ちょこっとだけキラーくんがいます。
赤い刃が振り下ろされる。疲れきったオレの体は、それを避けることはできなかった。腹に、三日月のような赤い跡が刻まれる。
「はぁ……はぁ……どうやら、ここまでのよう、だな……」
口から赤い液体があふれる。それは光が差し込む床を赤く染める。目線の先には、かつての友人がいた。
「オレは……グリルビーズにでも、行こう、かな。……パピルス、お前も、腹が、減ってる、か……?」
目の前で、兄弟が笑っている。いつもの、屈託のない笑顔で。
ニンゲンに背を向け、足を引きずろうとしたそのときだった。
「待ってよ、サンズ」
後ろから、悪魔の声が聞こえてきた。この期に及んでなんなんだ。オレの足が止まる。
「僕はなんの理由もなしにここに来たわけじゃない。君に提案しに来たのさ」
口を開けばそんなことかよ。今さら提案なんざ遅いだろ。
「なにを、提案しに来たんだよ……この、クソ、ガキが……」
オレはゆっくりと振り返る。そこには、ナイフを持ったニンゲンの姿があった。
「まあまあ、少しぐらい聞いてくれたっていいじゃないか。君にとっても、僕にとっても悪くないと思うんだけど」
その顔が笑みを浮かべる。
「僕が君にしたい提案……簡単なことだよ。『僕と一緒に殺戮を楽しんでみない?』」
それを聞いて、俺は目を見開いた。
「Ha......なにを言い出すかと思えば……そんなのにノるわけねぇ、だろ……」
俺はまた背を向けて歩き出そうとする。
「それは本当なのかな?」
しかし、俺の足は、クソガキの発言によって止められた。
「本当に君は、そう思っているのかな?」
クソガキは笑う。オレの顔が歪む。
「ノるわけねぇ、だろ……。誰が、オマエと一緒に、殺戮を……楽しむってんだよ」
「あっはは、サンズ!」
クソガキは俺を指差した。悪魔のような笑みを浮かべながら。
「君はいつまでその仮面を被っているつもりなんだい?」
「か……めん?」
そう言われ、オレは自分の顔に手を当てた。寒い。
「そうだ! 昔のお前はそんなんじゃなかった。もっと純粋なヤツだった。なのに今となったらその顔に仮面を被せちゃってさ!」
キャラは俺の顔を指差しながら嘲笑うように笑う。オレのソウルの中で、何かが
「きっと気づいたんだよね? 自分がどれだけ祈っても、頑張っても、Resetでぜんぶ無駄になるってさ。そのうち、お前は壊れていった!」
ソウルの中で、黒い感情が渦巻く。
『兄ちゃん、大丈夫?』
『Hehe...平気、さ……』
口ではそんな嘘を何度も言える。けれど、本当は違った。大丈夫なんかじゃなかった。何度も何度も何度もResetを繰り返された。地上に出れたとしても、新しい王が誕生したとしても……。
どんなに幸せなことがあろうと、すべて、Resetされてしまった。
それからだ。オレが壊れていったのは。人前で作り笑顔しかできなくなったのは。
「僕が新しいことをすれば、お前はそれに反応した……。それと一緒さ、モンスターを皆殺しにしちゃおうよ!」
オレに手が差しのべられる。それは、悪魔の手。受け取ってはいけないもの。これを受け取れば、オレは……クソガキみたいな汚いヤツになってしまう。
「……断る。オマエみたいな、ヤツに……誰が、なるかってん、だよ……」
視界がぼやける。重力に従って、体が落ちていく。やがて、真っ黒がオレの視界を覆い尽くした。
「……今回もダメだったか。次の誘いかたを考えないとな……」
体が消える寸前、そんな言葉が聞こえた気がした。
そんな記憶が、あった気がする。
そんな誘いかたを、された気がする。
それを、断った気がする。
でも今は、そんなことなんてどうだっていいんだ。
だって……
殺すことにしか興味がないから♪
これ以上の楽しみなんてない。
一周年のお話書いて以来、なにも思い付かないでpixivにいた花影です。スランプってつらいですね。
9月7日(火)追記
明らかにおかしかった文章があったため修正しました!
恥ずかしすぎる……。