きっとこんな世界感のユグドラシルがどこかにあるはず   作:プロフェッサー餅

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長らくお待たせしました。。。
多忙につき遅れました、大変申し訳ございません。

それでは第三話もぜひお楽しみくださいませ。


取り返しは付くものと付かないものがある。

 

 

 

 

「グッ!!グハァッ!!!!」

 

 

飛び散る火花、流れる青色の液体。

 

 

その猛攻には一切の隙がなく、容赦というものを感じられなかった。

 

 

「フン!!」

 

 

この男は冷静に、冷静に次の行動に移る。

 

 

「A班とB班は回りこめ!C班はスイカをヨロイモードで解錠、D班は俺に続け!フォーメーションはベータ!!」

 

 

「「「「「了解!!!!」」」」」

 

 

一体の異形と戦う、松ぼっくりを模した集団の中に1人だけ、腹部のバックルが違う者がいる。

 

 

初瀬亮二だ。

 

 

『マツボックリエナジー・スカッシュ!』

「オラァ!!」

 

 

『『『『『マツボックリ・スパーキング!!』』』』』

 

 

そして刀の付いたバックル、“戦極ドライバー“を使用する集団、黒影トルーパーズ。

 

 

初瀬亮二は今、その黒影トルーパーズを率いて、

異世界の怪物“オーバーロード・インベス“と戦闘を行なっていた。

 

 

戦極凌馬や呉島光実が予測した通り、ヘルヘイムは早めに仕掛けてきた。

当初は対策としてトルーパー部隊の増員だけを行う予定だったが、初瀬は何か嫌な予感がしていた。その自分の感覚を信じた結果が、今である。

 

 

「ったく、こういう予感だけ当たるのは、俺は何かに呪われてんのか?」

 

 

そう愚痴をこぼす初瀬だが、

初瀬亮二の変身する黒影・真と、黒影トルーパーズの連携により、オーバーロードインベスとの戦闘は今の今まで事を有利に運べていた。

 

 

初瀬の高い戦闘力と、各トルーパーズの一撃離脱の流れるような連携。

 

 

若干の負傷者こそ出ているが、オーバーロードインベスに対して有利な状況なのは変わらない。

 

 

今まで黒影トルーパー部隊がオーバーロードを相手に、良い成果を挙げられたことは一度も無い。

 

 

蹂躙され、仲間を失い、失意に落ちた者や恐怖に沈んだ者もいた。

 

 

そんな今までの苦渋を思い出し、今回はこのまま押し切れるかもしれないと、そんな空気が黒影トルーパーズの中に流れた。

 

 

その淡い期待の空気が、

 

 

「ッぐふ・・・?」

 

 

黒影トルーパーズに、油断を生んだ。

 

 

「渋崎!!」

 

 

初瀬が、オーバーロードの伸びた腕に貫かれた黒影の名前を叫んだ。

 

 

「は、班長・・・?」

「しっかりしてください班長!!」

 

 

「お前ら!油断するな!!」

 

 

「う“っ・・・?」

「がっ!!」

 

 

『マツボックリエナジー・スカッシュ!』

 

 

「オラァ!!」

 

 

「ハッハッハッハ!!アマイ、アマイゾ。ニンゲン!」

 

 

一瞬の油断で、崩されてしまった。

空気が完全に変わってしまった。

変わってしまった空気、負傷者の数と戦力を考慮し、初瀬はこの場で立て直すのは困難だと判断、撤退を決定。

 

 

「D班は負傷者を連れて離脱!!A、B班はD班の退路を保ち順次離脱!!C班はジャイロモードへ変更して俺を援護!!俺はこいつを足止めする!!」

 

 

初瀬はトルーパーズを逃す為、C班と共にオーバーロードへ向き合ったのだった。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「ふっ!はっ!オラァ!!」

 

 

「オマエハタノシメソウダ。ダガ・・・」

 

 

「ぐはっ?!」

 

 

「マダ、アオイナ。」

 

 

クソっ!戦線は崩壊。分かっていたし知ってもいたが、なんつー強さなんだよオーバーロード!!

 

 

腕が伸びたり、分身したり、常識が通じないのは当たり前だが・・・

 

 

「フンッ!!!!」

 

 

『グゥっ!!?」

 

 

なんつーパワーだ・・・!

 

 

いくらゲネシスドライバーでも、このパワーを相手に正面からぶつかるのは分が悪い。

それに俺は他のゲネシスオーナーと比べるとダメージでの強制解除が早い。

きっと一発でも貰ったらアウトだ・・・。

 

 

『初瀬さん!A、B、D班、撤退完了しました!!』

 

 

よし!あとはC班と共に高虎さんの到着を・・・

 

 

「う、うわああああああ!!?」

 

 

「柳沢!!」

 

 

ウソだろ?あいつ、スイカアームズまで一撃で!?

ってマズい!オーバーロードの目の前で柳沢の変身が!!

