今回は友人の自堕落なネコのアイディアから生まれた、ゴッドイーターの二次創作です。
擬人化アラガミが出てくる予定なので、興味のある方はどうぞよろしくお願いします。
フェンリルsaid
二年前
ピー、ピー、ピー...
何処かで、警報のなる音がする。
「あはは...失敗しちゃったみたい...」
俺の目の前には、一人の女性が、壁に背を預けて座りこんでいる。
「もう、君と一緒には、いられないね」
彼女は、彼女の兄ともに、俺の面倒をみてくれた人だ。
「やっぱり、兄さんの言う通り、本部を信用しなきゃよかった...」
それは、大事な実験だったのだ。設備の問題で、フェンリル本部でしか、できなかった実験。
しかし、どの研究員かはわからないが、機械の一部を意図的に壊したようだ。その結果、実験は失敗し__
「あ、目が霞んできちゃった...」
彼女が被害を受けた。
「君が、やっと人型になれるはずだったのになぁ...」
そう、俺は人間達が、アラガミと呼ぶ存在。俺は狼の姿をしている。
一度だけ人を喰った際、人語が理解できるだけの知識を身につけたようだ。
だが、俺はアラガミ。人語は喋れない。
しかし、人間とアラガミの共存を目指すため、彼女は俺を人型にしようとした。
「ふふ、そんな顔をしないでよ」
今、彼女に伝えたい言葉は、俺の口からは出てこない。
この狼の身体が、これほど役に立たないとは。
「ねえ、一つ頼んでいい?」
俺のために命を落とす彼女に、俺に何ができる。
この、狼の身体で。
「私の身体を喰べてくれないかい?
大丈夫、兄も________スターゲイザーも許してくれるさ」
しかし、そんなことは。
「ふふ、迷っているね?
でもね、死ぬ前に君に喰べてもらいたいのさ。
大丈夫、私は君の中で生き続ける。
物理的にも、ね」
...彼女らしい言葉だ。
しかし、俺は。
「早くしてくれないかな。感覚がもう...」
.......彼女の言葉に覚悟を決め、彼女へと顔を近づけていく。
「そう。それでいいんだ。」
そして、口を開け、彼女に牙を突き立て____
「ありがとう。『フェンリル』」
彼女は、俺の名を、「君がこの名前のように強くなれるように」と、フェンリルという組織にはいる前につけてくれた名を、呼んだ。
そして。
世界に、狼の嘆きの咆哮が響き渡る_______
人間said
現代
『―――それでは、訓練を終了する』
そんなアナウンスに、新人は、動きを止めて、息を吐く。
訓練室。さっきまで動いていた訓練用のアラガミは、すでに動きを止めていた。
他の新人と比べ、かなり速いタイムだ。
「これが、新型…」
感嘆していると、後ろから声をかけられる。
「どうだいツバキ君。新人君は」
「ああ、サカキか。……動きは、悪くない。神器の使い方も平均以上。ただ…」
「性格、かい」
「ああ。あの臆病さは、実践の時にどう働くのか、正直わからん」
先ほど、ツバキが新人と対面した時の事。
『うわぁ!あ、すいません!えっと…ごめんなさい!』
…一言も発してない。ヘッドフォンをしていたので、後ろから肩をたたき、呼び止めようとしただけだ。
「うーん。じゃあ、まずはリンドウ君に任せてみよう。彼の意見を聞いてから判断すればいいんじゃないかな?」
「そうだな。……よし、リンドウにつないでくれ」
「はい!」
フェンリル極東支部職員が、無線を持ってくる。
『雨宮リンドウ少尉、直ちにサカキ博士の研究室まで。繰り返す、雨宮リンドウ少尉、直ちに研究室まで』
『…了解!』
無線の向こうから気だるげで、それでいてはっきりとした返事が返ってくる。
彼がついているのなら、新人が初ミッションで死ぬことは、まず無いだろう。
「さて、あの新人君の名前はなんだったっけ、ツバキ君」
「確か、河野ジュン、と言ったか」
「ふむ、ジュン君か…彼は、どんな活躍をしてくれるかな?」