「ドリームよりもさ」
ラベンダー色の瞳を輝かせながら、僕の兄は言う。
「俺の方が愛してると思うんだ」
そして笑う。これがネガティブな感情の守護者だといったい誰が思うのだろうか。正直、僕でも分からない。
ナイトメアが何も言わずに僕の部屋に入ってくるのはいつものことだ。昔は『ちゃんと正面から入ってこい』とか『手続きをしたのか』とか言っていた気がするが、今はそれを言うことすら面倒になっている。
口に出すのもバカらしくなるくらい、ナイトメアは部屋の窓から入ってくるのだ。
「その確証はどこからあるんだ?」
「んー……」
ナイトメアは目をつぶる。無視してもどうせ視界に入ってくるのは分かってしまっているので、僕は書類から目を反らす。
「まっ、いろいろあるよ」
「答えになってない」
「いーじゃんか」
「いろいろとはなんだ。具体的に言え、具体的に」
「えー、なんで」
ナイトメアはぷくーっと頬を膨らませる。なんだかハリセンボンみたいだな、針はないけども。そして何故かつつきたくなる。
「あやふやな言い方をしたところで何にもならない。いいから具体的に言え」
「もー……分かったよ、言えばいいんでしょ、言えば」
最初からそうすればいいものを。可愛らしい兄だ。
「んーと、まずはその目が好き。俺とは正反対だし、キラキラしててとても綺麗だもんね。次に甘いものが好きなところ。俺にはよくわかんないけど。あとは、なんだかんだいって優しいところとか」
その目はさておいて甘いものがわからないとは……さすが辛いものばっか食べているだけある。
「ドリームは?」
「何がだ」
「ドリームは、俺の好きなところないの……あっ、あるわけないか」
言おうとした口がゆっくりと閉じる。和解したはずなのに好きなところをないと決めつけるのはどうかと思うのだが?
「あるわけないと思うか」
「えっ、あるの?」
「あるに決まっているだろう」
バカみたいに戦って傷ついて笑ってきた。例え対立関係にあろうと、嫌いになるはずがない、むしろ好きだ。
「じゃあ言ってみてよ。俺に言わせたんだから」
ナイトメアは挑発的な視線を向ける。その姿がなんとも誘惑的で、思わず唾を呑んだ。
「いいだろう」
僕は手を伸ばし、ナイトメアのケープを掴んで引き寄せる。目を見開いた彼と目があった。ラベンダー色の瞳に、僕が映りこんでいる。
「えっ、なに、急に……」
「言うぐらいなら、こうした方がいいだろう」
「ちょっ、それは反則……」
言うが否や。僕はナイトメアの後頭部に手を回してまた引き寄せ、口をつける。かつんという軽い音がした。
触れるだけの軽いキス。すぐに離れる。自分で思うのもなんだが寂しかった。舌でもねじ込めばよかったと今さら後悔する。
「ド、ドリーム……?」
頬を紫色に染めながら、ナイトメアを口を開く。体にはしる衝動、好きなところを言うよりも、その表情がもっと見たくなってしまった。
「……すまない」
軽く謝りながら、ナイトメアの背中と膝の下に手を差し込んで一気に持ち上げる。いわゆるお姫様抱っこというものだ。
「わわっ!! ちょっと、ドリーム、下ろせよ!」
「すまないな、兄弟が可愛くてな」
「理由になってないっ!」
ナイトメアはばたばたと足をばたつかせながらそう言う。その姿は子供を彷彿とさせた。可愛い兄がいてくれてよかった。そう思いながら、僕は寝室の扉を開けた。
兄弟が可愛くてよかった。
お久しぶりです……。この先は言い訳みたいなものなので見ても見なくてもいいです。あと長文なんで。
すみません最近はネタがないもので……いえ、ネタはあるんですけどいざ書き始めると「なんか違うんだよな」とか「書いたのはいいけど思ってたやつじゃない……ああダメだやり直し!」みたいな日々が続いてました。まあ八割はモチベーションが続かなかったです、飽き性ってつらい。そんなこんなでリクエスト募集してます……。「こんなの書いたら?」っていう感じでいいので活動報告に書き込んでくださるととてもありがたいです……!
リンク→https://syosetu.org/?mode=kappo_view&kid=260417&uid=326461
ところでくっそどうでもいいんですけど最近実況者にはまってしまいました。沼が深いや……。原作がないのでpixivにぽーんする予定です((どうでもいい
それではここら辺で終わろうと思います。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。