自由奔放な天竜人   作:アットホーム

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皆様大変お待たせしました。いやお待たせし過ぎたかもしれません。
はい冗談はさておき、皆さんすいませんでした。言い訳させてもらうと色々忙しくてなかなか書くことができませんでした。 他にも書く気が起きずサボってたのもあり、かなり期間が空きました。本当すみません…あと話は変わりますが誤字報告等本当にありがとうございます。自分ボケッとしてるのでよく誤字すると思いますのでそこのところよろしくお願いします。では今回ちょっと内容が長いですがどうぞ。


タートル島での冒険1

 

偉大なる航路(グランドライン)

そこは世界中の海賊たちがひとつなぎの大秘宝(ワンピース)を手に入れるために集まる航路で季節、天候、海流、風向きが出鱈目な上に異様な生物などがたくさん生息する危険な場所である。そんなグランドラインはリヴァース・マウンテンという入り口から入ることができ、海賊たちのほとんどはこの入り口を経由して航海している。

 

「いやぁ〜久しぶりの旅は楽しいなぁ〜!」

 

そんなグランドラインの遥か上空をギルレットは呑気にそんなことを言いながら空中を移動していた。

 

 

何故僕が空中を移動しているかというとそれはスペスペの実の能力が関係している。

僕はスペスペの実の能力を使い上空にワープ空間を作ることで自由に空中を移動することが可能なのだ。

 

その方法としてまず前方の離れた場所にワープ空間を一つ作る。そして次に僕自身をワープ空間内に入れて最初に作ったワープ空間に移動する。それをずっと繰り返すことで上空を飛ぶように移動していた。

これならわざわざ船に乗らずに済むし、移動時間もかなり短縮することができる。

ちなみにワープ空間は僕を中心に直径100メートルまでなら無数に作ることが可能である。

 

「今のところ天候も良いし順調順調〜!」

 

「ギルレット様、グランドラインの前半だからといって油断は禁物ですからね?」

 

愉快そうな僕に対して突如としてセリシアの注意する声が何処からともない聞こえてくる。

 

「わかってるってセリシア、そこんところはちゃんと気をつけているよ」

 

僕は左手の甲に空いた穴を見ながらそう答えた。

ちなみにだがセリシアは僕のように空を移動することができないため僕が作った亜空間に入ることで共に空中移動をすることができている。

 

「ならいいのですが…」

 

しかしセリシアは僕の言葉にあまり安心できないのか亜空間内からやや不安そうな声が伺えた。

どうやら過去のことがあるからかあまり信用されていないようである。

 

 

まったくセリシアは昔から過保護なんだから…確かに昔はよくトラブル起こしていたけど、今や僕は見聞色を極め未来を見通すことができるようになったから以前よりトラブルを早めに対処することができるようになったのだ。そのため基本危険な目には合うことはない筈である。

 

 

「それにしても全然島が見つからないなぁ…」

 

聖地マリージョアを出発してから数時間ほど経つが見渡す限り海、海、海と一向に島が見つからずにいた。

 

グゥ〜

 

「…腹減ったなぁ」

 

腹が鳴る音を聞くとついそんなことを呟く。

僕は空間移動中は食事を摂ることができないためかなり空腹状態にあった。

 

 

「何か食べたいなぁ……ん?あれは…島だ!島がようやく見つかった!」

 

しばらく空中移動をしていると少し遠くに島らしき物体が見えてきた。それを見た僕はテンションが一気に上がり歓喜する。

 

「セリシアようやく島を見つけたよ!ヒャッホーイ!!」

 

「ようやくですか…やっとここから出られるのですね」

 

セリシアも島が見つかったことが嬉しいのか亜空間内から安堵の声が漏れる。

 

「よーしそうと決まればあの島に行こう!とにかく行こう!」

 

そうして僕はテンション上げ上げ状態でそう言うとすぐさま島らしき物体のある方向に急いで移動していくのだった。

 

 

〈タートル島〉

 

