえ」

 

僕らが話している間ずっと鼻くそをほじっていたチャルロス聖は待っていたとばかりにシャルリア宮の言葉に従いそのまま僕らのもとを離れていった。

 

 

 

 

「…ふわぁ〜めっちゃ疲れた〜」

 

チャルロスたちが見えなくなった途端僕は爽やかな笑みでそう呟く。

目はまったく笑っていないが。

 

「あの…大丈夫?笑顔がすごく怖いわよ?」

 

そんな僕に対してメロは恐る恐るといった感じで僕の身を心配してくる。

 

 

「大丈夫大丈夫、疲れた時にはこれ1個」

 

そう言って僕は亜空間に手を突っ込みあるものを取り出す。

 

「それってもしかして…りんごというやつかしら?」

 

ギルレットが亜空間から取り出したのは誰もが知るりんごであり、真っ赤でツヤのあるそれは見るからにかなり良質なりんごと言えるだろう。

 

「そうだよよく知ってるね、あーん!もぐもぐ…うまし!」

 

僕は手でりんごを上に投げてからそのりんごを豪快にかじり大声で美味いと叫ぶ。

 

朝に見たのでわかるように僕はりんごが大好物である。そのため僕は亜空間内に世界中で集めた数々の種類のりんごが常に貯蔵されていて空腹の時や疲れた時などに取り出してよく食べている。

ちなみにうまし!と言ってしまうのは完全に無意識で癖になっている。

 

 

「よし気分も体調も回復全快!」

 

先程の疲れた顔が嘘であるかなように僕はやる気満々といった感じで元気にそう叫ぶ。

 

「す、凄い…りんごってそんな回復効果があるのね、知らなかったわ!」

 

メロは僕の変わりように驚き、りんごの回復効果の凄さに感銘を受けていた。

 

 

いや〜りんごマジで最高!

これほど美味しい食べ物は他に存在しないしさせない。

りんごを食べた今の僕はどんなことにも動じない無敵のじょう…

 

「……」

 

僕は偶々後ろを向いた瞬間未だに冷たい眼差しでこちらを見るセリシアがそこにいた。

 

それを見た瞬間僕は天国から地獄に一気に落とされた気分になった。

 

はいすいません調子に乗りました。

 

浮かれていた僕はセリシアの冷たい眼差しにより目が覚めガクブル状態に陥ったのだった。

メロ助けて、あ、遠くで兎撫でてるずるい。

 

メロはいつの間にか遠くに移動しており兎と呑気に戯れていたのだった。

 

チキショウ、メロに見捨てられた!(被害妄想)

 

と、とりあえずどうにかしてセリシアに何故怒ってるのか聞かないといけねぇ!

 

「あ、あの〜セリシアさん、何をそんなに怒っているのでしょうか?」

 

かなり怖いため僕は恐る恐るといった感じでセリシアに理由を伺う。

 

「……いえ、私は別に怒ってなどいませんよ?ええまったくもっていつも通りです」

 

セリシアは何もないとばかりに笑顔でそう答える。

冷たい眼差しは残したままだが

 

「そ、そっすか…」

 

僕はその笑顔が怖くてそれ以上何も聞けそうになかった。

 

(無理!怖すぎてこれ以上は聞けない!てか本当になんで怒ってるのセリシアは!?理由言ってくれよ本当に!)

 

僕は内心かなり慌てふためきながらも怒っている原因を頭をフル回転させ考えるが答えは出なかった。

 

結局僕はしばらくの間セリシアの機嫌を取るのにかなり労力を要することとなり、大変な1日を過ごした。

 

 

 

 

〈翌日〉

 

 

レッドラインの頂上、そこでは広大な海が見渡すことができ、海の遠い向こう側では朝の日の出が刻々と出始めようとしていた。 

まだ日が昇っていないため辺りはまだ薄暗く落ち着いた静けさがあり少し耳を澄ませば微かにだが小鳥の囀りが聞こえてくるのがわかる。

 

「フッフッフッ…朝だ!海だ!世界旅だぁぁぁぁ!」

 

そんな静かな早朝を広大な海を眺めながらギルレットは腕を上げ高々と叫び騒がしくする。

 

「ようやくだ…ようやく始まるんだ僕の世界旅が!」

 

長かった…本当に長かった。

モス爺に外出自粛されたせいでかなり禁断症状が出ていたけどそれも今日までだ!

何よりチャルロスといった他の天竜人たちをしばらく見なくて済むし、天竜人用の防護服も着なくていい、最高の気分だ!

 

ちなみに僕の服装は天竜人用の防護服とかではなく上半身はシャツの上に白のコートを羽織り下はライトブルーのジーンズといった感じになっており明らかに天竜人っぽくない格好をしていた。

 

「未知の島、未知の食材(りんご)…それらが僕を待っている!」

 

そう叫び僕は目を閉じ、これからのことを想像すると心の内から高揚とした気持ちが徐々に溢れてくるのを感じた。

 

「ギルレット様お叫びになるのは構いませんがくれぐれも無茶だけはおやめくださいねお願いしますから」

 

するとそんな僕に対してずっと側に控えていたセリシアが突如念を押すように注意してくる。

 

そんな彼女の服装は腕や脚がやや露出した黒ずくめのセクシーな忍装束に首元には肩より少し下まであるマフラーを巻いた格好をしている。また腰辺りにはいつでも戦えるよう鞘に収められた刀が携えられていた。

それはまさにワノ国にいる忍者を連想させられる服装である。

 

「まったく何を言っているんだセリシアは、僕がいつ無茶なんてするのさ」

 

セリシアの注意に対して僕はやれやれといった感じで肩をすくめ振り向きながらそう言う。

 

「あ、はいそうですね」

 

そんな僕を見てセリシアは「あ、これは何言ってもダメだな」と内心で確信し諦めの笑みを浮かべながら最早考えるのをやめて切り替えたのだった。

 

 

「さぁ景色を堪能したことだしそろそろここを出発するか、セリシア準備はいいかい?」

 

そう言いセリシアの見て次の言葉を待つ。

 

「はい、私はいつでも。私の役目はギルレット様についていき無茶しないよう支える、ただそれだけです」

 

それに対してセリシアは胸に手を当て僕を見つめながら軽く微笑みそう答える。

 

そんな見つめ合う僕らに合わせて海の向こう側では日の出が徐々に見え始め、僕たち2人を日の光が明るく照らし旅の始まりを告げていた。

 

こうして僕とセリシアによる世界旅が日の出とともに始まったのであった。

 

これからこの2人はどのような出会いがあり、どんなことを成すのか今はまだ誰もわからない。

 

 




〈豆知識〉

セリシアは虫が大の苦手で見ると叫びながら壁に張り付きタコの吸盤のように離れません

好物はみたらし団子です。
さすがにギルレットみたいな変な感じはありません。
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