【UT_AU】雲外蒼天【短編集】   作:花影

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見る前にワンクッション。
とにかく口が悪いです。暴言吐きまくってます。まあこの二人仲悪い設定が多i((それ以上はいけない


27.なんだかんだ言って(Killer,Murder)

ナイフを振り下ろす。ぐさりと確実に刺さる感触と共に、快感が体をはしる。ああ、これだよ。僕が求めていたのは。

 

昔は否定していたような気がするけど、今となっては何故否定していたのかさえ分からない。ただひたすら、快感に溺れていくのは悪くなかった。むしろ、殺してこその僕だと思う。

 

僕の存在意義はコレ(EXP狩り)。闇AUの家に住むのも悪くないけど、一番楽しいのはコレぐらいしかない。それ以外は、ほとんどどうでもよかった。

 

それにしても……。僕はナイフを抜きながらため息をつく。このモンスターしぶといな。普通なら一回刺しただけで塵になるはずなのだが、もしかして防御することしか能がないのかな?

 

だとしたらバカだね、この世界は殺るか殺られるかの世界だ。防御に振ったところで、生き延びれるとは思えない。

 

恨むなら僕じゃなくて、防御に振りすぎた過去の自分を恨んでね。目の前で膝をつくモンスターに、僕は心の中で呟いた。

 

さて、最後の一撃でも与えるか。ふらふらと歩いてくる僕を、モンスターが捉える。が、その目は怯えていた。

 

モンスターの目に、僕はどんな姿で映っているのだろうか。きっと殺人鬼か死神として映っているんだろうなあ。まあ、正しいのは前者だけども。

 

「怖いのかな? 大丈夫だよ、痛いのは最初だけだからね!」

 

笑ってみせる。モンスターの目に恐怖が浮かんでいくのがわかった。あのタコが大喜びするやつじゃん。今日の晩御飯はたこ焼きにでもしてやろうかな、と言ってもあいつに恨みなんかないけど。

 

でも、たこ焼きにしたらクロスくんに怒られそうだしやめとこ(クロスくんはあいつと主従関係を結んでいる。僕には理解しがたい)。

 

もう一度ナイフを振り下ろそうとしたその時。白い霧を裂くようにして、細長いものがモンスターめがけて飛んできた。気づいたころにはもう遅く、それはモンスターの心臓に刺さる。……白い骨。

 

血飛沫が飛び、モンスターは顔から倒れる。水が蒸発するような音がして、モンスターは塵になった。驚きよりも、獲物を取られたという絶望が勝る。

 

「おいおい、なーに棒立ちになってんだ?」

 

塵を眺めていた僕に、容赦なく言葉が突き刺さる。霧の中に浮かび上がるシルエット。やっぱりお前かよ、ああ腹立つ。

 

「……まーた取りに来たんだね、幻覚幻聴野郎が」

「お前が止めを刺さないのが悪いんだな」

 

霧の中から、一人の骨が現れた。青いパーカーには白い塵、深く被られたフード。マーダーだった。こいつは僕と同じでEXP狩りをしている。そこまではいいのだが、こいつは僕の獲物を横取りしてくるのだ。

 

EXPは殺した本人しか貰えない。瀕死にしても意味がないのだ。だから素早さが求められるのだが、僕はじっくり楽しみたい。だって素早く殺しても快感なんて感じないし。

 

「刺そうとしたよ。その前にお前が取るからあ」

「あのなあ、こういうのは素早さが求められんだよ。じっくり楽しんでちゃLOVEどころかEXPも手に入らないんだぞ、お子様ぁ?」

「うっざ。お前の分のご飯なしね」

「地味に困るな」

 

マーダーは嫌そうに顔を歪める。僕の獲物を取るからだろ、この幻覚幻聴野郎。僕は鼻を鳴らす。少しだけすっきりした。

 

「で、もう充分に取ったろ? 帰るぞ」

「充分に見える?」

 

僕の言葉を無視して、マーダーはそそくさと帰ろうとする。話聞けや、そろそろこいつは殺さなきゃなあ。僕の獲物横取りするし、うざいし。

 

でも、何だかんだ言って殺せないでいる。去年のいつ頃か忘れたが、こいつに『今年こそ殺すね』って言った気がする。が、未だに殺せていない。それは単純にこいつが強いからってこともある。……だろうけど。

 

多分、僕はこいつのことが好きなんだと思う。獲物は横取りしてくるし、発言はうざいし、中指立ててくるけども(ちなみに僕も立ててたり立ててなかったり)。それがあっても、僕はこいつに惹かれてしまったんだろうなあ。何故か殺したくないし。

 

「何ボケッとしてんだよ、殺されたいのか?」

「んなわけないでしょバーカ」

 

僕は走ってマーダーの先を行く。後ろから「あ、待て早いんだよてめぇは!」なんていう暴言が聞こえてくるが、無視してやった。(鈍足ではないが)遅いお前が悪い。

 

「僕が先に家に着いたらEXP全部ちょうだいねー!」

「ふっざけんなこの快楽殺人鬼!!」

 

後ろからマーダーが追いかけてくる。僕の口から笑い声が漏れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何だかんだ言って、君は殺せないや。




果たしてキラーくんはお子様なのか?どうも花影です。
というかキラーくんやマーダーくんの年齢知らないんですけど……誰か分かる人いらっしゃいますかね?個人的には二人とも二十歳ぐらいだと思ってます。……待ってそうだとしたら全然お子様じゃない。
仲悪そうだけど何だかんだ言ってお互いを殺せないマーダーくんとキラーくんが好き。
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