「ちょっとセンパイ正気なんですか!?」
真っ昼間の部屋の中に、俺の絶叫(?)が響く。ぼんやりとしたその部屋の中で、ナイトメアが顔を歪めたのが見えた。
「うっせぇな、黙って従えって」
反論の声を上げる俺に対して、ナイトメアは手に持ったワンピースらしきものを押し付けてくる。いいや、それはワンピースらしきものとは言わない。彼が手にもっているのはメイド服で、これを着ろとさっきからせがまれているのだ。
「俺の言うことは絶対聞くってこの前の夜に誓ったのを忘れたのか?」
不機嫌そうだった表情が一変、いやらしい笑みへと変わっていく。
「この前の夜ってなんですか!? センパイとそんなことをした記憶はありませんよ!」
一瞬、言葉にするにはあまりにも恥ずかしすぎる光景が脳裏をよぎる。
「この前の夜はほっといて、俺の言うことは絶対聞く約束じゃなかったのか? 主従関係を結んだときのこと、忘れたのかよ」
いやらしい笑みを浮かべていたナイトメアの表情が一瞬にして不機嫌そうな表情へと戻る。(元)感情の守護者だけあってか、コロコロと変わるなこの人。
「あれを結んだのって確か……」
「お前が白い世界で叫んでいたときだったろ」
ナイトメアは面倒くさそうに手を片方の手を振った。
「それはどーでもいい。さっさとこれを着ろ」
そう言ってメイド服を押し付けてくる。俺は少しずつ後ろへと下がるがそれに合わせるように彼は少しずつ近づいてくる。
「嫌ですよ! いくらセンパイの命令だったとしても!」
「つまらねぇ男だな。そんなんだからモテないんだろ」
つまらないって言うな。あとモテないって言われてもよくわかりませんから俺。
「ったく……。そこまで拒むなら俺が脱がしてまで着せなきゃいけないな」
ナイトメアの口角が上がっていくのが見えてしまった。脳内に
「いいのか? それ以上拒むなら無理やり脱がすぞ?」
寒気がして、俺は自分の体を守るように両腕を回した。
「冗談……ですよね?」
「ほーう、つまり脱がされたいと」
「すいませんなにも言ってませんっ!!」
ヤケクソだ、もうどうにでもなっちまえ。俺はメイド服をひったくる。
「着たくなったのか?」
「……勘違いしないでください。貴方に脱がされるよりかは自分で着替えた方がマシですから」
俺はメイド服を見る。白いフリルや短めのスカートは男である俺にはとても似合いそうにない。でも脱がされるよりかはマシだ。……多分。
「そうかそうか。その気になってくれて嬉しいよ」
……この悪魔。
「……着替えましたよ」
そう言うと、ベッドに腹這いになっていたナイトメアはこちらを見た。その目はとても嬉しそうで、俺は嫌な予感を感じるのだった。
「予想通り似合っているな」
ドリームに劣らないぐらいの妖しい笑みを浮かべたナイトメアは親指を自分の方に返してベッドを指差した。俺は渋々ベッドに座る。その瞬間、ナイトメアはスカートの中に手を滑り込ませた。
「ひっ……!? なにしてるんですか!?」
「……
どうやら俺が穿いていたのかが気になったらしい。そうなら手を滑り込ませる前に言えばいいものを。下半身をはしる感触に体が震える。
「ん、どうしたんだ。体が震えているぞ」
少しだけ悪戯してやろう。そう決めた俺はクロスの大腿骨(ニンゲンでいうところの太もも)に触れて線をひくように掻く。
「ひぇっ……!? せっ、センパイっ……なにして、るん、ですかっ……」
クロスはびくりと体を震わせながらそう言った。俺がスカートに手を滑り込ませている状況が見たくないのであろう、目がぎゅっと閉じられている。頬は微かに紫色に染まっていて、俺の欲望を刺激した。
それにしても……この状況じゃ面白くない。今、クロスは俺から見ると横を向いていて、はっきり言うと物足りない。その表情を、声を、俺はちゃんと聞きたい。横からではなく、正面から。
俺はスカートから手を出すと同時に触手を出してクロスを横にさせ、その上から手首を掴んだ。簡単に言えば、俺がクロスを押し倒している。
「せ、せんぱ、んぅ……!」
なにかを言おうとしたクロスの口を塞ぐ。薄暗い部屋に粘着質な音と、くぐもったクロスの声が静かに響いた。欲望のままに、舌を絡めとり、彼が着ているメイド服のシャツのボタンを一つずつ外していく。ただ単に外していくのはつまらないので間隔をあけて外すことにした。
「はふっ……ちょっと、ダメ……ですよ……!」
「何がどうダメなんだ?」
クロスは荒い息を整えるのに必死らしく、答えない。俺はむき出しの脛椎に噛みつく。彼の体が大きく震え、甘い喘ぎが返ってきた。
「んぁ……せんぱ、い……」
「クク……ずいぶんいい声出すのな」
外せる範囲のボタンを外した俺はそのなかに手を滑り込ませて『あれ』を探す。十数秒ほどまさぐっていた俺はそれに触れることができた。小さな甘い声が聞こえる。
「みーつけた」
ナイトメアは黒い笑みを浮かべて手に持ったものを揉み始めた。体がびくびくと震える。
「んぅっ……揉んじゃ、ダメっ、です……!」
「そうなのか? そのわりには嬉しそうだけどな、お前」
それは嘘だと思いたい。……でも腰が少し揺れてしまったのはなぜだろうか。
「なあクロス。メイドの定番って知ってるか?」
「なん、ですか……それ」
ナイトメアがソウルを揉むのをやめてくれた。
「まあ簡単に説明すると、『客をなんて呼ぶか』だな。さてここで問題だ」
何の前触れもなくそう言ったナイトメアはまたしてもソウルを揉みはじめた。身体中を撫でられるような感覚に、体がびくんと跳ねる。
「俺のことはなんと呼べばいいだろうか?」
「んっ、はぅ……! わか、んない、ですっ……!」
足が震えはじめた。
「『ご主人様』。言ってみろよ」
答えを明かしたナイトメアはソウルを揉むのをまたやめて、俺の顔を覗きこむように見下ろしてきた。
「はぁっ……ご、主人様っ……」
息も絶え絶えにそう言った俺の目に水色の光が飛び込んできた。
「上出来だ」
「ええ? クロスのメイド服見たかったんだけど?」
「誰が見せるか」
お久しぶりです花影です。すいませんpixivの方にいました。pixivでも小説書いてるのでよろしければどうぞ。
リンク→https://www.pixiv.net/users/69979292
ちなみに最後の会話はDreamtaleの夢兄弟の会話です。
追記
8月2日(月)
pixivにも同じ内容を投稿しました。最後の会話文はありません。
リンク→https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=15728284