タートル島、そこはまるで亀のような形が特徴的でそれなりの大きさのある変わった島である。島の中央部分では自然豊かな森が生い茂っており緑の甲羅のように見える。またその森の端の場所では亀の頭の形をした岩が飛び出ていてタートル島と名付けられるのも納得と言えるだろう。そしてその森を円で囲うように大きな町が立ち並んでおり、そこでは住宅街はもちろんのことながら数多くの飲食店や露店が存在していて観光地として人気の町である。そのため町は多くの観光客や海賊で活気溢れており、海岸では多くの貿易船や海賊船などが確認できた。

 

 

シュタッ

 

ギルレットはタートル島に到着すると町の路地裏にワープして着地する。ギルレットが着地した路地裏は少し薄暗くどんよりしているが意外にゴミなどは置かれておらずなんだか無味乾燥といった感じの路地裏である。

 

そしてギルレットはそんな薄暗い路地裏を歩き出すと明るく賑わいのある方向へと進む。

 

ピタッ

 

「フフフ…遂に到着だ、到着したぞー!」

 

そしてギルレットは薄暗い路地裏を出た途端、突如として手を高々と上げ、町中に響き渡るほどの大声で叫び出した。

 

「なんだあいつ何やってんだ…」

 

「やめとけ、あれに関わるな」

 

「お母さーん、あの人急に大声出して何してるのー?」

 

「コラ!見てはいけません行きますよ!」

 

そんなギルレットの突然の奇行に周りにいる人たちは変なものを見る目で見ると関わるまいとすぐさま散り散りに離れていった。

 

「ハハハハァ!ここが何処だかわからんがようやく休憩できるぜ!ヒャッハー!」

 

しかしギルレットは周囲の目などに毛ほども気づいておらずまるで狂ったようにさらに叫ぶ。

 

説明しよう!

現在ギルレットは空腹と疲労がピークに達しており、それによりギルレットはテンションとキャラがおかしくなるのである。以前にも同じようなことがあり、それによりよくセリシアを困らせていた。

側から見たらまさに変人と言えよう。

 

「ギルレット様、着いて早々変な行動は謹んでください」

 

亜空間から出てきたセリシアは周囲を見ながら若干恥ずかしそうにそう注意してきた。

 

「ん、何が?」

 

しかしギルレットはそんなセリシアの注意に対して何を言っているのかよくわからないといった顔でそう聞き返す。

 

「ギルレット様が大声で叫ぶものですから周囲の民間人に先程から変な目で見られています」

 

「ん、そうなの?」

 

そう言われて僕は周囲を見ると行き交う人たちは僕から目を逸らし何処かに行ってしまった。

 

「あらま」

 

わぁ〜本当に変な奴みたいに見られてるじゃんこれ…

ちょっと大声で叫んだだけなのに…世間は冷たいよ…まるで昨日のセリシアの眼差しのように。

 

グゥ〜

 

「まいっか、それより飯だ飯!」

 

しかし腹が鳴ったことですぐさまどうでもよくなったギルレットは辺りをキョロキョロと見渡し飯屋を探し始める。

 

 

 

しばらく街を歩いていると綺麗な街並みから少し古ぼけた街並みへと変わり始めなんだか柄の悪そうな人たちが多くなっていった。

 

 

「お!あれはもしかして飯屋か!」

 

そして歩くこと約20分、ギルレットは少し遠くの場所で酒場らしき店をようやく発見することができた。

レンガで建てられたその酒場は少し古ぼけており、時折中から食事を終えた海賊らしき人物たちが出入りしていた。

 

「もしかしてこの周辺は…」

 

そしてそれを見たセリシアはさすがにこの周辺はあまり治安が良くないエリアだと気づく。

 

「よっしゃ!そうと分かれば善は急げだ!ほらさっさと行くよセリシア!」

 

僕はそう言うとすぐさまその酒場に走って向かっていった。

 

「ちょっ!?待ってくださいギルレット様!」

 

そしてセリシアはすぐさま呼び止めようとするも、ギルレットはそれに気づかず瞬く間に酒場に走って行ったためすぐさま切り替えギルレットを追うのであった。

 

