【UT_AU】雲外蒼天【短編集】   作:花影

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ついにDreamswapにも手を出しました。Dreamswapって何?って人は調べてください、私の語彙力(笑)で説明するのは難しすぎるんで。
あと内容は知ってますが設定がごちゃごちゃだと思います。

2021年2月27日(土)
読む前に必ずDreamswapの内容を調べることを推奨します。


17.雨の日のこと(クロメア・Dreamswap)

二月のとある日のこと。

 

「はあー……」

 

俺はデスクに突っ伏していた。別に倦怠感があるとかそういうことではなく、単純なことだ。何も思い付かない、ただそれだけである。

 

俺は顔を上げて、文章がびっしりと書かれた紙を手に取る。万年筆は知らない、ついさっきぶん投げた記憶しかない。万年筆のペン先は鋭く尖っている、何か破っていないといいのだが。

 

そんなことはどうでもいい。俺は手に取った紙の内容を目で読んでいく。とある宇宙船の中で目覚めたニンゲンが、自分の故郷に帰ろうとするというなんとも一般的なお話。

 

ただ単に故郷に帰るだけではつまらないので、それなりに設定を加えてみた。宇宙船の中で目覚めたニンゲンは記憶を無くしており、さまざまな星を訪れながら自分の記憶を取り戻していく。そんな内容にしたのだ。

 

それまではいい。衝動的に思いついて、よっしゃやってやろうと執筆し始めたところまではいいのだ。問題はこの後から。

 

短編ならまだ簡単に続けられる。大きな1つの話よりも、小さな1つの話をメインとするからだ。しかし長編はどうか?

 

長編で取り上げるのは小さな1つの話ではなく、大きな1つの話。結論を言うと長編というのは小さな1つの話の集合体なのだが、これが何よりもきつい。モチベーションというものがもたないのだ。

 

今まで書いてきた小説がすべて短編だったことを思い出す。短編しか書いてなかった俺が、なぜいきなり長編なんぞ書こうとしたのか。衝動的に思い付いて書き始めた過去の自分に問いたいものだ。

 

文章がびっしり書かれた紙をデスクに放り投げる。紙がパラパラと宙に舞った。何枚かはフローリングの床へと落ちていく。面倒で、拾い上げる気にならなかった。そのとき、コンコンと扉がノックされ、俺の返事を待つことなく扉が開かれる。

 

「ナイトメア」

 

赤いシャツの上から黒色の半袖ジャケットを羽織った人物。エラーだった。彼は確かスワップから逃げてきたはず。スワップのことだが『あいつなんか友達じゃない!』と叫んでいた記憶がある。普段物静かなはずの彼が、唯一叫んだ瞬間だった。ちなみに俺の友人。

 

「どうした?」

「……クロスはどうしたの?」

 

エラーはデスク前の対になったソファーに腰掛けながら言った。クロスも俺の友人で、ちょっと荒っぽい気はするがいいやつだと勝手に思っている。

1つ言うなら、なぜ俺が車を運転してはいけないのかを聞きたい。

 

「おつまみ買ってくるとか言ってどっかに行ったぞ」

「……そう」

 

エラーは俯いた。俺は違和感を覚える。何かあったのか? エラーをじっと眺める。やがて、何を言いたいのかがはっきりしてきた。

 

「……午後から雨が降るって言ってたけど、大丈夫なの?」

 

そういや午後から雨が降るとか言っていたな。降水確率はかなり高かったはずだ。今の時刻は午後二時を過ぎている。

 

「何時から雨が降るって言ってたか?」

「……確か二時から」

 

マジかよ。俺は回転式の椅子を回して窓の外を見る。外は灰色の雲に覆われ、やがて細長いものが落ちていくのが見えた。

 

「……どしゃ降り?」

「いーや、そこまではないな」

 

小雨でも、どしゃ降りでもない。いたって普通の雨だが……。俺は椅子から降りる。

 

「……どこに行くの?」

 

後ろからエラーの心配そうな声が聞こえてきた。

 

「玄関。ちょっと気になることがあるんだ」

「……そう、分かった」

 

俺はドアノブを回して廊下に出た。

 

 

 

 

 

 

玄関。俺は扉の隅に置かれた傘立てを見て、頭を抱える。クロス用の黒と白の傘が、忘れ物のようにぽつんとかけられてあった。持っていってなかったのか。朝、ちゃんとテレビを見ていたはずなのに。

 

「あの馬鹿……」

 

今頃走って帰ってきているだろう。びしょ濡れだろうな、クロス。そんなことを思っていた途端、乱暴に玄関の扉が開かれる。

 

「はあ……はあ……」

 

クロスだった。膝に手をついて酸素を貪っている。片手にはビニール袋が提げられており、そこからはポテトチップスの袋が覗いていた。

 

「おかえり」

「あ、ああ……ただ、いま……」

 

クロスは絶え絶えに言葉を繋いでいく。よっぽど走ったらしい。そして予想通り、びしょ濡れだ。俺は軽くため息をつく。

 

「タオル持ってくる」

 

クロスは返事することなく頷いた。俺は洗面所からタオルを1つ持ってきてクロスの頭に被せてやった。クロスはタオルでわしゃわしゃと体を拭き始める。

 

「何買ってきたんだ?」

「つまみ」

 

いや、それぐらい知ってる。というか出掛ける前に言ってただろ。

 

「そうじゃなくて、中身だ中身」

「見りゃ分かるだろ。酒のお供だ」

 

道理でポテトチップスやらチータラがあるわけだ。ここのクロスは酒に強い。俺のオリジナルであるナイトメアも酒には強いらしいが、対して俺は飲めない。そしてそれは、Xtaleのクロスも同じらしい。

 

「飲むか?」

「つまみだけ貰う。酒はいらない」

「つまんねぇな……」

 

軽い舌打ちが響く。クロスの酒に付き合っていたらまともではいられなくなる。それを一回経験してしまったので、もう二度と酒に付き合わないようにしているのだ。酒は飲まず、つまみだけ貰う。

 

「……にしても、寒いな」

 

クロスは自分の体に両手を回す。タオルは頭から被っていた。

 

「そりゃ、傘も指さずに帰ってきたんだから当然だ」

「おい」

「なんだ?」

 

少し首をかしげる俺の前でクロスは自分の体に回していた両手を前に広げる。まるで俺を受け入れるかのように。

 

「ぎゅーしろ」

「……は?」

「寒くて仕方ねぇんだよ、早くしろ」

「はあ……分かった」

 

俺はそっとハグしてみる。思ったより冷たかった。こりゃクロスが『寒い寒い』と言っても仕方ない。クロスはぎゅーっと抱き締める。俺の口から「うぐぇっ」という奇声が漏れた。

 

しかしいつまでこうすればいいんだ? 嫌でも体温が上昇していくのが分かる。ああ、恥ずかしい……。

 

「……ん」

 

満足したのか、クロスは体を離した。俺は咄嗟にクロスに背中を見せる。恥ずかしいどころではなかった。

 

「何してんだ?」

「ほっ、ほっとけ! 早くしないと風邪引くぞ!」

 

走って部屋に戻る。それが、今の俺に出来ることだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可愛い奴……




とりあえず関係ないけどマーダーくん誕生日おめでとう!(13日遅れてますよ)
私のなかでのDSはこんな感じ……。上手く表現出来てたらいいな。
あ、そうそう。UAが700突破しました、ありがとうございます!
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