【UT_AU】雲外蒼天【短編集】   作:花影

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Classic→UndertaleのSans
ちょこっとだけキラーくんがいます。


47.誘い(Classic):*

赤い刃が振り下ろされる。疲れきったオレの体は、それを避けることはできなかった。腹に、三日月のような赤い跡が刻まれる。

 

「はぁ……はぁ……どうやら、ここまでのよう、だな……」

 

口から赤い液体があふれる。それは光が差し込む床を赤く染める。目線の先には、かつての友人がいた。

 

「オレは……グリルビーズにでも、行こう、かな。……パピルス、お前も、腹が、減ってる、か……?」

 

目の前で、兄弟が笑っている。いつもの、屈託のない笑顔で。

 

ニンゲンに背を向け、足を引きずろうとしたそのときだった。

 

「待ってよ、サンズ」

 

後ろから、悪魔の声が聞こえてきた。この期に及んでなんなんだ。オレの足が止まる。

 

「僕はなんの理由もなしにここに来たわけじゃない。君に提案しに来たのさ」

 

口を開けばそんなことかよ。今さら提案なんざ遅いだろ。

 

「なにを、提案しに来たんだよ……この、クソ、ガキが……」

 

オレはゆっくりと振り返る。そこには、ナイフを持ったニンゲンの姿があった。

 

「まあまあ、少しぐらい聞いてくれたっていいじゃないか。君にとっても、僕にとっても悪くないと思うんだけど」

 

その顔が笑みを浮かべる。

 

「僕が君にしたい提案……簡単なことだよ。『僕と一緒に殺戮を楽しんでみない?』」

 

それを聞いて、俺は目を見開いた。

 

「Ha......なにを言い出すかと思えば……そんなのにノるわけねぇ、だろ……」

 

俺はまた背を向けて歩き出そうとする。

 

「それは本当なのかな?」

 

しかし、俺の足は、クソガキの発言によって止められた。

 

「本当に君は、そう思っているのかな?」

 

クソガキは笑う。オレの顔が歪む。

 

「ノるわけねぇ、だろ……。誰が、オマエと一緒に、殺戮を……楽しむってんだよ」

「あっはは、サンズ!」

 

クソガキは俺を指差した。悪魔のような笑みを浮かべながら。

 

「君はいつまでその仮面を被っているつもりなんだい?」

「か……めん?」

 

そう言われ、オレは自分の顔に手を当てた。寒い。

 

「そうだ! 昔のお前はそんなんじゃなかった。もっと純粋なヤツだった。なのに今となったらその顔に仮面を被せちゃってさ!」

 

キャラは俺の顔を指差しながら嘲笑うように笑う。オレのソウルの中で、何かが(うごめ)いた気がした。

 

「きっと気づいたんだよね? 自分がどれだけ祈っても、頑張っても、Resetでぜんぶ無駄になるってさ。そのうち、お前は壊れていった!」

 

ソウルの中で、黒い感情が渦巻く。

 

『兄ちゃん、大丈夫?』

『Hehe...平気、さ……』

 

口ではそんな嘘を何度も言える。けれど、本当は違った。大丈夫なんかじゃなかった。何度も何度も何度もResetを繰り返された。地上に出れたとしても、新しい王が誕生したとしても……。

 

どんなに幸せなことがあろうと、すべて、Resetされてしまった。

 

それからだ。オレが壊れていったのは。人前で作り笑顔しかできなくなったのは。

 

「僕が新しいことをすれば、お前はそれに反応した……。それと一緒さ、モンスターを皆殺しにしちゃおうよ!」

 

オレに手が差しのべられる。それは、悪魔の手。受け取ってはいけないもの。これを受け取れば、オレは……クソガキみたいな汚いヤツになってしまう。

 

「……断る。オマエみたいな、ヤツに……誰が、なるかってん、だよ……」

 

視界がぼやける。重力に従って、体が落ちていく。やがて、真っ黒がオレの視界を覆い尽くした。

 

「……今回もダメだったか。次の誘いかたを考えないとな……」

 

体が消える寸前、そんな言葉が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな記憶が、あった気がする。

 

そんな誘いかたを、された気がする。

 

それを、断った気がする。

 

でも今は、そんなことなんてどうだっていいんだ。

 

 

だって……

 

 

 

殺すことにしか興味がないから♪

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これ以上の楽しみなんてない。




一周年のお話書いて以来、なにも思い付かないでpixivにいた花影です。スランプってつらいですね。

9月7日(火)追記
明らかにおかしかった文章があったため修正しました!
恥ずかしすぎる……。
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