 

 

 

〈酒場〉にて

 

酒場の中は木造の古びた内装をしており、辺りには空の瓶が散らばっていた。そんな酒場では多くの海賊たちが酒を飲みながらワイワイ騒がしそうにしており、あまり安心できる店とは言えないだろう。そして海賊たち中には屈強そうな者が多くおり、かなりの強者と思われる海賊がちらほらいた。

 

「め〜し、め〜しはまーだかなー♪」

 

そんな店内でギルレットはテーブルに座り歌を歌いながら注文した飯を今か今かと待っていた。

 

「ギルレット様はしたないですよ?」

 

セリシアはそんな僕を見て静かに注意してくる。

 

「だってしょうがないだろ?お腹ペコペコなんだから」

 

「お腹が空いていたとしても静かに待つようにしてください」

 

「ちぇ〜わかったよ大人しくしてるよ」

 

そう言うと僕は頬づえをして仕方なしに静かに待ち始めた。

 

「それにしてもさっきから彼ら、こっちをチラチラ見てるなぁ」

 

僕がチラッと横を見るとそこには数人の海賊らしき人たちがニヤニヤとイヤらしい顔で僕らを見ていた。

いやどちらかというと僕ではなくセリシアのほうを見ているように見える。

 

「そのようですね…鬱陶しい」

 

セリシアはそんな彼らを軽蔑的な目を向けながらそう呟く。そしてテーブルの下では腰の鞘に手をかけいつでも戦闘できる準備をしていた。

 

「ヘイ注文の超山盛りカレーライスにスパゲティだ」

 

しかしそれを遮るように怠そうな髭面の店員が僕らの前に来て注文したものをテーブルに置く。

 

「お、待ってました!美味そうだな〜」

 

僕はテーブルに置かれた顔が隠れるくらいの高さがある超山盛りのカレーライスのスパイシーな香りに鼻をくすがれ、すぐさまスプーンを手に取る。

 

「じゃあさっそくいただきまーす!」

 

そして僕はそう言うとすぐさま超山盛りカレーライスを高速で口に流し込みリスのように頬膨らませる。

 

うま!カレーめちゃうま!

 

「…フフ本当に美味しそうに食べますねギルレット様」

 

セリシアはそんな僕の食べる姿に微笑ましい表情で眺めており、酒場に似つかわしい和やかなムードが流れていた。

しかしそんな和やかなムードはすぐさま終了させられる。

 

ガタッ

 

「オイオイそこの綺麗な姉ちゃんよぉ、随分楽しそうじゃあねぇかよ〜?」

 

「せっかくだからオレたちも仲間に入れてくれやへへへ!」

 

なんと僕らの横にいた海賊たち集団が突如として席を立ち上がるとニヤニヤしたいやらしい顔でこちらに近づき船長らしき大男がセリシアに馴れ馴れしく話しかけてきた。そして彼らは僕ら2人が逃げられないようにと円を描くように包囲してきた。

 

「……」

 

そんな彼らにセリシアは瞳に静かで冷たい殺意を宿らせ無言で立ち上がるとそっと鞘から刀を抜こうとする。

どうやらセリシアは主人との食事を邪魔されたことにかなり怒っているようである。

 

「なんだなんだ〜姉ちゃんオレらと相手しようってのか〜?そんな怒った顔してよぉ」

 

「へへへ夜の相手ならいくらでもしてやってもいいんだぜぇ?」

 

男がそう言い嘲笑うと周囲の海賊たちもそれに同調するようにゲラゲラと下品に笑い始めた。

 

「屑が…よくも私とギルレット様の食事を邪魔してくれたな」

 

セリシアはドスの効いた声で海賊たちにそう問い詰めると少しずつ海賊の船長に近づき刀を構える。

 

もぐもぐもぐもぐ…止まらん、手が止まらんぞー!

