■メア様が死のうとしてます。
■もう意味わかんねぇ(やけくそ)。
■ドリメアとか書いてるけどそれ未満かもしれない。
以上が大丈夫な方のみどうぞ。嫌悪感を持たれた方は無理をせずブラウザバックを推奨します。
「……メア」
Dreamtale。ボクたち兄弟が、生まれ育った場所でもあり、惨劇が起こった場所。おずおずとボクが声をかけると、黒に覆われた物体がゆっくりと振り返る。
黒い体にシアン色の瞳。それはボクの兄であり、他人でもあった。もうそこには、昔の兄弟の姿はどこにもない。面影ひとつも。
「来たか。待っていたぞ」
約一時間前のことだった。寝ようとしていたボクに、一つの着信が来た。それはボクの目線の先にいるナイトメアからで内容は『Dreamtaleに来い。話したいことがある』というシンプルなものだった。かくしてボクは、あまり分からないまま故郷へとやってきていた。
「『待っていた』って……。どういうこと? それに、あのメッセージはなに?」
ボクはスマホを取り出してナイトメアに突きつける。『Dreamtaleに来い。話したいことがある』と書かれたメッセージの画面を。
「どういうこともなにも、すべてそのメッセージのままだ」
ナイトメアはプラスチックのような冷たさの声でそう言った。ボクはスマホをポケットにしまう。
「それは……メアだけじゃなくてボクも関わっているの?」
「ああ。お前がいないと成し遂げられないことなんだ」
何故か意味深な雰囲気を感じた。ボクがいないと成し遂げられないこと……? 彼はボクとは比べ物にならないほど、膨大な魔力を有している。ボクがいなくても、大抵のことはできるはずなのに……さっぱり理解できない。
「……もやもやするだろう? 早く核心に触れてほしそうな表情だな」
ナイトメアはその口の口角を上げた。
「そりゃ……そうに決まってるでしょ。本題に触れられずにここに来たんだから」
この感覚が嫌いだ。何も分からないまま、何も理解できないままのこの感覚が……。
「そうだな。でも、それは今すぐ分かるぞ。……本題に入ろうか」
ナイトメアの声のトーンが下がる。それだけで、周囲の空気の温度が一気に下がった気がした。ボクは思わず身構える。
「この世界……いや、物語というのは、大きく分けて二つに分かれる。『善』と『悪』だ。それはお前も理解しているな?」
「え……なに、急に?」
口を開けば、彼は何故か『善』と『悪』の話をし始めた。いったい何が言いたいのだろうか? 「理解しているな?」と言われ、ボクは分からないまましぶしぶ頷く。
「その二つは成り行きがほぼ決まっている。『悪』が勢いを盛んにしていても、いずれ『善』によって衰える。それは物語の常識とも言える。…………言いたいことは分かったか?」
ナイトメアはボクをじっと見つめる。確かに、物語というものは常に『善』と『悪』が存在している。そして、それは成り行きが決まっていると言っても過言ではない。『悪』が衰え、『善』が栄える。……まさか!?
ボクは思わず目を見開いた。嘘だ、ナイトメアの話していた通りなら、彼の言いたいことは……!
「……まさか、
言葉にするのも憚れることを口にする。お願い、嘘だと、嘘だと言って! お願いだよ……!