 

 

「う、ううううわあああああ!!!!」

 

 

「柳沢ァァァ!!!!」

『マツボックリエナジー・スパァーキング!!』

 

 

柳沢を救うために焦りながら繰り出した俺の一撃は、

 

 

やはりというべきか、オーバーロードに軽く躱されてしまった。

 

 

そして攻撃を外した俺を見たそいつは、

 

 

こちらを見て一瞬、とても醜いような笑みを浮かべた気がした。

 

 

「は、初瀬さぁぁぁぁぁぁん!!!!!!」

 

 

一気に白く染まった俺の視界の中で、俺を呼ぶ仲間たちの声が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜少し前・ヘルヘイムの森 別場所〜

 

 

 

「ったくよぉ。ここどこなんだよ戒斗ぉ!!」

 

 

「分からんから調べてるんだろうが!」

 

 

打ち上げの帰り道、いつも通る道の空中にジッパーが浮かんでいるのを見つけ、その中の景色が気になり足を踏み入れてしまった2人の男がいた。

2人が足を踏み入れた先には森が広がっていて、日当たりも悪く、不気味な空気さえ漂っていた。

この森はとある企業によって“ヘルヘイムの森“と名付けられ、今も訳あって調査が難航しているというが、、、そんなことなどつゆ知らずに、この2人は・・・

 

 

「おい見ろ戒斗!!なんか珍しそうな木の実だぞ!!」

 

 

「おい待て!そんな得体の知れない物なんか触ろうとするな!!」

 

 

「ぐえっ?!・・・悪かったからパーカー引っ張らないで・・・」

 

 

何やら、緊張感が欠けているようだ。

 

 

「まったく。遠足気分でいて良さそうな場所ではないだろう明らかに。」

 

 

「そうだけどさぁ、嫌でも楽しそうにしてないと怖いじゃん?この森。不気味すぎるっていうか、、、」

 

 

「・・・・・・不気味すぎる森の木の実に触ろうとしてたのか・・・?」

 

 

「え??・・・・あ〜ははははは・・・ん?」

 

 

「どうした?・・・・・・なんだ?これは。」

 

 

歩いていた紘太が、何かを二つ、蹴っ飛ばしてしまった。

蹴っ飛ばした先に行ってそれを拾うと、それは明らかな人工物で、森にあるにしては不自然極まりないような代物だった。

2人は拾い上げたそれを見て、

 

 

「んだこれ、弁当箱?」

 

 

「いやいや、流石に刀のついた弁当箱なんてあってたまるか。」

 

 

・・・・・・いつもの調子だった。

 

 

「でも森にあるにしては不自然すぎないか?誰かの忘れ物かな。」

 

 

「ふむ、可能性はありそうだが・・・こんな不気味な森にいったい誰が・・・?」

 

 

「んーーーーーなんだこの凹み・・・ん?おい戒斗、何かこっちに来るぞ!」

 

 

「なに!?とりあえず隠れるぞ!」

 

 

そして彼らが隠れて少し経ってから、

そんな2人のいた場所に、3人組の黒スーツの男たちが歩きながら近づいてきた。

 

 

「なんだかこの辺で話し声が聞こえたような・・・。」

 

 

「他の班か?だがこの範囲を索敵する班は俺たちF班だけのはずだ」

 

 

「オーバーロードの反応も無いし。気のせいじゃないか?」

 

 

その男たちはすぐそばに隠れている紘太と戒斗に一切気づかず、そのまま話し込んでいた。

黒スーツにサングラス、不思議なベルト。怪しさが凄まじいが、その口ぶりからするに、この不気味な森のことを知っているのは間違いなさそうであった。

 

 

「なんなんだあいつら。戒斗は知ってるか?」

 

 

「知らんな・・・。だが、おい見ろあれ。この弁当箱、ベルトのバックルだったんだ」

 

 

戒斗の指差す先では、確かに紘太たちが拾ったものとそっくりな物が、バックルとして3人の腹部に巻かれていた。

 

 

「ほんとだ・・・でもこれはベルトがないな。バックルだけあっても・・・」

 

 

「それもそうだな。なかなかイカしたバックルなのに勿体ない。」

 

 

「ええぇ・・・そ、そうか? まぁ感性は人それぞ・・・れ・・・え?・・・うおぉ!?戒斗ぉ!ベルト出たぞ!」

 

 

「なに!?どういう事だ?」

 

 

「ぽん!ってお腹に当ててみろって!」

 

 

「ぽん?・・・・・・ぽん!・・・?な、なんだと!?」

 

 

戒斗が紘太に言われた通り、軽くお腹にバックルを当てると、どういう原理か黄色いベルトが展開され腰に巻きついた。

 

 

「本当にどうなっている?」

 

 

「誰だっ!!!!」

 

 

ビクウゥ!!

