希望ヶ峰学園は、三学期の真っ最中だった。
徐倫と白夜が、異常に暇そうにしていた。
白夜が突然、口を開いた。
「この学園に入学して、早一年が経とうとしているが、
未だに慣れていないとはな…とんだ、鈍感な奴だな、徐倫」
「は?アンタは一言多いのよ!
入学してから、変わっていないわね…
まぁ、超高校級の幸運として、いきなり、刑務所から、
仮釈放されて?それに、希望ヶ峰学園に入学しろと…
しかも、留年、話がぶっ飛んでいるわ…我ながら」
「徐倫、運はいい方か?」
「いきなり、何言いだすの?
不運ですとも?運が無い方だわ、アタシは」
父親である、空条承太郎は、海洋学者として、
世界中を転々としている為、
家には、まず、基本的に帰ってこない。
そうでなくても、徐倫の周りは、
チンピラや不良、さらには、暴走族の連中とも、
関りがあった時期があり、
大和田紋土とは、鑑別所で知り合った仲である。
運の無い、幸が薄い、徐倫にとって、
希望ヶ峰学園から、入学許可が、刑務所内に届いたことは、
何が何だか分からない位、混乱していた。
「まぁ、俺の目から見ても、徐倫が、
運がいい人とは、思えん、大和田みたいに、
ポンコツな不良としか、思えん」
「ハァ!?!?不良であることは、認めるけど…?
ポンコツって、言われるのが、気に入らないわ。
ムカつく金持ち野郎だわ、ウザいわ、ホントに」
「お前、見る目が貧困すぎるぞ?庶民や愚民に、
分かってもらえるつもりは、一切ない」
十神白夜
世界屈指の巨大財閥、十神財閥の次期当主。
本来なら、不良である、徐倫が、交わう事はないはずだった。
雲の上のような存在だった。
「石丸や大和田だけじゃないわ、
山田に桑田、それに、葉隠、それに、アンタがいてくれたから、
ある意味、楽しい学校生活が送れている気がするわ」
「俺としては、いい迷惑だが、貴重な時間を分けてもらっているんだ、
ありがたかく、思えよな?徐倫?」
「褒めているのか、貶されているのか、
わかんないけど…まぁ、いいわ、なんだか、いい気分になったわ」
「とんだ、楽観主義者だな」
「アンタ、どーせ、十神財閥、牛耳るから、
ワインでも、飲んで、風呂でも入るつもりなの?
万札の風呂でも、入るつもり?」
「俺が、そんな、悪趣味なことをすると思うか?あり得んな」
「ある意味、希望ヶ峰学園に通っていたって、
履歴書に書いたら、大半の一流企業は、
ほぼほぼ、何かしら、理由が無い限りは、就職できるっていうけどな…」
「まぁ、企業も行政も、大喜びだろな。
とはいえ、庶民以下だな、こりゃ、考えや思考が、
ただのチンピラだ」
「あぁ、チンピラよ、ただのチンピラ」
「呆れたな、じゃあな、徐倫」
十神は立ち去った。
でも、どこかで、穏やかな表情もしているように、感じていた。