 

そんな一触即発といった状況の中、ギルレットは呑気そうにもぐもぐと食事をしていた。

 

完全に自由人である。

 

「オイオイ白髪の兄ちゃんよぉ、テメェはこの状況で何呑気に飯なんか食ってんだよ」

 

するとそんな僕のことが気になったのか包囲していた1人の男が若干イラッとした顔でそう問いかけてくる。

 

もぐもぐもぐもぐ

 

しかしギルレットはその問いかけが聞こえていないのか夢中で超山盛りカレーライスを食べ続ける。

 

「オイ聞いてんのかテメェ、何とか言いやがれや!」

 

男は無視させたことが気に食わないのかテーブルに足を勢いよく乗せるとギルレットの頬に剣を突きつける。

 

「ギルレット様!」

 

セリシアは慌てて振り返り僕の名前を叫ぶ。

 

もぐもぐもぐもぐ…それにしても酒場のカレーライスなのになんでこんなに美味しいんだろ?

 

しかしギルレットはそれでも尚美味そうにカレーライスを食べ続ける。

 

「オイこの剣がが見えねぇのか!その食べる手をさっきと止めろ!」

 

男はギルレットの反応のなさに有り得ないといった顔をして怒鳴りながら命令してくる。

 

もぐもぐもぐもぐ…何か隠し味があるのか?…店員さんに聞いてみようかな?

 

男が怒鳴りつけてきていたがそれでもギルレットはカレーライスに夢中であった。

 

「っっ!?…テメェ舐めやがって、いいぜそこまでオレ様を無視するなら今ここでぶっ殺してやるよ!」

 

完全にブチギレた男はそう叫ぶと勢いよく剣を振り上げ首を目掛けて振り下ろそうとする。

 

「ギルレット様危ない!」

 

セリシアがそう叫びギルレットを援護しようとするがそれより先に男が剣を振り下ろす方が早かった。

 

グサッ

 

 

「へへオレ様を無視するからこうなるんだぜ」

 

男はしてやったとばかりに下衆な笑いを浮かべると剣を鞘に戻そうとする。

 

しかし…

 

「は?」

 

男はすぐさま異変に気づいた。

斬ったはずの白髪の男の首がまったく切り離されていない上に、自身の剣と手が男の目の前から切られたように綺麗さっぱり無くなっていたのだ。そして少し横の床を恐る恐る見ると、そこには目の前から無くなった剣と自身の手が床に突き刺さっていた。

 

「な、なんだこりゃーー!?」

 

男はこの異様な光景に背筋が凍りつき顔を真っ青にして叫びだす。

それもそのはず、何せ自身の手と剣が斬られたように切断されておりいつの間にか床に刺さっているのだから。

 

「お、オイ…なんであいつの手と剣が床に刺さってるんだ」

 

「何がどうなってるんだこれは」

 

包囲していた他の海賊たちもこの異様な光景には唖然としており、床に刺さっている剣と手を気味の悪そうな目で見ていた。

 

 

もぐもぐもぐもぐ…あ、わかったぞ!これは蜂蜜が入ってるんだ、だからこんなに美味しいんだ!

 

しかしそんな光景の中、ギルレットは最早呆れるくらいに食事に集中していていた。 

 

ちなみに先程起きた現象は勿論のことギルレットの仕業である。男に斬りつけられそうになった時ギルレットはスペスペの実の能力を使い、瞬間的に首あたりと横の床上に無意識にワープ空間を作り出した。それにより男の剣とそれを握る手だけが切断されたように横の床に刺さっており、一瞬の出来事であったため誰も気づくことができなかった。

 

「な、なんでオレの手が床にあるんだ!?」

 

男は慌てふためきバランスを崩すと勢いよく倒れて背中を強打する。しかしこの異様な現象に対する恐怖で頭がいっぱいなのか背中の痛みはまったく気にならなかった。

 

「ふぇ……?」

 

すると突然男は素っ頓狂な顔をして力の抜けた声を漏らす。

それもその筈、なんと先程まで無かった男の両手と剣がいつの間にか何事もなかったようにもとに戻っていたからだ。

 

「も、元に戻ってる…?」

 

