私に槍が出てきた方向に振り向いたら、ついさっき忠誠を誓ったばっかりのランサーのクー・フーリンだった。
あの砕けた感じがあった雰囲気はまるでなく、獲物を捕らえたかのような鋭い眼光が目に写った。
「貴公が私に示した忠義は偽りだったのか?」
他の守護者達がランサーに向かって武器を構え殺気を放っているなか私はランサーに問いかけた。
するとランサーは構えていた槍を下げてこう言った。
「いや、マスターに対しての忠義はある。さっきの言葉も嘘偽りはねぇ、ただ」
「なんだ?言ってみろ」
「俺は
その場が静まり返った。無理もない、この
「ランサー、今自分のしていることが理解しているのか!?」
干将・莫耶を構えているアーチャーがランサーに注意する。側から見たらどうみてもおかしいからだ。
「あぁ理解はしているさ」
「なら!」
「理解はしているが、俺は納得していないところがある。マスターは確かに強い、肌で感じ取れるぐらいの覇気を感じ取れる。だがそれは実際に戦って感じ取れているものじゃねぇ。だから俺はマスターの強さを
ランサーは実際に戦って私の強さを知りたいとのこと。確かに、戦士としての誇りを重んじめているランサーらしい考えだった。
なるほど、確かに主君がどれほどの強さがあるか知りたいってものもあるかもね。
よかったーやっぱ気に入らないから謀反ってなわけじゃないんだねーちょっと心臓飛び出そうだったよ。
「そんな理由で王に対して矛を向けるのは些かよろしくないですねランサー。王がやらなくても、相手なら私が…」
「いいだろうランサー」
ギャラハッドがランサーの相手をしようとしているところを私がやってやると許可をだした。
アーチャー達何名かはおやめくださいと言っているが良いと言って声を抑えた。
確かにここで守護者達に自分の実力を見せつけるのもいいかもしれないな。
あと実は自分もこの世界に来て戦えるかどうか確かめたかったのもある。
「はっ!そうこなくっちゃな!マスター!」
ランサーは水を得た魚のようにウキウキとしていた。
そうと決まれば場所を変えなくては。ここではいささか戦うには少し狭いからな。
♢
第1階層 戦士の荒野
模擬戦はランサーが管理・守護している階層でやることになった。
ここならば遮蔽物や建物などもなく心置きなく戦うことができる。
私とランサーは互いに距離をとり武器を構えた。
ランサーは自ら使用している槍、魔槍ゲイ・ボルクだ。
対して私の武器は星の聖剣エクスカリバー。ただし、このエクスカリバーは通常のとはちょっと違うタイプでそこの説明は後で話そう。
「感謝するぜマスター、一騎討ちができてよ」
「そうか、ならすぐにやられるなよランサー」
「おう、そっちもがっかりさせねぇでくれよな」
勝敗はどちらかが負けを認めるか武装解除するか。スキルや魔法の使用は禁止となっている。
離れた場所には守護者達が見届け人となっているようだ。
そしてランサーは槍を構えてた。対して私は剣をおろし仁王立ちしていた。
「マスター、構えなくていいのか?」
「よい、それよりランサー相手に気をかけるほど余裕なのか?」
「はっ、ぬかせ後悔してもしらねえからな」
「ははっ、なら後悔させてくれあの時構えていればとな」
辺りが流石になりしばしの沈黙が続く。先に動いたのはランサーだった。
ランサーside
正直マスターが戦いに応じてくれるとは思ってなかったから俺は少し高揚していた。
マスターには不満がねぇが使える主君の実力も確かめてねぇなか忠義を誓うのは戦士としては黙っていられなかったからな。
だがマスターは俺の意図を感じ取ってくれたのか二つ返事で了承してくれたのはかんしゃするぜ。
だが、いざやろうとする時マスターは剣も構えねぇで
突っ立ってるときた。手加減してやるから慢心してるってるんならまずはその考えをへし折ってやらねえとな。
「ッハァっ!!」
ガァン!!
まずは小手調として槍で突き刺すが剣で防がれる。なら次は横左右から!
「オラッ!!」
カンッ!カンッ!!
金属のぶつかって鈍い音が響く。俺はすかさず槍を突いていき反撃の機会をあたえないように間合いを詰めていく。
ガァン!!ギィン!!
それでもマスターの剣は落ち着きがあり無駄なく槍をあしらって防いでいる。
「そらっよ!!」
ドゴォン!!
弾き返された勢いで回転し上から脳天目がけて槍を振り落とす。だがやはりそれも防がれる。
「ッチッ!」
ズサァァ!
