Killing time→暇潰し
翻訳を載せていますが、間違ってたらすみません。
あと今回はバトルシーンがメインです。
赤く染まったナイフを振り下ろす。確実に体の奥に刺さっていく感覚、痺れるような快楽が体をはしる。目の前のモンスターからナイフを抜くと、もうピクリとも動かなくなっていた。念のため、もう一度深く突き刺しておく。蒸発するような音とともに、モンスターは塵となった。
「こんなもんかな?」
ざっと辺りを見渡す。静まり返った白い大地。気配はなく、終ったなと確信した。座りたくなったので、そこら辺に散らばっていた塵をかき集め、山のように積み重ね、そこに座った。クッションじゃないのが残念だが、そこは目を瞑っておく。
「あーあ……」
塵の山に埋もれてナイフを回していたとき、どこからか声が聞こえてきた。何事かと辺りに視線を巡らせていた僕は、あるものを見つける。
それは紫色の一本の線だった。太い。ついさっきまで無かったはずなのだが? やがてそれが、山から人の形に盛り上がっていく。あれっ、どっかで見たことあるな、この光景……。
「ごきげんよう」
頭の隅で記憶をさらっていたとき、紫色の線から盛り上がってきた何かが正体を現す。目に入ってきたそれを見て、僕は懐かしい気持ちになった。
まばたきするたびに変わる目。長いスカーフ。そして、いろんな色が入った瓶。間違いない、僕はこの人に会ったことがある。
「あっ、ペンキくん! こりゃ奇遇だね」
「……またEXP狩りしてたんだ」
笑顔で出迎える僕とは反対に、インクは冷たい声で言い放った。よく見るとインクの目はどちらも白。ソウルレス状態か、道理で突き放すような声なわけだ。
「君は本当に殺すことにしか興味ないんだね。自分の快楽のためなら他なんてどうでもいいんだ?」
「そりゃそうでしょ。僕は殺すために存在しているからね!」
彼の目は赤くなっていないのに、なんだこの威圧感は。インクは無言で大筆を取り出す。ナイフを握る力が無意識に強くなった。
ソウルレス状態のインクに会うのはこれで二回目だが、なんと言うか威圧がぐいぐいと刺さっているような気がする。
「君は分かってない。壊されたAUの痛みが」
「あっはは!! 殺人鬼にそれを言ったところで、さ?」
分かるわけないじゃん!!
僕は地面を蹴って一気に間合いを詰める。そのままナイフを横にはらった。感覚がない、避けられたか。インクは後ろに飛び下がって大筆を構えて振る。青色のインクが飛んで、地面に落ちる。
空に上がる水柱。あの青色のインクからそれが作れるなんて、面白い能力を持ってるなペンキくん! 水柱が目の前に迫ってくる。僕も後ろに飛ぶ__。
「いたっ!?」
背中に鈍い痛みがはしる。振り返った刹那、なぜ鈍い痛みがはしったのか理解する。インクが後ろに回って、大筆を振ったのだ。
空中に飛ばされた僕。そのまま水柱へと突っ込み、上へと上げられた。動こうにも、水柱が邪魔して動けない。それに、服が濡れていくのが分かる。まさか、これが本物だなんて! 彼の『描いたものを実体化する能力』は本物だった。
しゅっ、という風を切る音とともに、インクが大筆を大きく振りかざして迫ってくる。そのまま決着をつけるつもりか! 大筆が顔に当たる瞬間、僕は近道を使って距離を取る。と同時に、ナイフを振るって水柱を消しておいた。
「ちょうど退屈だったんだよね! こりゃ楽しみだ!」
びしょびしょがなんだ。楽しめれば問題ないさ。
「喋ってる暇があるのなら」
インクは目を細めた。
「避けることに専念してみたら?」
そうはいかない。
「避けてばっかじゃ面白くないよ? 今度は僕のターンだね!」
さあ始めようか。
暇潰しを。
「どうだった?」
「楽しかったよ!」
バトルシーンって……難しすぎませんか……?
ちなみに最後の「どうだった?」はメア様が言ってます。たまにはバトルシーンも書かないとですね。