「正解」
そんなドリームの願いもむなしく、ナイトメアは悪戯が成功した子どものような笑みを浮かべて口を開いた。体の力が抜け、ドリームはその場にへたれこむ。
「正解、いや大正解だ。流石だ。流石、俺の兄弟だけある」
ナイトメアは笑いながらそう言うものの、それはドリームには届かない。打ち砕かれた淡い願い、彼の周囲からネガティブなオーラが漂うものの、ナイトメアはそれを吸収しようとはしなかった。
「…………で」
「ん?」
ドリームが微かに呟き、ナイトメアは笑うのをやめて彼に近寄る。ドリームは勢いよく顔を上げた。その顔は怒りや悲しみに満ちている。
「なんで、なんでなの!? なんで兄弟を殺さなきゃいけないの!? おかしいでしょ、そんなの……。お願い、嘘って言ってよ……」
ドリームは拳を固く握りしめ、叫ぶようにそう言った。彼の頬を、透明な液体が伝う。
「……ドリーム」
ナイトメアは弟の肩にそっと手を置いた。痛みがナイトメアを襲う。それに顔を歪ませながら、彼は口を開いた。
「さっきも言っただろ。『悪』が勢いを盛んにしていても、いずれ『善』によって衰える、って。俺たちがまさにそれなんだよ。俺は『悪』で、お前は『善』。悪と善は一緒にはなれない」
ナイトメアは事実をオブラートに包むことなく、はっきりとドリームにぶつけていく。ドリームは受け入れられなかった。例え兄が敵だとしても、彼は、自分の兄弟。生まれてからずっと一緒に生きてきたのだ。
「だとしてもぉ……もっと他の方法あったでしょ……! なんで、こんなの違う……!」
ナイトメアはゆっくりと顔を横に振った。
「……違わねぇよ。俺はな、『善』には戻れない根っからの『悪』なんだよ。それは世界にも影響を与える。悪い方のな。俺は取り返しの出来ないことをたくさんやった。モンスターもニンゲンも殺した、立派な犯罪者だ。そんなヤツには、正義の鉄槌が下るべきなんだろ?」
ナイトメアの言うことに、間違いはなかった。確かに、彼は目覚めた瞬間からモンスターやニンゲンを殺した。それは立派な犯罪。正義の鉄槌が下されるのは当たり前。だとしても、だとしても。ドリームはまだ受け入れられずにいた。
「……もう俺を殺してくれよ、楽にしてくれ。そうしたら、ドリームだって少しは楽になるだろ。安心しろ、闇AUの連中の記憶は消したから、俺が死んでも誰もなんとも思わないs」
「そんなことない!!」
それまでずっと口を閉ざしていたドリームが大声を発する。ナイトメアは思わず弟の肩から手を離した。
「俺が死んでも誰もなんとも思わない? バカじゃないの、なんとも思わないわけないじゃん! ボクや仲間たちをなんだと思ってるの!?」
ドリームは荒い息をつきながら口を開く。その目は本気だった。本気で彼は怒っている。兄の発言に、兄の行動に。
「闇AUの記憶は消した。自分の記憶は残らないから平気、なんて思わないでよ! 自分の仲間を置いて先に逝くつもり!?」
ドリームは荒いままの息を整え。
「……それ、兄弟がすべき行動じゃないよ」
と、冷たくそう言い放った。ナイトメアは顔を歪める。
「なあドリーム。お前は……俺のこと、嫌いじゃなかったのかよ」
「……確かに嫌いだよ。大嫌いだ。だけど、嫌いだからって殺したいほどじゃない」
むしろ、嫌いでも、一緒にいたい。これ以上、失うなんて嫌だよ……。ドリームの心からの思いだった。
「……俺は、俺はお前の仲間を全員殺した悪者なんだぞ? 悪者は許されるべきじゃない、それがお前の考えのはずだ」
「……そうだよ。悪者は許されるべきじゃないと思ってる」
「なら、今すぐ俺を」
「思ってるけど!! ……ボクは改心できると思ってる。根っからの悪を直すのは難しいかもしれない。それは分かってるよ。でも、手を取り合って協力することぐらい、ボクたちでも出来るんじゃないの……?」
ドリームは祈るようにそう言った。こいつは、本当に理解できない。俺を殺せる機会を作ってやったのに、それを断ったし。なんだよ、なんか死ぬ気なくした。
「……たく、この平和主義野郎が」
俺はドリームに近寄り、その手に触れた。
「え、メア……?」
「気が変わったよ。死のうと思ってたが、お前に手を貸して、用済みと判断してからお前を殺した方がマシだ」
そう言って、俺はドリームの手から離れようとした……が。
「なにそれ。意味わかんない」
がっちりと手を掴まれてしまった。クソ、変わった途端にうぜぇ。
「たまにはお前と協力することも悪くないってことだよ
。何度も言わせんな」
「あっはは、メアってば照れてる~?」
「うっせぇ!!」
故郷に、兄弟の声が響いた。
安心したよ。
こいつ、一周年まであと2日らしいっすよ? どうも花影です。
もうなんかいろいろとおかしくてすみません。死ネタは書ける気がしなくなってきました。そのうち頑張ってかくつもりです。一番最初に記述したのですが、8月23日は私がこのサイトで活動し始めてからちょうど一年の日ということで……一周年のお話でも書こうかなと思ってます! ……おまけになる可能性大ですけどね。そんなんクソどーでもいいわと思われるかもしれませんが、よろしくお願いします。