俺はマスターから距離を取る為後ろに下がる。
…気にくわねぇ、俺の攻撃を全て受けながらあの場所から一歩も動いていねえ。
「どうしたランサー、そうも止まっていたら槍兵の名がなくぞ」
「っは!いうねマスター。あんたが一歩も動かないのは手加減のつもりか?」
「いや、別に動かなくても防げるからな。気にしたか?」
随分と口が達者みたいだな。だがそれは口だけではねぇみたいだ、マスターの顔からは焦りを一つも感じ取れねぇ。
「終わりか?なら、今度はこちらからいくぞ」
ッボン!!
「ッ!?ちぃ!!」
カン!コン!キン!キン!カン!コン!
無数の剣戟が俺に襲いかかってきた。速さは遅れを取らないと自負していたが…これは速すぎる!
っく!合わせるので精一杯だ!
「ハァッ!!!」
ドォン!!!
「うおっ!?」
重い一撃が入った。
なんとか防ぎれたが…っく…手が痺れてやがる…これがマスター強さか…!!
だがまだまだ!!攻めに攻める!!
ダージリンside
ふぅ、やはり守護者の中で戦闘能力だけ取れば1位の強さを誇るね。彼の一撃一撃が必殺のごとく強さを感じるよ。あれ1つでも当たったら致命傷になりかれないね。おまけに死角からの攻撃もあるし、パッシブスキルの直感がなかったら危ない冷や汗かいちゃうよ。
でもすごいなーこんなにも楽しいPvP戦は何年ぶりだろう。ユグドラシルでプレイヤー人数が少なくなってしまって対戦はできなくなってたけどこうしてまた戦えるのは新鮮な気分を思い出させるよ。
ん?距離をとって…あの構えは…
「マスター、俺は1人の戦士としてマスターに敬意を払い.この一撃を受け取って欲しい」
そう言ってランサーは腰を低くしゃがみ込み槍の矛先を私に向けて構えた。
あれは…
「ランサー!スキルの使用は禁止だと言っただろう!!」
エミヤはランサーがスキルを使おうとして注意した。そう先程のルールではスキルと魔法の使用は禁止となっていた。怒るのも無理はないまるっきりルール違反なのだから。
だが私はこの時ある考えをしていた。
「いいだろうランサー、くるがいい」
「!?マスターそれは!!」
エミヤが制止しようとしてる所私は許可をだした。これにはエミヤも呆れ顔で顔を手で押さえていた。
「マスター感謝するぜワガママ聞いてもらってよ」
「気にするな、我が配下のワガママくらい叶えてくれなくて何が王か」
「…ふっ、ありがとなマスター」
ボウッと朱色の槍が紅く光り出して、その光からは凄まじい魔力を感じ取れてきた。
くるか。
「その心臓───貰い受ける!」
ヴォン!
シュバッ!!
───"
放たれた槍から赤い稲妻がでて私に向かって勢いよく向かってくる。
禍々しく光放つその稲妻は不気味にも美しさを感じ取れるようだ。
"
これは心臓に槍が命中したという結果をつくってから槍を放つという原因をつくる必殺必中の一撃である。
「……ハァッ!」
ガッキィィィィン!!!
私はその槍をエクスカリバーで受け止めた。だが因果逆転の呪いは発動している。だがこの呪いを退ける方法は実はあったりする。
1つは因果操作を回避できる幸運の高さそして技量。
もう一つは…
「───"
すると、私の剣から無数の風が取り巻き剣を守るように固まった。するとその剣でランサーの"
そうもう一つの方法は同ランクのスキルまたは魔法で防ぐやり方だ。ただしこれは先程の幸運の高さも関わってくるので注意が必要だ。
「ハァァァ!!!」
パキィィィン!!
"
そして収まるとランサーは槍を引き、ふぅと息をつくと
「俺の槍をかわすとは…流石だ。認めるよ、あんたは間違いなく俺のマスターだ」
ランサーは潔く自分の負けを認めたようだ。こちらとしてはなかなかのPvPだったのでとても貴重な体験であの頃を思い出した感じだ。ランサーには感謝しないとな。
「貴公もなかなかの戦いっぷりだったぞ、またやりたくなったらいつでも声をかけるといい。その度に相手をしてやろう」
「うへー少なくとも暫くは戦いは遠慮するかもな。だがそん時は俺が取らせて貰うぜマスター」
そう言ってランサーは親指を自分に向けて、次は勝つとゼスチャーした。
こうしてランサーとの模擬戦は私の勝ちで終了したのだった。
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早くナザリックやオバロの世界を書きたいw