 

 

ベルトの原理に気を取られ、声が知らずに大きくなってしまっていたのか、黒スーツの男にこちらを向かれてしまった。

 

 

(マズいマズい、見つかったら何されるかわかんねーよ。)

(こんな森にスーツでいるような怪しいやつらに捕まるわけにはいかないな・・・)

 

 

「・・・・・?気のせいか?」

 

 

「まぁ例えインベスだったとしても、オーバーロードでもない限り大丈夫だろうよ。」

 

 

「そうだな。でも油断は禁物だぜ。」

 

 

「分かってるさ。」

 

 

(インベス?オーバーロード?一体なんの話を・・・)

 

 

(あっ!戒斗みろアレ!変なの出てきた!)

 

 

紘太が指さした先には、ずんぐりむっくりといった言葉がよく似合いそうな、ダンゴムシにも似たような何かが歩いていた。

 

 

「下級インベスか。敵対意識も・・・。」

 

 

「仕方ない。余計な殺傷はしたくないが、今は時間が惜しい。」

 

 

そう言ってスーツの男達は、懐から錠のような物を取り出して、スイッチを押した。

 

 

『『『マツボックリ!!』』』

 

 

(松ぼっくり?・・・・・・ま、松ぼっくりだ!!!?)

 

 

(松ぼっくり、、、だな。)

 

 

紘太と戒斗が酷く驚いたが、それも無理は無い。

2人の言葉の通り、正真正銘の大きな松ぼっくりが男達の頭上に出現したのだ。

 

 

「インベス、悪く思うなよ。」

 

 

『『『ロックオン!ソイヤッ!』』』

 

 

『『『マツボックリアームズ!一撃!インザシャドウ!』』』

 

 

(一撃、なんだって?)

 

 

(変な歌だな。)

 

 

「時間が無い。手短に済ませさせてもらう!行くぞ!!」

 

 

『『『マツボックリスカッシュ!!』』』

 

 

松ぼっくりを纏った男達の総攻撃を受けた怪生物は、跡形もなく倒された。

 

 

(す、すげぇ。この弁当箱あんな事できるのか・・・)

 

 

(バックルだ。だが恐ろしいなこれは。使い方を少しでも間違えると………ん?あいつらのやつとはベルトの色が違う。俺たちとアイツらので何かが違うのか?)

 

 

(あ、こっちのは顔が書いてあるぞ。)

 

 

(あいつらのは無地のままだな。)

 

 

2人の言う通り、2人に巻かれたベルトは黄色で、バックルには仮面の横顔のようなものがプリントされていた。

一方、松ぼっくりの男達のベルトは銀色で、バックルは無地だった。

この違いは一体なんなのだろうか・・・。

 

 

(なにがどうなって…ん?なんだこれ。)

 

 

(どうした?)

 

 

紘太はまたしても何かを蹴っ飛ばしたらしく、蹴飛ばしたそれを拾い上げた。

 

 

(見ろよこれ、アイツらが使ってるのと一緒じゃねぇか?カギ?みたいな)

 

 

(ミカンと、バナナか?そういえばアイツらはマツボックリなんとかと言っていたな。そっくりな見た目といい、何か関係がありそうだが・・・)

 

 

(おれミカン好きだからこっちやるよ。)

 

 

(・・・まぁ、一応もらっておこう。)

 

 

「よし、先を急ごう。」

 

 

「……じゃ………も」

 

 

(あ、戒斗!あの人たち行っちまう!)

 

 

(よし、後をつけ・・・待て葛葉!アレをみろ!)

 

 

(えぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!)

 

 

(そういうボケをかましている場合か!!)

 

 

戒斗が指を刺した先には、彼らがこの森に来るために通ってきた物と同じジッパーが浮いていた。

森の中を長らく歩いていたが、そういえばジッパーを見る機会が一度もなかった事を2人は思い出した。そして自分たちがこの森に来るときに通ったジッパーは森に入った途端消えてしまったことも。

 

 

「って、あっ!ジッパーの向こうに見えるの、沢芽のサードストリート!!」

 

 

「どういうわけかは分からんが、これが帰り道のようだな。マツボックリのアイツらが気になるがこのジッパーも少しずつ閉まってきているし、ここは大人しく帰った方が良さそうだ。」

 

 

自身らの腹部に巻かれたベルトのことも含め松ぼっくりの男達を追いかけたかった2人だが、今のところこのジッパーを通ることしか変える方法を知らない2人にとって、このジッパーを逃すことはしたくなかった。

 

 

「っていうか、なぁこの弁当b・・・バックル、返した方がいいんじゃないか?きっとあの人たちのだろ?」

 

 

「確かにそうだな。あまりの怪しさに咄嗟に隠れてしまったが、、、、ってマズい!ジッパーが閉まる!!急げ葛葉!!!」

 

 

「ああああああああ!!!!とうっ!!」

 

 

ジジジジジジィィィ・・・・・。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

???「さて、お前らはその力で、どう言う未来を勝ち取るのか。見せてもらうぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

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