「エラー?」
また君の名前を呼ぶ。けれど、君は聞こえていないかのように黙々と手を動かし続ける。赤い丸渕メガネの下で鋭く光る目、どうやら集中しているらしい。いくら恋人とはいえ邪魔すると怒られそうなのを察した僕はクッションに埋もれた。
ErrorSans。AUの破壊者で、守護者の立場である僕とは対立関係にある。けれど、僕たちは付き合っている。端から見れば謎だろうけど、そんなことはどうだっていいのだ。
ツンデレだけど、優しくて可愛くて料理や裁縫も上手なエラー。正直文句なしと言いたいところだけど、僕は一つだけ言いたいことがある。
恋人なら恋人らしく、あれこれしたい。
例えば、手を繋いでみたりハグしてみたり、なんならキスもしてみたい。その先は……まだ早いだろうけど。でも、僕はエラーとイチャイチャしたいっ!! って思うのはいいことなんだろうけど、問題があって。
彼は接触恐怖症持ち。触られたり、近づかれることを極端に嫌っている。付き合いはじめて3ヶ月ほど経つが、未だに手を繋いだことがない。
僕が近づくことは大丈夫らしいけど、触れるとなるとすごく嫌がる。恐怖症ということだけあって、簡単には克服できない。
それでもだよ。僕はエラーとイチャイチャしたいの! 恋人らしいことしたいの! いっそのこと僕から仕掛けても悪くないと思うけど、それで嫌われるなんて真っ平ごめんだ。下手したら休戦条約を破られかねない(まあそんなことしないと思うけど)。
「エラー? 聞いてる~?」
ちょっと時間が経ったし気づいてくれるかな、なんてことを思いながら声をかけるが、やはり返事なしだ。にしてもすごい集中力。集中がすぐ切れる僕とは全然違うや。
……ん、待てよ。これ、頬にそっとキスできるんじゃ?
エラーの横顔を眺めながら僕は思った。彼は裁縫に集中している状態。キスしたせいで怒られるかもしれないけど、悪いのは恋人らしいことをしてくれないエラーなんだからね! 理由を頭に詰め込み、僕はエラーの頬にそっとキスを落とす。かつん、という軽い音が空気を揺らした。
その瞬間、エラーの手が止まる。まるで、時間が止まったかのように。もしかしてフリーズしちゃったのかな? でも、ERRORの文字は周囲に表示されていないし……。ためしに僕はエラーの前で手を振ってみる。
反応がない。本当にフリーズしちゃったのかな? もう少しだけ手を振ると決めて、振ったその時__。
がしりと手首を掴まれた。
「……あれ?」
「何をしテいる」
あっ、反応した。相変わらず、ノイズ混じりの声だが、僕はそんな声も好きだ。エラーは僕の手首を掴んだまま、離そうとしない。
「何って……反応してるか気になったから。それよりも、僕がキスしたの気づいてた?」
インクの目にクエスチョンマークが浮かぶ。ああ、そんな目もいとおしい。
「気づイてる二決まっテるだろ」
インクの手首を引き寄せる。彼の体は自然と、俺の方に傾く。裁縫道具を放り投げてインクの頭に手を置きながら、引き寄せられたその唇に食らいつく。ソウルがきゅんと締まったような気がする。
「ふ……んっ……」
「……舌ダせよ」
欲しいがままに言うと、インクは虹色の舌を出した。どうやら、欲しかったのは俺だけではなかったらしい。舌を掬うように弄び、口内で何度も絡める。
「んぅ、はっ……え、りゃ……」
くぐもったインクの声と、粘着性の水音が俺に満足感を与えていく。そのお返しと言うように、快楽を返す。頭から手を離し、スカーフの結び目に触れる。この体勢じゃしづらいことに気づいた俺は一旦口を離す。
「ふはっ……おわら、ないで、よぉ……」
「別二終わラせるタめじゃナイ」
スカーフの結び目に両手を添えて外すと、派手な音をたてた。白い脛椎が露になる。縛りや目隠しにしてやるのも面白いが、それは次のお楽しみにでもしておこう。そう決めた俺はスカーフを放り、インクをクッションに押し倒す。その目は桃色のハート。……期待しているらしい。ナニとは言わないが。
「……してくれるの?」
「恋人ノ望みは叶えルもんだロ?」
「……そうだね。いいよ、エラーの好きにして」
インクはふにゃあと笑いながらサスペンダーをはずしていく。そこまで言われちゃ我慢なんていらないよな。俺の欲望のままに、好きにさせてもらうとしよう。
インクが望むのだから。
知ってタぞ、お前の望みグらい。
最近エラインが尊すぎる、花影です。
誰かエラインの漫画描いてくださらないですかねぇとか考えながら生きてます。デジタルは難しい、誰か画力を私にください。
そういえばしおりが3件になりました。と同時にUAが1700突破してました。わお、すごいことになった……。皆様ありがとうございます!