男は素っ頓狂な顔のまま自身の手をグーパーと何度も動かし手がしっかり繋がっていることを確認する。

 

「オイ何が起きてるんだ?」

 

「わからねぇ…ただの見間違いか?」

 

他の海賊たちは状況がよくわからないのかかなり困惑していた。

 

「なんだ…どういう現象だこれは?」

 

そして海賊団の船長も怪訝そうな顔で自身の部下を見ていたが、さすがにギルレットの仕業とまでは気づいていなかった。

 

もぐもぐもぐもぐ

 

「てかこいつまだ飯食ってやがるぞ」

 

「オレたちのことなど眼中に無いってか?…気に食わねぇぜ!」

 

「ムカつくからこいつから先に殺るか」

 

僕の態度が気に触ったことのか海賊たちはギルレットへと標的を切り替え数人ほど剣を構えて近づいてくる。

 

「野蛮者どもが…させるとでも思ってるのか?」

 

しかしそれをセリシアが許すはずがなく怒りの形相で刀を構え、臨戦態勢に入ると海賊たちを斬りつけようと足を踏み込む。

 

スッ

 

「っ!」

 

しかしそれをギルレットは左手で制した為セリシアは動きを止めて驚いた顔でギルレットを見る。

 

もぐもぐごっくん

 

「ふぅ…美味かった」

 

ようやく食べ終えたギルレットは満足そうな顔でそう呟くとゆっくり立ち上がる。そしてすぐさま真剣な顔つきへと変え海賊たちを見る。

 

「「「!!!」」」

 

すると海賊たち全員はギルレットのそんな真剣な顔を見た途端、戦慄が走り、顔にはいつの間にか冷や汗が出ていた。

 

「……一つ聞きたいのだけど」

 

そんな彼らにギルレットは静かに、そして覇気を含む声色で海賊たちに問い出す。

 

ゴクリッ

 

誰かが息を呑む音が賑やかである筈の酒場内でよく聞こえてくる。

先程まで騒ぎ散らかしていた他の客たちはいつの間にか黙り海賊たち同様にギルレットの次の言葉を遠目で聞き耳を立てていた。

 

そしてギルレットが次に口を開いた言葉は…

 

「……今どういう状況?」

 

と真剣な顔とは似つかわしい言葉であった。

 

そしてギルレットのそんな呑気な質問にほとんどの者が盛大にずっこけた。

 

「……ギルレット様…本当に貴方って人は…」

 

セリシアに関しては呆れた顔で僕を見ており、頭を抱えていた。

 

「イテテ、何なんだよこいつは」

 

「あの雰囲気で聞いてきたのがそれかよ」

 

ずっこけていた海賊たちはふらふらと立ち上がると拍子抜けとはがりにそう呟く。

 

「ん?本当にどういう状況?」

 

僕は周囲を見ながら不思議そうにそう呟く。

 

「ギルレット様、今現在私たちはこの身の程知らずの野蛮者どもに包囲され襲撃されている状況です」

 

そんな僕に対してセリシアが淡々と説明してくれた。

 

「なるほど理解」

 

僕は納得とばかりにポンッと手を叩く。

そして…

 

「うーん、でも見た感じだと彼らの実力じゃ僕らをどうこうできなさそうだけど?」

 

つい直球的にそんなことを零した。

 

「なんだとテメェ!口には気をつけやがれこの能天気野朗!!」

 

「オレたちの船長は懸賞金900万ベリーのスゲェ人なんだぞ!」

 

僕の発言が逆鱗に触れたのか彼らは剣を構え怒鳴りながらそう説明してきた。

 

「900万ベリーかぁ〜、そんなじゃない?」

 

僕は少し苦笑いでそう答える。

900万ベリー程度でそんな偉そうにされても過去にもっとすごい人たちを見てきた僕としてはなんとも言えない表情にもなる。

 

 

「なんだその態度は、こいつやっぱりオレたちのこと舐めてやがる!」

 

「もう限界だぜ船長!さっきとこいつを殺りましょうぜ!」

 

「あぁ構わねぇそいつはオレ様を馬鹿にしやがった、痛い目見せてやれ!」

 

