ある日俺は呼び出された。

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義父の性に飽きた

「あぁ……やっちまったなぁ」

 

 

 

 片手を上げて頭を掻こうとしたところで、その手にべったりと赤いものが付いていることに気がついて手を引っ込めた。部屋中にも無惨に散乱し、壁、床、果ては天井まで染め上げていた。今すぐここから逃げ出すべきだと思うがそうもいかなかった。どうやら丁度通りがかった目撃者がいたのだ……何もせずに逃げるわけにもいくまい。

 

 

 

 さっきまで目の前で喋っていた人が物言わぬモノになっているのだ。遂にやっちまったか、という反応しか出ない。しかも罪悪感なんてこれっぽっちも浮かばないのが逆に笑えてくる。本当に自分の事じゃないみたいだ……無性に腕に通していた輪が気になり始めた。急いでそれらを外していく。

 

 

 

 たぶん正当防衛で押し通すことも出来るだろう。向こうは本気だったし、こっちだって人生が懸かっていたんだ──やり返すのも無理がなかった……なぁ、お前もそう思わないか?

 

 

 

「……なんてことを」

 

 

 

 はぁ……見てたなら助けを呼ぶなりしてくれれば良かったんじゃないか? 運が良かったものの危うくやられるところだったんだぞ?

 

 

 

「間に合わなかったのよ! ほんの一瞬でパパがっ!」

 

 

 

 ──やるか、やられるかだったんだ……なぁ、どうしたら良かったって言うんだ、大人しくやられておけば良かったとでも言うのか? そうじゃなきゃ、他にやりようがあったか? ……いや、手遅れだったんだよ。時間が経てば経つほど、その分ただ猶予が短くなるだけだ──本物の時限爆弾みたいに! この恐怖が分かるか!? 内心でどんなに嫌がっていたか分かるかっ!? ……それでもやるしかなかったんだ。これは俺の責任じゃねぇ、落とし前はお前が自分で付けるんだな。まぁ、もう何も言えなくなっちまったが……やっぱり笑えてくるよな。

 

 ──楽になったよ。一番の懸念が吹っ飛んだんだ……これでもう何も気にしなくて良い。もう全部終わりだ。ただ本当に、こんなくだらないモノのために必死になった自分が滑稽だったと思うよ。……じゃあな、俺はもう行く。今まで世話になったな。あとはよろしく頼んだ──

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「──私にはもうあなた達が分からないわ……毎度の事だけどふざけないで、どうして結婚するかどうかをスイカに輪ゴムを掛けていくチキンレースで決めようとするのっ!? こんなので決められるわけないでしょというか何逃げようとしてるのあなたは片付けてから帰ってちょうだいっ! パパもなに気絶してるの起きて片付けなさい今すぐ!!」

 

 

 

 

 




岐阜も佐賀も秋田もいいところ。

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