【UT_AU】雲外蒼天【短編集】   作:花影

4 / 55
04.あの子は誰のもの?(メアクロ、ドリクロ)

?「クーロースー!」

「うぉわっ!?」

 

背後から聞こえてきた幸せそうな声。俺が振り返る直前、それは俺の首に手を回した。金色の手袋……まさか。

 

「どうもこんにちは、ドリーム先輩」

 

そう、俺の背中に抱きついてきたサンズはドリーム。ポジティブな感情のガーディアンで、ネガティブな感情のガーディアンだったナイトメアの弟。ナイトメア曰く永く生きているらしいが、年齢は教えてもらっていない。

 

ドリ「うん、こんにちは。久しぶりだね、元気にしてた?」

「ええ、元気にしてましたよ。ナイトメア先輩も元気です」

ドリ「へぇ、元気だったんだ。今、ボクが来てるから元気じゃなくなるかもね。ふふっ…」

 

頭上から、妖しげな声が降ってくる。俺より身長が高いドリームは、兄のナイトメアと対立している。それは今に始まったことではないらしい。

 

今俺たちがいるのは闇AUの一部のサンズ(俺も含む)が住む世界。奇跡的にキラーたちはいないものの、これを見られたら少なくとも半年ぐらいはネタにされかねない。

……ここは俺の部屋だし、まあ、バレないか……。

 

ドリ「にしても、クロスって小さいから抱きやすいんだよね。落ち着くなあ……」

 

ドリームは優しく俺を後ろから抱き締める。小さいと言われ、俺はむすっとなった。

 

「小さいってなんですか。俺そこまで小さくないと思うんですけど」

ドリ「いーや、ボクからしたら小さいほうだよ。試してみる?」

 

俺の答えを待つ間もなく、ドリームは体を動かして俺のベッドに座る。それに引っ張られた俺もベッドに座る形になっ……てない。

気づけばドリームの体の中にすっぽりと収まっていた。

 

「え、ちょっ、先輩!?」

ドリ「うん、やっぱり小さいね」

 

トクントクンと、ドリームのソウルが脈打つ音が聞こえてくる。ああ、生きてるんだなと改めて思った。

いや、そんなことよりも。

 

「あのっ……先輩……離してもらっていいですか……?」

ドリ「え、嫌だけど」

 

速攻で切り捨てられた。

 

ドリ「クロスの部屋に来る前に見たけど、どうやら他のサンズたちはいないっぽいね。ただ、ネガティブな感じはしたからメアはいるようだけど……。まあ、そんなこと関係ないけどね、クロスはボクのものだし」

「はいっ!?」

 

体が大きく震え、体温が上がり始める。そりゃそうだ、いきなり前触れもなくボクのものと言われたのだ。しかもナイトメアの弟、ドリームに。

 

?「ほう、よく言うようになったな、ドリーム」

 

反論しようとしたその時、低く冷たい声が聞こえてきた。まさか……。俺は声のした方を見る。そこにはさっきまでなかった黒い水溜まりが出来ていた。

 

やがて、その水溜まりが、人の形をつくっていく。それは俺が見慣れた姿だった。彼特有(?)のねちゃねちゃとした音が聞こえてくる。

 

ドリ「あーあ、来ちゃったか……」

 

ドリームは俺の背中と足の下に手を差し込み持ち上げ、お姫様抱っこの体制にすると、ベッドから立ち上がった。

……待てよ、お姫様抱っこ!?

 

メア「ごきげんよう、ドリーム」

ドリ「ごきげんよう。で、何の用?」

 

ドリームは兄のナイトメアを冷たい目で見ている。が、ナイトメアも負けていない。触手が俺の腕に巻き付く。

 

メア「クロスを降ろして返せ。こいつは俺のものだ」

「ええっ!?」

 

またしてもか。体温がどんどん上がっていく。ソウルが馬鹿みたいに脈打つ。

 

ドリ「メアもよく言うよね……。クロスはボクのものだよ?」

メア「いつからお前のものになったんだ? こいつは俺に従ってるんだぞ」

ドリ「従ってるからって自分のものになったわけじゃないよ。それに、クロスにとってここは先輩しかいないし、従うのも無理はないよ」

 

 

 

 

 

 

しばらく言い合っていた二人だが、ふと急に。

 

メア「あっ、そうだクロス。お前に聞きたいことがあるんだが」

ドリ「あっ、ボクも」

「何でしょう……?」

「好きな人いるの?」「好きな奴いるのか?」

 

二人の声が重なる。唐突な質問、またしても前触れもない。俺は目を丸くすることしかできなかった。

 

「え? えっ……とー……」

ナイ「いるのか? なあ? いるのか?」

ドリ「すっごく気になってたんだよね、好きな人……。あっ、人だけとは限らないか」

「いません……けど」

 

沈黙で満たされる。ちょっと待って、苦しい。誰か喋ってくださいお願いします。というか降ろしてくださいドリーム先輩。

 

メア「……ほーう。いないのかぁ……」

 

ナイトメアは目を細めて俺を見た。その口角は上がっている。……嬉しそう。

 

ドリ「ふふっ、よかった。もしいたら殺してたところだったよ?」

 

ドリームはまだ俺をお姫様抱っこしたまま、にっこりと笑う。いや怖い、怖すぎる。

 

メア「奇遇だな。俺も殺してたところだ」

 

怖いんですけどこの兄弟!? 笑顔で物騒な言葉を口にしてますけど!? ナイトメアはまだしもドリームは言っちゃ駄目なのでは!?

俺が相手にしている先輩は全員物騒な気がする……。

 

「ところで……降ろしてもらっていいですか?」

ドリ「嫌だよ。降ろしたら可愛がれないし」

 

俺はペットか何かですか。

このあと結局、俺はドリームが帰るまでお姫様抱っこされたままであった。

 

 

 

 

 

「ようやくお姫様抱っこできたぞ」

「降ろしてくださいよ……ご飯作れなくなります……」

「クロスー、ご飯作る……」←ドアを開ける

「「あっ」」




個人的にドリームくんはラストくんみたいな口調だといいなあと思ってます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。