船長がそう言うと海賊たちは下衆な笑みを浮かべ一斉にギルレットに斬りかかろうとしてきた。

 

「ギルレット様、ここは私が!」

 

「いや大丈夫1人でやるよ」

 

僕は援護しようとしたセリシアに一言そう言うと能力を使い少し離れた場所へと移動させる。するとすぐさま海賊たちは僕に各々剣を斬りつけてきたが既にそこにギルレットの姿はなかった。

 

「奴がいねぇ!?」

 

「どこだ!どこに行きやがった!」

 

海賊たちはギルレットがいないことに気づき慌てて周囲を探し始めた。

 

「驚き、なんと後ろなんですね」

 

「な、後ろにブベェ!?」

 

「「グギャ!?」」

 

ギルレットはいつの間にか海賊たちの後ろに移動していた。そして海賊たちが振り向いた瞬間ギルレットはそのうちの1人の額にデコピンをして吹き飛ばしそれにより2人ほど巻き添えにして倒した。

 

 

「野郎!仲間をよくも!」

 

「許さねぇ!絶対ぶっ殺してやる!」

 

仲間がやられたことにより彼らはさらに睨みを効かせて僕に再び襲いかかってきた。

 

「オォ凄い殺気立ってる!でもワンパターンすぎるよ!」

 

 

「グハァ!?」 

 

「ガハァ!?」

 

「ポピーー!?」

 

僕は襲いかかってきた海賊たちの攻撃を軽々しく避け、次々と倒していく。

 

てか今なんか一人だけ変なうめき声出した奴いなかったか?

 

 

「オイ何たった1人にあっさりやられてるんだテメェら!」

 

「しかし船長、こいつ全然オレらの攻撃が当たらねぇよ!」

 

「うるせぇ!いいからさっさとぶっ殺せ!」

 

船長が仲間たち怒鳴りつけるが他の仲間たちは攻撃が当たらないと言い返すことで何やら言い争いを始めた。

 

「なんか争ってるなぁ」

 

そんな光景を僕は遠目で呑気に眺めていた。

 

「隙ありだ!死に晒せこの能天気野朗!」

 

すると僕の背後に先程僕の首を斬ろうとした男がチャンスとばかりに斬りかかってきた。

 

「ウギャー!」

 

「な!?」

 

しかし攻撃が当たるわけがなく、男はギルレットではなく言い争いをしていた仲間の1人を斬りつけていた。

 

「あ、間違えてそっちにワープさせちゃった」

 

僕は適当な所にワープさせようとしたら間違えて言い争っている彼らのもとにワープさせてしまい、やっちまったとばかりに苦笑いをする。

 

「テメェ何してやがる!」

 

「す、すいません船長!しかし今のはあいつが」

 

「うるせぇ問答無用だ!」

 

そう言うと船長は剣を抜き、男の腹を斬りつけた。

 

「ガバァ!?」

 

男はうめき声を上げると腹から血を流しながら前のめりに倒れて気絶してしまった。

 

(うわマジかよあいつ、仲間を切り捨てやがった)

 

僕は信じられないといった顔をすると心の内から何やら沸々と怒りを感じ始めた。

 

「…セリシア、これで彼の応急措置を頼む」

 

僕は斬られた男をセリシアのもとにワープさせて消毒液と包帯を渡す。

 

「…………了解しました」

 

少し間はあったがセリシアは渋々といった感じで応じると彼の応急処置を始めた。

 

僕はそれを確認するとすぐさま振り返り海賊団の船長を睨みつける。

 

「さて…あんたに聞きたいのだけど、なんで仲間を斬りつけたんだい?」

 

「あん?何故って奴がオレ様の邪魔をしたからに決まってるだろ?」

 

船長はさも当然のようにそう答えた。

 

「そっか…どうやらあんたには少しお灸を据えなくてはならないね」

 

僕はパキパキと指を鳴らしながらそう言う。

 

「なんだと?何偉そうな口聞いてやがるんだテメェは。ぶち殺すぞ」

 

船長は見下すように僕を睨みつけると剣を突きつける。

 

「へぇーやれるもんならやってみなよ?」

 

僕は笑顔で煽るようにそう言い返す。

 

「そうかよ…なら死ね!」

 

僕の煽り発言に船長は怒りの形相になり剣を振り上げ、すぐさま殺すつもりで振り下ろそうとする。

 

「ガバァ!?」

 

しかしギルレットは攻撃をさせるつもりはなく容赦なく船長の溝打ちに強烈な一撃を与えた。

 

「ウゲッ…ウェェ」

 

そしてその一撃を受けた船長は地面に手をつけ思いっきりゲロを吐く。

 

「どうしたの?早く立ちなよ」

 

僕は笑顔で船長にそう促す。

 

「ゲホッ……クソが!おいテメェら何やってやがる、さっさとこいつを殺れ!」

 

船長はふらつきながらも立ち上がり他の仲間たちにそう命令する。

 

「し、しかし船長どうやって攻撃すれば…」

 

しかし船長の仲間はギルレットに攻撃が全然当てられないためかなり渋っていた。

 

「後ろにいる女を人質にしろ!そうすればこいつを殺れるはずだ!」

 

船長がセリシアを見ながらそう言う。

 

「そ、そうだ!その手があったぜ!」

 

「誰かあいつを捕まえてこい!」

 

そう言うと海賊たち数人が下衆の笑みを浮かべセリシアに近づこうとする。

 

「させるとでも?面倒だから君たちは眠ってもらうよ」

 

 

そう言うと僕は目を見開き()()()を発動させる。

 

「「「「「……」」」」」

 

バタッ…バタバタッ

 

すると船長以下の海賊たちは突如として白目を剥いてその場に崩れるように倒れた。

 

覇王色

これは相手を威圧する覇気で、世界で数百万人に1人しか素質を持たないと言われる特殊な覇気で、王の素質がある人はこの覇気を扱うことができる。もちろんのこと僕も覇王色の覇気を扱うことができるし、覇王色をコントロールして船長以外の海賊たちだけを気絶させることもできた。

 

そんな突然の光景に海賊団の船長と遠目から見ていた周囲の他の客たちは突然倒れた海賊たちに訳がわからず慌てていた。

 

「ん、これで邪魔はいなくなったね」

 

僕は気絶している海賊たちを一通り見ながらそう呟く。

 

「て、テメェ何しやがった!いったいどうなってやがる!」

 

船長は尻もちをつき顔を真っ青にして僕にそう聞いてきた。

 

「さぁね、君が知る必要はないよ」

 

そう言うと僕は船長に近づき…

 

「グギャ!?」

 

船長の額に思いっきりデコピンをした。

するとデコピンをされた船長は白目を剥きピクリとも動かなくなった。

 

「ギルレット様、終わったようですね」

 

終わった途端セリシアは僕に近づいてきて澄ました顔でそう言ってくる。

 

「うん、すごくすっきりしたよ」

 

僕はそう言うと笑顔で満足そうな顔をする。

 

「そうですか、ところでこの野蛮どもは如何なさいますか?」

 

セリシアは散り散りに倒れている海賊たちを見ながらそう質問してきた。

 

「そうだなぁ…放ったらかしはお店に迷惑がかかるからとりあえず亜空間に入れて何処かに置いておくよ」

 

そう言うと僕は散り散りに倒れている海賊たちを亜空間に入れる。

そしてその後に僕らは会計を済ませるとすぐさま酒場を出ていくのだった。

 

「……何者だあいつは…」

 

しかしそんな僕らを酒場にいたある人物は周囲に聞こえない声でそう呟き僕らが出て行った扉をじっと見ていたのだった。

 

 

 

 




今回の内容は色々迷った結果、最初はオリジナル展開でのスタートでいこうかと思います。勿論のこと原作にはタートル島は存在しないため、あまり面白くないかもですが読んで頂けると作者としては非常に嬉しいです。これからは失踪しないように頑張りたいと思います。
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